歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを寝取られた……」
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歩夢「侑ちゃん、せつ菜ちゃんと付き合うなんて……」
歩夢「……どうして?」
歩夢「私の方が、ずっと前から侑ちゃんのことを好きだったのに……」
歩夢「……せつ菜ちゃんも」
歩夢「私が、私が侑ちゃんのこと好きなの、気づいてたよね……?」
歩夢「なのに、どうして、私から侑ちゃんを寝取るなんて」
歩夢「ひどいよ……」
せつ菜「それは違います!!!!!」
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!? 〜翌朝、高咲家、侑の部屋〜
歩夢(翌朝、私はいつもより少し早めに起きて侑ちゃんの部屋へ向かった)
歩夢(侑ちゃんのお母さんにはいつもより起こしに来るの少し早いね?と聞かれたけど、学校でやることがあると適当に誤魔化しておいたので問題はないはず……)
ガチャ
歩夢「……侑ちゃん、起きてる?」ガチャ
侑「すー……すー……」スヤスヤ
歩夢(……よかった、まだぐっすり寝てるみたい)
侑「んー……」ムニャムニャ
歩夢「……」ジッ
歩夢(可愛い寝顔だなぁ)
歩夢「ふふ……」ナデナデ
侑「ん……」
歩夢(……私以外の誰にも見せたくないなぁ) 歩夢(考えたくないけど、このまま何もしなかったらせつ菜ちゃんとお泊まり会とかしちゃうんだよね……)
歩夢(そしたらきっとその夜は……)
歩夢「……っ!」ギリッ
歩夢(嫌っ!!)
歩夢(侑ちゃんが私以外の人とそんなことするなんて、そんなの絶対に許さない!!)
侑「すー……」スヤスヤ
歩夢(誰かに奪われるくらいなら、先に私が……)
歩夢「……侑ちゃん」ソッ
侑「……む」
歩夢「?」
侑「あ、ゆむ……」ムニャムニャ
歩夢「……!」 侑「えへへ……」ムニャムニャ
歩夢「侑、ちゃん……」
歩夢(寝言で、私の名前を……!)
歩夢「……」ジッ
侑「すー……」スヤスヤ
歩夢(……いくらなんでも、寝てるところを襲うのはダメだよね)
歩夢「……」ナデナデ
歩夢(侑ちゃんが自然に起きるまで、愛でるだけにしよう)
歩夢(……さすがにまだ朝だし、ね) 〜しばらくして〜
侑「……ん」パチッ
歩夢「あ、起きた?」
侑「……あゆ、む?」
歩夢「おはよう、侑ちゃん」ニコ
侑「……おはよ」
歩夢「よく寝られた?」
侑「うん、まあ……」
歩夢「そっか、ならよかった」ニコ
侑「……んん?」
歩夢「どうしたの?」
侑「いや、あれ……?」
侑「なんで私の横に歩夢が寝てるの……?」 歩夢「……もう、侑ちゃん覚えてないの?」
侑「え?」
歩夢「昨日侑ちゃんが無理やり私のことを……」
侑「……えぇ!?」
歩夢「忘れるなんてひどいよ」グスッ
侑「い、いやいや!そんなことしてないよね!?」
歩夢「うん、嘘だよ」ニコ
侑「そっ……そうだよね!はー、焦った……寝起きにいきなりそんな冗談やめてよもう……」ハハ
歩夢「……ねぇ侑ちゃん」
侑「なに?」
歩夢「さっきいった"そんなこと"って、どんなこと?」ニコ
侑「……へ?」 歩夢「侑ちゃんはどんなこと想像したのかな?」
侑「あ、歩夢……?何を言って」
歩夢「……例えば」グイッ
侑「えっ」
ドサッ
歩夢「こんな状態、だったりするのかな……?」
侑「!?」
侑(あ、歩夢の上に覆い被さる形に……!)
歩夢「侑ちゃん……」ジッ
侑「!」ドキッ 歩夢「……ね、どういうこと思い浮かべたのかな?」
侑「あ、歩夢……」
歩夢「教えて……?」ジッ
侑「っ」ドキッ
侑(な、なにこれ、歩夢どうしちゃったの!?)
歩夢「……」ジッ
侑(そんな潤んだ瞳で人のこと見上げる歩夢なんて!私知らないよ……!)
