あなた(6cm)「彼方さん助けて!」彼方「おやおや」
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歩夢「腕、治ってよかったね。これお祝いのジュース、飲んで?」
あなた「気持ちだけ受けとるよ」
愛「あー。ぶちょー疑ってんね?ほら未開栓PETだよ」
あなた「たしかに……なら安心か。んく、んく」
愛「お!はろーエマっち」
あなた「え、どこ!?」
あなた「いないじゃん……あれ、ジュースのかさ増えてない?」
歩夢「気のせいだよ」 歩夢「言ったよね、あの時は薬のほしさでやむを得なかったけど」
歩夢「もうあんまり痛いことはしないから。震えないで?」
愛「イジワルだなあ、せめて脚の間から出してあげるといいのに」
歩夢「ごめんね。私の太ももさえ越えられなくて困ってるのが可愛くて」
愛「さえ、ね……歩夢、最近かすかすに嵌められてない?」
歩夢「う。そう言われれば、このところむっちりしてきたかも」
歩夢「少しでも運動が必要だよね。ねえ、あなたに協力してほしいな」
歩夢「ささやかなレクリエーションに……そうだ。追いかけっこしよう」
愛「面白そうだね、アタシもやるよ」
歩夢「私たちが追い手。はりきって逃げてね?」
歩夢「ふふ、待て待て。どすん、どすんっ」
愛「歩夢にばかり気を向けると愛さんロードローラーに轢かれちゃうぞ〜」 彼方「んで彼方ちゃんのもとへ転がりこんだわけかあ」
あなた(5cm)「あのふたりったら、病みあがりだろうと加減がないんだからなあ」
彼方「それだけ小さいあなたにお熱ってことさ〜」
あなた「そうなのなら、いやな気はしないけど」
彼方「彼方ちゃんにはわかるよ〜?どうしてかって」
彼方「彼方ちゃんとて例外ではないからで〜す」
あなた「え……うわ!?」 あなた「こ、ここって……」
彼方「おどろかせてごめんよ〜、彼方ちゃんのふわふわウェーブのなかはどうだい」
あなた「すごいよ。柔かくっていいにおい」
あなた「よくしなるし、それでいてしっかり支えてくれて落っこちそうにもないや」
彼方「はっはっは当然ですな、遥ちゃん製だもん」
彼方「そこにいるといいよ。だれも髪の毛に隠れるなんて思わないさ〜」
彼方「疲れたろうし、なんならそこで寝て過ごしたって」
彼方「……ん?もしも〜し」
彼方「とっくにすやぴしておる……そんなによかったの?」
彼方「いかん彼方ちゃんも入りたくなってきた……何年伸ばせばいけるかな」 愛「カナちゃんじゃん。これからお昼寝?」
彼方「んー?いまさっき、寝るとこをかわいい侵入者に邪魔されちゃったとこだよ」
彼方「ムシかなにか、そこの陰に入ってくのが見えてね」
歩夢「ムシ……なら見つけて処分しないとですね」
彼方「任せていいかい。あいにくちょうど、死ねない理由が増えちゃってね〜」 愛「えー、苦手だっけ」
彼方「なめてもらっても困るな〜。ただ、やつらも一枚岩ではないのだよ」
愛「ああつまり……種類によるってわけだ」
彼方「そゆこと。んまあ見つからなかったら、びびりのセンパイの気のせいってかたつけといておくれ」
歩夢「……」
彼方「彼方ちゃんは別のお昼寝スポットをあたりますよ」
彼方「ばはは〜い」
歩夢「見つけた♡かくれんぼじゃないんだよ?もう」
彼方「え、うそ!?」
彼方「……あ」 彼方「い、いやあ。ムシに声かけるなんて」
彼方「おどろいちゃったよ、歩夢ちゃんもメルヘンの資質が花ひらきつつあるねえ」
歩夢「あの子、彼方さんといるんですか?」
愛「内緒なんてずるいぞー。アタシたちもぶちょーとお話したいなあ」
彼方 「年嵩の話にはきちんと応えるもんだよ君ら……」
彼方「ほら、ポッケというポッケをうらっ返したよ。彼方ちゃんはシロ、信じてくれるよね〜」
愛「カナちゃん甘いよあまい、ぶちょーが隠れる場所っていったらアレっしょ」
愛「オッパイとか」
彼方「へ?」
歩夢「彼方さん……失礼します」
彼方「やめてー!やめてー!まさぐらないでーー!!」 彼方「ぜえ、ぜえ///」
彼方「起こしちゃったかい……けど嵐は去ったよ」
あなた「彼方さん……」ヒョコ
彼方「おっと言わなくていいよ」
彼方「負い目にすることないさ〜。彼方ちゃん、誇りこそすれ恨みやしないんだから」 あなた「彼方さんのおおらかさは知ってるよ。言いたいのはお礼だけ」
彼方「信用があるようでよかったあ、日頃の行いって響くもんだ」
彼方「あなたは普段からおっぱいが気になるんだよね、彼方ちゃんにもあなたのを触らせておくれよ」モニュモニュ
あなた「ひゃあ、なにさ藪から棒に」
彼方「おおらかって、ひとの心を知るのが肝要なのさ〜」ギュ
あなた「いった!」
彼方「わはは」
あなた(やっぱりちょっと怒ってるな) 〜間〜
彼方「ようこそ近江邸へ〜」
彼方「んん、なにか言いたげだね?いまのあなたからしちゃ犬小屋だって立派な邸宅さ」
彼方「彼方ちゃんの無欠のロジックにひれ伏せ〜」
あなた「なにも言いやしないったら……」
あなた「いやに気分がいいみたいだけど、わけがあるの?」
彼方「よくぞ聞いてくれた。それはね〜、……」
あなた「うん」
彼方「……ぐすん」
あなた「え?」
彼方「うわああああああん聞いてよおおおお」
あなた「のわあああ聞いてるってば!聞いてるからはなして!」 彼方「この週末は遥ちゃんがご友人のもとへお泊まりに行ってうちにいないんだ〜……」
彼方「あなたにはこの悲しみを紛らしてほしいの」
彼方「んで〜、なにか間違って彼方ちゃんがあなたを放ってすやぴなんかすれば」
彼方「あなたはあきれて帰っちゃうかな〜って思って」
あなた「むりに気分を盛り上げたって?」
あなた「心配しなくても帰らないし、ましてこんな身体じゃできないよ」
彼方「わかってるさ〜、彼方ちゃんなりに礼節をたっとんでいるつもりなんです」 彼方「……」カリカリ
あなた「……へえー」
彼方「栄養学もおもしろいでしょ〜。ぴんとこないところは逡巡なく聞いてよ」
あなた「邪魔にならない?」
彼方「ある程度の前提のうえの内容だからね、丸ごと反復するいい機会になるんだ」
あなた「そういうことなら」
あなた「……聞いてはいたけど、夜は精力的なんだね」
彼方「まさに彼方ちゃんの時間てわけよ〜」
あなた「あはは。ほんとう、人が違うみたいだよ」
あなた「ねえ彼方さんこれは……ぐわ!」ムギュ
彼方「すや〜〜〜〜」
あなた「エエ〜ッ!?起きて彼方さんっ。動けないよ!」
彼方「は!……かたじけない」 あなた「かえりみれば、今昼は寝ていなかったよね」
あなた「またむりしたんだ……こんな日にまで徹夜することないよ」
彼方「でもお、近江家のために彼方ちゃん止まれないし」
あなた「……じゃあさ、あすは朝からふたりで出かけよう?」
あなた「この身体のままで色んなところをまわりたいと思ってたんだ」
彼方「……彼方ちゃんと?」
あなた「うん」
彼方「なら、早く寝なきゃあうごけないね」
彼方「何度も気をつかわせてしまったね、ありがと〜」
あなた「えへへ。さ、ベッドに……ぐわ!」ムギュ
彼方「すや〜〜〜〜」
あなた「机につっ伏して寝るのにも慣れてるやつかあ」
あなた「もう〜……」 彼方(朝か……)
彼方(けさは、そうだお出かけ)ムクリ
彼方(下着からなにまで……選びなおしだあ〜)
彼方(……出かけるって誰と?)
彼方「むにゃ……」ヨタヨタ
ポロッ あなた「うがあ!?」ベチャ
あなた「な、なになに……ここ床?」
彼方「遥ちゃ〜ん……いないんだった」
彼方「ひとりで選ぶしかないか〜」
あなた「そうか、彼方さんの下じきのまま寝てるうちに貼りついて」
あなた「こんなところに落っこちたんだ……おーい!」 彼方「ぱんつ、ぱんつ……むう」ゴソゴソ
彼方「これかな〜、……これもいいかもな」
彼方「キープ」ポイポイ
あなた「えっ」
ドサドサ
彼方「ん〜」ポイポイポイ
あなた「ちょ……ちょっと」
バサバサバサ
ドバババババ
あなた「あ、ああ〜〜!!」 彼方「ずいぶん散らかしちゃったな」
彼方「それで〜……あそうだ、あなたのこと忘れちゃうとこだったよ」
彼方「お待たせしましたね〜。遥ちゃんいないとおめかしもままならなくて」
彼方「これで気にいるかな〜……ん?」
彼方「ど、どこだい……?」 彼方「隠れたの?先輩をからかおうとは度胸があるな」
彼方「あ!さては、また髪の毛にもぐりこんだか〜」
彼方「……ん〜」
彼方「そうか、昨日のことは夢か〜」
彼方「ありもしない約束のためにお着替えなんて。とんだおばかなたちゃんだよ〜」ヌギヌギ
あなた「はあ、やっと出られた」
彼方「ぽいっと」
あなた「え」
バサ
あなた「む〜〜!」 彼方「お。よく見たら、この衣類の山」
彼方「窓から日があたって、とてもあったかそうじゃないか〜」
彼方「新たなお昼寝スポットを開拓してしまった……さすがは彼方ちゃん、ただでは起きないぜ」
彼方「まだこんな時間だし、ちょうどいいや〜」
あなた「ふひゅう……もう疲れたよ」
あなた「彼方さーん!いい加減気づい……」
彼方「おやすみ〜」
あなた「ぎゃっ」プチッ 彼方「ん〜にらんだ通り、悪くない」ゴロンゴロン
彼方「あなたもおいでよ、ふわふわだよ〜。なんて」
彼方「……」
プルルルルルル
彼方「出ない」
彼方「も〜〜、さ〜び〜し〜い」バタバタバタ
彼方「あれが夢なら、なんで目が冴えるの〜!昨夜の彼方ちゃんはサボり魔か?」
彼方「…………かたづけよ」 彼方「……」
あなた「や、やあ彼方さん」
彼方「なにしてるのさ〜」
あなた「彼方さんが体重かけるから貼りついちゃった」
彼方「そんな、カエルじゃないんだし」
あなた「とりあえず、はやく剥がしてほしいな」
彼方「おや。なぜだい?彼方ちゃん、このままこれを履いてあげた方が」
彼方「あなたとはぐれずに済んでいいと思うな〜」
あなた「このまま生きられるほど根性ないよ!それに」
あなた「履かれたら、彼方さんからは私が見えないし。声も届かないよ」 彼方「……ふむ。一理ある」ペリッ
あなた「はあ。ありがとう彼方さん、意地悪な冗談はやめてね?」
彼方「ん〜?勘違いしているね」
彼方「それなら彼方ちゃんは、目も声も届くところにあなたを貼りつけなおしてあげるまでなのさ〜」
あなた「え!?」
彼方「ふふふ、ほんの二日間だから。お覚悟〜」
あなた「あああああやめてえええ」
彼方「よいではないか〜よいではないか〜」ムギュムギュ 〜間〜
彼方「そろそろあなたはもとの大きさに戻る時間だよね」
彼方「遥ちゃんももうすぐ帰るし、ふたりのために腕をふるうとしようか〜」
あなた「やった!彼方さんの手料理大好き」
彼方「頼れる先輩でいないと遥ちゃんにあわせる顔がないからさ」
彼方「この二日間のこと、正直に話したら後がこわいぞ〜」
あなた「え〜、どうかなあ」
彼方「んふふ」 彼方「トマトスープ、もうすぐできるよ〜」
彼方「いい匂いさせてきたろう。近くでかいでみるかい」
あなた「ぜ、ぜひ」
あなた「わあ!」ボチャン
彼方「ええ!?」 あなた「あっちい!たすけて彼方さん、煮えちゃう!」
彼方「たた大変だ。菜ばしで引きあげるから、しっかりつかまってね」
あなた「は、はい……う!?」
あなた「この感じ、や、やば」
ボフンッ
彼方「なんだあ!」
バチャ
彼方「あつっ!?」
あなた(???cm)「ぐええ!」ドグチャ
彼方「キャーーーー!!!」 彼方「ってなんだ、いまもとに戻ったのかい……」
あなた「あっ……あ"あ"……う」
彼方「ああ、まだ苦しいよね。無理ないね」
彼方「それに全身まっかっかだ……」
彼方「浴室で、洗わないとっ……うー……んっ」ズルズル
彼方「く、彼方ちゃん、まだ鍛練が足らないなあ」
あなた「あ"……は、る」
彼方「辛抱してね。もうすぐだから」
あなた「はる、かちゃ……」
彼方「え?」
遥「……」 彼方「…………あ……は、遥ちゃん……おかえりい」
遥「……お姉ちゃん」
彼方「お泊まり、楽しかった〜……?」
遥「なん、で……こんなこと」
彼方「誤解してるよ遥ちゃん」
遥「その人と、なにがあったの」
彼方「ただお料理をしててね」
遥「ごめんなさい……私なにも気づけてなくて」
