かすみ「私にだけ見えない」
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かすみ「ふぁ〜…みんな遅いなぁ。何やってるのかなぁ」
ガタガタ
かすみ「え?何?誰か居るの?」
シーン
かすみ「気のせい?まさか…幽霊…なんて」
ガチャ
かすみ「ぎゃああ」
ミア「な、なんだよ?大きな声出して」 せつ菜「そうなんですよね。私とかすみさんには見えてないので…」
歩夢「もし本当に幽霊なら…写真には写るんじゃないの?」
せつ菜「確かに!」
侑「歩夢!賢い!」 歩夢「なんか…褒められても嬉しくないかも…」
侑「歩夢、撮ってみてよ」
歩夢「え?私のスマホで?嫌だよ」
侑「何で?」
歩夢「だって…心霊現象だとしたら自分ので撮るの嫌だし」
かすみ「だったら何で言ったんですか」 歩夢「だって…」
侑「私ので撮ろうか?」
歩夢「大丈夫なの?呪われたりとか」
侑「呪う様な人には見えないけどなぁ」
かすみ「呪う様に見える人って居ます?」
せつ菜「さあ?」 侑「じゃあ、撮るよ?」
かすみ「え?かすみんを撮るんですか?」
侑「違うよ。かすみちゃんの隣に居るからさ」
かすみ「え…ちょっと待ってください」
歩夢「嫌だよね。心霊写真に映るの」
かすみ「そっちの方から取ってください。一番可愛く見える角度で」 ミア「どっから見ても変わらないよ」
かすみ「そんな事ないもん」
侑「じゃあ、撮るよ〜。はいピース」
歩夢「心霊写真を撮るテンションじゃないよ」
栞子「確かに」 侑「ちゃんと写ってるね」
ミア「ピースしてるし…かすみより可愛いし」
かすみ「そんなバカな。見せて下さい」
侑「はい」
かすみ「どれどれ?本当に写ってるんですか?………あっ」
せつ菜「え…私にも見せてください………え?」
栞子「お二人にも見えますか?」 せつ菜「はい…」
侑「ね?可愛いでしょ?幽霊にしておくの勿体無いよね?」
歩夢「幽霊にしておくの勿体無いって…」
かすみ「この人…かすみんどこかで見た事あります」
しずく「え?」
せつ菜「かすみさんもですか?実は私もどこかで」 ミア「何?二人とも何か知ってるの?」
かすみ「えっと…どこかで…昔……」
しずく「かすみさん?」
かすみ「あっ!ちょっと待って」 ミア「な、なに?」
かすみ「スマホ!かすみんのスマホ取って」
しずく「これ?」
かすみ「そう。確か…」
ミア「何を調べてるんだよ?」
かすみ「かすみんが…私がまだ小さかった頃に…」 栞子「小さかったか頃?」
ミア「今も小さいじゃないか」
かすみ「………」
しずく「冗談も聞こえないみたい…」
かすみ「これだ!せつ菜先輩!この人!」
せつ菜「……あっ!」 かすみ「思い出しました?」
せつ菜「はい。完全に」
ミア「え?何?」
侑「二人って子供の頃から知り合いだったの?」
かすみ「そうじゃないです」
ミア「じゃあ何なんだよ?」 かすみ「この人…アイドルだよ」
侑「アイドル?」
歩夢「あっ!私も思い出した!」
侑「え?歩夢も?」
歩夢「この人って私達が子供の頃に人気だったアイドルだった人だよ」 しずく「そうなの?かすみさん」
かすみ「うん。ほら…これネットにも載ってるでしょ?」
しずく「本当だ。同じ顔…」
栞子「アイドルだったとは…綺麗な訳ですね」
侑「でも…と言う事は…」 栞子「人気絶頂の頃に病気でと書いてありますね」
しずく「そうだったんですか」
ミア「って事は…アイドルを続けられなくて無念でって事?」
しずく「そう言う事だったんですね」 侑「もしかしたら…スクールアイドルが羨ましくて…」
「違うよ」
侑「え?歩夢なんか言った?」
歩夢「私は何も言ってないよ」
栞子「私も違います」 「約束」
栞子「約束?」
侑「うん。言ってたね」
しずく「確かに約束って今…」
かすみ「かすみん聞こえなかったです」
せつ菜「私も」 歩夢「二人にだけ聞こえないって事は…」
侑「そう言う事だよね」
せつ菜「約束って言ってたんですか?」
歩夢「うん。確かに約束って」
かすみ「約束…」
侑「かすみちゃん?」 かすみ「かすみん…会ってるんです。子供の頃に握手会に連れて行ってもらって」
かすみ『かすみんも大きくなったらアイドルになるの!!!』
『じゃあ、夢が叶ったら今度は一緒に歌おうね。約束だよ』
かすみ「覚えてたんだ…」 歩夢「応援してるって」
かすみ「え?」
歩夢「かすみちゃんの事」
かすみ「だったら直接言ってくれれば良いのに」 しずく「恥ずかしがり屋なのかもね」
かすみ「なにそれ。まだ居るの?」
しずく「………何か伝えたい事あるの?」
かすみ「まだ、夢半ばだけど…かすみんはまだまだ凄くなるから。すぐにあの頃よりも超えちゃうからって」
しずく「うん。聞こえてると思うよ」 〜数日後〜
果林「にかには信じられないわね」
愛「でも愛さんも覚えてるよ。子供の頃よくテレビで見たもん」
しずく「私も調べましたが結構な人気だったみたいですね」
果林「そんな人が一人のファンの事を覚えてたなんて凄いわね」 ミア「なんか印象に残る様な変な事でもしたんじゃない?かすみの事だし」
かすみ「してないよ!」
しずく「でも、どうしてかすみさんとせつ菜さんにだけ見えなかったんですかね?」 ミア「確かに。知ってる二人が見えて知らない人間は見えるなんて。普通逆だよね?」
愛「恥ずかしがり屋で知ってる人には見られたくなかったとか?」
果林「アイドルなのに?」
ミア「でも歩夢も知ってたんだよね」 しずく「そう言ってましたね。謎は深まるばかりですね」
せつ菜「そう言えば私はお別れ会に行ってるんですよね」
しずく「お別れ会?」
せつ菜「亡くなった時にファン向けに葬儀とは別にお別れ会が開かれたんです しずく「それに行ったんですか?」
せつ菜「はい。こっそりと一人で」
ミア「こっそり?なんで?」
せつ菜「母には内緒だったので」
しずく「でも、幼い頃ですよね?」 せつ菜「小2の頃ですね」
しずく「よく一人で行けましたね。かすみさんは行ったの?」
かすみ「うん。お母さんと行ったの思い出したよ」
ミア「そうなんだ」
侑「もしかしたら、二人はお別れをちゃんとしたから見えなかったのかもね」
かすみ「侑先輩。居たんですか?」 侑「今来た所だよ」
しずく「確かに。侑先輩の言う通りかもしれませんね」
ミア「だとしたら皮肉だね。ちゃんとお別れをしたせいで会いたい相手に会えないなんてさ」 侑「だから、私達が居る時に来たんじゃない?」
しずく「じゃあ、私達はメッセンジャーって事ですね」
侑「そうなるね」
かすみ「でも、せっかくなら会いたかったですよ」 侑「そう言えばこれ!」
かすみ「あっ!あの時の写真!」
侑「ちゃんと保存してあったんだよね!」
かすみ「心霊写真ならもっと恨めしそうな顔すれば良いのに」
ミア「改めて見てもかすみより可愛いよね」
かすみ「そんな事ないよ!かすみんの方が可愛いです!」 しずく「かすみさんもプロのアイドルに比べたらまだまだって事ですかね」
かすみ「むぅ〜そんな事ないから。かすみんの方が可愛いし」
かすみ「全く。こんな笑顔で写る幽霊初めて見たよ」 がっつりホラーかと思ったら普通にいい話だった
おつおつ 蛇足ですが
>>91
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