https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000053-mai-bus_all

 今回の衆院選は選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて初めて実施される。各候補者や各党は10代票の取り込みを目指すが、投票日の22日には来年の大学入試を控えた受験生にとって重要な全国模擬試験がある。そもそも受験勉強に追われて、選挙が遠い存在になっている若者たちも少なくなさそうだ。【横田伸治、斎川瞳】

 ◇試験終了午後8時 前日までは塾

 「悪いけど、お父さんの選挙どころじゃないよ」。愛知県のある男性候補者は、高校3年の長男(18)からそう言われた。22日にある全国模試を受けるため、投票には行かないという。それならと男性は期日前投票を勧めたが反応はいまいちで、「どうも受験のことで頭がいっぱいみたいだ」と苦笑した。

 大手予備校の河合塾(名古屋市千種区)は22日、大学入試センター試験に対応した全国統一マーク模試(東海、九州地区は全国統一記述模試)を実施する。多くの受験生がセンター試験を受けるため、同模試も例年、約30万人が参加している。河合塾の担当者は「本番で2日間かける試験を模試は1日でこなす。時間的にも体力的にも当日、投票に行くのは難しいだろう」と話す。

 駿台予備学校(東京都千代田区)も22日、一橋大、名古屋大、東京工業大、九州大の各入試を想定した「実戦模試」を予定している。これらの大学を目指す受験生の多くが受けるとされる。

 いずれの模試も試験時間は午前9時ごろから午後7、8時ごろまで。原則として午前7時〜午後8時の投票受付時間と重なる。

 愛知県安城市の高校3年、木村大雅さん(18)の手帳は、塾や模試の予定でびっしり埋まっている。「模試があるので投票には行けない。そもそも受験で忙しく、選挙について調べる余裕もない。模試がなくても投票には行かなかったかもしれない」と話す。

 一方、名古屋市の高校3年、金子雄太さん(18)は「22日は高校で一斉に模試を受けるから投票に行けないが、先生から期日前投票を勧められた。友達と一緒に行くつもり」という。ただ、「毎日学校や塾があるから、いつ行けるか分からない」とも語った。