希「いいじいさんに連れられてー」真姫「異人さんよ」
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やぁやぁ、うちの名前は東條希
オカルトやスピリチュアルなことが大好きな音ノ木坂学院の三年生
突然だけど皆は生きていて不思議な経験をしたことってある?
例えば幽体離脱とかお化けやUFOを見たとか!
そんな非日常っていうのはね日常の中に潜んでたりするもんなんだよね
自分がいた世界、自分が見ていた世界が急に現実離れした世界になるみたいな
例えるならコインで言う表と裏みたいなんかんじかな
これからお話をするのはそんなうちが体験をしたちょっと変わったお話
それはある夏の出来事だった 希「暇.....」
真姫「なら今日は帰れば?」
希「えー...冷たいなぁ、真姫ちゃんは」
真姫「他の皆も来ないし、そろそろ私も帰ろうかと思ってたところだし」
希「なら一緒に帰ろうよ」
真姫「好きにすれば...」
希「むー.....」
真姫「.........」ペラッ 希「結局、今日は誰も来なかったね」
真姫「エリーは亜里沙ちゃんとロシアへ帰省中」
希「花陽ちゃんとにこっちはアイドルのライブで遠征中」
真姫「穂乃果と凛は補習」
希「海未ちゃんとことりちゃんはその付き添い」
真姫「今日で終わると思ってたんだけどね...補習」
希「終わらなかったみたいやね」
真姫「せっかくの夏休みだって言うのに...」
希「苦手な教科を選んでなくて本当によかった」 真姫「...ヘアピン?」
希「どうしたん?真姫ちゃん」
真姫「珍しいわね、希がヘアピンをしてるなんて」
希「ん?これ?」
真姫「えぇ」
希「これね、お月様のヘアピンなんよ」
真姫「三日月?」
希「そう!うちのトレードマーク!気に入っちゃって買っちゃったんだ♪」
真姫「ふーん」
希「似合わない...かな?」
真姫「そんなことないわよ、似合ってるわ」
希「そう?えへへ....よかった」 真姫「戸締りはOK?」
希「OK」
真姫「じゃあ、鍵を戻して帰りましょうか」
希「ねー真姫ちゃん」
真姫「なに?」
希「まだ時間あるし、どっか寄っていかない?」
希「んー美味しい!!」
真姫「...........」
希「やっぱり夏はファミレスでパフェやね」
真姫「.........」ズズッ 希「真姫ちゃんはパフェ頼まなくてよかったの?」
真姫「私...そんなに甘いの好きじゃないし」
希「ふーん....」
真姫「........」
希「はい」スッ
真姫「え?」
希「一口どうぞ」スッ
真姫「いや私は甘いものは」
希「一口でいいから食べてみて」グッ
真姫「....はむ.....」
希「どう?」
真姫「...甘いわね」 希「ふふふ....」
真姫「な、なによ」
希「間接キスやね」
真姫「な!!」
希「あーん...うん♪美味しい」
真姫「はぁ...全く、好き勝手なんだから」
希「たまにはええやん?こういうものも」
真姫「はいはい、物は言いようね」 希「おー今日は夕焼けが綺麗やねー」
真姫「そうね、夏の夕暮れのこの空は私も好きだわ」
ウー!!
希「ん?警察?」
真姫「事故でもあったのかしら?」
希「もしくは事件とか」
真姫「物騒な事件は勘弁してほしいわね....」
希「そうやね」 ウー!!
希「なんかさっきから本当にパトカーが多いね」
真姫「そうね.......ん?」
希「どうしたの?」
真姫「これを見て希」
希「この張り紙がどうしたん?」
真姫「この写真の子の着てる服って音ノ木坂の制服よね」
希「あ、本当だ」
真姫「探しています...家出?」
希「夏休みだし...その可能性もあるかもね」 真姫「......」ジッ
希「どうしたん?真姫ちゃん」
真姫「この子見たことある?」
希「え?うーん....」
真姫「私の学年は一クラスしかないからクラス全員は顔くらいは一応把握はしてるんだけど...この子見たことないのよね、でもリボンが青だから1年生?でも知らない子だわ」
希「うちは見たことないかな」
真姫「なら2年生なのかしら?古い写真とかだからリボンが青とかなのかしら?」
希「そうかもね」
真姫「..........」 穂乃果「嫌だー!補習はもう嫌だー!」
凛「もうお腹いっぱいにゃー!!」
海未「ほら!二人共あともう少しなんですから!行きますよ!!」グイッ
穂乃果「あー...」ズルズル
凛「真姫ちゃん助けてー...」ズルズル
真姫「まぁ、頑張りなさい」
凛「そんなー」
海未「ことり、二人の荷物を」
ことり「わかった!」
希「二人のことよろしくね、二人共」
海未「かしこまりました」
凛「かしこまらないでー....」 希「今日も二人になっちゃったね」
真姫「そうね....」カリカリ
希「宿題?真姫ちゃんは真面目やね」
真姫「別に宿題じゃないわ、予習というか復習というか」
希「わぁお...」
真姫「希も受験があるんだから少し勉強をしたら?」
希「あはは...頭が痛いなぁ」 希「赤い靴をーはいてたー女の子」
真姫(童謡?)
