時事ドットコムニュース(2018/02/21-19:06)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022100801

 2018年春闘で賃上げのリード役となるトヨタ自動車は21日、愛知県豊田市の本社で
第1回の労使協議を行い、賃上げ交渉を本格化させた。基本給を底上げするベースアップ(ベア)に関し
経営側は「トヨタの賃金は(他社と比べ)極めて優位性がある水準」と指摘、一律の大幅賃上げに慎重な姿勢を示した。

 トヨタの業績は回復傾向にあるが、自動車業界では車両の電動化など次世代技術をめぐる開発競争が激化している。
豊田章男社長は冒頭、「競争力強化のために解決すべき課題は何か議論を尽くしてほしい」と述べた。

 トヨタ自動車労働組合は18年春闘で、ベアに相当する賃金改善分として月3000円、
定期昇給に当たる賃金制度維持分を加えて合計で月1万300円の賃上げを求めている。
賃上げ率は2.87%。年間一時金は6.6カ月分を要求した。

 これに対し経営側は「近年はメリハリのある『人への投資』を行ってきた」と主張。全組合員一律の賃上げではなく、
家族手当増額を前倒しした前年のように配分を工夫する考えをにじませた。一時金についても
「要求水準は極めて高く、そのまま応えることはできない」と厳しい姿勢を示した。