「都民ファーストの会」の候補に投票した有権者は、小池百合子都知事の代表辞任をどう考えるのか。

「選挙前に代表になって選挙が終わった途端にやめるのは、少しずるいような気がする。新しい代表についても良く知らないので何とも言えない」と困惑気味に話すのは文京区の自営業、勝藤真紀さん(48)。

「小池知事が代表でなくても、私が支持した政策の実現にプラスになるよう働きかけをしてほしい」と訴える。

江戸川区の無職、奥村健さん(69)は「候補者の人柄で選んで投票したので、小池知事が代表でなくなっても問題ない」とする一方、「これまでの彼女の行動から考えると、今回の辞任もパフォーマンスや戦略の一つではないかと思ってしまう」。

同区の会社員男性(48)は「小池知事がリーダーシップを発揮してくれると思って投票した面もあるので残念」と代表辞任に驚きつつ、橋下徹氏が大阪府知事と大阪維新の会代表を務めた例にも触れて、「二元代表制への懸念があるというが、もっと納得できる理由を説明してほしい」と不満も口にした。

識者はこれをどう見るのだろうか。

元都副知事で明治大公共政策大学院の青山●(やすし)教授は「選挙直前に代表に就任し、終わったら退くというのは筋書き通りという印象を受ける」と話す。

「公平性や中立性が求められる執行機関の長の立場でローカルパーティーの代表を続けるとは思えず、辞任は必然。知事は9割が行政官で1割が政治家。裏切られたという声は理解できるが、選挙期間中は政治家としての顔が前に出たのだと思う」と分析した。

中央大の佐々木信夫教授(行政学)は「知事主導で政党を作り、代表となって議会の勢力を変えるという行為はやり過ぎで、二元代表制のルールから逸脱していたと思う。形式上辞任したことは、けじめとして評価する」とする。

しかし、「腹心の特別秘書を新代表としたことは実質上、小池氏の影響力を維持することにみえる。有権者としては複雑な気持ちかもしれないが、影響力は変わらないと思う」と今後を予測してみせた。

●=にんべんに分の刀を月に

http://www.sankei.com/politics/news/170703/plt1707030091-n1.html