侑「え、と……」ドキドキ
歩夢「侑ちゃん……」
侑「い、いや私は……」ドキドキ
歩夢「……」
侑「〜っ!!」
歩夢「……ふふ」クスッ
侑「!」 歩夢「ね、侑ちゃん」ジッ
侑「な、なに……?」
歩夢「目、ちゃんと覚めた?」
侑「え?」
歩夢「……」ニコニコ
侑「……っ!も、もうだから冗談はやめてってば!」バッ
歩夢「ふふ、だって侑ちゃん可愛い反応するから」クスクス
侑「〜っ!なんか変だよ歩夢!」
歩夢「……そう?」
侑「いつもならこんなことしないのに!」フイッ
歩夢「そうかなぁ」アハハ
侑「そうだよ!幼馴染の私が言うんだから間違いないよ!」
歩夢「そっかぁ……じゃあ」
歩夢「本当に変になっちゃったのかも、ね?」ニコ /⁄*イ`^ᗜ^リ歩夢さん!!!無駄なあがきは見苦しいですよ!!! 侑「え?」
歩夢「……なんてね」
歩夢「冗談はおしまい!さっ、学校行く準備しよっか」ニコ
歩夢「侑ちゃんが起きたって、侑ちゃんのお母さんに伝えてくるね」
侑「う、うん」
〜侑の部屋の外〜
歩夢「……ふぅ」
歩夢(き、緊張した……!)ドキドキ
歩夢(侑ちゃんにあんなこと、初めてしたよ……!)カァァァ
歩夢「うぅ……」ドキドキ
歩夢(……でも、私だけじゃなくて────)
───────
侑「え、と……」ドキドキ
侑「い、いや私は……」ドキドキ
侑「〜っ!!」
───────
歩夢(────侑ちゃんもドキドキ、してくれてたよね?) 歩夢(侑ちゃんがもし本当にせつ菜ちゃんのことを好きで付き合ってるなら)
歩夢(私に向けてあんな顔したりしないよね……?)
歩夢(侑ちゃん、やっぱりせつ菜ちゃんのことは本気じゃないんじゃないかな……?)
歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたら付き合ってるだけなんじゃないかな……?)
歩夢(もし、もしもそうだとしたら)
@cメ*◉ ᴗ ◉リ侑ちゃんを私のモノにするチャンスは、大いにあるってことだよね……! >>262
すみません、以下訂正です
×歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたら付き合ってるだけなんじゃないかな……?)
◯歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたから付き合ってるだけなんじゃないかな……?)
──────
〜登校中〜
歩夢「侑ちゃんっ」
侑「ん?」
歩夢「手、繋いで歩いてもいいかな?」ニコ
侑「うん、いいよ」ギュッ
歩夢「えへへ……」ギュッ
歩夢(……ほら、やっぱり)
歩夢(付き合ってる人がいるなら、他の人とこんなことしたりしないよね?)
歩夢(侑ちゃんはやっぱりせつ菜ちゃんのことなんてなんとも────)
侑「……あっ」
歩夢「?」
侑「ごめん歩夢、やっぱり手繋ぐのなしで」パッ
歩夢「……え?」 歩夢「な、なんで……?」
侑「……私、せつ菜ちゃんと付き合ってるじゃん?だから、他の人とこういうことするのはよくないかなって」
侑「相手が歩夢だったからさ、ついいつものノリで自然と繋いじゃった」アハハ
歩夢「……そっ、か」
侑「うん、ごめんね」
歩夢「ううん……私こそ、配慮が足りてなかったから」
歩夢「ごめん、ね……?」
侑「大丈夫、うっかりしてた私が悪いからさ」
侑「いや〜でもそっかぁ……これから歩夢と手繋いだりするのも控えなくちゃだなぁ」アハハ
歩夢「!」 歩夢「それ、は……」
侑「そしたら腕組みとか……あ、ハグとかもダメなのかな?」
歩夢「……」
侑「どこまでセーフでどこまでアウトなんだろ?私そういうのあんまり気にしてこなかったからなぁ」ムムム
歩夢「…………」
侑「そうだ!ね、歩夢はどう思う?」
歩夢「……なにが?」
侑「その、恋人以外の人とやることについて、かな?どこまでセーフでどこからアウトなのかなって」
歩夢「恋人以外、と……?」
侑「そうそう!」
侑「ほら、私わりと皆にくっついたりくっつかれたりしがちな感じあるからさ!その辺りのラインを決めとかないと今後色々とアレかなって」アハハ
歩夢「……そう、だね」
歩夢「私は……」 歩夢(もし、私が侑ちゃんの恋人なら)
歩夢(……手を繋ぐなんて絶対にやってほしくない)
歩夢(当然腕組みもダメ、ハグなんて以ての外で……それだけじゃない)
歩夢(私以外の誰かが、侑ちゃんの隣にいるのも嫌)
歩夢(侑ちゃんの笑顔が別の誰かに向けられるのも嫌)
歩夢(侑ちゃんのそばに誰も近寄って来てほしくない)
歩夢(誰かがそばにいたら、優しい侑ちゃんはきっと誰にでも優しくしてしまうから)
歩夢(そしたら、いつ誰が侑ちゃんのことを好きになるかわからない)
歩夢(……今のせつ菜ちゃんみたいに)
歩夢(だから)
歩夢(だから、私だけの侑ちゃんでいてほしい)
歩夢(他の誰のことも見ないで、私だけを見ていてほしい)
歩夢(……なんて)
歩夢(言えるわけ、ないよね) 侑「歩夢?」
歩夢「!」
侑「どうしたの?」
歩夢「……ううん、なんでもないよ」ニコ
侑「そう?」
歩夢「うん……さっきの質問の答え、だけど」
歩夢「侑ちゃんの意見と、せつ菜ちゃんの意見を擦り合わせて見たらいいんじゃないかな?」
侑「せつ菜ちゃんと?」
歩夢「……私に恋人がいたら、相手に相談したかなって思って」
侑「なるほど……」
歩夢「……」
侑「確かにそうだね!うん、せつ菜ちゃんに相談してみるよ!」
歩夢「……うん」
侑「いや〜さすが歩夢だなぁ」
歩夢「そんなこと……」ハハ
歩夢(何を笑ってるの、私……!) 歩夢(こんなんじゃダメだよ……!これじゃ侑ちゃんはせつ菜ちゃんの元に向かっちゃう……!)
