タイムラグ:25秒


彼方「ん……」

もぞもぞと布団の中で少しだけ体を動かす。
いつもしていること――いや、やらなければいけないこと

自分のためでもあるけれど
やっぱり、一番は遥ちゃんのためにやること。

彼方「……やらなきゃ」

ふっと……体の重みが消える
頭の中にのしかかるように感じられた痛みも失せて
すっかり、目が覚めた。

まるで金縛りにあっていたかのようだ

彼方「ご飯と……お弁当」

キシッ....と、ベッドを軋ませながら二段ベッドの一段目から出る
上の段ではまだ、遥ちゃんが寝息を立てている

彼方「……よかった」

いつもより目覚ましを止めるのが遅かったはず。
遥ちゃんを起こしてないかとちょっぴり気になったけれど、どうやら杞憂だったらしい