彼方「一旦落ちつこう?一旦ね」 遥「落ちつけないよ、その人の姿はなに!?血まみれじゃない!」
彼方「これはトマト……」
遥「息も絶えだえで……どう見ても手遅れだよ……」
彼方「そ、そんなことないさ!?われらが部長は健在だよ」
彼方「ね〜?」
あなた「はあ"……、う"…………うあ"あ"」
遥「私、いっしょに償うから……もとの優しいお姉ちゃんに戻って」
彼方「変わってない。変わってないから!」 彼方「遥ちゃんにお願い。とりあえず浴室まで運ぶの手伝ってほしくてね」
彼方「さわれば、においだってかげばわかるよ。血なんかじゃないって、償いなんかいらないってさ」
彼方「じゃあまずほら、お姉ちゃんの手についてる赤いこれ、さわってみるかい?こないならこっちからいくよ?ん?」
遥「……警察ですか」
彼方「やめろおおおおおおおおおお!!!」
おわり 歩夢「彼方さんが手料理ふるまったって聞いてね、私も今日のお弁当はよりをかけたんだ。食べてくれる?」
あなた「んむんむ、普段にましておいしいよ歩夢ちゃん……むぐ、ごほっごほ!」
歩夢「あっあ、がっつくからだよ……でもうれしい」
愛「ほいよ、水で流しこんじゃおう」
あなた「ぐふ……ありがとう」 愛「このあいだはカナちゃん、やっぱり君のこと匿ってたの?はたまた拾われたのはあの後か」
歩夢「いずれにしても、週末はさびしかったな」
歩夢「埋めあわせを……と言いたいけど、あんな遊びを提案した私も悪いよね」
歩夢「こんどはあなたが夢中でひとり学内に出ちゃうなんて、ないようにするから」
愛「今日はかくれんぼにしようって話してたんだ。ぶちょーもお好きみたいだし」
愛「ん、この部屋ロクに隠れる場所がないって?それも心配ないない」
愛「なんと此度、アタシたちのうちひとりは君の味方についちゃうのだー」
歩夢「いい隠れ場所、たくさん考えてあるんだよ。今回はいっしょだから、がんばろうね?」
歩夢「あ♡くすぐったいよ、もぞもぞしたらばれちゃう……きゃ!」
愛「見やぶったりーっと。初っぱながブラジャーの裏だなんて、大胆だね歩夢?」
歩夢「ふふ、ネタぎれの心配ならいらないよ。次は愛ちゃんの番」
愛「歩夢みたいな独りよがりじゃなくて、アタシはちゃーんと希望を聞くもんね」
愛「ねね、君はどこに入れられると嬉しいの?」 〜間〜
あなた(5cm)「ひどい目にあった……」
璃奈「ごめんなさい。私が愛さんに薬、渡したから……璃奈ちゃんボード『しゅん』」
あなた「いや……それで、薬の効き目のおわりを早めたりはできないの?」
璃奈「それが実は、そろそろ元に戻りたいって、せつ菜さんが」
あなた「あー前この辺りに顔近づけてきたね……あれ璃奈ちゃんと話してたんだ」 せつ菜(5000m)『この大きな身体をとても重宝していただいて、はじめは気分もよかったのですが』
せつ菜『どうしても物的被害は出てしまい、膨大な褒賞金もこれまた膨大な報償金にほとんど消えてしまうんです』
せつ菜『そうそう聞いてください!ある夜眠っていると、寝返りをうった先に偶然住宅街があって』
せつ菜『私の寝息で口元の住宅群は壊滅。その周辺は気温上昇……湿度も一様に85%を超えたそうなんです』
せつ菜『申し訳なくて恥ずかしくて。そんなようなことも積み重なりましたし』
せつ菜『決定的だったのが……最近になって知ったことなんですが』
せつ菜『私が立って活動していると、その、下着が、ですね……///みなさん見えるようで』
せつ菜『そ、そこ!盛り上がるところじゃありません!踏んじゃいますよ!?』 璃奈「いまはせつ菜さんのために、元に戻れる薬を作ってる最中」
あなた「それもあの身体にはたらくだけの量をかあ、リクエストなんか請けるヒマがないわけだ」
あなた「家にこもりがちだよね。寂しくない?」
璃奈「平気。なぜなら」
コンコン
あなた「ん?」
璃奈「……隠れて」 璃奈「入っていいよ」
愛「やっほ、りなりー」ガチャ
璃奈(こうして家に来て、話し相手になってくれる)
あなた(あー……) 愛「いつもすぐ通してくれたのに。りなりーも秘密を作る年頃かあ」
璃奈「やってることがことだから、隠すことのひとつはできる。愛さんには特に」
愛「なにそれー」
璃奈「薬は歩夢さんたちに渡すなって言ってた愛さんが、歩夢さんと結託して」
璃奈「部長さんに迷惑をかけてるの、知ってる。はなはだしい裏切り」 愛「悪かったって……はやくボードめくろ?りなりーにそんな表情あわないよ」
愛「愛さん嫌われちゃった?」
璃奈「……嫌うなら、部屋に入れたりしない」
愛「んふー、このこのっ」
璃奈「わわ///」
ポロッ
あなた「わあっ」ベチャ
璃奈「あ……」 愛「……ふーん」
ムギュウ
あなた「うぐ!?」
愛「みーつけ。昼間の遊びは気に入ってくれてたみたいだね、嬉しいよ」
愛「ぶちょー、さっきぶり。りなりーの袖のなかは居心地どうだった?」
あなた「まったく動けないよりは……だからさ、胸どかしてよ」
愛「はは、君ってばほんと難攻不落だよね」
愛「まあどいてあげるよ。……今は」チラ
璃奈「愛さん、やめて。ダメ」グイグイ 愛「りなりーこそ、そんなんじゃダメだよ」
璃奈「!は、はなして」
愛「力にもの言わせるってどういうことか、手本見せたげる!」
璃奈「……それって」
愛「そ、ロープ♡」 璃奈「動けない……」
愛「ふー。……さて」
あなた「はあっ、はあ」タッタッ
愛「まだそんなところにいるー。時間はあげたよ?」
愛「でも扉だって開けられるはずないんだし。無駄ながんばり、ごくろーさまだね」スタスタ
あなた「ひい、ひい」
愛「もっとはしれはしれ。またぎ越しちゃうぞ?」
愛「はあ、君といろいろやったけど……こうしてるときはとくにゾクゾクするよ♡」
璃奈「……愛さん」 璃奈「私が小さいあいだは、そんなじゃなかった」
愛「……そだね」
璃奈「なんで……」
愛「んーいま考えれば、きっかけがあればアタシ、すぐこうなってたなって思うよ」
愛「このコはちょっとウカツだったね。私のこと食べてーなんて言うから」
愛「こうしてみじめに追いつめられてるの、ひょっとするとりなりーだったかも」
あなた「っ、もう、はしれない……」
愛「観念したなら乗りなよ。乱暴につまんだりはしないから、……うんいい子」
愛「わー汗でびしょびしょだ。拭ってあげよう」
愛「べえ」
あなた「え……」 愛「れ、ろお」
あなた「わ!?ちょ、っと」
愛「ふふ、ぺろっ」
あなた「うっ、く、ぶええ」
愛「思い出話したら君の味がなつかしくなっちゃった」
愛「こんどはいっそう塩がきいてて……これもなかなかいいもんだ♡」
あなた「うう……」ベト…
愛「ああ……はあ、ぶちょー愛してるよ。……ちゅ」
あなた「!?むー!んーー!」バタバタ
璃奈「………………」
愛「なんてカオしてんのりなりー。それより、ぶちょー連れこんでくれてサンキュね」
愛「ずっとあたためてたアレ、お披露目できるよ」 愛「じゃーん!ボードゲームを用意したんだ」
璃奈「……?」
愛「これはねりなりーのボードにかけて……まいいか」
愛「サイコロの出目だけ進む一本道のすごろくだけど」
愛「ぶちょーには停まったマスに書いてあるお題に挑戦してもらいまーす」
あなた「お、お題」
愛「一見に如かずってね。……4だ」 愛「のこり30秒〜。根性みせてよ?」ギュウウウウ
あなた「〜〜〜〜!!」
璃奈「ひ、ひどい。愛さんの腿に挟まれて、抜け出せるわけない」
愛「……♡♡」 愛「時間ぎれ。残念でした」
あなた「ぷは!……っはあ」
愛「……でね、ペナルティがあってさ」
あなた「ひ」
愛「こわがることないってー。君にじゃなくて」
璃奈「むぐ!……んっ、んっ」
愛「りなりーにこれを少しね」
あなた「な、なに飲ませてるの」
愛「ん?べつに変なものじゃないよ」
愛「信用ないのはわかるけど、りなりーが知ってる以上のものは拵えられないからね」
璃奈「……心当たり、ない。ただのお茶」 あなた「ふ……んっ」ズルズル…
あなた「ふー……どう?」
愛「くつ下運びは簡単だったかあ」
愛「今日けっこう蒸れたし、ニオイでワンチャンKOできないかと思ったのに」
あなた「璃奈ちゃんのためだもん。どうってことないよ」
愛「へー。じゃあさ」
愛「閉じこめちゃっても大丈夫?」
あなた「ちょ、出して!げほっげほ……死ぬ」
愛「あっはは。ついでにふり回しちゃおっか」
あなた「う、うそ……んわあああああ!!?」 愛「いち、にー……お、『りなりーボディクライミング』だ」
璃奈「え……」
愛「りなりーに協力してもらうお題も作ったんだよね」
愛「というわけ、でっ」ベリッ
璃奈「あぅ!?」
あなた「璃奈ちゃん!」
愛「わお……相変わらずキレーな肌だね」
愛「おなかの辺りにひっつけてあげるから。落ちずに肩まで登れば成功ね」 あなた「……準備いい?璃奈ちゃん」
璃奈「///…………うん」
ピト
璃奈「……んっ」ピク 璃奈「う…………く、くう」プルプル
あなた「わ……!?」
愛「はは。直接触られると弱いもんね」
愛「それをねずみが這いでもしたらどうなるか……案の定だ♡」
あなた「そんな。辛抱だよ璃奈ちゃん……お願い」
璃奈「ん……わか、てる」 璃奈「ひゃ!?」ビク
あなた「や、やば」
璃奈「あ、はあ、う」
愛「ほー。いよいよお胸にさしかかったね。こればかりはぶちょーが羨ましいよ」
あなた「もう少しだから。ね、耐えて」
璃奈「うん、うん……山は過ぎた。もう、こわいことは」
愛「……んふふ」 フニ
璃奈「や……!!」
あなた「な!?あ、愛ちゃん」
愛「りなり〜ぃ。あんまり色っぽくて、愛さん我慢のげんか〜い♡」モミモミ
璃奈「あ///やめ、あい、さ、んぅ」
愛「ん〜?」サワサワサワ
璃奈「ひぐっ、もう、だめ」
璃奈「〜〜〜!!」ブルルルッ
あなた「わーっ!?」
愛「っと。あは、ナイスキャッチ」
愛「落ちちゃったかあ。惜しかったねぶちょー」
あなた「く……」
璃奈「ふう……ふう……///」 〜間〜
愛「ゴール。結局クリアーできたのはくつ下運びだけだったね」
あなた「やっと終わりかあ……くたくただよ」
愛「用意したお茶、ほとんど空っぽだ」
あなた「それのことはよくわからないけど、愛ちゃんはこれで満足したわけ?」
愛「やだなあぶちょー、ゲームの行程はまだ残ってるよ」
愛「……ほらりなりーの様子、なにか気づかない?」
璃奈「………………」…モジ 璃奈「愛さん。ロープ、解いて」
愛「うーん、足のはとってあげるけど。部屋からは出さないよ」
あなた「璃奈ちゃんまさか……」
愛「やっとわかった?これからするのは……リザルト発表みたいなもんだね」
璃奈「愛さん、もうやめて。いくら愛さんでも」
愛「まってまって。別に、ただ床をよごそうってわけじゃないから」
愛「ペットボトルがあるんだ。これに出してもらうよ」
璃奈「……」 愛「これ350、だったかな。溢れちゃうかもだけど」
愛「ま、これまでのぶちょーの頑張りしだいってこと」
あなた「お茶をさんざ飲ませたのはこのためか……いい趣味してるよ」
愛「ほめてくれんのー?てれるね」
愛「……でもさ」
愛「ぶちょー、他人ごとになったと思って安心してない?」 愛「はいりなりー、いつでもいいよ」コトッ
璃奈「…………う、ぐすっ」
璃奈「愛さん……」
璃奈「なんで中に部長さんがいるの」 愛「とーぜん。りなりーがあんなにお茶飲んだの、ぶちょーのせいだよ?」
愛「もし溢れてもりなりーの部屋が濡れるだけっていうのは、不公平じゃん」
璃奈「ひ、っく」モジモジ
愛「ボトル倒したりしたら没収だかんね?」
璃奈「ううううう」 あなた「愛ちゃん、行かせてあげてよ……!」
愛「だーめだよ。君はどこから口きいてるの?」
愛「わきまえないコはこうやって、飲みくちをふさいで」
愛「〜♪」カラカラカラ
あなた「ぎゃ!あうっ、ぐえ」
璃奈「あっ、あ……やめて」
愛「りなりー。もしぶちょーが怒ったらどうなるかな」
璃奈「え……」 愛「んふふ、出してあげるよ」
あなた「わ」ポテッ
愛「ぶちょー。りなりーのこと、ぶってみて?」
あなた「え……そ、そんなこと」
愛「やーるーの♡」
あなた「……」 ペチ、ペチ
