閣僚資質問われた1年 失言連発、都合悪い事実は切り捨て 
東京新聞:2017年8月3日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017080302000145.html

 安倍晋三首相は三日、内閣改造を行う。
ちょうど一年前の昨年八月三日に発足した第三次安倍再改造内閣は、閣僚が問題発言を連発し、政権に都合の悪い事実に正面から向き合わないなど、その資質や姿勢が問われた。
改造を前に、この一年間を振り返る。

 資質が最も問われた閣僚は、今回の内閣改造を待たず七月二十八日に辞任した稲田朋美防衛相だ。
辞任の直接の理由は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題の監督責任だが、それ以外にもさまざまな発言や行動を繰り返した。

 学校法人「森友学園」問題では、国会で事実と異なる答弁をし、撤回、謝罪に追い込まれた。
東京都議選での応援演説は「自衛隊の政治利用に当たる」と批判された。
また、昨年十二月、首相とともに米・ハワイの真珠湾を慰霊訪問した翌日に靖国神社に参拝したことも批判を集めた。

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を所管する金田勝年法相は、国会審議で答弁に窮する場面が目立った。
「私の頭脳では対応できない」という珍答弁も飛び出した。
野党からは繰り返し資質を批判され、衆院で法相不信任決議案、参院で問責決議案を突きつけられた。

 重い米軍基地の負担に苦しむ沖縄県に寄り添うべき閣僚である鶴保庸介沖縄北方担当相は、
沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題で、「差別だと断じることは到底できない」と言い放ち、撤回も謝罪もしなかった。

 山本有二農相は、環太平洋連携協定(TPP)の審議に関して、強行採決に言及。
さらにこの発言を「冗談」としたために、TPPの審議日程に影響した。

 学校法人「加計(かけ)学園」問題では、「総理の意向」と記された文書を、菅義偉(すがよしひで)官房長官が「怪文書みたいだ」と切り捨てた。
この「怪文書」発言は、政権に都合の悪い情報に正面から向き合おうとしない姿勢の典型例のように扱われた。

 こうした一連の問題発言や不誠実な対応は、内閣支持率にじわじわと響き、都議選の大敗につながった。



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