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NHKクローズアップ現代は6月19日、新たに流出した加計学園関連のメモを公開し、安倍総理が不正に加計学園を優遇した証拠になると報じた。しかし盛大に解釈を間違えているのでnetgeek編集部で正しておきたい。

まずはNHKの報道をざっと紹介したい。

中略

ここで改めて正しい経緯を簡潔にまとめておきたい。

(1)安倍総理が規制改革のために国家戦略特区をつくると決める。

(2)内閣府は国家戦略特区の一環として獣医学部の新設を決める(安倍総理は不関与)。

(3)ただし獣医学部新設は文部科学省の管轄で、説得が難しい。文部科学省は天下り利権で甘い汁を吸っており、新しい学校ができると利権構造が壊れてしまう。

(4)内閣府担当者の作戦「安倍総理が議長の戦略特区会議で獣医学部新設を発表して総理からの指示に見せかけよう。これで文部科学省の担当者は逆らえないはず」

(5)文部科学省から内閣府に出向していた牧野美穂氏が文部科学省の上司に作戦をバラすメモを送る。上司は文章を読み間違えて(国家戦略特区ではなく)獣医学部新設が「総理のご意向」なのだと解釈する。だったら逆らえない…。

(6)何はともあれ作戦成功。獣医学部新設が決まったので今度は学校選び。加計学園が最も適切だと内定を出す。※後に加戸守行前知事が「昔から加計学園が一番良い提案をし続けていた」と証言しているので正しい選出だと思われる。
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(7)内閣府の担当者が安倍総理に報告「国家戦略特区の一環として、加計学園の獣医学部新設を進めることになりました」。安倍総理「分かった。スピード感をもって進めるように」。

(8)農林水産省は了承。だがここにきて文部科学省がごね始める。

(9)内閣府担当者が安倍総理に「文部科学省が抵抗している」と報告。安倍総理は「国家戦略特区プロジェクトは絶対に実行する。君たちが加計学園の獣医学部新設って決めたんだろ?ちゃんとやりきらないと。そしたら締切を設けて…」。

(10)内閣府での打ち合わせにて萩生田副長官「文部科学省だけが怖気づいているが官邸は絶対にやると言っている。総理は平成30年4月開学とおしりを切っていた。文部科学省は何を問題と考えているのか?問題があるなら加計学園事務局長を行かせて改善に向けた話し合いをさせる」

(11)この萩生田副長官の発言について、牧野美穂氏がまた文部科学省の上司に報告メモを送る。
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(12)一連の報告メモを見た文部科学省の人間は「安倍総理が加計学園のために獣医学部新設を決め、不公平に選んだ。加計理事長が友人だから総理のご意向、官邸の最高レベルで決まった」と誤解。※正確には戦略特区のみが安倍総理のご意向で、獣医学部新設の決定プロセスには不関与だった

(13)文部科学省の関係者が文書をマスコミにリークする。

こうして流れをまとめてみると、今回NHKが公開した文書はむしろ以前netgeekが唱えたストーリーの裏付けを強化するものになったことが分かる。

参考:加計学園問題「総理のご意向」の意味がついに解明。伝言ゲームで誤解が広まった

そもそも、もしも加計学園の獣医学部新設が総理の直接指示だったのであれば、内閣府の担当者は文部科学省とのやりとりにここまで苦労することはなかったのだ。「安倍総理の直接指示です」と一言伝えるだけで意見が通ったはずだった。

だが、そうではなく権限の弱い担当者レベルで対等に戦っていたから、総理からの指示に見せかける作戦などが練られていた。

NHKの解釈では、はじめに流出した文書と今回流出した文書の矛盾点が説明しきれておらず、整合性が取れていない。重要なのは、安倍総理は加計学園の選出プロセスには関与しておらず、決定してから指示を出したという点だ。

全ての真実を知っており、最も説得力のある証言ができるのはメモを作成した牧野美穂氏のみ。

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