希「いいじいさんに連れられてー」
真姫「ん?ちょっと待って」
希「どうかした?真姫ちゃん」
真姫「もう一回、今の部分を歌ってみて」
希「え?うん....いいじいさんに連れられてー」
真姫「やっぱり」
希「やっぱり?」
真姫「『異人さん』よ、いいじいさんじゃなくて」 希「異人さん」
真姫「そうよ、童謡でいいじいさんってないでしょ」
希「たしかに...童謡ならいいじいさんじゃなくていいおじいさんって感じになるよね」
真姫「いや、なんでそうなるのよ」
希「穂乃果ちゃんが勢いよく歌ってからてっきりそうなのかと思ってた」
真姫「容易に想像ができるわね...波浪警報をハロー警報って間違えてそうなタイプよね、穂乃果って」
希「はろうけいほう?」
真姫「ほら、えっと波浪と」
希「うんうん」
真姫「ハローよ」
希「え?はろうけいほうってこっちだったん?」
真姫「え」 真姫「希って意外と....お馬鹿?」
希「なっ!!うちは赤点は取ってないよ!!」
真姫「そうね...たしかに」
希「にこっちに勉強を教えてあげることもあるんだから」
真姫「そうかもね...でも...」
希「?」
真姫「化学」
希「!」
真姫「エリーから聞いてるわよ、化学は苦手でよく赤点を取ってたって」
希「エリチ...余計なことを」
真姫「エリーも大変ね、同じ学年に問題児が二人もいて」 希「うちはスピリチュアルなものを愛してるから化学的なものは苦手なのです」
真姫「物は言いようね」
希「この世には目には見えないものがある」
真姫「え?いきなりなに?」
希「それは時に牙を剥き、貴方達を襲うかもしれない」
真姫「それってなによ」
希「うちはそんな皆を救うためにスピリチュアルな世界からやってきた救世主なのかもしれない」
真姫「はいはい....勉強は真面目にしましょうねー」カリカリ
希「救世主になんて仕打ち」
真姫「ふざけてばっかりいると受験に落ちるわよ、救世主様」 希「そうだ!!」ガタッ
真姫「!いきなり立ち上がってどうしたのよ」
希「ここって暑くない?」
真姫「まぁ...たしかにそうね、部室には冷房はないし」
希「勉強するのには非効率だと思わない?やるならもっと快適な場所に行かない?」
真姫「そうね、今日はもう誰も来ないだろうし」
希「うんうん、なら」
真姫「図書館にでも行こうかしら、集中できそうだし」
希「あー...図書館...図書館いいかもね...」 真姫「なによ、なんか不服?」
希「え?いや、そんなことはないよ!行こうか、図書館」
真姫「騒いじゃダメよ」
希「騒がないよ!」
希「図書館なんて久々に来たかも」
真姫「そうね...私も大体は家とかで勉強をしてるから久しぶりかも」
希「なんか面白い本ないかなー?」
真姫「...勉強は?」 希「んー...疲れたー!」
真姫「希は本を読んでただけじゃない」
希「まぁまぁ、ほら片付けて早く帰ろ?」
真姫「はいはい」
希「なんかこうやって二人っきりになるのが最近多いね」
真姫「そうね」
希「...なんかデートみたいやね」
真姫「ぶっ!!」
希「ちょ!どうしたん?」
真姫「はぁ...はぁ...いきなり変なことを言わないでよ!!」
希「変なことって...なんで?」
真姫「え?なんでって、それは」
希「...うちのこと嫌いなん?ぐすっ....」
真姫「あ、いや!そういう訳じゃないんだけど」
希「.........」
真姫「あ、その...えっと」 希「....っぷ!」
真姫「え?」
希「嘘だよー!びっくりした?」
真姫「...え.....〜っ!!希ぃ!!!」
希「ひゃー赤鬼が怒ったー」ダッ
真姫「こら!待ちなさい!!」
希「うちを捕まえてごらんー」
真姫「この!!」
真姫ちゃんと過ごす何気ない日常
うちにとっては楽しい毎日だった
でもそんな楽しい日常は長くは続かなかった.... 希「今日は久々の皆が集まっての練習やね」
