タイムラグ:47秒


遥「……」

遥「また……そうやってぼうっとして」

遥ちゃんが私の体に触れる
凄く心配している瞳
でも、それ以上に目を引くのは私の案じる言葉を紡ぐ唇

彼方「遥ちゃん……」

――欲しい

彼方「遥ちゃん……っ」

――遥ちゃんの、唇

遥「お姉ちゃん?」

意思とか、意識とか、
とにかく、私自身がどう思っているかなんて関係なく体は動いた。

私に触れてきていた遥ちゃんの手を掴んで、
腰のあたりを強く抱き寄せて

遥「おね――」

彼方「欲しい」

遥「んっ……んんっ!」

遥ちゃんの唇を奪う。
強く押し付けて、貪るように
驚きに戸惑っているからなのか、
私のことを呼ぼうとしたのを遮る形になったからなのか
半開きになって阻むことのない唇と、その奥までもを……私は丹念に味わう

遥「んっ……っ……んんっ……」

びくびくと遥ちゃんの体が震える
掴んだ手は動こうとするけど、振り払うほどの力はなくて
もう一方の手は、私の肩に触れるだけだった