せつ菜「おはようございま――――――歩夢(ギャル姿)「あ、せっつーおはー////」せつ菜「」
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せつ菜「え……?」ピシャ
せつ菜(思わずドアを閉めてしまった……あれ? 今派手なヘアピンをつけて、制服を着崩して、すごくスカートを短くした歩夢さんがいたような……いえ、あの理想のヒロインの体現である歩夢さんがそんな恰好するわけないですよね)
せつ菜「そうです、きっと愛さんと見間違えたんです」
せつ菜(そうに決まってます。さて、気を取り直して―――――)
せつ菜「おはようございま――――――」
歩夢(ギャル)「せっつー。おはー。挨拶途中に扉閉めないでよー////」(顔赤くして)
せつ菜「」 歩夢「………………うん、ごめんねせつ菜ちゃん。言いたいことはわかるから、本当に早く扉を閉めて下さい//////」(早口)
せつ菜「……見間違いじゃなかったんですね……」
愛「やっほー、せっつー。どう? 歩夢、チョーかわいくない?」
せつ菜「おはようございます。愛さん、これは……」
愛「なにって、昨日の昼休みにした七並べの罰ゲーム。かすみんボックス(罰ゲームくじ)から引いた、『1位がビリに好きな格好させて皆にお披露目』ってやつ」
せつ菜「ああ、そういえば昨日の勝者は愛さんでしたね。なるほど、それを今日実行してるんですか」
愛「そうそう、平日にこの格好で授業受けさせようと思ったんだけど、歩夢に恥ずかしいから休日(土曜)の今日にしてって涙目で――――――」
歩夢「愛ちゃん?」(低音)
愛「ごめんごめん、言わないからその怒ったエマっちみたいな低音ボイスやめて」ドウダシテンノ? そのまま授業だったら職員室に呼ばれそう。先生から真剣に心配されて 歩夢「もう……この格好本当に恥ずかしいんだからね//////」
愛「……ね? すごい(可愛い)っしょ?」
せつ菜「そうですね、流石歩夢さん、とても可愛いらしいです」
せつ菜(スカートを抑えながらもじもじする歩夢さん、恰好はいつもより派手なのに性格はそのままなのでギャップがとても魅力的です)
歩夢「もう//// せつ菜ちゃんまで……////」
せつ菜「しかし、なんで愛さんも歩夢さんもこんな早くから部室に? ミーティングの集合時間まではまだまだ一時間近くありますが……?」ワタシハハヤオキシタノデブシツデラノベデモト
しずく「その問には、私がお答えしますッ!」
せつ菜「あっ(察し)。大丈夫です、もうわかりました」 しずく「流石はせつ菜さんです。同じA・ZU・NAだけあって話が早い」
愛「ははは、しずくは流石だよねー。あの罰ゲームを入れたのはしずくで、その格好に合わせた演技の監修をしたいなんて」
しずく「当たり前です。私が入れた罰ゲームなんですよ? ただのコスプレだけでなんて終わらせません! その格好に合わせた演技を是非してもらいたいんです」
歩夢「うぅ////恥ずかしくて演技どころじゃないよー//// 愛ちゃん、この胸元のボタン、こんなに開けないとダメ?」(涙目)
愛「ダーメ。カリンも言ってたじゃん、歩夢いい体してるんだから、もっと自信もちなよー」ダキッ
歩夢「ヒャ//// ち、ちょっと愛ちゃんッ!////」
せつ菜「あ、愛さん!///// セクハラは駄目ですよ、セクハラは/////」
愛「セクハラじゃなくてあいじょー表現。けど、歩夢ー、恥ずかしがちゃだめだよー? かすかす曰く、スクールアイドルには百合営業ってのも必要らしいし」
しずく「歩夢さん、恥ずかしいのは役になり切れてない証拠です! あなたは今、ギャルの役を演じているんです、堂々とその役を演じてください 歩夢「演じている……?」
しずく「そうです。演じているんです。ユニット練習の音楽劇を思い出してください。ほら、いつもやっていることなんですから」
愛「せっつー、いつもそっちのユニット練習ってそんなことしてるの?」
せつ菜「はい、表現力アップのためにとしずくさんの提案で」
愛「おもしろそー、カリンと一緒に今度参加していい?」
せつ菜「おお、それは面白そうですね! きっとしずくさんに言えば面白い台本を用意してくれますよ!」
せつ菜(しずくさんも、練習の時に持ってきてくれる台本は真面目なものばかりですし、大丈夫ですよね! ……大丈夫ですよね……?)
この時のせつ菜の不安は現実のものになることを、彼女はまだ知らなかった。 歩夢「……そっか、いつもと同じなんだね」
しずく「はい! だから歩夢さんならギャルだろうと演じられます! 歩夢さんのギャルな魅力で、これから部室に来る皆さんをメロメロにしてやりましょう! 侑さんだって恰好だけでイチコロだったんですから!」
歩夢「わかったよ、しずくちゃん。私――――――ううん。しずく、あーし、やってやるよ!」
しずく「はい、それでこそ歩夢さんです////」
しずく(普段じゃ絶対にしてもらえない歩夢さんからの呼び捨て――――――いいっ! 一瞬ドキッとしちゃいました////)
せつ菜(呼び捨ていいなー……いえ、同じユニットメンバーとして少し疎外感があるだけで―――――)
せつ菜「って、え? 侑さん?」
侑「」b(鼻にティッシュを詰めて満足気な表情でソファーで寝そべりながら)
せつ菜「侑さぁああああああああんッ!?」 愛「いやー、ゆうゆったら愛さんコーデの歩夢を見たら可愛さのあまりに興奮しちゃって、そのまま連射した後にもじもじした歩夢の「やめて」の一言にとどめ刺されてばたんきゅーしたんだよね」
しずく「愛さん、璃奈さん風に言うなら、「説明乙」です。さて――――」
しずく「歩夢さんと朝一緒に来た侑さんと予想外に早く来たせつ菜さんは残念ながらビデオに収めることはできませんでしたが、残りの皆さんは絶対に映像に収めて見せます!」
せつ菜「よく見たら入口に向けてカメラが……」アユムサンアトデダイジョウブデスカネ……
愛「はい、じゃあ、せっつーはアタシと一緒にカメラ係ねー。こういうのはいつもかすみんの専売特許だけど、愛さんもやってみたかったんだー。歩夢、イイ絵期待してるねッ。」
歩夢「任せてよ、愛ちゃん、せっつー! あーしが絶対全員攻略してみせっから!」
愛「あ、アタシは呼び方そのまんまなんだ……」スコシザンネン
せつ菜「……歩夢さん……骨は拾いますよ」 短いですが、今日はここまで。
あらためて、代行ありがとうございました。
あと、全員は書けるかわからないので、下3で歩夢が絡むメンバー(現在出てきてるメンバー以外で)を募集。
うまく書けるかはわかりませんが、寛大な心で読んでいただけると幸いです。 もう3人出てるけどエマさんも見たいな。とか言ってると全員になるけど タイトルでぽむせつかと思ったが違うのか
無理そうだがせつ菜も こういうss書く奴って歩夢と絡むことがステータスになるとでも思ってるの?
どうでもいいんだけどマジで (どうでもいいならわざわざスレ開いて読まなくてもいいのでは…?) 真にこの二人が我が家にやって来る。
Tシャツ買ったー!
