特別国会は9日閉会し、永田町では野党を中心に政界再編に向けた動きが加速しそうだ。翌年の政党交付金の確保を目的に、これまでも年末になると新党結成や議員の引き抜きが行われてきた。民進党分裂劇に迫った新著『“小池”にはまって、さあ大変!』(ワニブックスPLUS新書)が話題となっている、ジャーナリストの安積明子氏に、立憲民主党と希望の党、民進党の展望について聞いた。

 「立憲民主党が野党第1党になったのは、『小池百合子都知事(当時、希望の党代表)に排除された、かわいそうな人たち』という同情票も大きい。だが、党内モラルや政策をみれば、政権を担える政党ではない。期待もしぼんでいくでしょう」

 安積氏はまず、こう言い切った。

 党内モラルとは、ひどい女性醜聞が報じられた青山雅幸、初鹿明博両衆院議員への「大甘処分」のことだ。除名を避けた対応について、安積氏は「その程度のモラルしかない」と言い切った。

 朝鮮半島情勢が緊迫するなか、安全保障法制や憲法改正に反対を貫く「ガラパゴス左派色」の強さも、安積氏が「政権を担えない政党」と考える理由の1つだという。

 小池氏が立ち上げ、玉木雄一郎代表が引き継いだ希望の党はどうか。共同通信の最新世論調査では、政党支持率は3・2%で、立憲民主党の12・5%に遠く及ばない。

 安積氏は、玉木氏について「埋没への危機感が強いが、『小池カラー』を払拭できていない」と指摘し、続けた。

 「小池路線と相いれない現職議員に加え、衆院選で落選した人たちは、『希望を離脱した場合、損か得か』を見極めようとしている。キャリアが浅い玉木氏に、党内をまとめる力量・貫禄があるか、心許ない」

 残る民進党は、前出の世論調査で支持率1・8%だった。

 大塚耕平代表は「全員が、この党を中心とした勢力が再生し、与党と対峙(たいじ)できる固まりになっていくことを目指している」と語るが、実態は違うようだ。

 安積氏は「民進党という党名への嫌悪感は浸透している。立憲民主党が、民進党の参院議員や地方議員を離党させて受け入れることはあり得る」といい、野党再編の可能性を示唆する。

 2019年参院選まで2年を切るなか、自分たちの生き残りもかけて、センセイたちが右往左往する師走となりそうだ。

https://news.infoseek.co.jp/article/12fujizak20171212009/