(2018/03/12-19:48)時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018031201071&;g=soc

 4月から有期契約労働者の「無期転換ルール」が本格適用されるのを前に、解雇や契約更新の拒否といった「雇い止め」に関する相談が急増している。日本労働弁護団が今月3日に行った無料電話相談では103件、2月の連合の電話相談でも雇い止めを中心に3日間で752件の問い合わせがあった。無期転換を回避するために解雇し、業務委託に切り替えるなど悪質な例もあるという。
 無期転換ルールは、契約期間が通算5年を超えた有期契約の労働者が、定年まで働ける無期契約に転換できる制度。2013年4月施行の改正労働契約法で定められ、5年後に当たる今年4月から権利を得る労働者も多いとみられる。
 無期転換が進めば労働者は生活が安定するが、企業側には、解雇がしにくくなり人件費の増加につながるとの懸念がある。同弁護団に労働者から寄せられた相談では、5年以上働けないように有期契約の規則を改訂し、無期転換を回避する企業が多かった。
 また、労働条件の切り下げを提案し、拒否したら解雇するケースや、突然試験を導入して契約更新しない例も少なくないという。同弁護団の棗一郎幹事長は「昨年の暮れから相談が増えてきた。法律違反の可能性がある事例が相当ある」と話す。