着て外出や! 一人目 中須かすみ
かすみ「おはようございまーす!」
歩夢「お、かすみんじゃん、ちーす」
かずみ「」
せつ菜(気持ちはわかりますよ、かすみさん……)
愛「最初はかすかすかー、歩夢、がんばれー」(小声)
かすみ「あ、歩夢先輩!? どどどどうしたんですかその格好」
歩夢「なに慌ててんの? チョー受けるwww」
かすみ「いやいやいや、うけませんから! え? 突然のイメチェン!?」 せつ菜「かすみさん、慌てすぎて昨日の罰ゲームのこと、頭から抜けてませんかね……?」(小声)
歩夢「んだよ……あーしがこんな格好したらおかしいかよ……」
かすみ「ヴぇ!? そ、そうですね……」
かすみ(いや、歩夢先輩普段の真面目で清楚なイメージが強いけど、見た目は元々いいからこんな格好してても様になってるんですよね……あ、同じ理論で逆に真面目な格好の愛先輩とかも見てみたいかもです)
歩夢「おーい? かすみーん?」テヲフリフリ
かすみ「あ、エマ先輩もギャルっぽい恰好とか見てみたいかも? いえ、エマ先輩の場合は癒し系オーラが隠し切れずに似合わないかも――――」ブツブツ
歩夢「ねぇ、かすみ!」ドン
かすみ「ひゃい!////」
しずく「来ました! 女子憧れシチュエーションの王道、壁ドンです!」(小声)
愛「かすかすが混乱して入口付近から動かなかったのが幸いしたねー、歩夢もこっから速攻を仕掛ける気だよ」(小声)
かすみ(しまったー! しず子と最近先輩たちにどんな服装して欲しいかみたいな話してたからつい考えこんじゃったじゃないですかー!) かすみ(というか、いつの間にかにこんな近くに? 歩夢先輩、いつもより顔がキリッとしてるし、まつ毛長いし――――――そんでもって、呼び捨てもされちゃったし――――――///////)(顔赤らめ)
歩夢「じっとしてろし」
かすみ「へ?/////」
かすみは見惚れた。
普段、誰よりも女の子らしく、誰よりも一生懸命な憧れの人。
その憧れの先輩が普段しない、真剣な、鋭く射抜くような眼差しで自らに顔を近づけてくるのだ。
自らの心臓から、これ以上ないほどの高鳴りを感じる。自分は期待をしてしまっているのだと、その高鳴りだけで、脳が理解をしてしまう。
その期待した部分をついつい注視してしまう。
赤く、艶やかで、柔らかそうなそれが、自らの期待した箇所に触れそうになる直前、羞恥からその目を瞑ってしまった。
まだか、まだかと柔らかい感触を想像した。 しかし、自らと触れ合ったのは、期待していた部位〈唇〉ではなく、額だった。
かすみ(え?)
かすみが目を開くと、目の前の歩夢と目が合った。
先ほどまでの鋭い目つきでなく、いつもの優しい瞳に戻っていた。
歩夢「かすみちゃん……ごめんね?」
歩夢が申し訳なさそうに言い、一歩二歩と離れる。広がった視界の端に、せつ菜、愛、しずくの姿が見えた。
そして、しずくはニヤニヤと笑みを浮かべて、自らの手にもっていたスケッチブックを高く掲げたのだった。
しずく「ドッキリ、だいせーこー!」
かすみ「……」
かすみ「……ッ! ―――――――――――――ッ!!!!!!」
全てを理解したのちに、かすみは声にならない悲鳴を上げたのだった。 かすみ「//////////」プシュー
愛「おーい。かすかすー、大丈夫ー?」
かすみ「かすかすじゃなくて……かすみんです……」
愛「おー、力ないツッコミ。しっかし、歩夢も見事だったねー。多少強引だった気がするけど、壁ドンしてゴーイングって?」
歩夢「あー恥ずかしかった//// あんな感じで大丈夫だったかな?」
しずく「お見事です、歩夢さん! 私もすっごくときめいちゃいました! 是非とも後で私にも壁ドンしてください!」
せつ菜「私も、ドキドキしてしまいました/////」
せつ菜(歩夢さんはヒロイン属性特化型だと思ってましたが、あんなイケメン演技もできるんですね////)
歩夢「ふふ、三人ともありがとう。けど、やっぱり演技って難しいね。ほかの皆の時もうまくできるかな?」
かすみ「」ピクッ
かすみ「そうですよ!」 もじもじしてるギャル歩夢もいいけどイケメンギャル歩夢もいいな 愛「あ、かすみん復活した」
かすみ「かすみんだけこんな恥ずかしい目に合うのは不公平です!! 歩夢先輩は、ここに来るほかの皆さんも全員落としてもらわないとかすみんの気がすみません!!」
愛「お、き『がすみ』ませ『ん』。かすみんだけに!?」
かすみ「愛先輩は黙っててください!!」
愛「シュン……」
かすみ「歩夢先輩!」
歩夢「は、はい!」
かすみ「さっき、昇降口でりな子と会いました。忘れ物を取りに教室に寄ってから部室に来るってことだったので、そろそろ来ると思います! ちゃんと私の時みたいに、落としてくださいね」ゴゴゴゴゴ
歩夢「う、うん。頑張るね……」
しずく「ふふふ、かすみさん、自分がするわけでもないのにすごい気迫」
せつ菜「余程、さっきのが悔しかったんでしょうね……」 ネクスト、天王寺璃奈
短いですが、本日はここまで。
ありがとうございました。 かすみん強がる余裕もなくて自分が落とされたって言っちゃってるな
りなりーも期待 かすみちゃんはドッキリ仕掛けるのも引っかかるのも似合うね 侑「私にいい考えがある!」キリッ
愛「おー、ゆうゆ復活!」
歩夢「侑ちゃん、大丈夫? 鼻血たくさん出てたけど……」
侑「ありがとう、歩夢。もう大丈夫。かすみちゃんと歩夢のおかげでね!」
せつ菜「あ、しっかり見てたんですね」
かすみ「うがー、あんな姿を先輩に見られるなて、かすみん、一生の不覚ですぅ……」
しずく「それで侑さん、いい考えとは?」
愛「愛さん、朝りなりーに罰ゲームのために早くいくねって連絡しちゃったからさっきみたいな不意打ち速攻は無理だよ? それにりなりーはかすかすみたいにちょろくないし」
かすみ「かすみんです! しかもチョロインでもないです!」
侑「璃奈ちゃんが対象なら罰ゲームのことは知ってようが知ってないが関係ない作戦だから大丈夫! 私にまっかせてよ!」
せつ菜「おお、これはすごい自信ですね」
侑「まあ、璃奈ちゃんにだからこそ通じる作戦だからね! で、内容だけど――――――――」
コショコショコショコショカクカクシカジカ
オー
タシカニソレナラ
ダイジョウブカナ……
ナニソレオモシロソウ、アイサンガンバル 二人目
天王寺璃奈
璃奈「おはようございます」
歩夢「りなりー、おっはー」ダキッ
璃奈「え? あ、歩夢さん」璃奈ちゃんボード『うわぁっ』
歩夢「うん、歩夢さんだぞー」
璃奈(本当にびっくりした、まさか愛さんと同じ髪型で、愛さんの練習着を着てるなんて……)
愛「あ、りなりーおはようー! 今日、一緒に来れないでごめんね? 寂しくなかった? 愛さんチョー寂しかったー」反対からダキッ
璃奈「あ、愛さん。おはよう。……私も、寂しかった……」璃奈ちゃんボード『テレテレ』
愛「うーん! 今日もりなりーは可愛いなぁ!! もう大好き!」
歩夢「あ、愛ちゃんズルーい。アタシもりなりー大好きなのに!」