愛「ファイトファイト。噛みついたら少しは効くかもよ?」
璃奈「!い、いや」クネ
ゲシッ
あなた「ひゃあっ!?」
璃奈「あっ」
愛「ありゃりゃ。でっかいりなりーの足、こわかったね?よしよし」
あなた「……うう」
愛「お疲れさま。じゃあ中にもどろっか」
あなた「!や、やだ!やだ……」
璃奈「……」 愛「ごらんのとおり。たとえ逆らっても、かわいそうなのはぶちょーの方」
愛「このままもらして部屋を汚すのと、どっちが怖い?」
愛「悩むまでもないよね」
璃奈「う……」
あなた「はあ……はあ……」
璃奈「……やっぱり、だめ……」
愛「どうしたの。トイレ、ここだよ?」
璃奈「ひ、う」
愛「はやく。はやく済ませちゃおう」
あなた「り、璃奈ちゃん……」
璃奈「あ、あああ……!」 璃奈「…………」
璃奈「すん、えぐっ」
あなた「……」
璃奈「……ごめん、なさい」
璃奈「愛さん……おろして」
愛「ふふ、オッケー♡」 スルスル…
あなた「わ……」
璃奈「ごめんなさい……」
ヒク、ヒク
あなた「う、うそだよね」
璃奈「ごめんなさい、ごめんなさい」 …ト
あなた「わ、あっ」
璃奈「はっ。ああ……う」
トトトトトト
あなた「と、止めて!とめてよっ」
璃奈「ひっ、うぐ、うああああん」
ショワアアアアアアアアアアアア
璃奈「…………はあ……────────」 愛「フタしてと……あ、こぼれちゃったかあ。いっぱい出たねりなりー?」
璃奈「///」
愛「んー、ほかほかだ。頬ずりがとまんないや」
愛「りなりーもむこう向いてないでさ、見て?」
璃奈「……」チラ
愛「苦しそうだね。おしっこで沈むって、どんな気持ちなんだろ」
愛「きいてみよっか」
璃奈「…………恥ずかしい」
愛「だって。悪いけど、りなりーのためにもうちょいそのままでね」 愛「アタシは帰るね。気分が落ちついたら出してあげんだよ?」
愛「溺れちゃったらいけないからね、じゃあ」
璃奈「う、うん……」
ガチャ、…バタン
愛(……なーんて) 璃奈「……」
あなた「……」ゴポポ
璃奈「っ、……はあ」
ガシ
あなた「!?」
璃奈「…………」ジー
あなた「……」
璃奈「────んっ」 ガチャ
愛「……りなりー?」
璃奈「!?あっ、あ」
愛「なにしてんの」
璃奈「や……駄目、見ない、でっ」
愛「見ないでって。おかしなこと言うね」
愛「それの中から、りなりーのイケナイとこ……うんと近くで見られてるんだよ」
璃奈「それ、は……う、んうっ///」
愛「はは、やめないんだ」
璃奈「だって、止まんな……ふあ」
愛「……あー」 璃奈「はー、はー……」
愛「やっぱり、恥ずかしいだけじゃなかったね」
璃奈「……そんなこと、ない」
愛「ハア、あのさりなりー」
ガシ
あなた「!」
愛「」ズイ
璃奈「あ……う///」
愛「ほら、みるみるうちに真っ赤。それだけじゃなくて」
愛「下腹のあたりをくるしそうにしてるし、ぐんと速まるどきどきで身体ぜんぶが揺れてる」
愛「いまのぶちょーのこと見ただけでだよ?さっきから愛さんには丸わかりなの」
愛「あげく。アタシが行ったと思った途端、これ押しあててよがっちゃっててさ」
愛「そんなんでよく言い逃れなんてしようと思うよ」 愛「りなりー。わかったよね」
愛「愛さんがぶちょーにちょっかいかける理由」
愛「なにも愛さんはこのコのこと、嫌いなんじゃないんだよ?」
愛「ちっちゃくて、弱くてのろまで。一生懸命もがいて逃げて、でもだめだめで」
愛「なのに強がってて、いじめてあげてる内に堪えかねてやっぱり悲鳴をあげるの」
愛「それがいじらしくて、すごく可愛い」
璃奈「……う、うう」
愛「そう……アタシたち、すこし酔っぱらっちゃったんだよ」 愛「だから、甘えさせてもらうんだ」
愛「こんな幸せはほかの何でもない、りなりーのおかげ」
愛「感謝でいーっぱい……今日のことは荒っぽいようで、愛さんからのお礼のつもりなんだよ」
愛「この薬のすばらしさ、作った当人が知らないなんてもったいないじゃん」
愛「もうアタシたちはおんなじ。悪いことじゃないし、恥ずかしくもないよ」
愛「いっしょにさ……たのしもう?」
璃奈「………………」
愛「ね」 〜間〜
璃奈「」バシャシャ
あなた「ぶえ!」
璃奈「これできれいになった」
あなた「……ひ、くしゅっ」
璃奈「ごめんなさい。ちっちゃなあなたを守らなきゃいけなかったのに」
璃奈「私も、愛さんにされるまま」
あなた「いや。それは……仕方ないよ」 あなた「璃奈ちゃん。その、やっぱり璃奈ちゃんも」
璃奈「私のことも、こわい?」
あなた「……」
璃奈「」ムンズ
璃奈「ぎゅっ」
あなた「う」
璃奈「ふるえるあなた、とってもキュートだよ」ナデナデ
璃奈「……でも」 璃奈「あなたには、かまってあげない」
あなた「え?」
璃奈「……えへへ。つまり、安心してほしい」
璃奈「愛さんは私のこと、なめすぎ」
あなた「……」
璃奈「ここで、待ってて」 璃奈「」ガチャ
愛「お、もどってきたね」
璃奈「……」スタスタ
愛「?ぶちょーはどこさ……ちょ、やけに近いじゃん。どしたの」
璃奈「ん……」チュ
愛「!?」 愛(ま、まったまった)
璃奈「んーん」ギュウ
愛(……)
愛「ん」ギュ
璃奈(……いま) チュル…チュルル
愛「っ!?」
愛(口うつし……?)
愛(は、放し)
璃奈「……」ギュウウ
愛「むぐ、ぐ」
愛「ん、く……」コク、コク…
璃奈「……っぺ」
璃奈「飲んだね」 璃奈「愛さん、油断大敵……」
璃奈「私、もう愛さんといっしょだけど」
璃奈「部長さんを苦しめない方法なら、ある」
璃奈「いまの愛さんには、わかるよね」
璃奈「だって……こうして胸にだいてあげているから」
璃奈「私のどきどき、じかに伝わってるはず」
愛(5cm)「……」 愛「そっか……そうかあー」
愛「愛さんもツケを払うときってわけだ」
愛「思ったより早かったなあ。ぶちょーにはまだ心残りがあるのに」
璃奈「愛さん、反省してない」
愛「なに言ってんのさ……それはこれからじゃん」
璃奈「ぷ。それも、そう」 愛「これからもないけどね」
愛「アタシ、いいし。りなりーになら」
璃奈「その言葉も、後悔する」
愛「はは……やってみろ♡」
璃奈「……」グオ
ズシ…
愛「あ、ぐ……♡♡」
璃奈「愛さん、好きだよ」
璃奈「よわいのに生意気な愛さんは、もっと好き」 愛(わるいねー歩夢、愛さんはここまで)
愛(いやどうだろ。薬が手にはいったときにはもう邪魔ものだったかな、アタシは)
璃奈「」グリ
愛「あ"っ!?ちょ、なにしてんのりなりー……?」
璃奈「なにって、小指」
璃奈「愛さんのお尻なら、入るかと思って」ギュウ
愛「ひんっ!!むりむり、はいるわけないじゃん!」
璃奈「そのほうがおしおきになる」
愛「は、はは、きつい冗談だよ……ツケはケツで払えって?」
璃奈「愛さんしっかりして。おもしろくない」
璃奈「あと、下品」ズプズプッ
愛「あ"あーーーーーーダメんなるううううう!!♡♡」
愛(もう、どうでもいいけど♡) かすみ「先輩。かすみん、ぎゃふんと言わせたいんです」
あなた「誰を?」
かすみ「新生徒会長ですよ!あんなに試験がんばったのに、同好会に向ける目は冷たいまま」
かすみ「ただでさえおバカ王なのに!かすみの不満ゲージは振りきれっぱなしです」
あなた「とは言うけど。三船さんにいつものいたずらでもするの?」
かすみ「にひひひ、そんななまっちょろいもんじゃありませんよお」
かすみ「てわけでこれより、ちっちゃな先輩にしかできないミッションを課します!」
あなた「え」 かすみ「それじゃ行ってらっしゃい〜♡」
あなた「うええ、ここ生徒会室前」
あなた「待ってよう……かすみちゃんが縮めばいい話じゃない」
かすみ「いままさに小さい先輩が都合いいんですよお」
かすみ「かすみんも一応、あの薬に関してはブラックリストに入ってて」
かすみ「触らせてなんかもらえないんですから」
あなた「あー……そうだったね」 かすみ「何があってもいい心の準備を忘れずにですよ」
かすみ「彼女のことです。足くらい舐めさせられるでしょうからねえ」
あなた「三船さんにどういうイメージ持ってるのさ……」
あなた「あ、待ってって!かすみちゃん〜」
あなた「もう……」
ヒョイ
あなた「わあ!?」
栞子「なんでしょうこれは……」
あなた「あ……」
栞子「……ん?」 〜間〜
栞子「舐めてください」
あなた「はい……」
栞子「……」
あなた「……」ペロペロ
栞子「…………あの」
あなた「ど、どうしましたか」ペロペロ
栞子「敬語でなくていいのですよ」 栞子「ペロペロキャンディは不満でしたか?」
栞子「こういうときの接し方を知らないので……そうでしたら謝ります」
あなた「いや三船さん、知ってるなかから当てはめて実行してくれるのは助かるよ」
あなた「たとえ子供あつかいだろうとね」
栞子「そう……ですか。ほっ」
あなた「キャンディおいしかった。満足いったよ」
栞子「もういいのですか」
あなた「この身体だよ?いくら舐めてもらちが明かないからさ」
あなた「のこりは三船さんが食べて」
栞子「……では、いただきますね」 栞子「その身体は、やはり」ペロペロ
栞子「中川さんがああなっているのと関係があるのですか」
あなた「もともと、こんなふうになった私たちを戻すためだったんだけどね。あれは」
あなた「ちょっと色々あって」
栞子「はあ……」ペロペロ
栞子「同好会の活動が原因なら、然るべき対応を考えるところですが」
あなた「ど、どっちかといえば演劇部かな」
栞子「……事情はおいおい聴取するとしましょう」
栞子「もし濡れ衣とあっては、こちらも立場がありません」ペロペロ
あなた「ふう」
栞子「……そもそも、そんな回り道などしなくても」 栞子「いまここであなたを潰してしまえば」
栞子「同好会は瓦解の一路を行くのでしょうし」
あなた「え……」
栞子「なんて。そんなことはしません、いっそう悪い後味が残るだけです」
あなた「はは、なんだ……」
栞子「……しかし」
栞子「高校生ともなれば、舌が肥えているものですね」
栞子「少々くどく感じてしまいます」ペロペロ
あなた「でしょ」 栞子「それはそうと。あなたもひとりで学内を動いていたわけではないでしょう」
栞子「同行者とはぐれでも?」
あなた「う、うん。かすみちゃんたら、私のこと落っことしていっちゃって」
栞子「中須さんですか……あまり生徒会室で匿ってもいられませんし」
あなた「放送で呼び出したらどう?」
栞子「そうしましょうか」 栞子「放送部にかけあってきますので、待っていてください」
あなた「うん」
ガチャ
スタスタ…
あなた「……」
かすみ「」ガチャ かすみ「誰もいませんね?」
あなた「」コク
かすみ「トラップを設置してと……」ポイ
かすみ「先輩。床におろすので、しっかり視線誘導を」
あなた「はいはい」 栞子「お待たせを……」ガチャ
栞子「ん?」
あなた「三船さんっ」ピョンピョン
栞子「お、落ちてしまったのですか?」
栞子「跳ねるだけの元気があるようで結構ですが、どうか気をつけて……」スタスタ
バナナの皮「」ギュ
栞子「え」 栞子「きゃあっ」ズルッ
あなた(三船さんはなすすべなく両足を投げだして倒れこみ、私の視界一面に薄緑色を晒した) 栞子「う……こんなところに、なぜ」
あなた「……」
パチ
栞子「ん……?」
栞子「はっ」
栞子「……///」パッパッ
栞子「失礼しました」
あなた「うん。……見てないよ、なにも」
栞子「……そういうことにして貰えるとありがたいです」 栞子「あの、さきほど妙な音が鳴ったような」
栞子「パチ、と」
あなた「えっ!?そ、空耳じゃないかなあ」
栞子「そうなのでしょうか」
栞子「小さいぶん音に敏感なはずのあなたが気づかないなら……そうですね」
あなた(けっこうちょろいんだなあ) 〜間〜
かすみ「先輩のこと拾ってくれたのは、お礼を言います」
栞子「警戒しなくとも。偶然のことですから、恩を着せたりはしません」
かすみ「わ、わかってますよ」
あなた「ありがとうね三船さん」
あなた「なんだかいつもより物腰やわらかにしてくれてたようだから、居心地よかったよ」
栞子「……それならいいのです」 栞子「あの」
