http://www.sankei.com/politics/news/171102/plt1711020020-n1.html

 東京都小平市が毎年度、約200万円の補助金を拠出する「小平市ごみ減量推進実行委員会」の支出に使途不明金があることが1日、分かった。市が明らかにした。同委が、小平市にある朝鮮大学校内の架空の組織と、存在しない印刷会社にそれぞれ、ポスターのデザイン料と印刷代金を支払ったとする会計報告を市に行っていた。市は補助金が不正に使われた可能性が高いとみて調べている。

 市によると、委員会が平成25−29年度の毎年度、毎年恒例の「こだいら環境フェスティバル」(市・同委主催)のポスターデザイン制作を朝鮮大学校に、ポスターの印刷を武蔵村山市の「福島グラフィック」に発注したとして、計約50万円を支払ったとする会計報告を小平市に行っていた。いずれの支払いも市による補助金が原資になっている。

 ところが、市の1日までの調査では、28、29年度にデザイン制作を請け負った「朝鮮大学校装飾」は校内の組織としては存在していなかった。さらに同委は、「福島グラフィック(株)」が発行者として明記された領収書を25年度から毎年度、受け取っていたのにもかかわらず、記載された領収書の所在地に同社が存在していなかったことも判明した。

 同委の事務局がある市資源循環課は「委員会メンバーの名前は個人情報なので言わない。取材も受けさせない。24年度以前の領収書は破棄した」としている。

 補助金をめぐっては、市は4−29年度の毎年度、約200万円を支出。これまでに計約5千万円が同委に拠出されている。フェスティバルを含めた各種イベントでも、同委が同校から飲食物を購入し販売していた。

 同委には、少なくとも同校職員2人と元職員1人の計3人が1日時点で在籍。うち現職1人が会計担当、元職員は副実行委員長を務めている。市は4年に同委を立ち上げた際、同校に参加を要請。同年以降、同校関係者3人が中核メンバーとして活動してきた。同校は産経新聞の取材に対し、「断る」としている。

 小平市の小林正則市長は今年6月の市議会で同校在校生や職員の動向について「市の中で問題行動を起こしたり、懸念される事件・事故も起きたりしていない」とした上で「外国人であろうと、どこの国籍であろうと、人が暮らしていく上で不自由のない生活を行政サービスとして提供していく」と述べていた。

 同校は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を崇拝。昨年5月には「大学内で米日帝国主義を壊滅できる力をより一層徹底的に整える」と明記した手紙を金正恩氏に送り、その後に張炳泰(チャン・ピョンテ)学長が朝鮮総連の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長からの要請を受け米国圧殺運動の展開を在校生に指示していた。

 さらに張氏は同年8月、同校教育学部など3学部の在校生約60人を「短期研修」の名目で北朝鮮に派遣。金正恩氏に対する崇拝の念を北朝鮮当局からの指導を通じ、醸成させた。

 朝鮮大学校 昭和31年、東京都北区の東京朝鮮中高級学校内で創立し、34年、小平市に移転。43年、美濃部亮吉知事(当時)が各種学校として認可し、固定資産税が免除されるなどさまざまな税制上の優遇措置を半世紀近く受けている。