美術品、建物の公開促進=公益目的の信託可能に−法制審試案
2017年12月12日19時05分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2017121201023&;g=pol

 法制審議会(法相の諮問機関)の信託法部会は12日、個人や団体の財産を公益のために活用する公益信託制度について、金銭以外の信託も可能にする中間試案をまとめた。
個人などが所有する美術品や伝統的建物などの一般公開を進める狙いがある。
法務省は1月から意見公募(パブリックコメント)を行い、法制審の答申を経て、2019年通常国会への公益信託法改正案提出を目指す。

 公益信託は、個人や団体が委託した財産を、受託者である信託銀行が公益目的で管理・運用する制度。信託された財産には贈与税や相続税は課されない。
信託可能なのは金銭のみで、主務官庁の認可を経て奨学金支給や学術研究・社会福祉事業への助成などに活用されている。
 新たな制度では、金銭以外も信託できるようになる。
法務省は貴重な美術品や歴史的価値のある建物などの公開や、経済事情が苦しい学生が入居する学生寮の運営などの公益事業化が進むと期待している。
不動産を公益目的で運用する場合、公益財団法人の設立など費用や手間がかかると指摘されていた。