河北新報 2018年03月16日金曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180316_63010.html

 東京電力福島第1原発の廃炉に向け、取り出しを目指す溶融燃料(燃料デブリ)やがれきなどを
分析する日本原子力研究開発機構大熊分析・研究センターの施設管理棟の開所式が15日、
福島県大熊町の現地であった。当面は分析技術の開発や訓練を続け、体制が整う2021年以降に分析を始める。
 
 センターは第1原発西側の隣接地約7ヘクタールを東電から借りて整備している。管理棟は鉄筋4階、
延べ床面積約4800平方メートル。事務室や会議室のほか、遠隔操作で放射性廃棄物をつかむロボットアームや
飛散しやすい試料を扱うグローブボックスの訓練用設備などを備える。

 がれきなど中・低線量の廃棄物を分析する第1棟は20年度末の完成を目指して建設中。溶融燃料など
高線量の放射性物質を扱う第2棟も今後整備する。放射性物質の割合や硬さなどを把握し、燃料取り出しや
廃棄物処分に必要な技術開発につなげる。
 
 原子力機構の児玉俊雄理事長は「廃炉には溶融燃料などの分析が必須。長い期間がかかる廃炉作業に
貢献していく」と話した。