『安倍首相、過去の「忖度の余地はない」で集中審議が大荒れ
 改ざん前の文書に言及した。』

2018/03/19 12:04
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学校法人・森友学園への国有地売却をめぐり、参院予算委員会は3月19日、財務省の決裁文書改ざん問題の集中審議をしている。

午前中には、委員会が大荒れになる一幕があった。「忖度」の有無について、安倍晋三首相が答弁した内容をめぐる議論だ。

民進党の大野元裕議員の質問に答えた。

大野議員は、安倍首相が2016年3月にした「忖度」にまつわる答弁に言及している。その内容はこうだ。

「私の妻がここに講演に行ったことも近財局長(近畿財務局長)は全く知らなかったわけでございまして、そういう意味においては、当然忖度の働く余地は全くなかったと言ってもいいのではないかと、このように思います」

ここで安倍首相は、「権限のある人間が知らなかったら忖度する余地はない」という論理を示している。

今回の文書改ざんでは、「普通財産の貸付けに係る特例処理について」という決裁文書に、昭恵夫人の名前が記されていたことが明らかになっている。「安倍首相夫人が学園の教育方針に感涙した」などという記載だ。

大野議員はこの点を追及。「権限のある人間は知っていたということになるので、総理のご答弁にあった忖度の余地はないという論理は崩れていませんか」と指摘した。

■「そういう記述はない」

これに対し、安倍首相はあくまで3月の答弁は「売買」に関するものだ、と指摘。昭恵夫人の名前が記されていた文書は「貸し付け」に関するものだとし、その違いを強調した。

答弁をめぐり、委員会は速記が2度止まるほど紛糾した。

ただ、安倍首相は一貫して、改ざん前の文書によって「私や妻が関わっていないということはむしろ明らかになっている」と述べている。指示や関与に関する言及は一切ないからだ。

そのうえで、安倍首相は「忖度」についてもこう否定した。

「忖度されたか、どうかというのは私は正確にお答えしようがない。しかし、忖度したか、しないかで言えば、この文書のなかにおいて、一回も私の妻がお願いをしていることは出ていないわけですから、それは明らかでしょう」

そもそも、忖度とはどういう意味なのか。三省堂国語辞典を引くとこうある。

(相手の気持ちを)おしはかること。推測。「意向をーする」

改ざんされた決裁文書には、「忖度」したと明言している箇所はない。安倍首相はさらに、こうも答弁した。

「中身を見ていただいても忖度したという形跡はない。忖度したならそういう記述があってもしかるべきでしょう」