かすみ「ん?」
栞子「私こそ、絆されるようなことは決してありませんが」
栞子「その方のことで困ったら、また生徒会室に預けることも一考していただいて構いませんよ」
かすみ「先輩はかすみんが守るからそんなのいりませんっ」
かすみ「……」
かすみ「もしまたうっかりはぐれたら、わからないけど」
かすみ「かすみん、少しだけおバカだから」
栞子「……仕方ない人ですね。そのときは尻ぬぐいをしますから」 バタン
かすみ「なんだか、どことなくリラックスした感じでしたね」
かすみ「普段とああまで違うのが腹立ちもしますけどっ」
あなた「まあまあ」
かすみ「……ふふふ」
かすみ「このまま終わるとでも思うたか、三船栞子〜」
かすみ「バッチリ収めました?」
あなた「…………まあね」 かすみ『先輩。スマホは持ってますか』
あなた『うん、身につけてたものはいっしょに縮んじゃうからね』
あなた『でも……この大きさだと電波を受けとれるような代物じゃないよ』
かすみ『電波なんかいらないんですよお。スマホの用途、他にありましたよね?』
あなた『え。スケジュール管理、メモ、本体メモリやSD内の音楽データ再生……』
かすみ『あとは〜?』
かすみ『……にひひ。わかったなら、善は急げの作戦決行です!』
あなた『善なんてよく言うもんだよ……』
かすみ「元に戻ったらしーっかり確認しますからね」
かすみ「写真♡」 〜間〜
栞子「学生にとっては無駄だとかがああだこうだ」
しずく「学生のうちしかできない貴重などうのこうの」
あなた(???cm)「……」
かすみ「ふふふ」
果林「部室に来るなりで顔をあわせることがあったら、こうやって少しの口論」
璃奈「日常の一部になりつつある……」
彼方「三船さんこのまま、わかってはくれないのかな〜」
栞子「一度条件を満たしたからといって、認めるわけにはいきませんから」
栞子「次の試験で赤点を取ってしまうようなら、前回のことはその場しのぎに過ぎなかったということですし」
かすみ「くくく」
エマ「かすみちゃんご機嫌だね。いいことあった?」
愛「こういうとき一番黙ってないのがかすかすなのに。へんなの」
かすみ「……わけを知りたいですか?」 かすみ「にひひ、三船栞子!」
かすみ「なにを隠そう、かすみんは貴様の弱みを握ってしまったのです」
栞子「!?……どういうことですか」
かすみ「もう同好会の活動にとやかく言わせませんよ〜」
かすみ「先輩、例のものを」
あなた「え、でもあれは」
かすみ「?スマホですよ。忘れてきたわけじゃ」
あなた「……ないけど」
かすみ「へんな先輩。ええと、写真は」スッスッ
かすみ「……ん?あれ?」 栞子「……ふたりはなにを?」
しずく「うーん……さあ」
かすみ「先輩ひどいですよ!データ消しちゃうなんてえ」
あなた「私じゃないよっ、だってあのとき」
かすみ『もとに戻ったんですね先輩っ』
かすみ『はやく、はやくアルバム見せてください』
かすみ『屈辱でしょう三船栞子、おまえのあられもないすがた、二番に見るのはかすみんですよお』
かすみ『…………』
かすみ『ぎゃあああああああ!!』 かすみ『なんてもん撮ってんですかああ!!』
あなた『え、かすみちゃんが撮れって』
かすみ『だってだって、こんなに、その、いかがわしいなんて///』
かすみ『ダメダメダメ、先輩のスマホにこんなの残しとけませんってえ』
かすみ『削除!いますぐ削除ですっ』
あなた「って、かすみちゃんが自分で」 かすみ「…………」
かすみ「あー……そんなことも、ありましたっけ」
果林「ぷっ……くく」
愛「ふほほw」
栞子「…………私は」
しずく「事なきを得た……んでしょうか?」 かすみ「先輩も先輩ですよっ。あの写真、画面が緑色でいっぱいだったじゃないですか!」
栞子「えっ」
かすみ「あれじゃ結局、誰のパンツかわかんないですよお」
あなた「ごめんね。私小さかったし、アングル調整なんてできたもんじゃなかったから」
果林「……へえ?」
愛「ふーん」
栞子「な……な……」 かすみ「せっかく、写真ばらまくぞっておどせば」
かすみ「一泡吹かせて、同好会もたすかると思ったのにい」
あなた「うん……まあ、こういうことはできないようにできてるんだよ。世の中」
果林「そういえば。関係ないけど、このあいだクルクルしたキャンディ持って歩いてなかった?」
愛「あ、それ見たって人いっぱいいたよ。本当?」
栞子「え!?///ええと」
しずく「その日はいつものボランティアでもなかったはずですよね」
栞子「そ、それはですね……」 かすみ「う〜〜、くそお」
かすみ「三船栞子っ!今回は失敗したけど、そのうち真に弱みをにぎって、同好会に屈服させて……」
栞子「き、今日のところは見逃しますっ」
ガチャ、バタン
かすみ「…………え?」 しずく「やった!同好会の勝利ですっ」
璃奈「MVP、かすみちゃん」
かすみ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
果林「悪いことしたかしら」
彼方「まあ盗撮組はシャレにならないし」
彼方「あとで小さくして生徒会室に送りつけといてさ、終わりでいいんじゃない?」
あなた「えっ」
彼方「エマちゃん〜ひざまくらたのむよ〜」
エマ「子守唄もうたう?」 〜間〜
栞子「……」
あなた(5cm)「……」
かすみ(5cm)「……」
栞子「……あなたがたは」
かすみ「ひっ」
栞子「私の下着を撮るためなら、ここに来るのですか」
あなた「ご、ごめんなさい!」
あなた「……え?」
かすみ「ええと、なにか……聞き方が妙じゃないです?」 栞子「いつでも……その方でも中須さんでも、生徒会室に潜入してきていいと言ってるんです」
栞子「……受けて立つので」
かすみ「はあ!?なんの目的でそんなこと言うんですか」
栞子「その……そうですね、言うなれば」
栞子「あなたがたなら、目に入れても痛くないから、でしょうか」
あなた「……」 かすみ「なにそれ!意味わかんないよおっ」
栞子「……わからないように言ったんですよ」
栞子「おバカには、ね」
かすみ「な……」
かすみ「むっきいー!いつか絶対また撮りますからねっ」
栞子「ふふ」
あなた(……薬の被害者がまたひとりかあ)
おわり あなた「果林さん、次の教室ってあっちじゃ」
果林「あ、ほんと」
果林「ありがと。考えごとをしてたものだから」
あなた「考え、ごと?」
果林「そうあの薬のこと……」
果林「って大丈夫?私たちかみ合ってるかしら」
あなた「い、いや!続けてよ」
果林「だーめ。その反応でわかったわ」
あなた「かなわないなあ。……果林さんさ」
あなた「意識がよそにあったとして、まっすぐのところを曲がる?ふつう」
果林「え?」
あなた「また曲がった!」
果林「うふふ、いまのはあえてよ」 果林「私の頭のメカニズムに興味を持ってくれたの?」
果林「私としては助かる反面、謎めきというのも女の妙味と思うから複雑なところだけど」
果林「どう?今日は私につきっきりになって……解明、目指してみる?」
あなた「お誘いはうれしいけど。私もこうして縮んでる間は引く手あまたなんだよね」
あなた「今日も放課後はかすみちゃんが構ってほしがっていてさ」
果林「そ……なら行ってあげたらいいわ」 果林「私もまだまだね。いくら先約とはいえ、キミは少しも靡かないもの」
あなた「そんなことは」
果林「わかってる。僻んでるんじゃないのよ?もっと魅力的になるって決めたの、いま」
果林「キミが私の前じゃ、他のこと考えられないくらいね」
あなた「……そっか」
果林「そのために、そうね。今夜は」
果林「エマあたり誘ってスーパー銭湯にでも行こうかな」
あなた「テレコムセンターのところのだね。いつ集合にする?」
果林「うふふ、キミのナビゲーション次第よ」 〜間〜
エマ(5cm)「人のふところって暖かいんだね〜♪それに果林ちゃんが歩くとゆられて、眠くなっちゃいそう」
あなた「そうだねエマさん」
果林「気をつけてるつもりだけど、酔ったら言ってね」
かすみ「ひいい!みんなよく下をのぞけますよねっ」
果林「あらかすみちゃん。ほんの腰程度の高さよ?」
かすみ「縮んでみるとこうも見え方が変わるなんて思わないんですよう」 かすみ「それであの、先輩。銭湯はいいとして」
かすみ「かすみたち三人はどうして持ち歩かれてるんでしょう」
あなた「果林さんには思いつきがあるんだって」
果林「ふふ、ちょっといけないことよ。いまのうちに純潔にお別れを言っておくといいわ」
かすみ「な!///あらがう力がないかすみんに一体なにをお!?」
エマ「エッチなのはだめだよ〜!」
あなた「見そこなったよ果林さん……つぎの新曲名はDung Beetleでいい?」 受付「大人一名さま2218円です」
果林「入館料を払うのは私一人。後から四人で割ればうんとお得というわけ」
かすみ「そんなことですか……いや、かすみんのお財布的にはたしかにおいしいですよ」
エマ「う〜ん、ケチなのは……少しなら許容します!」
あなた「最高だね果林さん。つぎの新曲名はGeniusなんてどう?」 果林「ふふ、喜んでいいけど」
果林「さわぐのはほどほどにね。見つかると面倒になるわ」
かすみ「果林先輩、ふつうに話に割って入るからすでにかなり視線集めてます」
果林「私はいいのよ。注目されてこそのモデル志望……ん?」
【小人 980円+税】
果林「……これは想定外ね?」
果林「受付さん。チェックをされる前に白状するわ、ここに小人が三人……」
かすみ「そういう意味じゃないと思いますけど!?」 果林「は〜〜」
エマ「湯船が湖みたい。こんなの初めてだよ〜」
あなた「沈まないように気をつけようね」
かすみ「疲れをとるためのお湯なのにとは思いますけど……楽しくなってきちゃいますねえ」
果林「アトラクションがお望み?それなら」
かすみ「あれ?な、なんですかなんですか」
果林「足をつかまえて、引きずりこんじゃうぞ〜」
かすみ「きゃー!」パチャパチャ
果林「せっかくだから、みんなでもっと中央のほうにいきましょうか」
かすみ「えっ」 かすみ「こんなところまできたら、疲れても拠りどころがないですよお!」
果林「湯気で見えない?あるわよ。こ・こ・に♡」
かすみ「……う〜///」
かすみ「お借りします……」ピト
果林「あらかわいい。でもそこは腕よ、そんなところでいいの?」
果林「ほら、こっちに休憩にもってこいの島がふたつも〜」
かすみ「あーん!押すのやめてくださいってえ」 エマ「かすみちゃんもあがっておいでよ〜、クッションみたいで気分いいよ♪」
果林「うふふ、エマとはこれでおあいこよね」
エマ「小さい果林ちゃんにもまた会いたいなあ」
あなた「詳しく聞きたいな?」
果林「それはお楽しみにしておくべきよ。それより、前に彼方とも一緒に入ったんでしょ?」
果林「私のと比べて、どうだったのかしら」
あなた「のせてもらった前提なのは釈然としないけど。そうだなあ……甲乙つけがたし」
かすみ「はいはーい!かすみんも先輩とお風呂しましたよね!?」
あなた「ごめん、覚えていない」
かすみ「そうか……そうでしょうね」
かすみ「ああ〜ふかふか〜〜」
果林「そうそう。私は素直なかすみちゃんが好きよ」 果林「えーここで問題が発生しました」
エマ「2218円は4で割れません!」
かすみ「そうなんですか?」
あなた「じゃあ仮にかすみちゃんがステージから2218Ctの笑顔をふりまくとしようか」
かすみ「ああなるほど……ファン四人に554Ct分配して2余っちゃいますね」
かすみ「って!かすみんのファンはそれっぽちじゃないんですけど!」
果林「そこで。ほんの1円だけれど、多く払う二人を決めない?あそこでね」
あなた「サウナ?はは、果林さんは競いたがりだね」 かすみ「かすみたちはライバルです、のぞむところですよ」
エマ「……あれ?でもわたしたち、果林ちゃんといっしょじゃないとサウナから出られないんじゃ」
果林「大丈夫よエマ。なぜって」
果林「私は負けないから」
エマ「そっかあ」
かすみ「これでひとり脱落ですね」
あなた「サウナは高い位置ほど熱いらしいからね。したがって」
