特区諮問会議の民間議員が会見 前川前次官に反論
6月27日 4時17分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170627/k10011031421000.html?utm_int=news_contents_news-main_003

国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員らが26日夜、記者会見し、国家戦略特区を活用して規制緩和を推進する重要性を訴えました。また、文部科学省の前川前事務次官が「行政がゆがめられた」などと述べたことについて極めて違和感があるとしたうえで、ゆがめられていた行政を国家戦略特区の枠組みで正したと反論しました。
記者会見したのは、国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員を務める大阪大学の八田達夫名誉教授や、竹中平蔵東洋大学教授らのほか、特区に指定されている福岡市など6つの地方自治体の長らです。

この中で、八田氏は「獣医学部の規制は既得権による岩盤規制の見本のようなものであり、どこかでやらなければいけないと思っていた。『1つやればあとはいくつもできる』というのが特区の原理で、1校目は非常に早くできることが必要だった」と述べました。

また、竹中氏は文部科学省の前川前事務次官が先の記者会見で「行政がゆがめられた」などと述べたことについて、「最初から最後まで極めて違和感がある。今回の決定プロセスには1点の曇りもない」と述べました。そのうえで、竹中氏は「『行政がゆがめられた』と言っているが、『あなたたちが52年間も獣医学部の設置申請さえも認めず行政をゆがめてきたのでしょう』と。それを国家戦略特区という枠組みで正した。2016年3月までに結論を出すと約束したのに約束を果たさず、『早くしろ』と申し上げたことを『圧力だ』と。それは違う」と反論しました。

また民間議員らは、重要な話し合いであれば議事録を作り出席者が確認するが、問題となっている文書は「誰かが書いたメモで、立場が違う当事者が同意したものではない」と指摘したうえで、省庁間の議論などは双方がサインする形で残すようにすべきだと指摘しました。

一方、地方自治体の長らは、時代に合わなくなった規制を緩和し全国展開するうえで国家戦略特区の意義は極めて大きいとして、取り組みを推進する必要性を訴えました。