若狭勝衆院議員が年内にも小池百合子東京都知事が率いた「都民ファーストの会」の国政政党を設立する可能性に言及したことが波紋を広げている。若狭氏ら無所属の国会議員4人が都議選で都民ファーストの候補を支援し、「国会議員5人以上」との政党要件を満たすハードルは低い。特に民進党は東京が地盤の議員に「離党予備軍」が多いとされ、執行部は警戒を強めている。(奥原慎平)

若狭氏は10日、産経新聞の取材に「都民ファーストが都議選で訴えたことを国政レベルで一緒にできる人が集まり、新党を作るのが自然な流れだ」と述べ、新党の設立に重ねて意欲を示した。都民ファーストの候補を支援した松沢成文参院議員も10日、長島昭久衆院議員と週内にも「国政政党の第三極のあり方」などをめぐり意見交換する意向を明らかにした。

 松沢氏は年末までに都民ファーストの国政進出をめぐる動きが出るとした上で「(新党の)政策理念や人材について、みんなで議論して収斂(しゅうれん)させないといけない」と述べた。

 日本維新の会を除名された渡辺喜美参院議員も小池氏と連携を強める一人だ。6月24日の記者会見で新党は「作るつもりはない」と否定したが、「(小池氏の進める)東京大改革は人ごとでない」とも述べた。

 仮に4人が新党に加われば、政党要件を満たすまであと1人となる。戦々恐々としているのが民進党だ。野田佳彦幹事長は10日の記者会見で「全国で今の自民党に対抗して受け皿になれる政党は野党第一党のわれわれだ」と強調したが、旧維新の党出身者で、東京が地盤の議員の離党を懸念する声が広がっている。

 このうち柿沢未途前役員室長は都議選候補だった妻が民進党を離党し、都民ファーストの推薦を得た。柿沢氏は取材に「個人のコメントは控えたい」と述べた。

一方、都民ファーストの国政進出への危機感は、自民党の東京選出議員も同じだ。平将明衆院議員は10日、小池新党について「都議選であれだけ圧勝したから、(国政進出は)自然な流れだ」とし、自民党のベテラン議員は「この勢いを維持していれば脅威になる」と漏らす。

 新党は翌年の政党交付金の交付を見据え、年末に駆け込むように設立されるケースが多い。ただ都議選で都民ファーストが大勝した勢いを利用し、動きが早まるとの見方が出ている。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170711/soc1707110020-n1.html
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