連合がいよいよ本性剥き出し 明確に大企業本位に軸足を移す 民進党は連合と見切りをつけよ
猪野亨:札幌の弁護士
アゴラ:2017年07月18日 16:11
http://blogos.com/article/235268/
(全文は掲載元でどうぞ)

 残業代ゼロ法案と言われた「高度プロフェッショナル制度」を柱とした労働基準法改正案に対して、連合が事実上、容認する方針に転換しました。

 財界が強く要求してきたもので、連合としても本音としては「賛成」したかったのでしょうが、曲がりなりにも労働組合を名乗る連合としてはなかなか踏み切れずにいたところへ、
東京都議会議員選挙で民進党が惨敗し、しかもその民進党が来るべき衆議院選挙では共産党との選挙協力を模索しているとあって、露骨に方針を転換し、安倍自民党に擦り寄ったわけです。

■安倍政権に擦り寄る連合
http://blog-imgs-114.fc2.com/i/n/o/inotoru/2017071809034593b.png

 連合の民進党離れは加速しています。連合の実権を握っているのは大企業で組織されている労働組合であり、旧総評系の官公労は連合内での影響力を低下させています。

 連合の神津里季生現会長に代わり、旧同盟系の逢見直人事務局長が後任となる見込みです。今回の残業代ゼロ法案を推進した中心人物です。
神津氏の続投を求める声も一部の官公労にあるようですが、逢見氏よりはましという発想なのでしょうが、これまでの神津執行部の姿勢は逢見事務局長が推進してきたことからも、大差はありません。

 連合の目的は所属企業の利潤を上げることであって、従業員の生活を守ったりはしません。
企業の利益が上がらなければ労働者への還元はありませんから、その意味では企業の利潤を上げることには本来、労使の対立はないはずなのですが、連合系の特徴は、従業員の犠牲の下に会社の利潤を上げる点にあります。

 つまり利潤の確保の仕方が、対外的に売上を増加させて利潤を上げるのではなく、会社のリストラにも抵抗せず協力することで企業の利潤を上げることに貢献するところに特徴があります。

 しかも重要なのは、ユニオンショップ協定とチェックオフにより、会社の後ろ盾により組織を強化している点です。
財政基盤を会社側に握られているようなもので、決して対決姿勢になるなどということはないということです。
これだけでも御用組合と呼ぶに相応しいのが連合です。

 自ら組合員を組織してきた官公労や中小企業の労働組合とは全く性格が異なります。
 その連合が自民党に擦り寄ったのですから、連合の立ち位置が明確になりました。
 労働者の青天井の残業にお墨付きを与えたのが連合だということです。
 現状では、年収1075万円以上の専門職が対象ということになっていますが、一度、制度が導入されれば、その後はなし崩し的に対象が拡大されていきます。

 中曽根康弘内閣のときに大型間接が一度、廃案になったものの「消費税」という名称と5%から3%に税率を引き下げて形を変えて導入が強行されましたが、その後、なし崩し的に8%にまで税率がアップしたのと同じです。

 制度の導入よりも対象を拡大する方がハードルははるかに低いのです。

 安倍政権の支持率が急落する中で、連合が手を貸すとは、もはや労働組合の名に値しません。
 従業員からユニオンショップ協定により組織を巨大化させ、チェックオフにより従業員からむしり取った財政で肥大化した連合は、本性を現したというべきものです。

(中略)

 民進党は、いつまでこのような連合に依存しようとういのですか。
 連合などに集票力がないのは、新潟県知事選挙など各種選挙で明らかになっていますが、当たり前のことです。
組織数こそ多いものの、ユニオンショップ協定により無理矢理、組合員にさせられているだけなのですから、そこに集票力を期待する方が間違っているのです。
 民進党はさっさと見切りをつけるべきです。

(以下省略)