璃奈「!? !? !?」(混乱と羞恥) 歩夢「あ、璃奈ちゃん――――じゃなかった、りなりー困った顔してる、かわいいー!」
愛「でしょでしょ? りなりーチョーかわいいよねー」
歩夢「ねー」
璃奈「///////」
璃奈「……ゴホン。愛さん、歩夢さんの格好と口調……」
愛「あ、これ? どうこれ? 双子コーデ! ついでに頼み込んで、口調も愛さんの真似してもらってるんだー!」
歩夢「歩夢さんは昨日はビリだからね、人権ないんだよ」ヨヨヨ
愛「ってコラー、歩夢ー、嘘はよくないぞー! さっきいいよーって言ってくれたじゃん!!」
歩夢「えー、歩夢さんそんなこと言ったっけー? 愛ちゃん記憶曖昧? 愛だけに」
愛「言ったー! 愛さんちゃんと聞いてたー! しかもダジャレ無理矢理―!」
歩夢「そ、それについては勘弁してもらえないかな?/////」キュウニオモイツカナイ 愛「絶対ダメ! 愛さんはダジャレ系スクールアイドルなんだから、ダジャレも頑張ってもらわないと! しかも口調戻ったからね」
歩夢「くっ、調子に乗ってー」
愛「お、口調だけに?」
歩夢「正解!」
愛歩夢「「イエーイ」」ハイタッチ
璃奈「……むぅ」
愛「いいね、歩夢ーセンスあるよー。も少し鍛えれば、ゆうゆも爆笑間違いなし――――――」
璃奈「……」袖口つまんで
歩夢「んー? りなりーどした?」
璃奈「……二人だけ盛り上がってズルい……」プクー
歩夢「」
愛「」
愛・歩夢((天使、天才、天王寺ッ……!!))メッチャカワイイ…… 歩夢「ごめんね、りなりー」
愛「あ、じゃあさ、練習着歩夢の分しかないから駄目だけど、髪型お揃いにして、三人で写真とろー!」
歩夢「お、流石愛ちゃん、ナイスアイディア―!」
愛「でしょでしょ? りなりー、ソファーにおいでー。特別にそのまま愛さんの膝の上に座らせてあげよー!」
璃奈「あ」ヒザノウエニスワラサレ
愛「りなりーの髪は柔らかくて気持ちいいねー」
璃奈「愛さん、少しくすぐったい……」
愛「あ、ちょっと髪抑えてほしいなー。歩夢―、りなりーボード。ちょっと預かってー」
歩夢「……わかったー、璃奈ちゃん、テーブルの上に置いとくね?」
璃奈「お願いします」
歩夢「……」
歩夢は部室の中心にある円卓の上にボードを置き、その後侑のスマホが隠してある円卓の中央におかれたお菓子入れに向けて手を振る。
歩夢(み・え・て・る?) スマホが震え、しずくから「見えています」と「隠しカメラが見つからないように気を付けてください」とメッセージが届く。
歩夢が侑のスマホに頷くと、またメッセージが届いた。
歩夢(作戦開始)
―――――――――――――――
部室の外
せつ菜「うまくいきますかね?」
しずく「歩夢さんなら大丈夫です。歩夢さん、私から見ても、演技、すごくお上手なんですよ」
かすみ「しずこが褒めるなんて歩夢先輩すごいんですね。けど、まさか愛先輩もとは」
侑「やっぱり愛ちゃんと璃奈ちゃんはエマさん果林さんにも負けずとも劣らない我が部の名コンビだからね! 映すなら、ちゃんと二人一緒じゃないと。それに、あの二人は互いが近くに居れば安心して完全に油断するから、歩夢も攻めやすくなるし」
かすみ「なるほど、流石は我が部の名マネージャー! 私たちのことを見てくれていますね、かすみん感激です!」
侑「いやー、照れちゃうね//// ちゃんと攻めは歩夢になるように愛ちゃんにも事前に指示してあるし、歩夢にはしずくちゃんと二人で作戦を伝えてあるから、私たちは映像研究会から借りた隠しカメラの映像を安心してみよう」
かすみ「はい!」
せつ菜「……」
せつ菜(なんでしょう……本当に歩夢さんと愛さんは大丈夫でしょうか……?)
―――――――――――――――――
部室
歩夢(ここまで(璃奈ちゃんボードを取るまで)は作戦通り……強引だったけど、璃奈ちゃんが愛ちゃんの膝に座ったことによって、絶対に逃げられない状況もできた。あとは―――――)
愛(歩夢が振り返った、作戦開始だ!) 愛「りなりー、どう? できたよー? りなりーは髪が少し短いからちょっと印象違うけど」
璃奈「ありがとう。愛さんとお揃い、うれしい/////」
愛「もー! りなりーは、本当に愛さんを喜ばせる天才だね! あ、じゃあ、もひとつ」プチッ
璃奈「え?」
歩夢「あ、愛ちゃんってばいけないんだー。璃奈ちゃんの第一ボタン外しちゃって」
愛「愛さんも外してるんだからおそろ、おそろ。ね、りなりー」
璃奈「愛さん、そのままバックハグはやめてほしい……////// ボタンしめれない/////」
愛「ダーメ。りなりーはこのまま愛さんのクッションとなるのだー」
歩夢「あー、愛ちゃんズルい。アタシもりなりー抱きたい」
璃奈「!?////////」(赤面)
歩夢「あ、りなりー顔真っ赤」
愛「えー、愛さんもりなりーのかわいい顔みたいー」
歩夢「ダーメ、愛ちゃんは後でね」 歩夢は璃奈に顔をゆっくりと近づけた。
動けない璃奈は目線で歩夢を追うことしかできなかった。
いつもはとてもやさしく、柔らかい歩夢の顔が、今は蠱惑的で、本当に歩夢なのかと、疑ってしまいたくなるほどの意地悪な笑みを浮かべている。
前かがみになってきた歩夢は璃奈の膝に手をついた。
少しひんやりしたその感触に、璃奈は小さく声を上げる。
その声を聴いて、一瞬あっけにとられた表情を歩夢はした。
それも一瞬だった。歩夢は小さく微笑むと、そのまままっすぐ近づいて来るかと思っていた璃奈の思考とは裏腹に璃奈の耳元へと顔を、唇を寄せる。
そして、ささやいた。
歩夢「璃奈、可愛いよ」
ゾワリと、不思議な感覚が、璃奈の全身を走った。
いつもの優しい声とは違う低いささやき声。
愛「璃奈、大好き」
璃奈「ヒャッ/////」
感覚が消え切らない状態で、今度は後ろから、愛にささやかれ、璃奈は思わず声を上げる。
歩夢「璃奈」
愛「璃奈」
璃奈「ん/////」
かわいい。
大好き。
天使。
耳から全身を襲う刺激。その刺激は、璃奈がこれまでの人生で感じたことがないものだった。
璃奈はその未知の刺激に、最初は恐怖を覚えた。 しかし、その恐怖と同時に喜びを感じている自分に気が付いた。
大好きな先輩であり、もっとも大切な人と、大好きな先輩であり、ひそかに同じ女性として憧れる人。
その二人から愛をささやかれ、璃奈の脳は恐怖と喜びで処理能力を失った。
璃奈の全身から力が抜けたのが、愛には分かった。
愛「あ、りなりー腰抜けちゃったか。ごめんねー? 刺激が強すぎちゃったかな? けど、私たちが言ったことは、全部本心だからね?」
愛は璃奈を自分の方に向けて座らせた。
璃奈は無意識に、愛に抱き着いた。
愛もそんな璃奈を愛おしそうに抱き返す。
璃奈から伝わる体温に、愛は心地よさを覚え、そのまま目をつむろうとした。
歩夢「じゃあ、次は愛ちゃんの番だね」 愛「え?」
横からの突然の加えられた力。
自らの体が、璃奈ごとソファーに押し倒されたのを理解したのは、自らと天井の間に歩夢の顔が現れたからだった。
愛「え? 歩夢? 作戦だと――――――」
歩夢「うん、作戦通り。だって――――――」
愛ちゃん、今抵抗できないっしょ?
