平成27年3月に、ドイツのメルケル首相が7年ぶりに来日した際のことだ。

安倍首相が「この間、あなたは中国には何度も訪問しているのに、日本にずっとこなかったのはなぜか」と問うと、

メルケル氏はあっさりとこう答えた。

 「だって、日本の首相は毎年代わるから、会っても仕方がないと思って」

 あまり短期政権が続く国は、国際社会から相手にされなくなるのである。
 もちろん長期政権の利点は外交面だけでなく、経済分野にも及ぶ。
証券業界幹部は「海外投資家らにとって、日本には2つのリスクがあるとされてきた」と述べ、こう強調する。

 「一つは自然災害で、もう一つは短期政権による混乱が続く政治だ。それが現在は安定しているので、安心して投資でき、株高につながっている」

 米国を除く11カ国での環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や、今月妥結した日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉…。
短期政権では頓挫していただろう構想や政策は少なくない。

 安倍内閣に対しては、長期政権化による有権者の「飽き」が指摘される。少なくとも長期安定政権は国民にとって大きな財産だといえる。

http://www.sankei.com/politics/news/171226/plt1712260011-n2.html