日刊ゲンダイDIGITAL 2017年10月13日
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「与党300議席超」――小池知事率いる「希望の党」の失速で自公が勢いづいている。大手メディア各社の衆院選序盤情勢調査によると、過去に問題を起こした大臣経験者の大半がまさかの“当選確実”。優位に選挙戦を展開しているのだ。

 筆頭は、日報隠し問題で8月の内閣改造直前にクビを切られた稲田朋美前防衛相(福井1)だ。

「前回は公示後に3日程度しか地元に戻らなかったのに、今回は頻繁に地元に入り支援者への“お詫び行脚”を続けています。涙ぐみながら『初心に帰って頑張ります』と弁明したり、時には媚びるような笑顔を浮かべて許しを請うています」(地元記者)

 加計問題では、獣医学部新設への関与が疑われた萩生田光一幹事長代行(東京24)は盤石。疑惑の“火消し役”を担った山本幸三前地方創生相(福岡10)と松野博一前文科相(千葉3)もリードしている。

「萩生田さんは街宣では、地元・八王子市の公共事業の話ばかり延々と続けます。加計問題については『か』の字も口にしません。『もう誰も問題視していない』とタカをくくっているようなのです」(地元関係者)

 安倍首相の“盟友”たちも当選圏内だ。政治団体「博友会」の「政治とカネ」が問題視された下村博文元文科相(東京11)と、“口利きワイロ”疑惑が原因で「男泣き辞任」した甘利明元経済再生相(神奈川13)はともにテッパンである。

 国会答弁で「役所の原稿を朗読する」と失言した江崎鉄磨沖縄・北方担当相(愛知10)は優勢。「震災があったのが東北の方でよかった」と言い放った今村雅弘前復興相は比例九州ブロック3位に入り、ほぼ当選圏内だ。“パンツ泥棒”疑惑の晴れない高木毅元復興相(福井2)は余裕シャクシャク。共謀罪法を巡ってトンデモ答弁を連発した金田勝年前法相(秋田2)も接戦を一歩リードしている。

 これだけの疑惑大臣の“ミソギ”を許していいのか。国民はいま一度思い返した方がいい。