笑みを浮かべながらそう言った歩夢に、愛は恐怖した。
そうか、自分もターゲットだったのか、と。
今抵抗すれば、自分と歩夢の間にいる体から力の抜けている状態の璃奈はソファーから落ちてしまう。
実際はそうなったら歩夢がドッキリより璃奈を優先して助けるのでそんなことにはならないが、不意打ちで混乱した愛の頭にその考えは浮かばなった。
歩夢「ふふ」
歩夢は璃奈にしたように、愛の耳元に唇を寄せる。
歩夢「愛、可愛いよ」 愛「はあぁ!?/////」
まさか自分にそのような言葉がかけられると思ってなかった愛は、赤くなった。
そして、理解した。
頑なに自分を呼び捨てにしなかったのはこの時のためかと。
歩夢「愛、部室塔のヒーローとか言われて、たくさんの生徒にかっこいいって言われてるけど、かわいいところがたくさんあるのを、アタシは知ってる」
耳元でささやかれ、全身がぞわぞわする。
璃奈は先ほどまでこの感覚に襲われていたのかと思い、愛は少し申し訳なくなった。
歩夢「愛……」
真剣な眼差しの歩夢の顔が、近づいてきた。
愛(いや、落ち着けアタシ。さっきかすみんにやったことみてたじゃん、どうせふりで――――――)
本当にそうだろうか? 愛(まって? あれ、しずくが後ろから歩夢をつっついたから止めたけど、しずくが止めてなかったらどうなってた?)
そんなことを考えている間に、歩夢の顔は既に目の前まで近づいていた。
愛(あーもう考えが――――――)
愛が受け入れててしまおうかとした瞬間、下からにゅっと白いボードが出された。
愛「え?」
愛がその白いボードの出てきた先を見ると、まだ少し顔を赤くした璃奈が、ピースサインをしていた。
璃奈「愛さん、読んで?」
愛「ドッキリ、大成功?」
そして、勢いよく扉を開け、しずく、せつ菜、かすみ、侑が入ってきた。
しずく「逆ドッキリ、だいせーこー!!」
愛「……え……?」 〜数分後〜
侑「いったいいつから、璃奈ちゃんへのドッキリだと錯覚していた?」
せつ菜「なん……だと……?」
せつ菜「いや、ネタは置いといて、本当に、いったいいつから、愛さんへのドッキリになってたんですか?」
侑「最初からだよ?」
しずく「実は最初から璃奈さんと完全に油断しきっている愛さん両方へのドッキリだったんです」
璃奈「私は最初、愛さんに対するドッキリの仕掛け人で歩夢さんに愛をささやかれるからそれに合わせて演技して、愛さんを拘束する手伝いをしてくれとしか言われてなかったから。
愛さんが作戦って言ったので気が付いた」璃奈ちゃんボード『ちくしょー』
かすみ「ダブルどっきり……いえ、今回はやりすぎだった気がするのですが……」
侑「うん、予想外に歩夢が頑張りすぎちゃったから……」
歩夢「二人とも、本当にごめんね?」ナミダメ
せつ菜(歩夢さんも割と演技となると人が変わるんですよねー……おそるべし、しずく座長の指導……)
しずく(次は歩夢さんどんな演技みせてくれるでしょうか……楽しみ)ゾクゾクゾクゾク 二人目 天王寺璃奈× → 天王寺璃奈&宮下愛
ネクスト、朝香果林
無理矢理〆ましたが、本日は以上です。
ありがとうございました。 修正
璃奈「私は最初、愛さんに対するドッキリの仕掛け人で歩夢さんに愛をささやかれるからそれに合わせて演技して、愛さんを拘束する手伝いをしてくれとしか言われてなかったから。
愛さんが作戦って言ったので気が付いた」璃奈ちゃんボード『ちくしょー』
↓
璃奈「私は最初、愛さんに対するドッキリの仕掛け人で歩夢さんに愛をささやかれるからそれに合わせて演技して、愛さんを拘束する手伝いをしてくれとしか言われてなかったから。
けど、蓋を開けたら歩夢さんだけじゃなくて愛さんからも口撃を受けたからフリのつもりが本当に気絶しかけた……。
愛さんが作戦って言ったので気が付いた」璃奈ちゃんボード『ちくしょー』
愛「うぅぅ……」
歩夢「あ、愛ちゃん……」
せつ菜「愛さん、私には言われたくないでしょうが、こういうのに弱かったんですね……」
侑「せつ菜ちゃんも、璃奈ちゃんが愛ちゃんと歩夢にサンドイッチにされたところから顔真っ赤にしてたもんね」
せつ菜「ちょっ、侑さん////」
璃奈「」璃奈ちゃんボード『ぷしゅー////』
かすみ「ふふふ、そうそう、そうですよ! かすみんだけあんな恥ずかしい目に合うなんて不公平なんですよ。こうやって皆歩夢先輩に落とされちゃえばいいんですよ!!」
しずく「あ、璃奈さん。かすみさんが歩夢さんに落とされた映像、見ます?」
璃奈「見る!」璃奈ちゃんボード『ワクワク』
かすむん「ちょっ、しず子!?」
侑「しずくちゃん、それは後だよ! そろそろ次の人が来るんじゃないかな?」
しずく「はっ、そうでした……」 しずく「はっ、そうでした……」
璃奈「次は誰が来るかな?」
エマ「んー、果林ちゃんがお手洗い寄ってから来るってー」
歩夢「そうなんですね」
愛「じゃあ、次のターゲットはカリンだね! 歩夢! カリンをぎゃふんと言わせてあげよう」
侑「あ、愛ちゃん復活した」
かすみ「愛先輩に賛成です。果林先輩ってば、いつもかすみんのことを雑に扱うんですから! 一回痛い目見てもらいましょう!」
しずく「じゃあ、さっそく準備しましょう。ありがとうございます、エマさん。歩夢さん、果林さんには――――――って」
全員「「「「「え、エマさんッ!?」」」」」」
エマ「皆おはよー。ところで皆、なんのお話をしてたの?」 しずく「え、エマさん。少々お待ちください。一年生、二年生集合」サッ
歩夢「どうしよう……今からエマさんになんかやっちゃうほうがいい系?/////」コソコソ
侑「キャラ付け頑張ろうとする歩夢も可愛いけど、作戦会議中だから無理しなくていいYO」コソコソ
愛「それに、その姿見られたら不意打ち無理でしょ? アタシみたいに油断さそう時間もないよ?」コソコソ
エマ「あ、そう言えば、歩夢ちゃんの格好可愛いね。愛ちゃんの真似?」
愛「だよね! あとさっきまでアタシの練習着着せてたから、あとで写真見せたげる! だからエマっち、少し待ってね!」
エマ「えー、すごい見たい。きっとエモエモなんだろうなー楽しみにしてるねー」ワクワク
せつ菜「そういえば、何で着替えたんですか?」コソコソ
歩夢「璃奈ちゃんがさっきまでのこと思い出して落ち着かないからだって」ソウビ:セイフク
璃奈ちゃんボード『キャッ?』 かすみ「話を戻しましょうよ。果林先輩も、いくら方向音痴とはいえ、すぐ来るでしょうし……」コソコソ
愛「それに関しては大丈夫。カリン、いつも身だしなみきっちり直すから、たぶん時間かかってる」コソコソ
しずく「いっそ、今度はエマさんをこっち側(仕掛け人)にしちゃいましょう」コソコソ
愛「確かに、驚くエマっち、少し見たかったけど、エマっちとカリン……どっちの驚く顔が見たいかって聞かれたらカリンだね」コソコソ
侑「私も果林さんに一票。それに……エマさんだと歩夢が後で罪悪感で死にそう」コソコソ
歩夢「確かに、エマさんには……何か……うん、免除して頂けると助かるかなぁ……」コソコソ
せつ菜「エマさんですからね……」
かすみ「エマ先輩はかすみんにも普段から優しいので異議なしです……」
璃奈ちゃんボード『( ゚д゚)ウム』
しずく「じゃあ、反対なしで決定! エマさん! ジャパニーズドッキリを果林さんにしましょう!」 エマ「え、ジャパニーズドッキリ? 落とし穴に落としたりするやつだよね? うん、やるやるー!」
かすみ「はやっ!」
エマ「果林ちゃんをぎゃふんと言わせちゃうぞー」オー
愛「おー! エマっちは話が早いねッ!」
せつ菜(エマさん、実は果林さんに鬱憤でも溜まってるんでしょうか……いえ、止しましょう。お二人の問題に私が口をはさむわけには――――――)
ワタシハナニスレバイイノー
デハマズハコノキョクヲ
オオ! コレハアノデンセツノアニメノ!
