共産党の志位和夫委員長は1日夜、東京・JR池袋駅前で、東京都議選の最後の応援演説を行い、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画などに絡めて「友達の友達による友達のための政治を止めさせよう」と述べ、安倍晋三政権を猛批判した。詳報は以下の通り。

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 今度の都議選ほど日本という国の政治のあり方。これでいいのかが問われている選挙はない。安倍政権の振る舞いどうでしょうか。私、選挙最終盤に都内にまいり、どこでも沢山の声がかかってくる。皆さんが仰るのは、「安倍さんを早く辞めさせてください。あの顔をテレビで見るのはもう嫌だ」。こういう声がどこでもたくさん寄せられる。学校法人「森友学園」(大阪市)の疑惑に続く加計疑惑。国政の私物化が目に余るのでないですか。共謀罪をあんな乱暴なやり方で押し通す。憲法を壊す政治がひどすぎるんじゃないか。日本国民みんながこの状況に心を痛め、怒りを募らせている。その気持ちを投票で示すことができるのは、東京都民の皆さんだけだ。私は心から訴えたい。これまで自民党を支持してこられた方も、公明党を支持してこられた方も、(小池百合子都知事が率いる)都民ファーストの会がちょっといいかなと思っている方も、支持政党がない方も、今度ばかりは安倍政権をこらしめようという一票はこぞって共産党に託してください。

 国政の私物化という点で最たるものは稲田朋美防衛相の発言でないか。自民党の候補者の応援に行って彼女は「自衛隊としてお願いする」といった。とんでもない発言じゃないか。武力を持った実力組織の自衛隊が、選挙に介入したらどんなに恐ろしい社会になってしまうのでないか。誰が考えてもわかる。だから厳格に政治的中立を守りなさいと憲法でも法律で決まっている。このことが分からないことが防衛相をやっている。言っていいことと悪いことの見境の付かない人が防衛相をやっている。ただちに辞めてもらおうじゃないか。

 野党4党として、これは見過ごすことができないと、4党の党首の共同声明を出した。ただちに安倍首相は稲田防衛相を罷免すべきだと官邸に申し入れをした。しかし安倍さんは「絶対辞めさせない」といっている。あくまでかばい続けている。そうすると、安倍首相も同じ考えってことになる。そうであれば、2人揃って辞めさせようじゃありませんか。

 国政の私物化という点では、加計学園の疑惑。この選挙中もいよいよ深刻になってきた。首相のお友達という人が次から次へと登場する。お友達中のお友達、萩生田光一官房副長官が文部科学省に対し「官邸は絶対やるといっている」と迫った文書が明らかになった。それに続き、もう1人のお友達中のお友達、自民党の下村博文都連会長が加計学園の幹部から200万円をもらっている事実が明らかになった。政治資金規正法との関係で問題があるんじゃないか。下村氏が説明したのは、「いやいや、加計学園の幹部の人が11の企業、個人から集金して持ってきた」。じゃあ名前を言いなさいと言っても言えない。こんな話が通用しますか。これ、友達の友達による友達のための政治。これはもう止めさせようじゃないですか。

 この問題でも野党4党は、憲法53条に基づき臨時国会の召集を正式に内閣にしている。これは、憲法の定めで要求されたらやらなくちゃいけないんだ。これも拒否している。拒否の理由を聞くと、自民党の国対委員長は「野党に加計学園を追及されるのは困るから」と言っている。とんでもない。憲法53条、当然要求があったらすぐやらなければいけないのが憲法の趣旨だ。ただ憲法には「何日以内にはやんなきゃならない」とは書いていない。それをいいことにずっと先延ばししようとしている。こういう時にはどうしたらいいか。主権者の国民の皆さんがぜひ声をあげるべき時じゃないのか。明日の投票日に声を上げようじゃないか。臨時国会を開かせて証人喚問、文科省の前川喜平前次官に話していただく。安倍昭恵首相夫人にも来てもらおうじゃないか。真相の徹底究明を共産党を徹底的にやっていくので、共産党に力を与えてください。