埼玉県議会で二十六日、共産党議員の一般質問の事前通告に記載されていた「共謀罪法」という表記をめぐり、
公明党の議員が「共謀罪という法律はない」と表記の修正を求めたことで両党が対立し、
本会議が自然散会する異例の事態となった。同県議会の自然散会は、一九八八年以来二十九年ぶり。

問題となったのは、この日に予定されていた金子正江議員による知事の政治姿勢についての質問。
質問要旨をあらかじめ明らかにする「事前通告」には、
「内心を処罰する違憲立法=共謀罪法は廃止すべき」と表記されていた。

これに対して、公明党の石渡豊議員が「質問に不穏当な記載がある」として、
質問開始の直前に休憩を求める動議を提出し、自公などの賛成多数で可決された。

その後の議会運営委員会で公明党は「正式名称か略称の『改正組織犯罪処罰法』と表記するべきだ」と修正を要求した。
共産党は「新聞各紙などで広く一般に使われている」と拒否。結論が出ないまま、
この日の本議会は再開されずに自然散会となった。二十七日以降、議運で再協議される予定。

石渡議員は本紙の取材に「かぎかっこをつけたり『いわゆる共謀罪』なら良いが、
違う名前の法律を議事録に残すのは良くない」と述べた。

共産党の柳下礼子団長は「議員の表現の自由に対する侵害で議会制民主主義を揺るがしかねない事態。
公明党に強く抗議し、修正の撤回を求める」とコメントを出した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017062702000103.html