「防衛省、自衛隊」としてお願いしたい――。
稲田朋美防衛相の問題発言には28日、歴代防衛相からも苦言や批判の声が相次いだ。

中谷元(げん)前防衛相は朝日新聞の取材に「自衛隊や防衛省は政治的中立である存在だ。
それを踏まえ、大臣として厳に意識して発言してもらいたい」と、後任の稲田氏に苦言を呈した。

石破茂元防衛相は「稲田さんが(発言を)撤回したということは
(発言は)適切ではなかったという何よりの証し」と語った。

旧民主党政権時代の防衛相も手厳しい。
菅政権で自衛隊を指揮して福島第一原子力発電所事故に対処した北沢俊美元防衛相は
「常軌を逸した発言だ。文民統制の根幹は法律の順守と自衛隊との信頼関係なのに、
大臣が率先して損ねている」と指摘。「その大臣を自衛隊の最高指揮官の首相がかばっており、
政権の体質が危うい形で出ている」と批判した。

野田政権の一川保夫元防衛相は「非常に不用意な発言だし、あの人は本気でそう思っている
からどうしようもない」。一川氏は稲田氏の発言によって自衛隊員の士気が落ちることを懸念し、
「自衛隊員が一番気にするのは国民の声だ。大臣がああいう発言をすると、
自衛隊員たちは非常に寂しく思うだろう」と述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000080-asahi-pol