ガチャ
希「おはよー」
絵里「おはよう希」
にこ「遅いわよ、あんたが最後よ」
希「いやーごめんごめん」
穂乃果「よーし希ちゃんが着替え終わったら練習だー」
凛「今日は体をいっぱい動かすにゃー!!」
海未「二人共張り切るのはいいですが熱中症には気を付けてくださいよ」
ことり「水分と休憩はちゃんと取らないとね」
花陽「あと塩分も大事です!!」
希「....あれ?」 絵里「どうしたの?希」
希「真姫ちゃんはどうしたの?いないけど」
絵里「え?」
希「トイレとか?」
にこ「希?あんた何を言ってるの?」
希「え?にこっちうちなんか変なことを言った?」
絵里「希」
希「なぁに?」
絵里「まきって誰?」
希「.....え....」
それは突然起こった 希「何を言ってるんエリチ?エリチがふざけるなんて珍しいなー」
絵里「いや...別にふざけてはいないわよ」
にこ「まきってあんたの知り合い?知り合いをここに呼んだの?」
希「にこっちまで何を言ってるん?真姫ちゃんだよ...!まさかうちをからかってるん?皆で」
絵里「希をからかってなんかはいないわよ、別に知らないから知らないって言ってるだけよ」
希「あはは...ちょっと意地悪せんといてよ、うち泣いちゃうよ?」
にこ「いやだからまきなんて子知らないわよ」
希「いや、もういいから...真姫ちゃんはどこ?どっかに隠れてるの?」
花陽「希ちゃん...」
海未「......」
希(え?なに?この空気....) 凛「そのまきちゃんって子が来てないなら迷子になってるかもしれないから探しに行った方がいいのかな?」
ことり「そうだね」
希「ちょっと待って!!」
「「!!」」
希「冗談きついよ...うち怒るよ?本当に...」
絵里「いやだから...まきって子を知らないから知らないって言ってるだけで...」
にこ「そうそう」
希「っ!!」キッ
絵里「!」ビクッ
希「いくら冗談でもμ’sのメンバーを忘れるなんて私怒るよ!!この9人だからμ’sなのに!!なんでそんなことを言うの!!!」
にこ「ちょ、ちょっと!落ち着きなさいよ!!」
希「........」
海未「今日の希、なんか変ですよ...大丈夫ですか?」
希「変なのは皆の方だよ!!なんでそんなことを言うの!!」 希「......」
凛「の...希ちゃんがおかしくなっちゃったにゃぁ...」
希「別に私はおかしくは....」
凛「っ......」ポロポロ
希「!」
花陽「凛ちゃん泣かないで...」
海未「希...一体どうしたんですか」
穂乃果「な、なにかあったの?」
希「なにかって....」
にこ「ちょっと!希こっちに来なさい」グッ
希「わっ!」
バタン!! 希「ちょっと...いきなりなんなん?」
にこ「それはこっちの台詞よ」
絵里「........」
希「いや...だって皆が...」
絵里「......」スッ
希「!」
絵里「熱はないみたいね」
希「別に体調は悪くないよ!!」
にこ「どうしたのよ希」
希「いやだから...!」
絵里 にこ「........」
希(なんでそんな辛そうな顔を二人共してるの?一体これは....) 絵里「大丈夫?希」
希「う、うん....」
希(とりあえずわかったことはエリチやにこっちはふざけてないってことはわかった...これは夢なの?)
希「......」グイッ
にこ「な、なにしてんの?」
希「眠気覚まし?」
希(ほっぺが痛い...これは夢ではないみたいやね)
絵里「本当に大丈夫なの?」
希「うーん...今日は帰って休むよ」
にこ「そうしなさい、絵里送っていってあげて」
絵里「わかった」
希「一人で帰れるよ」
絵里「だーめ、ほら送っていくから」
希「ありがとう、エリチ」 絵里「じゃあ...ゆっくり休むのよ」
希「ありがとう...じゃあ、また」
絵里「うん、またね」
バタン!