歩夢(侑ちゃんを私のモノにするんでしょ!?)
歩夢(だったら!もっと、もっと攻めなきゃ……!)
歩夢「……っ」ゴクリ
歩夢「で、でもっ」
ギュッ
侑「!」
歩夢「……っ」ギューッ
侑「あ、歩夢、だから手は繋いじゃ……」
歩夢「恋人じゃなくてっ」
侑「?」
歩夢「幼馴染の、私としては……」
歩夢「侑ちゃんと手を繋げなくなるの、寂しいよ……」ギュッ
侑「っ」ドキッ 歩夢「今までずっと、手を繋いだり」
歩夢(そうだよ)
歩夢「腕を組んで登下校したり」
歩夢(もっと)
歩夢「たまにハグしたり」
歩夢(もっと攻めるんだ)
歩夢「そうやって過ごしてきたんだもん」
歩夢(他の誰からどう思われたっていい)
歩夢「侑ちゃんに恋人ができたからって、いきなりそれが全部できなくなるのは」
歩夢(侑ちゃんさえいれば、私は)
歩夢「私、寂しいよ……!」グスッ
歩夢(他のモノなんて、何もいらないんだよ……!) 侑「あ、歩夢……」
歩夢「……ごめん、ね」グスッ
歩夢「なんか、涙出ちゃった」ニコ
侑「……っ」
歩夢「……いきなり、手繋いだりしてごめんね」パッ
侑「あっ」
歩夢「さっきはああいう風に言ったけど」クルッ
歩夢「私の寂しさなんて、侑ちゃんは考えなくても大丈夫だから」
侑「な……っ!」
歩夢「だから、侑ちゃんはちゃんとせつ菜ちゃんと……」
歩夢「……」グスッ
侑「!」
歩夢「ご、ごめんね、すぐに泣き止むから……」ゴシゴシ
侑「歩夢……」
歩夢「えへへ、こんなこと言われても、侑ちゃん困っちゃうよね」
侑「……私、は」
歩夢「……うん、大丈夫……涙は止まったから」
歩夢「さっ、学校行こっか!早くしないと遅刻しちゃ」
侑「待ってよ!」ギュッ
歩夢「!」 歩夢「……侑ちゃん?どうしたの?」
侑「……」ギュッ
歩夢「さっき、手繋いじゃダメって」
侑「歩夢」
歩夢「!」
侑「私、まだ何も言ってないよ」
歩夢「侑ちゃん……」
侑「……私、歩夢の気持ち全然考えられてなかったね」
歩夢「そんな……そんなこと」
侑「あるよ」
侑「そうじゃなきゃ、歩夢のこと泣かせたりなんてしてない」
歩夢「……」
侑「……と思う」
歩夢「そっか」クスッ
侑「実際、私もその……」
侑「歩夢と手繋いだりできなくなるの、寂しいなって思ったし」
歩夢「!!」 歩夢「……そうなんだ」
侑「うん……なんというか、その」
侑「歩夢にそう言われるまで、現実味がなかったというか」
侑「実際に人とちゃんと付き合うってこともまだよくわかってなくて」
歩夢「……そっか」
侑「だから、その」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
侑「……なに?」
歩夢「一つ、聞いてもいいかな」
侑「?うん」
歩夢「どうして、せつ菜ちゃんと付き合ったの?」 侑「え?どうしてって……」
歩夢「うん、教えてほしいな」
侑「……それは、せつ菜ちゃんに告白されて」
歩夢「うん」
侑「私がそれにOKを出して」
歩夢「そこだよ」
侑「え?」
歩夢「どうして、OKを出したのかなって」
歩夢「同好会の皆の前で付き合い出したことを報告したときも、それについては特に何も言ってなかったでしょ?」
歩夢「だから、その理由を教えてほしいなって」
侑「理由、って……」
歩夢「うん、だって大事じゃない?どうしてお付き合いを始めたのか、って」
侑「それは、そうだけど」
歩夢「……そうだよね、そう簡単に人に教えるものじゃないよね」
歩夢「"ただの幼馴染"の私に、そこまで話す義理はないもんね……」
侑「!」
歩夢「ごめんね、変なこと聞いて?」
歩夢「侑ちゃんにとっては大事なことなのに……"私なんか"にそんな大事なこと話せないよね」
侑「っ!」
歩夢「もう、手も離していいからさ、だから」
侑「話すよ」
歩夢「!」 侑「ちゃんと話すよ」
歩夢「……いいの?」
侑「うん……だから」
侑「"ただの幼馴染"とか"私なんか"とか、そんな自分を下げるような言い方はしないで」
侑「……私も、悲しくなるから」
歩夢「……うん、ごめんね」
侑「ううん、今思えば歩夢にちゃんと話してなかった私も悪いなって」
侑「歩夢は"大事な幼馴染"なのにね」アハハ
歩夢「……っ」ズキッ 侑「……それじゃあ、話すね」
歩夢「……うん」