あなた「果林さんと小さい私たちとではハンデがあったわけ。こうなって仕方ないよ」
エマ「……あれ?でもわたしたち、果林ちゃんといっしょじゃないとサウナから出られないんじゃ」
あなた「え?」 かすみ「え〜ん、一円のために蒸されて死ぬなんてイヤですよお!」
あなた「泣くなかすみちゃん、からだの水がにげちゃう」
あなた「気づいた果林さんが戻ってくるまでのがまんだよ」
かすみ「くすん……果林先輩のことです、いつになるか」
エマ「……聞いて、ふたりとも」
かすみ「エマ先輩?」
エマ「わたしは暑さにまけそうなとき、夏の故郷スイスを思いだすことにしています」 エマ「ふたりも想像して?暑い日に家族みんなで出むくティチーノ州の山岳」
エマ「高い標高は避暑になるし、水着を持ちこめば山あいの小さな湖がまるで天国のよう」
エマ「ひとしきり水をかけあったあと。草葉のそよぎを聞きながら、弟たちとこういう風に唄うんです」
エマ「〜〜〜♪♪」
かすみ「……なんだか目を閉じてきいてると」
あなた「本当にここがサウナなんかじゃないみたいに、涼しく感じられるや」
かすみ「エマ先輩すごい。この調子なら保っちゃうかも」
エマ「〜〜♪〜……かはっ」
かすみ「え?」 エマ「…………」
かすみ「あああああエマ先輩いいい」
あなた「そりゃエマさんが一番弱いよね、そんな環境で過ごしてたら……」
エマ「い、いいんだよ……わたしはふたりがすこしでも元気づけばって」
あなた「エマさん気をしっかり持って!」ユサユサ
あなた「……ん?」
かすみ「せ、先輩、かすみんにもいよいよ限界が」
あなた「おほ〜」ユサユサ
かすみ「せんぱ……」 果林「ん〜〜水風呂は生き返るわね。このためにサウナに入るといっていいくらい」
果林「はて……頭の芯まで冷めれば、なにか大事なことを思い出す気がするのよね」
ポチャン、ポチャン
果林「わ!?……エマにかすみちゃん」
かすみ「ぷはっ、は……助かった」
エマ「…………」プカプカ
果林「だめじゃない、水風呂は汗を流してから入るものよ?」
かすみ「そ、それより果林先輩……あそこに」
果林「あそこ?」
あなた(???cm)「」 〜間〜
あなた「ちょうど薬の効果がきれる時刻でよかったよ」
かすみ「おほ〜とか余裕こいてたのはそのことを思い出したからなんですね」
あなた「ま、まあね」
あなた「結局さいごの力でふたりを水風呂に放り投げることになったけど」
かすみ「やっぱりかすみのいちばんのヒーローは先輩ですよ〜。すりすりっ」
あなた「ナハハハ!」
果林「そんなことになってたなんて。せめてお代は私ひとりでもつわ」
エマ「果林ちゃん、扇風機のほう行こう〜」
果林「はいはい」 あなた「さて帰ろうか。服、服っと」
あなた「ちっちゃ!そうか脱いだまま戻ったから……」
果林「平気よ。着替えを届けてくれるよう電話したから」
あなた「ふう。さすが果林さん、助かったよ」
歩夢「待った?」 璃奈「だめ。もう歩夢さんには渡せない」
愛「アタシみたいになるのが嫌なら、歩夢も早いとこ足をあらった方がいいぞー」
愛「今日なんて、はんぺんのご飯にまぜられそうになってさあ」
璃奈「も、もちろん本気だったんじゃないよ」
愛「わかってるってー。りなりーはそんな、愛さんが」
璃奈「そんな、はんぺんがお腹こわすようなこと」
愛「愛さんがいなくなっちゃうようなことはね?」
璃奈「私のことも引きこもうとした愛さんはともかく」
璃奈「歩夢さんに強引な手段はつかいたくない」
璃奈「信じるから」
ピロロロロ
果林『歩夢?急にわるいんだけどね……』 愛「ぶちょーんとこ行くのかあ。おつかいとはいえ」
璃奈「……」
愛「薬がなくなるまでやるにしても、もう長くないし」
愛「歩夢はぶちょーのこと大事だもん。取り返しはつくって」
愛「りなりーは少し心配症なんだよ」
璃奈「うん……」
璃奈「歩夢さんだって、部長さんがいなくなるようなことは、しない」
璃奈「薬ももうすぐなくなる……なにも心配ないはず」 璃奈「なのに、胸騒ぎがする」
璃奈「どこか大きな思い違いをしてるような、そんな不安と」
璃奈「いま薬を渡してしまっていた方がよっぽど……ていうくらいの、不吉な予感」
愛「……」
璃奈「愛さん……私、どうすればよかったかわからない」
愛「……どうなろうと気に病んじゃダメだよ」
愛「薬を渡しちゃうなんて、もってのほか。りなりーはああ言うしかないんだから」
璃奈「うん、……うん」
愛(歩夢……まさかね) ガタン、ゴトン
あなた「そっか。お母さん出かけてて、歩夢ちゃんが」
歩夢「私の服、合わなかったらごめんね」
あなた「ありがとう。サイズは平気」
あなた「けど私が持ってるどれより女の子っぽいから、落ち着かないや」
歩夢「ふふ、似合うと思って選んだの。私より着こなしてるよ」
あなた「そ、そうかな」
歩夢「うん。あなたがそれを着て、……」
あなた「着て?」
歩夢「───ステージに立ったならって、想像しちゃう」
あなた「またあ。歩夢ちゃんは上手なんだから」
あなた「でもこれは衣装じゃないし、ステージに出るには華やかさが足りないよ」
歩夢「……そうだね」 あなた「あ……」グラ
ポス
歩夢「きゃ」
あなた「ご、ごめん」
歩夢「……」
あなた「歩夢ちゃん?」
歩夢「!ううん。いまのは電車のせいじゃないよね」
歩夢「まだ、くらくらするんだ」
あなた「……じつは。だるさも少し」
歩夢「もっと水が要るよね。持ってきてるよ」スッ
あなた「え。……ええと」
歩夢「んく、んく」
あなた「あ……」
歩夢「ね」 あなた「んっ、んっ」ゴク、ゴク
あなた「……ありがとう。はい」
歩夢「うん」
歩夢「…………」
歩夢「……私」
あなた「ん?」
歩夢「はじめにあなたや果林さんが縮んでるのを見て」
歩夢「魔法だ、って思ったの」 歩夢「私たち、いくつ年をとってもいっしょって約束したけど」
歩夢「想ってるだけじゃどうにもならないことはある」
歩夢「私、それがこわくて……」
あなた「……」
歩夢「水差しの中身をくすねて」
歩夢「これであなたは縮んだままで」
歩夢「ひとりで何もできないあなたを私がまもれば、ずっといっしょで過ごせるのかもしれないって思った」
歩夢「だから、魔法なの……私たちをより結びつける魔法」
歩夢「時間経過でもとに戻っちゃうなんて知って、すごくがっかりしたよ」 歩夢「それでも、愛ちゃんを利用してまで、薬に執着してた」
歩夢「なにより小さいあなたが好きだから。もう少しでもって」
歩夢「いまだけだからって言い訳しながら、たくさんひどいことをしちゃった」 歩夢「薬ね、もう少ないの」
歩夢「だから、私も心に決着をつけないとって思って」
歩夢「あなたに可愛い服を着せたり、倒れかかってきたあなたの重さを感じたり」
歩夢「もとのあなたとしかできないことをしながら、いまは」
歩夢「もと通りの帰り道を精一杯で過ごしてるんだよ」
あなた「歩夢ちゃん……」
歩夢「ねえ、つぎは……私の方からあなたにさわっていい?」 歩夢「」ギュ
あなた「わ……ちょっと苦しいな」
歩夢「大きいあなたとくっつくの、久しぶりだから」
歩夢「加減がわからなくても許して」ギュウウ
あなた「そう言われちゃね」
歩夢「……」サワ
あなた「ひゃ!///……もう」
歩夢「ん……ちゅう」
あなた「む……」
あなた「!?」 あなた「ぷは!ストップ……!」
歩夢「あ……」
あなた「舌いれようとしたよね」
歩夢「だめ、だった?」
あなた「だめっていうかその///……そもそも!」
あなた「抱きつくところからもう、おさわりの範疇外れてるよっ」 あなた「はあ……また身体があったまっちゃって大変だよ」
あなた「もういっかい水ちょうだい?」
歩夢「うん……」スッ
歩夢「…………ごめんね。わからなくって」
歩夢「私、やっぱりだめだったみたい」
歩夢「でもあなただって、いけないんだよ」
歩夢「見て。これがさっき渡した水筒」
歩夢「それと同じものだけど、こっちはここのところの塗装がすこし剥げてるの」
歩夢「こんな陳腐で、穴だらけの手口でもひっかかっちゃう」
歩夢「あなたがそんなだから……」
歩夢「あ、逃げないで」
歩夢「もうつぎの駅に着いちゃうよ」 キィーーーーー…
歩夢「───っと」
歩夢「ふふ、おかえりなさい」
歩夢「……うふふ!おかしいの。ころころ〜〜って」 歩夢「ね?電車では私から離れちゃだめだよ」
歩夢「いくらあなたが可愛くても、慣性は手抜きなんてしてくれないんだから」
歩夢「ほら、あざだらけ……随分ころがったもん」
歩夢「痛いよね。動かなくていいんだよ」
歩夢「私の胸に全部預けて?」ギュ
歩夢「そうしてるかぎり……私のやわらかさが全部、あなたのためにあるよ」 歩夢「そう、いまはゆっくり休んで」
歩夢「目が覚めるときにはきっと」
歩夢「私たちのおうちだからね」 〜間〜
歩夢「……起きた?」
歩夢「あ……びっくりしないで。ちょっと顔を近づけてただけなのに」
歩夢「それに、もしかしたらもっと……」
歩夢「ううん。なんでもないよ」
歩夢「なんでもないったら。…………ふうっ」ごおおっ
歩夢「ふふ、しつこい子には突風がふいちゃうんだよ」 歩夢「ふきとばしておいてなんだけど。もう一度こっちにきてほしいな」
歩夢「……」
歩夢「後ずさらないで。じっとしてないとうまくいかないよ」
歩夢「くるくる……きゅ」
歩夢「あは、髪の毛一本でお縄になっちゃった」
歩夢「これで離ればなれの心配もないね」 歩夢「〜♪」すっく
歩夢「くすくす。宙づりだね」
歩夢「立ちあがっただけで騒いでたら、この先たいへんだよ?」
歩夢「……冗談。すぐほどいてあげるから」
歩夢「ずっとこうでもいいんだけどね。だって」
歩夢「いつでもこうやって、あなたを口元にもってきて」
歩夢「ちゅ」
歩夢「ん、むちゅ」
歩夢「ふう……こうできるもん」
歩夢「…………やっぱり、しばらくこのままにしちゃう」 歩夢「はあ……はああ……あったかい?」
歩夢「うふ、ぐったりしてる」
歩夢「吐息をあびせ続けるだけでのぼせちゃうんだ」
歩夢「服も湿って、肌はふやけほうだい」
歩夢「……蒸しものみたいで、おいしそう」
歩夢「あーん」
歩夢「もう。そうまで叫ばなくていいじゃない」
歩夢「前は腕を?ふふ……そんなこともあったっけ」
歩夢「いいかげん降ろしてあげなきゃね」 歩夢「……なんで椅子のうえに降ろしたのかって?」
歩夢「そこがちょうどいい高さだからだよ」
歩夢「ごめんね。……今日はね」ぬぎ…ぬぎ
歩夢「こっちのお口があなたを欲しがるの」
歩夢「ふふ。お腹すいたぞー」かぱ
歩夢「今晩のえさはおまえか〜」くぱっ、くぱ♡
歩夢「なんて。あはは、うふふ……ふふ」
歩夢「飛び降りてみる?……むりだよね」 歩夢「そうそう。せまい一郭だけど、ちょろちょろ動きまわれば」
歩夢「私もねらいをはずすかもしれないね」
歩夢「でも、こわいのはアソコだけじゃないよ」
歩夢「うっかりで……お尻や、太ももで潰れちゃうなんて、いやだよ?」
歩夢「待て、待て〜」ぐい
歩夢「はやいはやい♡まいっちゃうよ」くね、くね 歩夢「うふ。ふう、ふう、女の子の、股下で……必死で」
歩夢「ばかみたい……おかしいよ」
歩夢「でも、笑ってられるのは、私だけ」
歩夢「ふ……」くちゅ
歩夢「あっ、はあ♡」ぐちゅ、くちゅ
たら……
ぽた、ぽた
歩夢「あは、えっちな雨だよ……濡れないようにね」 歩夢「はあ、はあ。さっきより、動きがにぶいよ?」
歩夢「疲れたよね。何分くらい、こうしてたかな」ぐちゅぐちゅ
歩夢「うふふ、でももう、終わりだからね♡」ぼた、ぼた
歩夢「私も、ふっ、どんどん」
歩夢「ちから、はいらなく、なっちゃうから……」がくがく
歩夢「……はあ♡」ぐら
ずずうんっっ 歩夢「……たすかったみたいだね」
歩夢「でも、ここからでも私は、どうにでもできちゃう」
歩夢「ふふ」ずず
歩夢「こうやって前進して、崖まで追いつめることだって」ずず、ずず…
歩夢「けがしたくないよね?私もいやだよ」
歩夢「こっちにきて。まだ足りないよ」
歩夢「ねえ……舐めてほしいの♡」 歩夢「私のここも……あなたとたわむれたいって」
