タイムラグ:85秒

二度目の鐘が鳴って、学校中が静まり返っていく。
廊下に響く数人の足音

一つ、一つ
その音が止まっていくたびにどこかの教室の扉があけられる音がする

彼方「……」

結局私のメッセージに既読はつかなかった。
遥ちゃんからのメッセージが来た時に通知が鳴るようになっているかを確認してから、
スマホをポケットにしまう

彼方「大丈夫……心配しないで」

彼方を見守る周囲のクラスメイトに、穏やかに言ってほほ笑む。

情緒不安定というのだろうか。
ついさっきまで遥ちゃんに会いたくて仕方がなかったのに
今はもう、なぜか、そうでもない。
時間的に仕方がないって諦めたのか、それとも、なんか……変なのか。

彼方「……大丈夫」

足音の一つが教室に近づいてくる。
授業の準備をしよう