侑「前に歩夢に先に帰っててほしいって言った日あるでしょ?実はあのときせつ菜ちゃんに呼び出されててさ」
歩夢「……そうなんだ」
侑「で、そのときは何かの相談かな?と思って話を聞きに行ったんだけど」
侑「呼び出された場所に行ったら、なんだか凄い緊張してそうなせつ菜ちゃんがいてさ」
侑「そんなに凄い話なのかなと思ってこっちも身構えてたんだけど」
侑「……特に回りくどい前置きもなく、どストレートにその場で告白されたんだ」
歩夢「……っ、それで」
歩夢「侑ちゃんは、どう、思ったの……?」
侑「……私は」
侑「凄い、嬉しいなって思ったんだ」 歩夢「……嬉しい?」
侑「うん」
侑「だって、あのせつ菜ちゃんがだよ!?最初は私なんかのことを!?もしかしてドッキリか何か!?ってびっくりしたもん!」
歩夢「……それは」
侑「でも、せつ菜ちゃんの真剣そうな表情を見てたらさ、あぁこれはドッキリでもなんでもなく本当に正真正銘本気の告白なんだなって気づいて」
歩夢「……それで?」
侑「……まず最初は凄いな、嬉しいなって思って」
侑「で、次に私のことをこんな風に好きになってくれる人がいるんだってことにドキドキして」
侑「こんなど直球の告白ができるせつ菜ちゃんカッコいいなって思って」
侑「それで……」
侑「そんなせつ菜ちゃんとお付き合いできたら、きっと楽しいだろうなって」
歩夢「……楽しい?」 侑「うん!」
侑「歩夢は当然知ってるだろうけど、私今まで誰かとそういう風に付き合ったりしたことなかったからさ」
侑「ほら、これまで恋愛とかに全然縁がない学生生活だったじゃん?」アハハ
歩夢「……そう、だね」
侑「だからそういうことやってみるのも楽しそうだなって!」
侑「そりゃもちろん全然知らない人からいきなり告白!とかだったら断ってただろうけど……」
侑「せつ菜ちゃんだったら全然アリというかむしろめちゃくちゃ良いよねって思って!」
歩夢「……」
歩夢「侑ちゃんは、さ」
侑「ん?」
歩夢「女の子同士だから……とか、考えたりしなかった?」
侑「えっ……?」 歩夢「ほら、だって世間的には、その……」
侑「……んー」
侑「なるほど、言われてみれば確かに」ムムム
歩夢「っ、な、なら」
侑「なんかあれだね……そういうことよりも、せつ菜ちゃんに告白されて嬉しいって気持ちの方が勝ってたというか」
侑「女の子同士の問題とか意識してなかったな」アハハ
歩夢「……そ、それって」
侑「あっいや、あれだよ!?別に私女の子なら誰でもOKとかじゃないからね!?」
侑「あくまでせつ菜ちゃんに告白されたときに意識しなかったっていうだけであって、私自身が女の子好きってわけじゃないから!」
歩夢「……っ、それ、は」
侑「……いや、どうなんだろ?意外と女の子好きだったりするのか私……?」
侑「確かに今まで男の子をそういう目で意識したことは」
歩夢「ゆ、侑ちゃん!」
侑「!」
歩夢「け、結局さ、それって」
歩夢「せつ菜ちゃんのこと、好きだから付き合ったわけじゃないってこと……?」 侑「えっ……」
歩夢「だって、侑ちゃんさっきから告白されて嬉しいとか付き合ったら楽しそうってことばかりで……実際にせつ菜ちゃんのことどう思ってるのかちゃんと言ってないよ……?」
侑「それは、だから全然アリというかむしろめちゃくちゃ良いよねって」
歩夢「……それって恋人としての"好き"ってことなの?」
侑「うっ……」
歩夢「どうなの……?」
侑「うーん……」
歩夢「……」
侑「……」
侑「……正直言うと、まだよくわからない、かな」
歩夢「!!」 侑「あっこれは好きじゃないって言ってるわけじゃなくてね!?」
侑「せつ菜ちゃんのことはカッコいいし可愛いし素敵だなって思ってるし一緒にいて楽しいしこれからもっともっと楽しくなっていくんだろうなって思ってるよ!」
歩夢「……っ」
侑「……そういう風に思ってる、けど」
侑「でも、それを恋人としての"好き"って呼んでいいのか」
侑「自分では、まだはっきりとわからなくて……」
歩夢「……」
侑「だって、こんなの初めてだから」
侑「人から特別な意味で"好き"って言われるのも、恋人として誰かと付き合うのも」
侑「ドラマとか映画、マンガやアニメではそういうの見たことあるけどさ」
侑「自分自身で経験するのは初めてだから……」
侑「……だから、まだわからない、って言うのが正しいかな」