歩夢「きもちよかったら、たべないであげるって言ってるよ」
歩夢「もう。そっちは崖だってば」
歩夢「ふふ♡あなたが、いやいやってして……じれちゃうのも」きゅん、きゅん
歩夢「もどかしくて……はあ、いいよお♡」きゅう…
歩夢「いつがまんできなくなっても、大丈夫だもん」
歩夢「だって」ず…
歩夢「いつだって」ずず
歩夢「私の方が大きくて」ずずず
歩夢「えらいんだもん♡」ずずずず
歩夢「うふ、あとがないね?」 …ピト
歩夢「あ♡…………きてくれたね。おりこうさん♡」
歩夢「…………」どきどき
歩夢「……はやくはじめて?」
チロ
歩夢「あん───♡♡」びく 歩夢「は、うぅ♡」
歩夢「ただでさえちっちゃなあなたの」
歩夢「ちっちゃな舌なのに……こんなに」
ペロ…
歩夢「感じ、ちゃう♡うんっ」
歩夢「きっと、あなただからだよ……♡」
歩夢「なにもできないなんて、もう、言えないねっ」 ペロ…ペロ
歩夢「ん♡」びくん
歩夢「ふふ、やっぱり……だめ」
ぎゅうっ
歩夢「…………いただきます♡♡」
ぐり、ぐりゅ
つぷん
歩夢「〜〜〜〜♡♡♡」 歩夢「うう───♡」くちゅ、くちゅ
歩夢「あなたが、いるよお」ぬりゅ
歩夢「あぅ♡もっと、動いてっ」
歩夢「でないと、わかんなくなっちゃう」
歩夢「あっ、はあ♡」くにゅ、くにゅ
歩夢「ぅ、く」きゅうう
歩夢「ふあ、あああ♡♡♡───……♡♡」びく、びく
ぷしっ…
……
…… 歩夢「ふう、ふう…………」
歩夢「……とりださなきゃ」
歩夢「う、んっ」ぬぷ
ずるる…
歩夢「はあ……おつかれさま。よかったよ」
歩夢「…………?」
歩夢「」つん、つん
歩夢「おーい」
歩夢「気を失っちゃうなんて」
歩夢「ふふ、ほんと……よわいね、もろいね」
歩夢「……」 歩夢「……ごめんね」
歩夢「ごめんね。私、こうがいいの」
歩夢「可愛い服を着たあなたを眺めても」
歩夢「ふいにあなたのあたまが胸をつついても」
歩夢「抱きついても、脚のつけ根をくすぐっても、唇を重ねても」
歩夢「私のからだは、もう熱を帯びないの」 歩夢「私でかんたんに包みこめちゃうあなたが好き」
歩夢「追いかけまわして、閉じこめて、いためつけて」
歩夢「私のかってでどんどん温まっちゃうあなたが好き」
歩夢「そんなあなたを見て、私ももっと熱くなる」
歩夢「気持ちよくなれる」
歩夢「見てないと、冷めちゃう……」 歩夢「……魔法が解けたら」
歩夢「こんなになっちゃった私は、どうなるの?」
歩夢「あなたがもとに戻らなくなっちゃえばいいって」
歩夢「ずっと願っていたら、私だけがそうなっちゃった」
歩夢「罰なのかな」
歩夢「薬がなくなっても、私は」
歩夢「へんたいのまま」 歩夢「私だけ異常」
歩夢「私だけ酩酊状態」
歩夢「私だけ欲求不満」
歩夢「私だけ、こんな世界に置いてけぼり」
歩夢「……やだ」
歩夢「やだやだ」
歩夢「やだよ……」
歩夢「……」 あなた「……うう、ん」ムク
歩夢「……」
あなた「……歩夢、ちゃん?」
歩夢「……」
歩夢「……」
歩夢「……私が」
歩夢「薬を惜しんでた理由、まだあるの」 歩夢「私の願い、遂げられるのかもしれない」
歩夢「ずっとあたまの隅に置いていたけど」
歩夢「きっととても危ないから……私もこわくて、できなかったこと」
あなた「……」
歩夢「ねえ」
歩夢「その身体で過ごしたはじめの夜のこと、覚えてる?」 あなた「……?…………う」
歩夢「まだ頭がはたらかないの?」
歩夢「思い出せないなら……一度後ろを見てみて欲しいな」
あなた「……」クル
歩夢「こんどは、本気なの」
歩夢「……やめてほしい?」
歩夢「なら、諦めさせればいいんだよ」
歩夢「どうすればいいかわかるよね?」 歩夢「ふふ」ずしん
あなた「わ!」ドテッ
歩夢「うふふ、ふふ」ずしん、ずしいん、ずしんっ
あなた「あ、わあああっ!!あああ」
歩夢「動かないの?はやく離れないと」
歩夢「まちがえて踏んづけちゃうかもしれないよ」どす、どす
あなた「ひい……ひいっ」ガタガタ
歩夢「ごめんね、わかってるよ」ずんっずんっ
歩夢「足ぶみすれば、あなたには転げまわるくらいの大地震」
歩夢「逃げたらいいなんて言っておいて、いじわるかな」 歩夢「」ぐお
ぎゅ
あなた「!!……あ……」
歩夢「足ひとつでかくれて、見えなくなっちゃった」
歩夢「体重かけたらトマトみたいにとびだすの?」
あなた「……が…………やめ、て」
ぐり
あなた「ぎ!……いっ」ミシ…
歩夢「やめて、かあ」 歩夢「みんなはそろって、口でそう言うばかりで」
歩夢「私から無理やり薬を取りあげたりはしなかったよね」
歩夢「あなただってはじめは、受け入れようとしてくれてた」
歩夢「優しいんだ、信じてくれてるんだって、嬉しくて」
歩夢「……悲しいよ」
歩夢「なんで、怒ってくれないの」
歩夢「私、それに甘えて、今までやめられなくて」
歩夢「これからもっと、ひどいことしようとしてる」 歩夢「あなたじゃ、私を止められないから」
歩夢「みんなが優しいから、薄情だから」
歩夢「いまでさえビルみたいに大きい駄々っ子は」
歩夢「これからもっと、手がつけられなくなっちゃうの」
むんず
あなた「あっ、あああ!いやああっ」 あなた「ふんっ、う、く……」ググ
歩夢「……」
あなた「はあ、はあ」
あなた「はなして!おろしてよお」
あなた「これ以上は、どうなるかわかったもんじゃ……」
歩夢「うるさいなあ」
あなた「へ……」 歩夢「いいかげん観念したらどうかな」
歩夢「あんまり暴れるなら」
ぎち…
あなた「!?……ぎゃ、ああ、う」メキメキ
歩夢「握りつぶしちゃうよ?」ぎりぎり
あなた「ぐ……ううっ」
あなた「…………ひ、っく」
歩夢「あ……」 あなた「もう……ひぐっ、いやだああ……」ポロポロ
歩夢「……」
あなた「こんな、こと……やめてよお」
あなた「ふぐ……く」
あなた「うああああん、あああっ」メソ、メソ
歩夢「……」 あなた「うう」
歩夢「…………」
あなた「ぐす……」
歩夢「………………」にこ
あなた「……?」
歩夢「ありがとう」
歩夢「ほんとにあなたをつぶしちゃうところだったよ」 あなた「歩夢……ちゃん?それ、って」
歩夢「うん」
歩夢「最後にその顔を見ておきかったの」
あなた「……」
あなた「!!あ、あああああっ」
歩夢「じゃあ、いくよ?」
あなた「ま、まって……」
あなた「わあああんっ」
ドプンッ 握りこぶしからぴょこんと出ていた幼馴染みの頭を、カップに張った液体に沈めてやる
あの日は腕を自由にしてあげていたけど、いまは薬が大事だ
全身を押さえて、液面を叩けないようにした
あなた「……!…………!!」
できるのは口を閉じ続けることだけ
歩夢(一分)
歩夢(二分)
歩夢(まだかな)
それも、あまりにむなしい抵抗だった 歩夢「あ」
ふっと手のなかの感触が消えさり、
液体が波うつのをやめた
どっちだろう。
カップのなかに沈んでいるならおおごとだ
歩夢「……」くる
手のひらを上にするかっこうで
そっ、とこぶしをほどくと
歩夢「………………わあ」
数ミリの粒が、私を魅了した。 あなた「───」
言葉を忘れてしまう。
球を蹴りまわせそうに広大な肌色と
その持ち主の、ひとつずつ捉えるのがやっとの
でも日ごろ見慣れた整った面相を想起できる、洪大なパーツたち
それが世界のすべてになった。
「…………」ばた、…ばたっ
まばたきで大気をかき乱し
「すう、……はあ」ぶおおお
おびただしい酸素を二酸化炭素に置き換え
あなた「…………わ……あっ」ぐら…ぐら…
無意識の微動をもって、あわれな存在をその場に釘づけにする。
どんな大樹も凌駕していた巨躯が、いまは
大地になって、空になって
私に膝をつかせようとしていた 「…………」すっ
呑まんばかりに威圧してきた眼と、鼻と、口とが遠ざかり
戸惑いを孕んだまま固まった表情を、私もようやく把握する
「……」きゅ
私の全部をもみくちゃにできる厚い厚い唇が、引き結ばれ
「…………っ」ごくり
喉の奥から、何らかの意を決する音が響いてくる
そして
ついにその口が、呼吸でなく
こちらの按配を気遣うために開かれた
「「「だい、じょうぶ?」」」
雷が鳴った。 あなた「っ……〜〜〜!!?」
「「「あ……」」」
堪らずのたうつ、私の尋常でない様子を察せたようで
「「声、大きすぎたね」」
雷は規模を弱めた
「「あの……ごめんなさい」」
己のあまりの強さにおそれをなし、天災がへり下ってしまう
「「…………ふふ」」
そして、そんな間の抜けた状況に思わず笑みをたたえた
一方で、私はそれどころではなかった 「「…………平気?」」
あなた「う……うう」びりびり
いまでも声の衝撃は地面を震わせ、全身を駆けめぐる
もう少しでも抑えてくれねば
身体が内側から崩壊を起こすかと思うほどだ
揺れに耐えながら、なんとか身体をおこす
「…………」
とうにあちらは返答を待つ態勢だ
息を整えたら、肺をぱんぱんにふくらせ
声を張りあげるのだ 二度目の硬直。
歩夢「…………えと」
歩夢「……なあに?」
ちっぽけな幼馴染は、私のふたたびの接近にひとしきり騒いだあと
「ピイ…ピイ」
同じ結果をもたらした 「…………」
あなた「?……」
あなた「……歩夢…………ちゃん?」
「「「……ふあ…………!!」」」
唐突に、突き上げるような揺れが襲った "補食"を終えて以降なりを潜めていた情感が、たちどころに甦る。
歩夢「あ……!!はあっ、あ」くね…
身をよじると、
「……!……!」コロコロ…
てのひらのそれも、とうてい抗えずに翻弄された
私を興奮させるに足る事実だった
先ほどまでかろうじてヒトであったそれは、
さらなる降格を経て
こちらに意思を伝達するすべを完全に失ってしまっていた 歩夢「ふ……んっ」
これ以上の嬌声はおさえる
「……ッ……ッ」ゼエ…ゼエ
きっと、何が起きたかわかってなどいないから
歩夢「…………」
私が愛おしさをかかえきれないでいることを、
まだ悟らせはしない
歩夢「……ねえ」
「!」ビク
歩夢「なんて言ってるの?」
「…ピイ」
歩夢「聞こえないよ」
「ピイ、ピイ」
歩夢「…………」
もう一方の手の、指を一本近づけてみることにした ごおおおおおおお
あなた「ひ……!!」
トラックがつっこんでくるような凄烈さだった
おののく身体に鞭を打って、叫んで、飛びのく。
紙一重だった
ずむっ
あなた「…………はあ、はあ」
それは、私の重みでは変形することのないてのひらに
たやすく窪みをつくってみせた 直接、小さな小さな身体めがけてつついたのを、あたかも初めからなかったことのように
歩夢「しがみついてほしいな」
さらりと提案する
歩夢「私の耳のなかに入ってもらえば」
歩夢「言葉がわかるんじゃないかと思うの」
「…………」
歩夢「……いや?」
当たり前だ。 歩夢「……つまんであげてもよかったのかな」
歩夢「でもそんなにちっちゃいと、指の間で簡単に」
歩夢「ぷちゅん」
「!……」ブルルッ
歩夢「て、なっちゃいそうだなって」
さらに恐怖をあおった。
歩夢「……うん。迷ってても仕方ない」
歩夢「あなたもがんばって耐えて?」 こんどは人さし指と親指が、徒党を組んでやってくる
「「逃げないで。これは必要なことなんだよ」」
逃げつづけた。
「「そっとつまめば、きっと痛くないから」」
むぎゅ、むぎゅ、と、二本の柱が身を寄せあう
プレス機のごとき圧縮力を、白く変色することで象徴していた 歩夢「どうしても……だめ?」
「……!……!」
歩夢「……残念」
歩夢「私が一方的にしゃべりかけるだけなんて」
歩夢「そのうち、むなしくなっちゃうよ」
「……」
歩夢「……」
お互いに主張をやめ、静寂に包まれた
これでいい。あとは仕上げに入るだけだ
沈黙を破る第一声は、決めてあった
歩夢「…………なんだか、拍子抜けちゃった」
「……!?」 ごごごごごご…
あなた「わあ……!」
とてつもない重力におさえつけられる
はるか後方でぼやけていた世界───歩夢ちゃんの部屋の風景が、下降するように見えた
歩夢ちゃんは立ち上がったのだ
あなた「…………ま、まさか」
次に起こることも、否応なしに覚悟させられる
ずうううううううん…!!
