毎日新聞 2018年3月12日 09時03分(最終更新 3月12日 10時10分)
https://mainichi.jp/articles/20180312/k00/00e/040/176000c

 加計学園の獣医学部新設に関し官邸の関与を主張してきた文部科学省の前川喜平・前事務次官は10日、
岐阜市内で「国家戦略特区としての認定条件を満たしているとは到底考えられない。“裏口”設置認可だ」
と厳しく批判した。講演後、参加者との質疑応答で述べた。

 学校法人「森友学園」への国有地売却の担当部署にいた近畿財務局職員の自殺にも言及。「良心と組織の論理の板挟み。ただ別の方向に勇気を使ってほしかった。組織の一員としての意識が強かったのだろう」と語った。

 講演では、小学校で4月から始まる道徳の教科化に関し「教科書は個人の尊厳や個性より自己犠牲や
自己抑制を基本にしている」と批判。「一つの結論に導こうとしているストーリーがたくさん書いてあり、
文科省が現場に求めている授業と教科書の内容の隔たりが激しい」と指摘した。
【岡正勝】