歩夢「……そっ、か」 歩夢(……これは)
侑「私は、こんな感じだけど」
歩夢(この状態なら、まだ)
侑「せつ菜ちゃんは、私のことを……恋人としての意味で"好き"ってちゃんと言ってくれたから」
歩夢(侑ちゃんの気持ちが向いている先は)
侑「だから」
侑「私も、せつ菜ちゃんのことそういう意味でちゃんと好きになれたらいいなって、思ってるよ……!」
歩夢(完全にせつ菜ちゃんに定まったわけでは、ない……!!) 歩夢(なら、私がすべきことは……)
歩夢「……侑ちゃん」クルッ
侑「?」
歩夢「話してくれてありがとう」ニコ
侑「う、うん」
侑「なんか、はっきりしてなくてごめんね」
歩夢「ううん、そんなことないよ」
歩夢「告白されたからってそんなすぐに気持ちがはっきりするわけじゃないし」
歩夢「焦らなくても大丈夫」
歩夢「侑ちゃんのペースで、少しずつ進んでいけばいいんだから」
歩夢「ね?」ギュッ
侑「歩夢……!」
歩夢「せつ菜ちゃんのこと"まだ"好きじゃなくたっていいと思うよ」
歩夢「……告白してくれたから付き合おうって思うのも、変なことじゃないと思うし」
歩夢「侑ちゃん自身の気持ちを大事にしてあげて?」
侑「……うん!」 もっと狂気のルートかと思ってたけど割と理性があってとても良い 侑「……歩夢」
歩夢「なぁに?」
侑「ありがとね、話聞いてくれて」
侑「歩夢に話したら少し気持ちが楽になったというか……」
侑「これでいいんだって自信が持てたよ!」
歩夢「……そっか」ニコ
侑「やっぱり、私歩夢がいないとダメだな〜」
歩夢「……っ」
侑「……って、せつ菜ちゃんと付き合ってるのにこういうこと言っちゃダメだよね」
侑「ホントに、こういうところがダメなんだろうなぁ私」アハハ
歩夢「……ぁ」
歩夢「っ……!」
ギュッ
歩夢「……そう、だよ」ドッドッドッ
侑「?歩夢、ちょっと強く握りすぎ」
歩夢「侑ちゃん、鈍感すぎるんだもん……!!」ガバッ
ギューッ
侑「あ、歩夢!?」 歩夢(心臓が、やけにうるさい)
歩夢「侑ちゃん、さっき恋愛に全然縁がなかったって言ってたよね」ドッドッドッ
侑「え、う、うん……」
歩夢(今からやろうとしていることに、抵抗しようとしてるのかな)
歩夢「それが、実は侑ちゃんが気づいてなかっただけって言ったら……驚く?」ドッドッドッ
侑「え?ど、どういうこと?」
歩夢(でも、勝負を仕掛けるなら)
歩夢「私、侑ちゃんのこと好きだった人達、たくさん知ってるよ」ドッドッドッ
侑「え!?な、なにそれ?しかもたくさん!?」
歩夢(今……!)
歩夢「幼稚園に通ってた頃も、小学生、中学生、高校生になってからだって……侑ちゃんのこと好きな人はいつだっていたよ」ドッドッドッ
侑「えぇ!?本当に!?どうして言ってくれなかったの!?」
歩夢「だって、私は────」
歩夢「────侑ちゃんのこと、ずっとずっと特別な意味で好きだったから」
歩夢「だから、他の人に侑ちゃんを渡すようなこと、したくなかったんだよ……!!」ギュッッ
歩夢(ここしか、ない……!!) 侑「……え?」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」ドッドッドッ
歩夢(心臓が、はち切れそうなくらい暴れてる)
侑「え、歩夢、待って」
歩夢「さっき、告白されたとき嬉しかったって言ってたよね」
侑「あゆ」
歩夢「ドキドキしたって、言ってたよね」
侑「……っ」
歩夢「女の子同士なんて、意識しなかったって、言ってたよね……!」
歩夢(このまま、もし破裂したらどうなるかな)
歩夢「ねぇ、侑ちゃん」
歩夢(もし破裂して私が死んだら)
歩夢「私、ずっと前から侑ちゃんのことが好きで……それでね」
歩夢(侑ちゃん、あなたは)
歩夢「侑ちゃんがせつ菜ちゃんと付き合った今でも」
歩夢「まだ、侑ちゃんのこと好きなんだよ……!!」ギュッッ
歩夢(私の為に、泣いてくれるのかな) 今回は一旦ここまでです!!!!!
続きは今日の夕方か深夜になりそうです!!!!! 今日初見で一気読みした( ; ; )
続き待ってる 侑「────」
侑(歩夢が、私のことを、特別な意味で好き?)
侑(ずっと前からって、一体いつから?)
侑(いや、それよりも)
侑(今でも?せつ菜ちゃんと付き合ってからも?)
