2018/1/19 17:46神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201801/0010911652.shtml

文部科学省の前事務次官で、加計学園問題で「総理の意向」などの文言が含まれる記録文書の存在を明らかにした前川喜平氏がこのほど、神戸市中央区の兵庫県民会館で約800人を前に講演した。同問題について「民主国家としてあってはならない。国民がたださないといけない」と政権を批判した。

 講演会は、教職員組合などでつくる実行委員会の主催。

 前川氏は、国家戦略特区を活用して加計学園が獣医学部を新設する計画について「不公正、不透明、不公平。後付けの条件で別の大学を落とした」と指摘。2015年春、同学園や愛媛県、同県今治市の担当者が首相官邸を訪れたことに触れ、「事務担当の首相秘書官と国家戦略特区の申請を申し合わせたのではないか。その後の提案も内閣府が関与していた可能性が高い」とした。「私も首相補佐官から『早くつくれ』とせかされた」と明かし、獣医学部新設に首相の意向が影響し、「行政がゆがめられた」と結論付けた。

 また、小中学校の道徳の教科化について「検定教科書を使用するのが問題。教科書の内容も個人より集団の決まりを優先させる内容のものがあり、目指すべき『議論する道徳』とはかけ離れている」と指摘した。(井上 駿)