March 8, 2018  アサヒグローブ
http://globe.asahi.com/feature/side/2018030300001.html

外国人技能実習制度は、いったい誰のためにあるのか。日本の技術を途上国に伝える「国際貢献」という建前と、労働者不足を補うという実態のギャップは、さまざまな不正や悲劇を生んできた。実習生側だけでなく、制度の恩恵を受けているはずの経営者や海外の送り出し会社までもが、制度への不満をあらわにしている。(GLOBE記者 浅倉拓也)

■1人20万円のキックバックも

送出機関との不適切な関係についての注意喚起――。昨年12月、法務省入国管理局などが、実習生を受け入れている監理団体に文書を出した。その2日前に、テレビ東京のドキュメンタリー番組が「不適切な関係」を報じたからだ。日本の監理団体が、実習生を送り出すベトナムの業者に対し、実習生を1人受け入れるごとに「キックバック」を要求している、という内容だった。

監理団体とは、実習生を受け入れるための組織だ。実習生のほとんどは中小企業や農家などで働いているが、建前は「技能実習」なので、こうした小規模の事業者が直接受け入れるのではなく、事業協同組合のような「監理団体」が受け入れ、傘下の企業などで「実習させる」仕組みになっている。

監理団体は「非営利」だが、諸手続きや実習生らのケアを理由に、毎月の「監理費」を、実習生が働く企業などから取っている。実習生1人につき、月3万円前後が多いようだ。地域の同業者などでつくる監理団体もあるが、業種に関係なく、全国規模で実習生を送り出している団体も多くあり、「実習生ならお任せ下さい」などと中小企業に盛んに売り込んでいる。

ベトナムの送り出し会社から監理団体への「キックバック」は、関係者にはよく知られた話だ。ある送り出し会社で働くベトナム人女性は「1人につき5万〜20万円が相場。実際に、友人の送り出し会社は20万円を払っている」と証言する。

■雇用者まで「これは人身売買」

(以降ソースにて)