侑(それじゃ────)
───────
歩夢「せつ菜ちゃんとの時間、大切にしてあげて?」
歩夢「せっかく付き合ったんだから、帰り道くらい二人で帰りなよ」
歩夢「侑ちゃん」
歩夢「ね?」
───────
侑(────あのときも?) 侑「そん、な」
侑(歩夢は、一体)
───────
侑「えぇ〜?も〜歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ
せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」
侑「えへへ」ニコニコ
───────
侑(どんな気持ちで見ていたのだろう)
───────
侑「……私、せつ菜ちゃんと付き合ってるじゃん?だから、他の人とこういうことするのはよくないかなって」
侑「相手が歩夢だったからさ、ついいつものノリで自然と繋いじゃった」アハハ
───────
侑(どんな気持ちで聞いていたのだろう)
───────
侑「歩夢は"大事な幼馴染"なのにね」アハハ
───────
侑("大事な幼馴染")
侑(私にとってはかけがえのない存在を意味する言葉)
侑(それを、歩夢は)
侑(一体、どんな風に受け取っていたのだろう) 歩夢「────」ギュッ
────私を抱き締める力が、強まるのを感じる
歩夢「────」ドッドッドッ
────押しつけられた胸の奥から、強く高鳴る鼓動が聴こえてくる
歩夢「────」モゾ
────首元に擦り寄せられた頬が、熱を帯びているのが伝わってくる
侑「……歩夢」
歩夢「……なに?」
────首に当たる吐息が、なんだかこそばゆくてくすぐったい
侑「顔、見せてよ」
歩夢「……やだ」
────いつもより幼く聴こえるのは、弱々しく震えている声のせいかな
侑「……どうして?」
歩夢「……だって」
────なんでだろう
歩夢「こんな、顔」
────私、今
歩夢「侑ちゃんに、見せられないよ……!」
────歩夢に、すっごくときめいてる……! 侑「ねぇ、歩夢」
歩夢「……」
侑「……答えなくてもいいよ」
侑「でも、ちゃんと聞いててね」
歩夢「……」コクリ
侑「……私ね、本当にまだ恋人としての"好き"がわからないの」
侑「だから、歩夢に……特別な意味で、ずっと好きだったって言われて」
侑「凄く、本当にびっくりするくらい、驚いてる」
侑「だって、私にとっての歩夢は"大事な幼馴染"……ずっとそばにいてくれた、かけがえのない存在で」
侑「だけど、そういう風に意識したことはなかったから」
侑「本当に、信じられないくらいびっくりしてて」
侑「今だって、まだ飲み込みきれてないくらいで」
侑「……っ」
侑「でも、でもね」
侑「鈍感で、歩夢がいなかったらダメダメな私だけど……それでも」
侑「歩夢の"好き"は、ちゃんと伝わったよ……!」
侑「その証拠にほら、聴こえる……?」
ドッドッドッ
侑「……私の心臓も、すっごいドキドキしてるでしょ?」
歩夢「……!」 侑「……どうしよう」
歩夢(……きた)
侑「私、今せつ菜ちゃんと付き合ってるのに」
歩夢(きた)
侑「なのに」
歩夢(きた……!)
侑「歩夢に、すっごいときめいちゃってる……!」ドッドッドッ
@cメ*◉ ᴗ ◉リ侑 ち ゃ ん を 私 の モ ノ に す る チ ャ ン ス が ! ここの侑ちゃん結構ひどい女だなw
まあそこもかわいいんだけどね 歩夢(侑ちゃんはまだせつ菜ちゃんを恋人として"好き"なわけではない)
歩夢(あくまで素敵な人だから、付き合ったら楽しそうだから、告白されて嬉しかったからという動機で告白を受け入れた)
歩夢(それなら、ずっとそばにいた"大事な幼馴染"という……世界に一人しかいない大切な存在である私からずっと好きだったと告白されたら?)
歩夢(……正直、ここに関しては賭けだった)
歩夢(ただの幼馴染にしか見れない、そう言われて切り捨てられる可能性もあった)
歩夢(でも)
侑「────」ドッドッドッ
歩夢(侑ちゃんは、私の告白にもちゃんとときめいてくれた……!)
歩夢(それなら、後は)
歩夢(侑ちゃんの気持ちを、完全に私の方へ向かせるだけ……!!) ある意味では誠実なのでは...?
でもせつ菜ちゃんがかわいそう 歩夢「……侑ちゃん」
侑「!」
歩夢「質問、してもいいかな」
侑「……うん、いいよ」
歩夢「……侑ちゃんが今感じてくれてるときめきは」
歩夢「せつ菜ちゃんに告白されたときと、同じものかな……?」ギュッ
侑「えっ」 >>307
公式があそこまではっきりゆうぽむ展開やったからな
シリアスで絡めるなら歩夢が泣くのは避けられんよ 歩夢「どう……?」
侑「それ、は……」
侑「……」
歩夢「……ゆっくりで、大丈夫だよ」
歩夢「侑ちゃんのペースで、大丈夫だから」
歩夢「だから、聞かせてほしいな」ギュッ
侑「……っ、うん」
侑「そうだね……」
侑「告白については、正直びっくりしたっていうのが一番大きい、けど」
歩夢「……」
侑「……でも、歩夢が私のことを特別に想ってくれてるっていうのは」
侑「凄く、嬉しかったよ」
歩夢「……!」 せつ菜へ寝取られたって言い掛かりつけてた歩夢が寝取ってるっていう…