あなた「ひゃあ、あっ」ぐらぐら
ずうううううううん…!!
あなた「う、うえええん……」ぐらぐら まだ遅れます
パンツ脱いだ奴にもう一度脱がせるアホのせいです 部屋のすみまで移動して、ゆっくりとかがむ
歩夢「……はい」
「〜〜!」コロコロ、ドテ
てのひらを傾けて追放すると、それはフローリングをころがった
塵のような無様なかっこうだった
歩夢「……」すっく
ふたたび立ちあがると
「……、……!」
距離はいっそうはなれて
もうその声は、さえずりとしてさえ受けとれず
機微も判別がままならない。
でも、きっとスカイツリーより背が高い私を
同じ床から見あげてびっくりしてることだろう まるみの下にもぐって雨宿りだってできそうな足指。
それと比べてあまりに小さく映る、私の表情は
歩夢「」ぐいっ
目線を足元から外して背すじをのばすと
ぼんとせり出したふたつの、球体───
と言えるほど大きさに自信はないけど
───に遮られて、読みとれなくなってしまう
あくびのついでに自分を床のしみに変えられるかいぶつの
思考を推しはかれないことの不安感は
私に想像できるものじゃ、とてもとてもないはずだ
……なら
歩夢「くすくす」
笑い声を聴かせてあげよう。 もちろん、こんなふうに楽しげな私が何をしてきたかを顧みれば
安心を与えられるわけがないことくらいはわかっていた
歩夢「うふふ、……ふふ」
いまも足元で、ごまのような小ささを嘲ってるって
こんどは何をするつもりかって、おびえて、動けずにいるに決まってる つまり、こういうこと
もし私の気が変わっていても
あらんかぎりの慈悲を込めた笑みを向けようと
それももう、この子を脅しつけ、すくみあがらせる凶器としてしかはたらかない
笑顔さえ恐れるようになったこの子が、能動的に私の大きな大きな指を抱きしめてくれるときなんか
おそらく来やしないんだ
歩夢「……はあ」
だからこそ、これからわからせてあげなきゃいけない。 歩夢「やっぱり、小さくしすぎちゃったんだね」
冷静なら、考えてすぐわかることだ
歩夢「私はあなたと話せないし」
歩夢「あなたは、私が構うと嫌がっちゃう」
けど私は、あたまにじゃなくて
そのよわっちいからだに教えてあげたいの
歩夢「あれあれ。おかしいな」
あなたがいままでどれだけ幸せだったのか
歩夢「私たちがいっしょにいる理由、なくなっちゃった」
つめきれなくて、はじけちゃうくらい。 歩夢「困ったね。こんなはずじゃなかったのに」
歩夢「…………なに?」
歩夢「わからないけど……手にのせてほしいの?」
歩夢「だったら、教えて」
歩夢「あなたはだれ?」 歩夢「私、あの子ならのせてあげたいって思うよ」
歩夢「でもお話したいって言うと、拒絶されちゃったから」
歩夢「残念だけどお別れしたの」
歩夢「あなたがあの子だっていうなら」
歩夢「声、きかせてほしいな」
歩夢「だってここからあなたのこと見たって、どんな姿をしてるかわからないもん」
歩夢「だから、たよりは声。さん、はい」
歩夢「はい、だめ〜♡」 歩夢「……もしかして」
歩夢「しゃがんでほしいって言ってる?」
歩夢「なんならうつぶせに寝てくれ、とか」
歩夢「もしそうなら、時計まわりにはしって」
歩夢「うんうん。名案だね」
歩夢「私からぐっと近づけば、声も届くかもしれない」
歩夢「………………それで」すっ…
とん あなた「うわあっっ!?」
何度味わっても慣れない大揺れ。
さんざん跳ねまわったあと、顔をあげると
あなた「…………あ……?」
何もなかった
それまでこちらを睨んではなさなかった、剥き出しの秘部も
その向こうでトップスを押しひろげる乳房も
さらに向こうから突きつぶすような視線をなげていた双眸も
すべて隠す天井が、頭上わずか十数メートルに展開されていることを
数秒かけて理解した。 地平の向こうに鎮座する、かかと
そこから私のずっと後方まで広く、長くのびた先にうごめく五頭のまもの
鼻をさす臭気とあわさって
これが人体の一要素だということと、みずからのそれとの存在感の差を思い知らされる。
あなた「はあっ…………はあ」ドクン、ドクン
胸の鐘は周期をせばめるばかりだ
あなた「あ、歩夢ちゃ───」 「「「なんで」」」
あなた「ひい…………!!」びりびり
足裏ぜんぶが音響装置になって、全方位から責め立てる
「「「私がそんなことしなきゃいけないのかな」」」
何を言われているのか気にする余裕もない
なにより、譲歩するふりで私をもてあそんだことなどわかっているし、たぶんそれで十分なんだろう
「「「だれかもわからない。それでいて」」」
「「「この足を、ぺたってするだけで」」」
「「「大人しくなっちゃいそうに、よわそうなコのおねがいで?」」」
あなた「あああ、ううっ」ズル…ズル
からだを揺すりつづける衝撃から逃れたい一心で、暗がりを漂った。 ごご…
あなた「!?うあ……」
気づくと、天井が少しずつせまっていた
「「「分際をわきまえそこねた出しゃばりさんは」」」
「「「おしおき。しないとだね」」」
おしおきとはむろん
ぺた、である ごごごご
あなた「あ、あっ、あ……」
もがいたところで逃れられるはずもない
うずくまって、
まさか本気ではないと、ただ祈るしかなかった
「「「こんなに大きな女の子が意のままになるなんて」」」
「「「虫のいい話、ないんだよ」」」
「「「はい、復唱」」」 「「「ふふ……できた?」」」
「「「来世もそんなふうにちっちゃく、よわく生まれちゃっても」」」
「「「長生きできるように、教訓にしようね」」」
あなた「…………うそ、うそだ」
「「「じゃあ、お別れ」」」
ごごごごごご
あなた「ああああっ」
「「「ばいばい」」」 あなた「…………」
あなた「……く…………」
あなた「…………」
あなた「……?」
「「「……でも」」」
「「「うーん」」」
ぶわ
あなた「わあ────!?」フワ
接地までわずかだった巨足が持ちあがり
またたく間に集まる空気のちからで、高く舞いあげられた ドサ
あなた「!!あ、う……」
ずうううう……ん
ずうううう……ん
あなた「……っ!……っ」ぐらぐら
痛みと揺れに耐えながら、ただなりゆきを見とどける
「「「いきてるよね?」」」
あなた「わ…………」
体勢は大きく落ちて
さきほどの足裏のかわりに私を圧迫するのは
歩夢ちゃんの顔だった 「「「驚かせてごめんね」」」
「「「やっぱり、おしおきまではしないであげようと思うの」」」
すっかり信用のない、やさしい笑みが
もはや正体を隠す気はないとでも言いたいように、容赦なく影を落とす
「「「なんでかってね、あなたの勘ちがいは」」」
「「「仕方ないことなんだって気づいたからだよ」」」
あなた「え……?」 「「「知ってる?ひとのからだの中にひそんで」」」
「「「そういうよくない心をよび起こす虫がいるの」」」
「「「さっき言った虫のいい話だとかって、それが語源なんだよ」」」
あなた「………」
悪寒がした
これからなにを言われるのか、わかった気がしたからだ
「「「ふふ、へんだよね」」」
「「「あなたも、じぶんは虫が住むには小さすぎるって思うでしょ」」」
「「「じゃあ、どうしてあなたは」」」
「「「そうまで愚かなの?」」」 歩夢「私には……ふふ、わかるよ」
目じりは下がって、頬もみるみる熱くなる
歩夢「これまでのあなたを見てればかんたん」
いまなら、この子のしぐさが筒ぬけだ
耳をふさいだってだめだよ
歩夢「はあ……、うふふっ」
歩夢「それは、ねえ」
たよりない両手なんか、貫いて
脳幹に突きたてるのは 歩夢「あなたが」
いちばん、嫌で
歩夢「虫のなかまだからだよ♡」
いちばん贈ってあげたかったことばだ あなた「あ、あううっ」タタッ
「「「どこにいくの?」」」どんっ
あなた「ひ……」
両手で防塞を組まれる
「「「虫」」」
あなた「う……う………」
「「「むーし♪」」」
あなた「ああああ」
「「「ちぢこまっちゃった」」」
「「「虫でもとりわけ小さいほうなのが、もっとちっちゃく見えるよ」」」
「「「ふふ、こっち向いて?」」」
「「「ちょこちょこってかわいく動いてみせて♡」」」
あなた「やめて、やめて……」 「「「んー……」」」
あなた「……?」
「「「ぷっ」」」
ぺちゃっっ
あなた「ぶあ!?」
あなた「げほっ!はあ、はあ」
「「「ぷっ」」」
びちゃ
あなた「っごぼ……」
「「「あー……♡」」」たら…
とろお
あなた「……!……!」コプ、コプ
「「「うふふ♡」」」
「「「ふふ……」」」
「「「…………んっ」」」くちゅ 「…………っ……」
歩夢「あ♡」びく
歩夢「はあ、ああー……」くちゅ、くちゅ
唾液で死にかける幼馴染は上等のおかずになった
「〜〜……」バチャ、バチャ
歩夢「んっ、ん」ぬち…ぬち
ねばつくプールを見つめながら、ひたすら耽って
歩夢「……ぷっ」
ぱちゃ
歩夢「ぺっ」
ぴちゃっ
「〜〜!!」ゴポポ
気まぐれでそれを池に、湖にと拡げると
歩夢「ひふふふっ♡♡」ぐり、ぐちゅ
ぽた、ぽたっ
歩夢「ふー♡ふー……♡」
うしろの方の、もうひとつの水たまりもじわじわ拡がった 歩夢「……はあ」
オナニー、しちゃった
私やっぱり、演技もがまんもだめだめ
「……っ……」モゾ、モゾ
歩夢「あ……」
歩夢「ふふ、やっとあがれたんだ」
でもだれの指導もない。文句もない
歩夢「じゃあ、質問するね」
歩夢「よだれで溺れそうになっちゃう人なんて、どこにいるの?」
ただ、この子のからだの小さいことが
私のことごとくを許してくれる
歩夢「ううん大丈夫。答えられなくて当たり前だもん」
歩夢「あやまるから、怖がらないで」
それがこれの、最高なところなんだ
歩夢「ね。こむしちゃん?」 歩夢「……あなたのことだって嫌いじゃないけど」
歩夢「やっぱり私たち、いっしょに過ごすには違いがありすぎるんだよ」
「!!」
歩夢「こむしちゃんも身にしみたよね」
歩夢「これからは人間とのかかわり方、見直さなきゃ」
歩夢「私もときどきお菓子のかすだとかを床におとしてあげるから」
歩夢「あなたはおこぼれにあずかるだけ」
歩夢「それが人と虫との、いちばん望ましい関係」
歩夢「あなたのいのちのためだよ」 自分なしじゃ満たされない
そんな女の子に、知らない子扱いされて
あっさり突きはなされる
歩夢「わかった?」
「……!……っ!」ピョン、ピョン
文脈にすこしもそぐわない、いわば理不尽に
私なしじゃ生きられないあなたが反発するのはとうぜん
歩夢「…………」
それでもね、これは理不尽なの
歩夢「ふふ、よろしい。元気な返事だね」
「!?」
あなたはとっくに、自分の意思さえ自由じゃないんだよ 「〜〜!」ヨタヨタ
歩夢「もう。近よると危ないって言ってるじゃない」
歩夢「…………まあ」
ずり、ずり…
「!?……!……!」
歩夢「いまは私の方から離れてあげれば大丈夫だから、いいんだけどね」
「!〜〜〜っ!」タタタ
歩夢「……いーち、にい、……」
歩夢「ほら。私が下がった距離を埋めるのに、こんなにかかっちゃう」
ずりずり
歩夢「また遠ざかっちゃった。これじゃ追いつけないね?」
「…………!……!」
歩夢「うふ。くふふ♡」きゅん、きゅん… 歩夢「……さて」