シッテルノカセッツー
ア、コノキョクスキカモ
三人目 朝香果林 訂正
三人目 朝香果林
↓
四人目 朝香果林
果林「おはよう」
歩夢「あ、果林先輩じゃん、ちーっすぴょん」ソウビ:キクズシセイフク+ウサミミ
果林「」
〜部室外〜
せつ菜(もうお決まりですね)
侑「はー!!!!!! ぎゃるぴょん可愛すぎなんですけど!!!!!!」(ガンギレ)
愛「ゆうゆ、歩夢が可愛すぎてキレてるんだけどwww」チョーウケル
かすみ「歩夢先輩振り切ってますね……これしず子より女優根性あるんじゃないですか?w」
しずく「ん? かすみさん、何か言った?」〈●〉(●)
かすみ「ごめんなさい、冗談でも言っていいことと悪いことがありました。かすみん特製コッペパンをお納めください」
しずく「かすみさん、月曜日全力で同好会メンバーの妹(役)ね?」コッペパンモライツツ
璃奈「かすみ、パン買ってこーい」璃奈ちゃんボード『草』
かすみ「」 果林「あ、歩夢? どうしたの? その格好」
歩夢「どーもしねーぴょん。ただのぎゃるぴょんだぴょん」
果林「」
果林(落ち着くのよ、朝香果林。まずは状況を整理しましょう……。ここは、部室。目の前にいる人物は歩夢。朝は、いつも通りエマに起こしてもらった……よし、大丈夫、私は正常)
果林「歩夢、隣失礼するわね?」
歩夢「……好きにするぴょん」スマホポチポチ
果林「……」ジーッ
歩夢「んー? 果林パイセンどしたぴょん? ぎゃるぴょんの顔になにかついてるぴょん?」キャッ
果林「」イラッ
歩夢「あー、イラっとした? イラっとした?」ニシシ
果林「……」ジーッ 果林(!)
果林「…………ええ、少しね……」
歩夢「なら、果林パイセンも服飾同好会の部室にいくといいぴょん。皆そっちだぴょん」フイッ
果林「エマも?」
歩夢「エマパイセンと彼方パイセンはまだ来てないぴょん。侑ちゃん、愛ちゃん、せつ菜ちゃんが服飾同好会に呼ばれて、一年生の皆はそれについて行かせたぴょん」
果林(エマが来てない? 迷子にでもなっているのかしら……? それにしても……)
果林「ついて行かせた……ね……。で、寂しがり屋のぎゃるむは何に拗ねているのかしら?」
果林はそう言うと、歩夢の頭についていたうさ耳を取り外し、そのまま自分の肩へと抱き寄せた。
歩夢「…………拗ねてなんてないぴょん……」
果林「ふふ、うさ耳は外したんだから、ぎゃるぴょんはおしまいよ? それとも、私が隣にいても寂しい?」アタマヲナデナガラ
歩夢「……果林パイセン、エスパー……? ぎゃるむちゃんこわーい」 果林「違うわよ、歩夢がわかりやすいの。ほら、話してごらんなさい」
歩夢「えー、ぎゃるむちゃんはずかしー」
果林「あら、ギャルはむしろ、口は軽い物よ?」
歩夢「そうなの?」
果林「そうよ」
歩夢「愛ちゃん見てるとそうは思わないけどなー」
果林「じゃあ、愛が例外ということにしておきましょう? ね?」
歩夢「…………たいしたことじゃないんです……」
果林「ええ」
歩夢「改めて、SIFが終わって、私も少し成長できたかなって思ってたんです」
果林「そうね、歩夢はとても頑張ってるわ。日に日にダンスも上手になってるし、体だって柔らかくなってる」 歩夢「ありがとうございます。けど……私は自分が信じられなくなってるんです……
歩夢「今日のメイク、愛ちゃんが昨日の罰ゲームでしてくれたんですけど、すっごい上手で、素早くって、ライブの時とか早く治せるように練習してるんだそうです。
歩夢「それに侑ちゃんだって、最近は作曲頑張ってるし、さっきだってせつ菜ちゃんが呼ばれたのに、マネージャーだからって率先して行っちゃって、すごい頼りになって……
歩夢「他の皆もドンドンレベルアップして……とっても魅力的になって……置いてかれてる気がして、勝手に寂しくなって……
歩夢「自分かっこ悪いなーって自己嫌悪に陥って、果林さんにも当たっちゃって……本当にごめんなさい」
果林「ふふっ」
歩夢「むー……何で笑ってるんですか」
果林「ごめんなさいね。けど、うれしいの」
歩夢「え?」
果林「だって、少し前の歩夢からは想像できないわ、こんなことを相談してくれるなんて。ホント、せつ菜と侑と何があったのかしら?」
歩夢「もう//// 茶化さないでくださいよ、こっちは真剣に相談しているのに」
果林「あなたのその真剣な相談は、私からしたらただの杞憂ってことよ」アユムノリョウテヲツツミコンデ 果林「歩夢、あなたの尊敬してやまない先輩である私が保証してあげるわ。あなたは可愛い、とても魅力的な女の子――――――いえ、スクールアイドルよ!」
歩夢「……自分で言っちゃうんですね……」
果林「あら? 間違ってたかしら?////」
歩夢「そこは最後まで自信持ってくださいよ……さっきまですごいかっこよかったのに……けど、ありがとうございます」ニッコリ
果林「ッ――――! 別に大したことはしてないわ。事実を言っただけよ////」
歩夢「それでも、果林先輩のおかげで、少し自信が湧いてきました」
果林「そう、それはよかった――――――」
歩夢「けど、やっぱりまだまだ私には勇気が足りません。だから、我がままを言わせてください」
歩夢「私に――――――」
果林は眼を見開いた。
包んでいた歩夢の両手はほどかれ、そのまま自らの首に腕を回しながら、歩夢の顔が近づいてきたからだ。
歩夢「私に勇気をくれませんか?」 果林「あゆむ――――――」
果林は驚きのあまり、何も言えなかった。
ただただ、近づいてくる歩夢の顔を見つめることしかできなかった。
止めるべきなのだろう。しかし、人の好い果林には、先ほどの話をきいてしまった果林には、それができなかった。
むしろ、それが歩夢の自信に繋がるならと、心のどこかで考えていた。
しかし、その思考は部室のドアが開くことで中断された。
エマ「何してるの――――――?」 果林は驚いた。ドアの前に立っていたのは自らの親友。
エマ「ねえ、果林ちゃん、今――――――歩夢ちゃんとなにしようとしてたの?」
前髪で瞳が隠れ、表情はうまく読み取れないが、いつもより低く、震えた声でエマは問うた。
果林「エマ、違うの! これは―――――」
慌てて開いた果林の口を、歩夢がその手でふさぐ。
歩夢「エマ先輩、空気読んでください……」
エマ「歩夢ちゃん、可愛らしい恰好してるね? けどね、今私は果林ちゃんに聞いたの? その手を放してくれないかな?」
歩夢「果林さんの口は、これから私とキスするのに忙しいんです」
エマ「……キス?」
エマの肩が震えたのが果林にわかり、歩夢の手を振りほどく。
果林「エマ、聞いて、これは――――――」 エマ「ずるい! 私も果林ちゃんとキスしたい!」
果林「――――――え?」
エマ「歩夢ちゃん、変わって、私が果林ちゃんとキスする!」カリンニツメヨリナガラ
歩夢「だめです、私とするんです!」
果林「…………」
果林「( ゚д゚)ハッ!」
果林「二人とも、キスなんて、もっとこう……大事な人とのだめに取っておきなさい」
エマ「果林ちゃん、スイスじゃキスなんて挨拶だよ!」
歩夢「さっき果林さんが言ったんじゃないですか、ギャルの口は軽いって!」
果林「そういう意味じゃないわよ!」アナタギャルジャナイデショ!
エマ「果林ちゃんは私とキスするの」
歩夢「私です!」 エマ・歩夢「果林(ちゃん)(さん)!」
エマ「私?」
歩夢「それとも私!?」
果林「え、えぇ……」
果林が困惑していると、軽快な音楽が部室になりだした。
しずく「はい、お二人とも! マクロスピードで突っ走ってください!」
しずくからマイクを受け取り、果林から離れて歌いだす二人。
エマ・歩夢「〜♪(某FなマクロスのOP)」
そんな二人をあっけにとられた表情で見つめる果林。
そして二人が歌い終わると同時に、愛が部室に飛び込んできて、白い板を掲げた。
しずく「ドッキリだいせーこー!」
果林「……」
果林「……」
果林「……」
果林「……え?」
果林「…………え?(困惑)」 ネクスト 未定
落ちが無理矢理感ありますが、そこは寛大な心で見ていただければ……。
本日もありがとうございました。 果林「なるほど、まんまとしてやられたわけね……」
エマ「ごめんね、果林ちゃん。ジャパニーズドッキリ、してみたかったんだー」
果林「別にいいわよ。最初は驚いたけど、二人のステージを独り占めできたと考えるとおつりがくるわ。それに、可愛い歩夢も見れたし」
歩夢「/////////」
侑「真っ赤になってる歩夢も可愛いよ!」
しずく「エマさん、今のドッキリの映像見ます?」
エマ「みるみるー」
ワタシモ、アタシモー、ワイワイガヤガヤ
コノキョクメイナニー
トライアングラー
果林「……けど、残念だわ。あゆぴょんがこれで二人の秘密じゃなくなっちゃったわね」 歩夢「か、果林さん、少し怒ってます?」
果林「そうね……少し怒ったかしら」
歩夢「うぅ……」
果林「……次からは……歩夢が演技なんかに頼らなくても素で相談しに来れるようになるわ」
歩夢「え?」
果林「さっきも言ったけど、私はあなたが最も尊敬する先輩よ。それくらい、わかってるつもり」
歩夢「果林さん……」
果林「ふふっ……私もかっこいい歩夢を見てこようかしら」
歩夢「……」 かすみ「そういえばしず子ぉ、ここにいないのはあと彼方先輩だけですけど、せつ菜先輩と侑先輩にはドッキリしないの?」
しずく「ええ。そもそもお二人とも歩夢さんがドッキリしても意味ないので、今回は最初から除外して考えてるの」
璃奈「意味がない?」璃奈ちゃんボード『?』
しずく「だって、侑さんはどんな歩夢さんを見ても条件反射で可愛いって歩夢さんの行動をすべて受け入れてしまって、ドッキリがそもそも成立しない」
侑「私、そんなに歩夢に甘いかなぁ……?」
愛(え? こっちも自覚なしなの?)
しずく「そして、せつ菜さん。せつ菜さんは私たちと普段から音楽劇練習してるから歩夢さんの演技を見慣れているし、何より……せつ菜さんは、菜々さんだよ?」
璃奈ちゃんボード『あー』
かすみ「確かにそう聞くと納得ですね。普段から演技してるから演技の看破は得意なんですね」 侑ちゃんはある意味対歩夢最強兵器か。逆もそうかもだけど しずく「うん。だからどちらにしろ、お二人は除外」
エマ「じゃあ、ラストターゲットは彼方ちゃんなんだね、彼方ちゃんの目が覚めるようなジャパニーズドッキリをしちゃおー」
かすみ・愛「「おー!」」
果林「で、作戦はどうするの? 今ならたぶんいつものベンチでミーティング開始時間までのつもりで寝てると思うけど」チラッ
エマ「もうミーティングの時間なんだね、気付かなかった―」
かすみ「それではぁ、遅刻の罰も兼ねて強烈なのを――――――」
果林「あ、彼方だけど、昨日の夜電話したら、22点を取っちゃって追試になったどこかの誰かさんの勉強を見てあげるためのノートを作っていたみたいよ?」
かすみ「ええ、遅刻はいけませんが彼方先輩はいつも色々頑張っていますし、マイルドに行きましょう」 璃奈ちゃんボード『ジト―』
愛「かすみん、追試、頑張りなよ? カナちゃん、科が違うのに勉強見てくれてるんだから」ヨシヨシ
かすみ「はい……」
しずく「うーん……じゃあ、彼方さんへはこんな作戦で行きませんか?」
ネテイルカナタサンヲーーーーーー
エーソレイケル?
カナタサンオキチャイソー
ソコハエママノチカラデ
ウン、マカセテ
カワイイカナタガミレルカシラ
6人目 近江彼方 訂正:五人目 近江彼方
「ぉきて―――――」
彼方「んー?」( ?ω?)スヤァ
「――――――姉、おきて――――――」
彼方「あとごふん……」( ?ω?)スヤァ
歩夢「彼方姉、起きて!」
彼方「あゆむちゃん、あと5分――――――ぇ?」トロン
歩夢「あ、やっと起きた」
彼方「え? あゆむちゃん?」トローンリ
歩夢「そうだよー可愛い可愛い歩夢ちゃんだよー? 彼方姉、目が覚めた?」
彼方「かなた……ねえ……?」トローン
歩夢「そうだよ? 彼方姉は彼方姉じゃない?」
彼方「んー?」ボーッ 彼方(いつものベンチで寝てたはずなのに、いつのまにか部室のソファーで寝ている。そして、腕の中には何故かギャルの格好の歩夢ちゃん。歩夢ちゃんがこんな格好と口調するわけないから……)
彼方「なんだ、夢かぁ……」トローン
歩夢「夢なの?」(汗)
彼方「夢でいいよ〜、歩夢ちゃん、ぬくくてきもちいいし〜」トローン
歩夢「そっかぁー」アタマナデナデ
彼方「あゆむちゃん、頭撫でるのじょうずだね〜。侑ちゃんにもやってあげてるの?」
歩夢「うーん、侑ちゃんは最近は撫でさせてくれないんだよねー。けど、かすみとしずくはよく撫でてあげてるよー」
彼方「ふふふ、二人ともあまえんぼさんだね〜。今の彼方ちゃんが言えないけど」
グハッ×2
フタリトモズルイ、ワタシモアユムサンニナデラレタイ 歩夢「彼方姉も、たまには甘えていいんだよー?」
彼方「えー、そうかなぁ」
歩夢「そうだよー」
彼方「そっか〜」
彼方「……」ギュッ
歩夢「ん////」
彼方「……歩夢ちゃん、今日なんだか軽いねー」
歩夢「えー、なにそれ彼方姉ひどくなーい?」
彼方「ちがうよ〜、いい意味でだよ〜。いつもより力が抜けてる」
歩夢「そうかなぁ?」
彼方「そうだよ〜。いつもはねー……うーん……」
彼方「無理矢理前に行かなきゃって身構えてる感じかなぁ」
歩夢「」ピクッ 彼方「気持ちはねー、なんとなくわかるよ〜?
彼方「けどね、そうやって進もうとすると、とっても疲れちゃうよ〜?
彼方「そんな構えなくても、歩夢ちゃんはちゃんと進めてるんだから。
彼方「けど、たまには進むのが一歩だけにも半歩も進まない日だってあるよ〜
彼方「そんな時はね、無理しないで一回寝ちゃえばいいんだよ? 寝たらそのあと頑張れるんだから
彼方「あと、だれかにあまえて元気貰えば、その寝た後の一歩は、大きな一歩になるんだよ
彼方「だから、私は実は家では妹の遥ちゃんにあまえまくりなのです」ドヤァ
彼方「あ、エマちゃんにもたくさんあまえちゃってるや〜、これ、遥ちゃんに内緒ね?」
歩夢「……私、そんなにわかりやすいですかね?」
彼方「うーん……彼方ちゃんはお姉さんだからね」 彼方「だから、私を姉と呼んでくれる子にはあまあまなのだ〜。だから、どんなことでもこの彼方姉に相談するがいい〜」
歩夢「ふふ、ありがとう。彼方姉」
彼方「うむうむ」
歩夢「えへへへ、ねえ彼方姉、もっとギュッてしていい?」
彼方「よいぞよいぞ〜、ちこ〜よれぇい〜」
歩夢「ありがとう、彼方姉」ギュッ
彼方「おぉ……//////」
彼方(冷静になってくると、少し恥ずかしくなってきちゃったなぁ//// 歩夢ちゃん、あたたかくて気持ちいいけど、ちょうど胸に埋まる形だし……)
歩夢「えへへ、私、一人っ子だからお姉ちゃんって憧れてたんだ」
彼方「そっかぁ。けどいいのかい? こんな彼方ちゃんみたいにトローンとしたのがお姉ちゃんで」
歩夢「ううん、彼方姉いつもしっかり者の頑張り屋さんだよ?」
歩夢「彼方姉こそ、こんな妹はイヤ?」胸の中から彼方を見上げて
彼方「ぅ……/////」
彼方(両手でこっちをぎゅっと掴んでの上目遣い//// 歩夢ちゃん、1年生の子たちの相手をしているときに姉力の方が高いと思ってたけど、もしかして妹適正もすごいある?////) 歩夢「……」
歩夢「……そうだよね、彼方姉には遥ちゃんがいるもんね……。ごめんね? 答えにくい質問して……」
彼方「え?」
歩夢「すぐ、退くから」
悲しげな表情で自らに回していた腕を抜き、歩夢は立ち上がろうとする。
彼方「歩夢ちゃん、待って!」
彼方はそんな歩夢の手をつかんだ。
彼方「え?」
すると、歩夢は自らの上に倒れこんできた。
――――――彼方は引く力を全く入れてないのに。 歩夢「……」
歩夢「……そうだよね、彼方姉には遥ちゃんがいるもんね……。ごめんね? 答えにくい質問して……」
彼方「え?」
歩夢「すぐ、退くから」
悲しげな表情で自らに回していた腕を抜き、歩夢は立ち上がろうとする。
その悲しげな表情に、彼方は自分の中の姉としての本能がくすぐられたのが分かった。
彼方はすごい勢いで起き上がり、立ち上がった歩夢を抱きしめ、頭を撫でながら宣言する。
彼方「歩夢ちゃん! 歩夢ちゃんなら大歓迎! 彼方ちゃんの妹になるのだー! 手始めにお姉ちゃんが膝枕を――――――」
唇に歩夢の人差し指が当てられた。
そして、それと同時に歩夢の顔を見た彼方は眼を見開いた。
歩夢「ごめんね、彼方姉――――――」
歩夢は、少し申し訳なさそうに微笑んだ。 果林「ほら、彼方起きて―」
横から果林の声がして横を見る。
そこには、スクールアイドル同好会のメンバーが全員そろっていた。
しずく「ドッキリ、だいせいこー」
彼方「……」
彼方「……」
彼方「……夢か……」
かすみ「(夢じゃ)ないです」 ラスト ?????
次でラストです。
本日もありがとうございました。 彼方「なるほどー、彼方ちゃんは歩夢ちゃんの妹力の犠牲となったのか―」
しずく「かっこよかったですよ。彼方さんを起こさないようにお姫様抱っこで運ぶエマさん」
エマ「彼方ちゃんは軽いから余裕だったよー。ちゃんと食べてる?」
彼方「エマちゃんが運んでくれたんだー。起きたら部室だったからびっくりしたよー」
果林「私は、写真を撮っておいたわ。グループラインに貼っておくわね」
彼方「おー、エマちゃんかっこ可愛い! 果林ちゃんも映ってるし、せっかくだし、これ待ち受けにしちゃおう」
侑「流石彼方さん、狼狽えないね!」
彼方「別に痛いことされたり、璃奈ちゃんや愛ちゃんみたいに恥ずかしいことされたわけじゃないしね〜。それに―――――」チラッ
歩夢「」ソファーデウツブセデチカラツキテイル
せつ菜「歩夢さああああああん! しっかりして下さいぃい!」ユサブリ
彼方「ああやって自分の演技を全て上映されて、演技に夢中で忘れていた羞恥心が全部跳ね返ってきた歩夢ちゃんに比べたらダメージは遥かに少ないからねぇ……」ムチャシヤガッテ 果林「あと、今回歩夢に完全攻略された三人もね?」
かすみ「カスミンハチョロクナイカスミンハチョロクナイカスミンハチョロクナイ//////」ブツブツブツブツ
璃奈『』璃奈ちゃんボード『プシュー///////』
愛「コンアノアイサンジャナイコンナノアイサンジャナイコンナノアイサンジャナイ///////」ブツブツブツブツ
しずく「ああ、歩夢さんの演技……ときめいちゃいます/////」ウットリ
彼方「歩夢ちゃんの演技に魅入ってるしずくちゃんもねー」
侑「けど、本当に歩夢の演技、上手だったなー。それにどれも可愛かったし、流石私の幼馴染! 果林さんも歩夢とエマさんの演技で少し慌ててたけど、どうでした?」
果林「あら、絶世の美女と、とっても可愛い後輩に迫られたのよ? それくらい許してほしいわ」
エマ「もう、果林ちゃんったら/////」
彼方「さらっと口説くあたり、果林ちゃんだよねー。そのうち刺されないでよ?」
果林「大丈夫よ。私、あなたやこの子たちみたいに本当にいいものにしか興味ないもの」
彼方(……だめだこりゃ) 侑「はは……じゃあ、上映会で少し遅くなったけど、ミーティング始めようか。今動けるのは……しずくちゃん、ミーティングの準備するから手伝って―」イソイソ
しずく「あ、はい。わかりました」ナニヲスレバヨロシイデスカ?
エマ「私は皆の飲み物用意するねー」イソイソ
彼方「……ねえ、果林ちゃん」コソッ
果林「なにかしら?」
彼方「歩夢ちゃんのことだけど……」
果林「ああ。映像では拾えてなかったけど、たぶん、同じようなことを言ったと思うわ。けど、それに関しては、私たちはもう何もできることはないわよ」
彼方「……大丈夫なの?」
果林「大丈夫よ、歩夢は強い子だもの。それに、あの子の背中を押すのは、私たちじゃないわ」チラッ
アユムサン、キヲタシカニ……
ゼツナチャン…… 〜ミーティング後〜
自販機「ピッ ガタン」
せつ菜「はい、歩夢さん」コウチャワタシ
歩夢「ありがとう、せつ菜ちゃん」ウケトリ
せつ菜「おや、まだ罰ゲームの期限内ですよ?」クスリ
歩夢「……せっつーの意地悪……」プクー
せつ菜「ふふ、すみません。ちょっとした茶目っ気です。今は二人だけですし、普通にしゃべってください」
歩夢「もう……//////」
せつ菜「じゃあ、戻りましょうか」
歩夢「はー……部室に戻ったらまたぎゃるむちゃん再開しないと……」
せつ菜「あはは……けど、今日この後はランニングなどの軽い練習のみですし、すぐ解散になります。あと数時間の我慢ですよ」 そういえばこれドッキリ受ける子じゃなくて歩夢の罰ゲームだったわ 歩夢「うぅ……自販機から部室までの廊下が長いことを今日ほど喜んだことはないよ……この姿見られるのは恥ずかしいけど……」
せつ菜「愛さんの練習着、よくお似合いですよ?」
歩夢「ありがとう。けど、やっぱりおへそ出すのは少し恥ずかしいかな/////」
せつ菜「しかし、愛さんとお揃いというのはうらやましいです。私は誰かとお揃いの服装などしたことはないので」
歩夢「そうなの?」
せつ菜「はい。なので……歩さんさえよろしければ、今度お揃いの服など買っていただければと////」キョウ、ショウジキウラヤマシカッタノデ゙
歩夢「なんだーそんなこと? うん、いいよ」
せつ菜「え? いいのですか?」
歩夢「うん」
せつ菜「ありがとうございます!」 歩夢「さっそく今日行く?」
せつ菜「はい! ぜひ! とても楽しみです、どんな服にしましょうか? あ、どうせなら侑さんと愛さんを誘って二年生でお揃いも――――――いえ、しずくさんを誘ってA・ZU・NAでお揃いも――――――」
歩夢「だめ」
せつ菜「え?」
歩夢「あっ……ううん、ごめん。たしか侑ちゃんは今日、音楽科の課題のために居残りしたいって言ってたから……。二年生でお揃いにするなら、また別の日にしよう?」
せつ菜「そうだったんですね。流石は侑さん、歩夢さんに負けず劣らずの努力家ですね!」ペカー
ではまた今度にしましょうと、部室に足を向けるせつ菜。
歩夢は見てしまった。せつ菜の少し寂しそうな横顔を。
気が付くと、歩夢は動き出していた。
歩夢「……ねぇ、せつ菜ちゃん」
はい、なんでしょう――――――せつ菜はそう答えるつもりだった。しかし、答えられなかった。 振り向いたら、目の前に歩夢の顔があった、至近距離で見た歩夢の瞳に見とれた。その一瞬で、先に、自分の唇に、歩夢のそれが触れた。
あたたかく柔らかいその感触に、せつ菜の思考は止まる。
どれくらいしてただろうか。
歩夢は唇を放すと、小悪魔めいた笑みを浮かべた。
歩夢「ドッキリ大成功?」
歩夢はそういうと、せつ菜から少し離れた。
歩夢「えへへ、油断しすぎ。果林さんも言ってたでしょ? ギャルの口は軽いんだって?」ワタシ、マダギャルムチャンダヨ?
呆然とするせつ菜。
そんなせつ菜を見て、歩夢は再び小さく微笑む。
歩夢「さっきの買い物の話、やっぱり今日二人で行こう! お台場でデートだよ」
まだ回復しないせつ菜にウインクを一つ残し、歩夢は廊下を駆けてゆく。
その後姿をみて、我に返るせつ菜
せつ菜「歩夢さん!//// 廊下を走ってはいけません!」 とっさに出てきた言葉はそんな言葉だけだった。
そして、触れた唇の感触と、歩夢の表情を思い出し、赤くなったせつ菜は頭を抱えて廊下にうずくまる。
ドッキリと歩夢はそう言った。けど、――――――
せつ菜「歩夢さん、私には、歩夢さんの演技、通じないんですよ?//////」
表情で、声で、歩夢の顔ははっきりと演技でないことをせつ菜に証明していた。
その証拠である、歩夢の表情も、声も、体温も、せつ菜の脳から一向に消えそうになかった。
問いただしたいが、そんな勇気は自分にはないし、ドッキリと言われたらそれまで、自分じゃ歩夢に口で勝てないことも100も承知していた。
どうして自分にキスをしたのか。知りたい、けど、きっと今は知ることができない――――――
せつ菜「ズルいです、歩夢さん――――――」
胸の高鳴りを感じながら、せつ菜はそうつぶやくのだった。 歩夢は暫く走り、空き教室に入って力なく座り込んだ。
この息切れは、鼓動は、走ったからだけではないだろう。
少し呼吸を整えて、改めて、自分のしたことを振り返る。
歩夢「ずるいなぁ――――――私」
せつ菜が自分の演技を見抜けることを知っていて、ドッキリと言い張ってキスをした。
逃げ道がある。
そう思ってしまったからこそ、とっさにしてしまった行動だった。
歩夢「なんでキスしちゃったんだろう……」
さっきまで、散々キスする演技をした。しかし、本当にしたいと思ったのはせつ菜が初めてだった。
かわいくて、かっこよくて、大切な仲間で、ライバルで、同時に、一番の憧れで――――――
歩夢「ごめんね、せつ菜ちゃん――――――」
歩夢(ごめんなさい、果林さん。私はまだまだ勇気が足りないようです。だから―――――まだ、友達のままでいさせてください。そして、次は“私”に想いを伝えさせてください)
祈るように歩夢は願った。そして、自分の頬を両手て一つ叩いて気合を入れる。
歩夢「よし、あと数時間。ぎゃるむちゃんの演技頑張るよ!」
自分を鼓舞し、歩夢は部室へと戻っていくのだった。 ラスト ????? → 優木せつ菜
これで私の投下は以上になります。
短いスレで、少し描写不足な部分もあったと思いますが、6日間、ありがとうございました。
次を書くことがあればエマさんや侑ちゃんも活躍させたい……。 ギャルのキャラやドッキリの内容がそれぞれ可愛くてすごくよかった。おつ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています