0010名無しで叶える物語(らっかせい)
2021/04/15(木) 19:09:11.33ID:yf9Gbt+6彼方「ぅ……」
うまく声が出ない
体もなかなか動かせそうにない
遥ちゃんが何度も体を揺さぶって、今にも泣きそうな顔をしているのが見える
いつもならとっくに起きて、ご飯を作っているのに
なのに、遥ちゃんに起こされようとしてるからだろうか。
遥「お姉ちゃ――」
彼方「うーん……」
彼方「遥ちゃんが抱きしめてくれるなら元気になるよ〜……」
やっと出せた声はそんな言葉で。
体を揺さぶっていた遥ちゃんはその手を止めて唖然とする
遥「な、なに言ってるの?」
遥「咳は……出てないけど、頭痛いとか、ねぇ」
遥「お姉ちゃんっ、今日は学校休んだ方がいいんじゃないかな」
彼方「抱きしめてくれるなら元気に……」
遥「お姉ちゃん……」
遥ちゃんのぎゅっとつむった目元から涙がこぼれる
すぐそばのスペースに膝をついて、潜り込むようにした遥ちゃんの腕が体を抱き上げようとして――
力が足りなかったのか、起こされることなく、ぎゅっと抱きしめられた