タイムラグ:58秒


彼方「遥ちゃん……」

どうしちゃったのって……何が。
ただ、私は遥ちゃんが欲しいだけ

私の名前を呼ぶ唇が、
私の身を案じる言葉をはじき出すその舌が
愛おしくて、愛したくてそれができそうだったから……しただけ。

最初に――欲しいって言ったのに。

遥ちゃんは嫌だったのかな
私のことなんていらないのかな
でも……突き放されたりはしなかった

――そうだ。もう一回

もう一回、してみれば――

遥「っ……」

彼方「……え?」

遥ちゃんの手が私の体を押し離す
キスをしたいのに、
それを拒む遥ちゃんの心の距離が、許してくれない