まぁ侑ちゃん以外どうでもいいって極まった思考になってるから、今の歩夢にとってはそんなこと何の問題もないんだろうけどね。 侑「……それとね」
侑「私のせいで、歩夢のこといっぱい傷つけちゃったんだろうな、って」
歩夢「……それは」
侑「だって、私歩夢の前でせつ菜ちゃんに抱きついたりしてたし」
侑「手繋いだりするのもやめようかなんて言ったりして」
侑「もしかしたら、私が気づいてないだけで他にもたくさん……!」
歩夢「侑ちゃん」スッ
侑「歩夢……?」
歩夢「大丈夫だよ」
歩夢「私の気持ちを知らなかったんだから、そんなの当たり前だよ」
歩夢「侑ちゃんは悪くない」
歩夢「だから気にしないで」
歩夢「ね?」
侑「歩夢……」
侑「歩夢は、ホントに優しいね……」
歩夢「……そんなこと、ないよ」ニコ 歩夢「続き、聞かせて?」
侑「うん」コクリ
侑「……それで」
侑「私を抱き締める力の強さとか」
侑「心臓が凄くドキドキしてることとか」
侑「顔も凄く熱くなってるのとか」
侑「声が震えちゃってるのとか」
侑「全部……全部私を好きでいてくれるからなのかな、って思ったら」
侑「そしたら……」
侑「……」
侑「すっごく、ときめいちゃってたんだ」カァァァ 歩夢「……ふふ」
侑「な、なに?」
歩夢「……侑ちゃんも、顔真っ赤で可愛いなって」
侑「なっ!」カァァァ
歩夢「あっ、さえぎちゃってごめんね」
歩夢「続けて?」ニコ
侑「も、もう歩夢ってば……」
侑「……こほん」
侑「それでね、このときめきがせつ菜ちゃんと同じかっていうと」
侑「……」
侑「たぶん、違うんじゃないかな、って思う」 歩夢「……どういうことか、詳しく聞いてもいい?」
侑「えっと、ね」
侑「なんというか……」
侑「せつ菜ちゃんに感じたときめきは『うおー!凄い!嬉しいな!』って感じで」
侑「テンションが上がるっていうか……盛り上がる?感じだったんだけど」
侑「歩夢に感じたときめきは『え!ホントに!?嬉しい!でも、どうしよう……?』って感じで」
侑「なんだろう、どうしたらいいかわからないっていうか……戸惑う?感じで」
侑「今もドキドキしてるけど、でも……」
侑「……っ」
侑「ごめんね、何か煮え切らない感じの答えで……」アハハ
歩夢「……ううん」
歩夢「侑ちゃんなりに、しっかり答えようとしてくれて……嬉しかったよ」
歩夢「ありがとう」ニコ
侑「っ」ドキッ 感想から見ると歩夢に対する気持ちはもっと恋に近いじゃないかな
計画通りじゃん歩夢!! 侑「な、ならよかったよ」フイッ
歩夢「……侑ちゃん?」
侑「な、なに……?」
歩夢「どうして、顔を背けてるの?」
侑「えっ、こ、これは」
歩夢「……」ギュッ
侑「っ」
歩夢「……侑ちゃんの心臓」
侑「!」
ドッドッドッ
歩夢「……すっごく、ドキドキしてるね?」
侑「なっ!?」 一番やばそうだと思ったルートだけど歩夢的には大正解だな 歩夢「ね、侑ちゃん」
歩夢「これって、どういう意味でドキドキしてるのかな」
歩夢「教えてくれる?」ニコ
侑「い、いやこれは……」ドキドキ
歩夢「侑ちゃん」ギュッ
侑「っ!」
歩夢「どんな答えでも、侑ちゃんのこと怒ったりしないから」
歩夢「だから、安心して」
侑「うっ、で、でも」チラ
歩夢「ね?」ニコ
侑「う……」フイッ
歩夢「……」
侑「で、でも、これは……」
歩夢「……そっか」パッ
侑「あ、歩夢……?」
歩夢「ごめんね、気づかなくて」クルッ
歩夢「私、調子に乗りすぎちゃったんだよね?」
侑「えっ」 歩夢「侑ちゃんが嫌がってるのに無理矢理聞き出そうとして……」
侑「あ、いや……」
歩夢「ごめんね、もう聞いたりしないから」ニコ
侑「!」
歩夢「……学校、行こっか」タッ
侑「っ……」ダッ
ギュッ
歩夢「!」
侑「ま、待ってよ……!」
侑「ちゃんと、ちゃんと言うから……!」
侑「だから……!」
歩夢「……だから?」
侑「そ、そんな寂しそうな笑顔しないでよ……」
侑「私、歩夢の笑ってる顔が好きだから……!」
歩夢「!」ドキッ 俺の中でのゆうぽむSS今年一を更新しそう
更新連打してる 侑「だから……!」
歩夢「……侑ちゃん」クルッ
侑「!」
歩夢「ごめんね、ちょっと意地悪しちゃった」
侑「あ、歩夢……」
歩夢「許してくれる?」ニコ
侑「!……う、うん」フイッ
歩夢「あ、また顔!」
侑「だ、だって……!」
歩夢「……話してくれるんだよね?」
侑「……うん」
侑「あの、笑わないで聞いてね……?」
歩夢「うん」
侑「その、ね……」
侑「今まで、そういう風に思わなかったのに」
侑「むしろ見たら安心してたのに」
侑「……」
侑「今、は」
侑「歩夢の笑顔を見ると、ドキッとしちゃって」
侑「その……」
侑「まともに、直視できないなって……」カァァァ 歩夢「えっ」
侑「……」カァァァ
歩夢「……本当に?」
侑「……」コクリ
歩夢「ほ、本当の本当に?」
侑「こ、ここで嘘つく理由、ないでしょ……」
歩夢「……そっ、か」
歩夢「……」
歩夢「それなら、嬉しい、な」カァァァ
侑「!」ドキッ もうあんたのSSないと生きていけねえよ
完走する勢いで書いていってほしい 侑(歩夢、顔真っ赤だ)
侑(私が、歩夢の笑顔を直視できないって言ったから?)
