http://blogos.com/article/258406/

 政治がまったくつまらなくなった。その理由は、小池・前原の「踏み絵」により、民進党が見事に分断され、共産党主導の野党共闘が終ったからだ。しかし、その恨みつらみを小池・前原にぶつけるのはお門違いだ。その原因は民進党そのものの内部矛盾にあったからだ。

 そして、その内部矛盾は、希望の党の代表に玉木雄一郎という保守政治家が圧倒的多数で選ばれた事によって、あらためて今も続いている事を露呈した。まけに、選挙に強い無所属の連中、つまり、かつての民主党政権の中枢を占めていた連中は、みな保守だ。

 そんな中で、枝野立憲民主党が動きが取れなくなっている。右にも左にも、文字通り右顧左眄しなければ、発展どころか、その存立そのものも危うい。野党第一党がこれだから、政治がつまらなくなるのも無理はない。

 しかし、野党には、唯一、最大の起死回生策が残っている。それは、森友・加計疑惑の追及である。まさしく安倍首相が逃げまくっているのがこの問題であるからだ。だから野党はこの森友・加計疑惑に一点集中して追及すべきなのだ。

 しかも、その追及は安倍夫妻の関与に一点集中しなければいけない。なぜなら、この疑惑は、こよなく安倍首相夫妻の疑惑であるからだ。安倍首相が逃げ回っていることもまさしくそれにある。自分たちが直接かかわった事は絶対にないと繰り返すのも、まさしく、安倍首相の危機意識の裏返しである。

 これは、言い換えれば、自分たちの直接関与が証明されなければ逃げ切れると言っているようなものだ。自分たちの直接関与が証明されない限り、その他のどのような不都合も、その不都合をひとつひとつ是正出来れば、逃げ切れるという事だ。森友疑惑では財務官僚のトカゲの尻尾きりで逃げ切れるし、加計疑惑では指摘されている獣医学部の不備については、文科省の認可が出来るように、どんどんと是正していけばいいのだ。

 ならば野党の追及は、あれも、これも、と分散してはいけない。安倍首相夫妻の直接の関与の有無の一点に絞って集中攻撃するのだ。動かぬ証拠を探し出し、その一点に絞って、国会質問を分担・協力するのだ。まさしくこれからの野党共闘はそこに集中すべきだ。野党が質問時間を増やせと要求するのはいい。

 しかし、いくら野党が質問時間の要求を勝ち取っても、これまでのように野党が同じ様な質問を、バラバラのまま繰り返していては意味がない。安倍夫妻を追い込めない。繰り返して野党に助言する。野党は、来るべき国会で、もはや安倍首相の安保法制や改憲を攻めるより、森友・加計疑惑追及に一点集中すべきだ。

 そして安倍夫妻の関与と権力の私物化に一点集中して、動かぬ証拠をつきつけることに、すべてを賭けるべきだ。そうすれば安倍首相を追いつめる事が出来る。安倍首相を辞任させる事すら出来る。安倍首相を辞任させる事が出来れば、安保法制や改憲は吹っ飛んでしまう。はたして今の野党にそれが出来るか。その覚悟があるか。これからの政局の最大の課題はそこにある(了)