【モスル(イラク北部)=本間圭一】イスラム過激派組織「イスラム国」の重要拠点モスルにイラク政府の許可を得て入った。

 「イスラム国」の幹部がサダム・フセイン元大統領の建てた豪華な別荘を利用し、疲弊した市民生活とはかけ離れた暮らしを送っていたようだ。

 フセイン元大統領の別荘が立ち並ぶ区画は、チグリス川を見下ろすモスル東部の高台にあった。6月30日、区画への立ち入りを認めたイラク軍のサルマン・ハマド中佐は「一般には立ち入り厳禁で、『イスラム国』幹部だけに許された空間だった」と語った。入室を許されたカフェテリアは、豪華な石造りで、真新しい大型テレビが設置され、豊かな暮らしの一端をのぞかせた。

 「イスラム国」はモスルの住民に対し、禁酒の徹底を命じ、外部への情報流出を恐れて携帯電話の使用を認めず、違反すれば厳罰に処した。だが、ハマド中佐によると、別荘では、美食の限りが尽くされ、飲酒の形跡もあったという。中東のメディアも、別荘では高額な飲食が行われていたと伝えた。特権を与えられる幹部は約40人とみられ、地元メディアによると、別荘や豪邸での居住が許され、月5万ドル(約550万円)の現金が支給されたという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170702-00050039-yom-int