小池百合子都知事と自民党東京都連の全面対決が注目された東京都議選(定数127)が2日投開票され、小池氏が率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党など小池氏の支持勢力で79議席を獲得した。
知事の座と議会を制圧し「小池1強」体制が確立した。

一方、自民は現有57議席から半数以下の23議席と歴史的惨敗。
安倍晋三首相の責任論に発展することは必至だ。

投票が締め切られた午後8時ちょうどにNHKなどで「支持勢力合わせ過半数確実」の速報が流れても、小池氏は表情をほとんど変えなかった。
候補者の名前が並んだボードに「当確」を示す緑色の花が次々と貼られ「“望外の結果”に驚いている」と、将棋の藤井聡太四段(14)が11連勝の時に話した言葉を拝借した。

支持勢力で70議席を超える圧勝。
公認候補50人のうち、島部(定数1)をのぞく49人が議席を獲得し、いきなり第1党に躍り出た。

小池氏は勝因を「“新しい議会”というのが有権者に響いた」と分析した。
都選挙管理委員会によると、投票率は51・28%。前回の投票率43・50%を7・78ポイント上回ったことも勝利につながったようだ。

選挙戦は、自民党に問題噴出の中で幕を開けた。
敵失は渡りに船だった。

「選挙期間中に風が変わったという実感はあった」と小池氏。
告示3日前に豊洲市場の移転問題で「豊洲・築地併存案」という玉虫色の基本方針を表明し賛否が分かれたが、有権者の不満の矛先は安倍政権に向けられた。

“小池チルドレン”を送り込む都議会の定例会は9月に開かれる。
自民が主導してきた都議会を「チェック機能なしの忖度(そんたく)政治」と批判してきたが、自らも党首と首長の「二足のわらじ」を履く同じような状況となった。

二元代表制のあり方について問われると「これまではドンによる一元代表制だった」「情報公開が進むので都民がチェックする」などと説明。
大量当選した“チルドレン”については「研修を重ねる」とした。
育成段階で都議となることで、職務である知事のチェックができるのか疑問が残る。

仮想敵を作る「劇場型政治」で支持を集めてきた小池氏。
「第1幕」の都知事選に続き、「第2幕」の今回も自民党東京都連との全面対決で勝利した。

「第3幕」は国政進出との見方が強まっているが、小池氏はこの日の会見で「都政にまい進する」との姿勢を崩さなかった。
それでも、都内の区市町村議選に公認候補を擁立する考えを表明しているだけに「小池ファースト」に拍車がかかることは間違いない。

スポニチアネックス 7/3(月) 6:01
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