歩夢「聞き分けのないコは、さいごにもういっかいだけお尻をたたいてあげないと」
「!?……」
歩夢「ふうっ」
「!!〜〜……!」コロコロコロ あなた「っ…………あ……、う……」カタカタ…
「「「どう?離れたぶんだけ、冷たいよね」」」
「「「纏わりついてたよだれもさめて、見てるこっちも寒くなってきちゃう」」」
「「「あなたはこれから、そのひえたからだで」」」
「「「この部屋の隅っこも隅っこの、まだひんやりしたフローリングの上で反省するの」」」
「「「おちつくころには……きっと人間さまに近づこうなんて、思わなくなってるよ」」」
「「「それで私たちのいまの関係はおしまい」」」
「「「もう話しかけることはないけど、長生きできること、私もいのるから」」」 あなた「う、そだ……それこそ、しん、じゃうよ」
「「「元気でね」」」
あなた「やだっ、いや……!」
「「「すう───」」」
あなた「歩夢ちゃ
「「「ふーーーーー……♡」」」
指さき未満まで成りさがる前に受けたものとは、較ぶべくもない激風
抗えるはずはなく、私は
凛冽きわまる流刑地に投げだされることになった ……
……
歩夢「……そこ、どこだかわかる?」
歩夢「私の…………おっぱいの、ふもとだよ///」
歩夢「ちっちゃなあなたには、山みたいに見えるでしょ」
歩夢「だから、ふもと」
歩夢「ちょっとはずかしくて……ほてっちゃうけど」
歩夢「そのぶん私のからだ、あたたかいよね」
歩夢「しばらく休んでていいんだよ」 歩夢「……ところで」
歩夢「そこにいると、胸がじゃまで」
歩夢「私の顔が見えないよね」
歩夢「私のほうもあなたが見えないんだあ」
歩夢「悲しいよ……しくしく」
歩夢「だからね」
歩夢「休憩が終わったら、会いにきて?」 歩夢「……あ。もう」
むにゅ
…ぎゅう
歩夢「だめ。谷間は通行止めだよ」
歩夢「ちゃんと向こうまでもどって」
歩夢「でないと……」
むに、ぐに
歩夢「は、う♡」
歩夢「こんどは……はさんじゃう」
…ぎゅちっ
歩夢「ふふ♡こんなのに飲まれて……抜けられる自信があるなら、いいんだよ」 …ヨジ
歩夢「あん……♡そう、てっぺんまで。かんばって」
歩夢「わざわざ私から言わせたりしてたら」
歩夢「いっかい、途中で振りおとしちゃおうかと思ってたんだから♡」
ヨジ、ヨジ…
歩夢「ひう♡」ぴりっ
歩夢「ふっ、ふう、あなたが、動くたびに」
歩夢「全身に、電気がはしるみたいっ」
歩夢「こんなに、ちっちゃいのに……ふしぎい」
歩夢「…………うう、ん♡」もみ… 歩夢「はああ、あ」もみゅ…むにゅ
歩夢「もっと、うごきたいよ」
歩夢「あなたのいるほう、さわりたいよお……っ♡」もみ、もみ
歩夢「けど、もっといいこと……待ってるから」
歩夢「がまんするよ♡」
歩夢「ごめんね……これでも、ゆれて、大変かな」
歩夢「いそいでくれると……うれしいな」
…ヒョコ
歩夢「あ……」
歩夢「ふふ、こんばんは」 歩夢「おっぱい登山……おつかれさま」
歩夢「でも、そこはまだ頂上じゃないよ」
ぷに
歩夢「っ、ほら……こーこ♡」とん、とん
歩夢「これにのぼって、はじめてゴールなんだよ」 歩夢「あ♡あああっ♡」ぴり
歩夢「うあああは♡うれ、しい♡♡」ぴりり
むく…
歩夢「ん……たっ、ちゃう」
ぴん
…ポテッ
歩夢「あ……」
歩夢「ぼっきで、ふっとばしちゃうなんて」
歩夢「わるいこだよね……」
歩夢「めっ♡」つん
歩夢「ね。あなたもこづいてあげて?」
ペチ
歩夢「んんんんっ♡♡」 歩夢「はあ……はあ……♡」
歩夢「登頂だね。ながめはどうかな」
歩夢「私のこと、よく見える?」
歩夢「でもあなたがかわいいから、私の顔」
歩夢「すごくだらしなくなってる……」
歩夢「…………やっぱり、あまり見ちゃいや///」
むくり
歩夢「うん……そのままつかまってて」
歩夢「そんなところからでも、おちたら……脚にぱちってぶつかって」
歩夢「ふふ、大けがだもん。…………じゃあ」
歩夢「ブラ、つけるね」 ぴちっ
歩夢「ん……」
歩夢「ちょっとだけきついかな……でもそのほうが」
歩夢「あなたもおっこちなくて安心だよね」
つん
歩夢「っ♡」
さわ
歩夢「あっあ♡…………はうう」
歩夢「だめよ、私……上からなでるだけ」
歩夢「ちから入れると、つぶれちゃう」 …モゾ
歩夢「ひんっ♡」びく
歩夢「そう、たまにでいいから、主張してっ」
歩夢「げんきだって伝わって、私もほっとできるの……♡」
さわさわ
歩夢「ふふ……はあ、ああ♡」
歩夢「んー、ううん……っ///」
モゾ、モゾ
歩夢「♡♡ふっ、ふ……」びく、びく
歩夢「…………たぶん……ふう、わかってるのかな」
歩夢「このブラ、歩夢ちゃんじゃなくて」
歩夢「私のだ。って」 歩夢「いつかのお泊まりのときに置いていったの、気づかないみたいだったから」
歩夢「だまってたの……こんな使い方するなんて、思ってもみなかったけど」
さわ…
歩夢「はー……」
歩夢「どう、なのかな」
歩夢「じぶんの下着がこんなに大きくて、征服してくる気分って」
歩夢「じぶんがこれをまとえるくらい大きかったって、いま考えられる?」
歩夢「ぜったい、忘れたりなんかしないで」
歩夢「ただのちっちゃい生き物に構っても私、たのしくないもん」
歩夢「ちっちゃくなっちゃったから、いいんだよ」
歩夢「大きかったあなたといまのあなた、比べるのをやめないでほしいの」
歩夢「そうしているときの気持ちを、私も想像すると」
さわ、さわ
歩夢「っ、とっても♡ふう」
歩夢「はかどるから……♡」 歩夢「はあ……でも、今日はいっぱい疲れたよね」
歩夢「もう寝ることにしよっか」
歩夢「はずすよ?」
歩夢「……まだくっついててくれるんだ」
歩夢「それもけなげでかわいいけど、いまは降りてほしいな」
……
ピョンッ
ポト
歩夢「わあ。けっこう高さあったから、近づけてあげようと思ったところなのに」
歩夢「ふふ、えらいね」
歩夢「……そっと、そっと」す…
きゅ
歩夢「あ……そっちからさわってくれるなんて、うれしい」
歩夢「指を怖がってたのも、まるで嘘みたい♡」
歩夢「よし、よし。痛くなかったかな」すりすり 歩夢「ブラのカップの中、居心地はどう?」
歩夢「山を包んでたおっきなおっきなお椀にひとりなんて、ぜいたくだね」
歩夢「……早く慣れてほしいな」
歩夢「そこはあなたの寝床になるんだよ」
くい、くい…
歩夢「指でゆらしたら、ゆりかごみたい。よく眠れそうじゃない?」 歩夢「あなたは、以前のあなたの私物と」
歩夢「そうやって仲良く過ごすの……もちろん、忘れないためだよ」
歩夢「明日はあなたのだった部屋から、もっといろいろ持ってこなきゃ」
歩夢「ブラがベッドなら、おふとんはパンツかな」
歩夢「うふ、それいい。……じゃあ」
歩夢「こんやは私ので代用しようね」
ぱさ…
歩夢「ふたをするだけ、だけどね♡」
歩夢「いまのあなたには大きすぎて、パンツの重みだってひとたまりもないもの」 歩夢「……あなたのものを私がつけて、夜には」
歩夢「あなたがその中でおねんね」
歩夢「大きいあなたと私が、ふたりで毎晩あたためてあげるよ」
歩夢「ふふ、なんだかえっちだね。目がさえちゃうかな」
歩夢「……おやすみなさい、と言いたいけど」
歩夢「あやまっておくね。さいごにもうしばらく」
歩夢「揺れると思うから」 ……
……
歩夢「っ…………っ///」さす、さす…
歩夢(ほんの二時間くらいの、放置刑)
歩夢(だったけど……あなたはみごとに、私に媚びて媚びて、媚びるようになっちゃった)
歩夢(部屋の隅から机までの途方もない距離を、汗とよだれまみれのからだで)
歩夢(きっとふるえながら、フローリングの溝に手こずりながら、踏みはたして)
歩夢(宿題に没頭する超巨大幼馴染に存在を示すべく、奮闘したんだね)
歩夢「……あ……ん♡」くちゅ
歩夢(ずっと感じていたよ……♡足指に、かすかにすがりつく触覚) 歩夢(見てほしかったのかな、それともよじ登ろうとしたのかな)
歩夢「ふっ……ふうっ……」もにゅ…もみ
歩夢(でも、教えてなんて言わないよ)
歩夢(虫の苦労話に、人間が学ぶところなんてないもの)
歩夢(それにね私も、くすぐったくて、すぐにでも掬いとってあげたくて)
歩夢(胸がぎゅって、苦しかったんだから)
歩夢「は、んんっ♡」くり
歩夢(指をさしだすと、ためらいなく寄ってきたね)
歩夢(腕ばかり前に出て、疲れきった足は思うようについてこなくて)
歩夢(いよいよふれ合うっていうときに、ちょっと指を引いてあげると)
歩夢(つんのめって、けどすぐ起き上がって)
歩夢(懸命に、間隔を詰めようとするの)
歩夢「んー、んー……♡」くにゅ、ぬきゅっ 歩夢(それで、抱きついたのを見てから)
歩夢(指のおなかにのせて、ごめんねって)
歩夢(あなたを本気で捨てちゃうわけないって、言ってあげたら)
歩夢「……〜〜〜〜〜っ♡♡」ぐちゅ、ぐちゅ…
歩夢(こくん、こくん、って。嗚咽だったのかな)
歩夢(とにかく、おかしな動きをくりかえしたあと)
歩夢「い♡っくう♡う……あ」きゅう…
歩夢(せき止めていたものが、取り払われたみたいに)
歩夢「あ、あっ♡ああっ♡はあ♡」かく、かく
歩夢(わっっ、て、泣きだしちゃった───♡)
歩夢「はうあ♡♡……っ〜〜〜〜♡♡♡」ぷしゃ…ぷしっ 歩夢「……♡……♡」ぜえ、ぜえ
歩夢「……、っ……」
歩夢「ねえ……」
歩夢「私が、どう見えてるかって、聞いたら」
歩夢「欲狂いのモンスターって、罵ってくれる?」
……
歩夢「できないよね。だって私、こんなに大きくて、強くて」
歩夢「気まぐれなんだもん……じぶんにできるのは」
歩夢「女神さま、歩夢さまって、機嫌をとることだけ」
……
歩夢「内心びくびくしながらだろうと」
歩夢「近づけられる指に、米つぶみたいなからだを」
歩夢「こしこし、すりすり」
歩夢「こすりつけなきゃって思ってるんだよね♡」
……
歩夢「大丈夫。それで正解……そうしてくれるあいだは」
歩夢「いくらだってあたためてあげるから」
歩夢「明日はどうしよう。おへそにお湯をはって」
歩夢「お風呂にできたりなんかしたら、おもしろそうじゃない?」
歩夢「はあ、楽しみだね……」 ……
歩夢「…………それでね、薬のことだけど」
歩夢「二日くらいであなたはたぶん、5cmくらいに大きくなるから」
歩夢「そしたら、また飲ませてあげるね」
歩夢「璃奈ちゃんたちも、以前言ってたように」
歩夢「質量30の3乗分の1のあなたに、一度の服用で減らせる量なんて」
歩夢「たかが知れてるの……これなら薬はなくならない」
歩夢「ずっといっしょにいられるよ」
……
歩夢「……それでも、それでもいずれ、心許なくなるときがくるなら」
歩夢「きっとその大きさにも慣れてるはずだから」
歩夢「もうひとつ次の段階に、いこうね?」
……
歩夢「ふふ。こんどこそ、おやすみなさい」
……
…………
…………クスン…ヒック…
おわり めちゃくちゃ良かったです
ラ!でサイズフェチ書いてくれる人あまりいないので嬉しかったです マニアックなネタだけど読めて良かったよ
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