侑(……なんだろう)
侑(今、すっっっごく!!)
侑(歩夢が、可愛く見える……!!)
侑(いや今までの歩夢だって可愛いんだけどさ)
侑(なんか、可愛さの種類が違うっていうか)
侑(凄く……特別な感じがする……!)
侑(……でも、私は今は────)
歩夢(侑ちゃん、私の笑顔を直視できないって)
歩夢(……それって、私のことを意識してくれてるってことだよね?)
歩夢(本当の本当に……あの侑ちゃんが、私でドキドキしてくれてるんだ!)
歩夢(嬉しい、すっごく嬉しいな……!)
歩夢(このまま上手くいけば、本当に私のことを……)
歩夢(……でも、それには────)
侑(────せつ菜ちゃんと、付き合ってるんだよね)
歩夢(────せつ菜ちゃんと、別れてもらう必要があるんだよね) あ、彼女さんのこと思い出したね...まさかここまで来て侑ちゃんまだ理性残っているとは思わなかった ゆうぽむ「……あの」
ゆうぽむ「!」
侑「あ、歩夢先に言っていいよ!」
歩夢「いや、侑ちゃんが先に!」
侑「い、いやいや歩夢が先に!」
歩夢「侑ちゃんが先!」
侑「歩夢!」
歩夢「侑ちゃん!」
ゆうぽむ「……」ムムム
ゆうぽむ「……」
侑「……ぷっ」
歩夢「……ふふ」
侑「なにこれ、何の譲り合いなの」アハハ
歩夢「だって侑ちゃんが譲らないから」クスクス
侑「それは歩夢もでしょ〜?」
歩夢「まあそうだけど」フフ
ゆうぽむ「……」
侑「先に言っても、いい?」
歩夢「うん、いいよ」 侑「……せつ菜ちゃんの、ことなんだけど」
歩夢「!う、うん」
侑「歩夢に告白されて、私嬉しかったしドキドキしたよ」
侑「それで、今も歩夢にドキドキしてる」
侑「……けどね」
侑「私は、今はせつ菜ちゃんと付き合ってる」
歩夢「……でも、それは」
侑「歩夢」
歩夢「!」
侑「最後まで、聞いてほしいな」
歩夢「……うん」
侑「ありがとう」ニコ 侑「……それでね」
侑「せつ菜ちゃんから告白されたときも、私嬉しかったしドキドキしたんだ」
侑「そのとき感じたときめきは、歩夢のときとは種類が違うかもしれないけど」
侑「それでも、せつ菜ちゃんの"好き"に応えたいなって思ったのは確かで」
侑「せつ菜ちゃんを恋人として好きになりたいっていう気持ちが私の中に生まれたのも確かで」
侑「そしてその想いは」
侑「確かに今も、私の中にあるんだ」
歩夢「……」
侑「……だから、だからね」
侑「私、私は……」
侑「わた、し、は……」
侑「……」ゴクッ
侑「……すぅ……はぁ」
侑「────ッ」
侑「私は、歩夢とは付き合えない」
侑「歩夢の想いには応えられない」
侑「ごめんなさい……!!」バッ 心揺さぶられ惹かれるおもしろさ
この調子で続けてくれえ 先に踏み出せてさえいれば結ばれてたっぽいのが辛すぎて性癖に刺さる
この流れでも振られるとなると勝ち目うっすいなぁ 歩夢「────」
────目の前には、深々と頭を下げる侑ちゃん
侑「歩夢の気持ち、すっごく嬉しかったよ!」
────先程まで、胸に湧いていた高揚感は薄れ始めていて
侑「ホントに、私にはもったいないくらい……」
────その代わりか、全身の熱が全て私の脳味噌に集結したかの如く高速で稼働し始めていた
侑「でも、歩夢のことが大事なのは変わらないから……」
────ただ一つ、目指すべき未来へたどり着くにはどうしたらいいのか
侑「だから……」
────侑ちゃんを私のモノにする、ただその為だけに
侑「歩夢さえ良ければ……」
────だって私は
侑「これからも、"幼馴染"として仲良くしてもらえたら嬉しいな!」
────侑ちゃん以外、何もいらないんだよ? ────"幼馴染"
歩夢「────ッ」
────その言葉を聞いた瞬間
歩夢「────ぁ」
────私の中を
歩夢「────ぁハ」
────再び、ドス黒い感情が
歩夢「────ぁハハ……ッ!」
────たっぷりと、満たし始めていた 正解が思いつかないけれ関係性の継続を提案する侑ちゃん鬼畜だなぁ
歩夢の立場なら地獄が続くだけでしょ 侑「歩夢……?」
────可笑しな笑い声を漏らした私を心配したのか、侑ちゃんの顔がこちらに向く
歩夢「ぁハハ、そっかぁ……」
────でも、ダメだ
侑「ど、どうしたの……?」
────一度壊れてしまった心は
歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」
侑「な、なに?」
────どんな薬を処方しても
歩夢「振った女の子にそんなこと言うなんて」
────どう足掻いたとしても
歩夢「笑いのツボだけじゃなくて」
歩夢「恋愛に関しても、赤ちゃんなんだねぇ?」ポロポロ
────元に戻ることは、ない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています