タイムラグ:17秒


彼方「……分かった」

遥「お姉ちゃん」

遥「……」

遥「お姉ちゃんのことは、好きだよ」

遥ちゃんは静かに言う
優しくて、でも、悲しい気持ちも交じっているような
そんな……小さな切ない声

遥「でも……今日のお姉ちゃんは違う」

遥「様子がおかしくて……まるでお姉ちゃんじゃないみたい」

彼方「……そっか」

遥「そんなはず、ないのにね」

遥「……お姉ちゃんは、お姉ちゃんなのにね」

遥「ごめんね……」

遥ちゃんはとても悲しそうに体を震わせる
時々、抱きしめる腕にはぽつぽつと、雫が落ちてくるのを感じて。

私はただただ、遥ちゃんのことを抱きしめて――救急車が来るのを待った