希「..........」
希「はぁ.....凛ちゃんや皆に明日謝らないといけないなぁ....」ドサッ
希「でもなんなん?...なんで皆真姫ちゃんのことを知らないん?うちが今まで夢でも見てたってことなの?」
真姫『希』
希「!」
希「夢じゃない...真姫ちゃんは夢じゃない!」 希「そうだ!真姫ちゃんの家に行ってみよう!もしかしたら学校にはいないけど家にはいるかも!!」
ピンポーン
『はい』
希「音ノ木坂学院の東條希っていいます」
『音ノ木坂?南さんのところかしら?』
希「...真姫さんはご在宅でしょうか?」
『まき?...どなたのことでしょうか?』
希「!」
『うちにはまきって子はいないわね、他の家じゃないかしら?』
希「そうですか...失礼しました....」
希「............」 希「なんでうちだけ...真姫ちゃんのことを覚えてるんだろ?それになんで皆は真姫ちゃんのことを覚えてないん?」
希「....明日から部活どうしよう....でもさすがに休むのは皆が心配するよね...」
希「一応準備しておこう....あ!!」
バサッ!!
希「あー...鞄の中身が....!これは...」
『西木野 真姫』
希「!これは真姫ちゃんのノート?でも、なんでうちの鞄に?....!もしかして図書館の時に?」
希「...そうだよね、夢じゃないよね!!真姫ちゃんはいた!!」
希「この状況は異常...うちだけが真姫ちゃんのことを覚えてるならうちが真姫ちゃんを探さないと!!!」
希「よし!!明日は早起きして!行動開始や!!」 ガララ...
希「失礼しまーす」
希「........」キョロキョロ
希「よし...誰もいない、まずは真姫ちゃんの席もなくなってるのかチェックをしないと真姫ちゃんの席はたしか窓際の一番後ろだったはず」
コツ...コツ...
希「席はある...机の中は...教科書とかノートはないか」
「希ちゃん?」
希「!」ビクッ
花陽「.......」
希「花陽ちゃん?どうして花陽ちゃんがこんな朝早くに学校に?」
花陽「今日はアルパカさんのご飯当番だから」
希「そ、そっか」
花陽「希ちゃんはなんでこんな朝早く花陽達の教室に?」
希「あ...えっと....その...」
花陽「?」
希「き、昨日変なことを言っちゃって凛ちゃんを泣かしちゃったから...そのお詫びというかなんというか」
花陽「...そっか、でもその席は凛ちゃんの席じゃないよ?」
希「!そ、そうやったっけ?あはは....間違えた間違えた」
花陽「........」 希「誰かわからんけど...間違えちゃってごめんな」
花陽「その席は誰の席でもないですよ」
希「え?」
花陽「その席は誰も使ってない席なんです」
希「そ、そうなの?じゃあ片付ければいいのに」
花陽「うーん...その席って競争率が高いんで欠番みたいな感じになってるんです」
希「欠番?」
花陽「うん、取り合いになる上に授業もさぼりやすいからって先生が」
希「そっか...たしかに言われていればそんな席かもね」
花陽「........」
希「じゃあ...うちはこの辺でお暇するね、凛ちゃんにはこのことは内緒にしてね?」
花陽「うん、わかった」
希「じゃあ、また放課後」
花陽「うん、またね」
希「..........」 希「.........」
ガチャ!
希「.........」キョロキョロ
ヒュー....
希「よし...今度は誰もいないみたいやね」
希「欠番か...また妙やね...それに花陽ちゃんのあの感じ...」
希(なんか少し空気がおかしかったような気がしたのはうちの気のせい?なんか花陽ちゃんが怖い感じがした)
希(これも真姫ちゃんが消えたのと関係があるのかな?...)
希「せめてなにか手がかりでもあれば....」
「手がかりってなに?」
希「!」ビクッ
絵里「.........」
希「え、エリチ?」
絵里「手がかりってなんの話?」
希「いや、えっと...」
絵里「.........」 希「エリチもやる?」
絵里「え?」
希「探偵ごっこ」
絵里「...探偵ごっこ?」
希「うん、昨日探偵映画を見てなー...ちょっと台詞を真似してたんよ」
絵里「ふーん...」
希「反応薄っ!ノリが悪いなー!!もう!!」
絵里「希って探偵って柄じゃないでしょ?」
希「そんなことはないよ!うちならカードでパパッて解決!!そうやね...タロット探偵のぞみんってどう?」
絵里「なーに馬鹿なことを言ってるのよ」
希「なんか今日のエリチ冷たくない?」
絵里「そんなことないわよ、それより宿題とかはやってきたの?」
希「.....あ」
絵里「探偵の前にまずは勉学をちゃんとしなさい」
希「はーい....」 絵里「ほら!教室に行くわよ!宿題を終わらせるわよ」
希「あ!ちょっと待ってよ!エリチ」
絵里「.......」
希(エリチの様子もなんか変?これは...皆の前では変なことは言わない方がよさそうやね)
希(これはもしかしたらうちが思っている以上にすごいことになってるのかもしれない)
にこ「あんた大丈夫なの?」
希「平気やよ、心配かけてごめんなぁ」
絵里「皆にも心配かけたんだから後で謝っておきなさいよ」
希「うん...わかってる」
にこ「........」
希(にこっちは普通な感じがするけど...どうなんやろ?一応気をつけないと) ことり「こんな衣装はどうかなー?」
にこ「いいわね!でもここはこんな感じでも」
海未「絵里、練習メニューについてなんですが」
絵里「どうしたの?」
海未「ここの部分をこうするのはどうでしょう?」
穂乃果「どう?新作おはぎ」
花陽「最高です!!もう一個食べてもいい?」
凛「かよちーん食べすぎはだめだよー」
希「......」
希(皆はいつもの通りの感じ...違和感は真姫ちゃんがいないくらい)
穂乃果「のーぞーみーちゃん」
希「!どうしたん?穂乃果ちゃん?」
穂乃果「新作のおはぎ食べるー?」
希「ええの?ならいただこうかな?」 穂乃果「どう?希ちゃん」
希「うん!美味しい!さすがは穂乃果ちゃん家だね」
穂乃果「えへへ...」
希「.......」モグモグ
穂乃果「そういえばなんだけど....」
希「ん?なぁに?穂乃果ちゃん?」
穂乃果「まきちゃんは見つかった?」
希「!!っ...げほ!!げほ!!!」
穂乃果「........」
希「穂乃果ちゃんいきなりなにを.....」
「「「.........」」」
希「!!!」ゾクッ 希(な、なんなん?この皆の冷たい目は...皆のこんな目見たことない)
希「っ....ほ、穂乃果ちゃん何を言ってるん?」
穂乃果「何って...昨日言ってたじゃん、まきちゃんがどうのこうのって」
希「あれは...えっと....」
穂乃果「.........」
希「た、多分....」
穂乃果「多分?」
希「うち寝ぼけてたんだと思う、最近暑いから夜も寝苦しいし、気を付けるね」
穂乃果「......そっか」
希「.........」
穂乃果「気を付けてね!!夏バテになったら大変だから!」
希「そ、そうやね...気を付けるよ」
絵里「皆も夏バテとか熱中症にならないように気をつけること!いいわね」
「「「はーい!!」」」
希「.........」 ガチャン
希「.....おかしい」
希「皆がおかしい....それともうちが疲れてるだけ?」
「「「..........」」」
希「っ.......」ゾクッ
希「いや...あれは異常だった...昨日とはまるで別人みたいに...熱でもあるのかな?測ってみるかな」
ピー!ピー!!
希「平熱...やっぱりなにがおかしい...真姫ちゃんがいなくなってからすべてがおかしい...関係があるのかな?」
『西木野真姫』
希「でも真姫ちゃんはいた、このノートがなによりの証拠...うちだけが真姫ちゃんのことを覚えている...きっと真姫ちゃんを探せるのはうちだけ...」
希「怖がってる場合じゃない!!うちが真姫ちゃんを見つけるんだ!!」
希「よし...行動開始や、今だけは皆には会いませんように」 希「..........」
希(あの日、ここでうちは真姫ちゃんと別れた...ここから真姫ちゃんの家までの道になにか手がかりがあるかもしれない...よし)
希「.......」キョロキョロ
希(特にはなにもなさそうやね....手がかりを見落としなければいいんだけど)
パリン!
希「!硝子?....」
希「......!なんなん...これは....」
サー....
希「カーブミラーが粉々になってる....あんな高いところ簡単には壊せないはずなのに...」
希「なんか嫌な予感がするけど...こっちの脇道を進んでみた方がなんか手がかりが掴めそうやね」
パリン!パリン!
希「なんでこの道だけこんなに色々なものが荒れてるん...なんで?」 パリン!パリン!!
希「道が硝子まみれや...足元には気をつけないと」
カラン
希「?なにか蹴った?....!これは!!」スッ
希「真姫ちゃんの鞄についてたキーホルダー!!!なんでここに!!」
希「...やっぱり真姫ちゃんにここでなにかが起きたってことなのかな?」
希「他にもなにか落ちてないかな?」キョロキョロ
希「...うーん、他にはなにも落ちてないか...でも真姫ちゃんがここを通ったってのは間違いなさそうやね」
希「....こんな大きい洋館なんてあったっけ?」
希(見た感じかなり古そうな感じやね...この辺の道はあんまり通らないっていうのもあったけどこんなのがあったなんて知らなかった)
希「なんかお化けが出そうな場所....」 「希、ここでなにをしてるの?」
希「!!」
にこ「.........」
希「に、にこっち?」
にこ「..........」
希(なんてタイミングで会ってしまったんや!どうしよう!!雰囲気がやっぱりいつものにこっちと違うし...ここは誤魔化すしかないか)
希「にこっちはお買い物?」
にこ「えぇ、夕飯の買い出しの帰りよ」ガサッ
希「今日のにこっちの夕飯はなんなん?」
にこ「オムライスよ...トマトがたっぷりのね」
希「へー...にこっちは料理が上手で羨ましいなぁ」
にこ「希は?」
希「え?」
にこ「あんたはここでなにをしてるの?」
希「........」 希「散歩や」
にこ「散歩?」
希「うん、そのついでにこれから買い物みたいな」
にこ「ふーん...」
希「今日は焼肉にしようかなー」
にこ「....希」
希「なぁに?にこっち?」
にこ「そっちに行くとスーパーは遠いわよ、行くならこっちの方が近いわよ」
希「へーそうなん?この辺来たことないから知らなかったわーありがとうにこっち」
にこ「........」
希(じゃあ...なんでにこっちはそっち側から来たんよ...いや、これは突っ込まない方がよさそうやね) 希「じゃあ、うちはそっちのスーパーに行ってみるわ、ありがとうにこっち」
にこ「気を付けてね」
希「ほな、また」
にこ「えぇ、また」
希「........」
にこ「..........」
希(背後からにこっちの視線を感じる....気のせい?)
にこ「.........」
希(にこっちの足音が聞こえない?まさかうちをずっと立ち止まって見てる?)
にこ「.........」
希(やっぱり異常....とにかくこの場から早く離れた方がよさそうやね) 希「はぁ...家以外は気が休まらんよ...なんなん本当に」ドサッ
希(...さっきの洋館、なーんか嫌な感じがするんよね...それに荒らされていたあの道)
希(とりあえずは何日か様子を...いや!だめ!だめ!!こうしてる間にも真姫ちゃんが!!)
希「...ちょっと調べてみようかな」
希「.........」
希「確証はないけど....行こう!このまま立ち止まっていてもなんにもならないし!」
希「こんな状況なんだから...うちのこのスピリチュアルグッズも持ってけるだけ持っていこう...あとは皆に見つからないようにしないと」
希「...いや、今は深夜やし...さすがに皆はこんな時間には出歩いてる訳ないか」
希「っ.......」パシン!
希「よし!!行こう!!!」 のんたんがエセ関西弁ばっかりじゃないトコがすっげーちゃんと口調把握してるってカンジする、期待 希「着いた.....夜だとまた威圧感があるなぁ...ここ」
希「っ...」ブン!ブン!
希「真姫ちゃんを見つける為なんや!ここで怖気づいちゃダメ!!!よし!!」
希「よいしょっと!」スタッ
希「侵入成功...さてとここからどうしよう...そもそも本当に真姫ちゃんはいるのかな?」
希「.......!これって...」
『音ノ木坂学院 1年×組 西木野真姫』
希「真姫ちゃんの生徒手帳...ここに落ちてるってことは...ここにやっぱり真姫ちゃんが?」
希「っ......」ゴクリ
希「よし!中に入ってみよう」 ギー....
希「失礼しまーす......」
シーン...
希(人気はない...鍵もかかってなかったし...不気味や)
希「っ.....」ブン!ブン!
希(ここまで来たんや!真姫ちゃんはきっとここにいる!探さないと!!)
希「..........」スッ
希(暗いなぁ...ライトは小さいのにしておこう...万が一に備えて)
希「埃がこの床の辺りだけ少ない...ここを最近誰かが通ったってことかな」
希(...ってことは真姫ちゃんが通ったってことかな?でもなんでこんなところに?まさか誘拐!?)
希「.......」 希(たしかに誘拐なら皆が脅迫されていて...それなら皆の態度がおかしいのも....)
希(いや!仮にそうだったとしてもあれは異常!一体なにが起こってるん?)
希「まるで本の世界に出てきそうな廊下やね....等間隔で左右にの壁に大きな燭台...それに石で作られた感じの壁」
希(中世のお城みたい...なんでこんな建物がここに?)
希「....大きな扉...この先になにが....」
希「..........」スッ
希(扉に耳を当てても中からは何も聞こえない...誰もいないってことなんかな?どうしよう...)
希「........」ギュッ!
希「うちはμ’s一のラッキーガールなんや!大丈夫!それにうちにはたくさんのスピリチュアルグッズもある......」
希「すーはー....すーはー....」
希「よし!」 ギー....
希「............」
希(誰もいない?....何の反応もない?)
希「.........」キョロキョロ
希(広い部屋...大広間ってところかな?)
希「...なんやあれ?....」
希(大きな檻?えー...なんか嫌だなぁ....)
希「.......!!」
真姫「」
希「真姫...ちゃん?」 希「...........」グイッ
希「ほっぺ痛い...現実みたいや....真姫ちゃん...」
希「.........」キョロキョロ
希「真姫ちゃん...真姫ちゃん!」
真姫「」
希「し、死んだりしてないよね...嫌だよ...そんなの...ねぇ、真姫ちゃん!」
真姫「う......」
希「!」
希(よかった!生きてる!!)
希「真姫ちゃん!」
真姫「っ......の...ぞみ?」
希「うん、うちだよ!」
真姫「..!...希ぃ!.....」 希「大丈夫?怪我とかしてない?」
真姫「うん...ぐすっ....」
希「よかった....うち、真姫ちゃんを助けにきたんよ」
真姫「....ばか....」
希「え!?ば、馬鹿!?」
真姫「....今の私を見ればわかるでしょ?私が今、どんな状況にあるか」
希「そうやね...籠の鳥?」
真姫「そうよ、私はもうここから出られない...ここにいたら貴方まで同じ目に」
希「.......」
真姫「早く逃げて....あいつが戻ってくる前に!希までこんな目に遭う必要はないわ」
希「...馬鹿なのは真姫ちゃんの方だよ」
真姫「え?」
希「うちは真姫ちゃんを助けに来たの、一緒に帰る為に!」
真姫「でも...私のせいで希が同じ目に遭ったりでもしたら」
希「今は真姫ちゃんの命の危機なの!!今は私のことより自分の命のことを考えて!!!」
真姫「!」ビクッ
希「助けてほしい時は助けてって言いなさい!!!」
真姫「は、はい....」
希「...........」 カチャカチャ
真姫「あ、あのー希?」
希「....鍵がかかってるか」
真姫「お、怒ってる?」
希「帰ったらお説教だから」
真姫「はい....」
希「この鍵をどうしたものか....」
希(それにしてもなんで真姫ちゃんにこんなことを...一体なんの為に)
真姫「........!」
希「どうしたん?真姫ちゃん」
真姫「隠れて!」
希「え?」
真姫「いいから!早く!!」 ガチャ
「..........」
真姫「っ......」
「........」
真姫「私を早くここから出しなさいよ!!なんでこんなことをするのよ!」
「.........」
真姫「犯罪よ!!こんなの!!!」
「.........」ブツブツ
希「..........」
希(長いローブみたいなのを被ってる?背はけっこう高そうな感じやね) 真姫「..........」
「........!!」ガシャン!!
真姫「!!!」
希(真姫ちゃん!!)
「..........」ガシャン!ガシャン!
真姫「や、やめなさいよ!!.....うるさいでしょ!!」
「.........」ガシャン!ガシャン!!
真姫「やめなさいって言ってるでしょ!!私を怖がらせてるつもり!?」
「.........」ガシャン!ガシャン!!!
真姫「っ........」
「........」ガシャン!!ガシャン!!!
真姫「や、やめてよ......やめて....」
希(このままじゃ真姫ちゃんが!!でも今、出て行ってもどうすれば....) 真姫「っく....っ......」
「.........」ピタッ
希(動きが止まった?よし...隙を見て...あいつに一発お見舞いしてやる)
「........」スタスタ
希(!...もしかして部屋から出ていく?)
ギー....
「..........」
バタン!!
希(...出て行ったみたいやね...様子を見て今度こそ早く真姫ちゃんを助けないと!) 真姫「ぐすっ....ひっく.....」
希「真姫ちゃん、大丈夫?」
真姫「だ、大丈夫よ....っ....」
希「..........」
希(このままだと真姫ちゃんの精神状態がまずいことになりそうやね...でも鍵をどうすれば....!そうだ!)
希「.........」スッ
ファサ
真姫「!......希?」
希「一か八かこれでやってみよう」ググッ
真姫「それって!希のお気に入りのヘアピンじゃない!なんで...。」
希「ヘアピンなんかはまた買えばいい、でも真姫ちゃんは真姫ちゃん一人しかいないんだから!だからいいの!」
真姫「希....」
希「よし!ピッキング開始や!!」 希「........」カチャカチャ
真姫「そんなんじゃ開かないわよ」
希「やってみなきゃわからないんやん?」カチャカチャ
真姫「........」
希「大丈夫」
真姫「え」
希「うちが絶対に真姫ちゃんを助けるからもう少しだけ待ってて」
真姫「希.....」
希「.........」カチャカチャ カチャン!
希「よし!!外れた」
真姫「!嘘でしょ?」
希「...今、檻籠の中から出してあげるから」ギー...
希「真姫ちゃん手を!」
真姫「.......」スッ
希「よし!」パシッ
真姫「!」
希「...よいしょっと!」グッ
真姫「うわっ」グラッ
希「おっと!」ギュッ
真姫「!」
希「真姫ちゃん救出ー」 真姫「あ、ありがとう....」
希「どういたしましてー」
真姫「.......」
希「♪」
真姫「あのー....希?」
希「なぁにー」
真姫「えっと...私に抱き着いてるのをやめてほしいだけど」
希「いーやーだー」
真姫「え!」
希「ちゃんと真姫ちゃんがここにいるってもうちょっと実感させて...」
真姫「えー....」
希「♪」 希「よし!真姫ちゃん分摂取完了!」
真姫「なによ、それ」
希「よーし次はここから脱出やね」
真姫「...そうね」
ギー....
希「いなそうやね...よし!進もう」
真姫「........」
希「それにしてもなにがあったん?真姫ちゃん」
真姫「後で説明するわ...今は気付かれないように黙って進みましょう」
希「....そうやね」 希「...よし!入ってきたところまで戻ってこれた」
真姫「..........」キョロキョロ
カチャ
希「.....うん、扉も開いてる」
真姫「気を付けてね」
希「うん...よし、出よう」
真姫「.........」
希「ふぅ...なんとか洋館から出られたね」
真姫「っ......」ブルッ
希「...大丈夫」スッ
真姫「!」
希「うちがいるから、ね?」
真姫「....ありがと」
希「ええよーとりあえず...うちの家にでも行こうか?」 真姫「お邪魔しまーす」
希「どうぞー」
真姫「........」
希「お風呂に入れてなかったでしょ?入る?」
真姫「いいの?」
希「ええよ」
真姫「じゃあ...シャワー借りるわね」
希「どうぞ」
真姫「........」 シャー...
希「さてと...着替えはうちので我慢してもらうしかないな」
希「真姫ちゃんが危ないと思ってまっすぐ帰ってきたけど...真姫ちゃん多分ご飯食べてないよね?」
カチャ
希「うーん...冷蔵庫の中もあんまりないなぁ...できてもおうどんさんってところかな?真姫ちゃんに後で聞いてみよう...」
希「うちもあんまり出かけないほうがいいよね?真姫ちゃんを今、一人にしたくはないし...」
真姫「希、シャワーありがとう」
希「服大丈夫?」
真姫「うん、ありがとう...」
希「お腹空いてる?おうどんくらいしかないけど...もしなにか食べたいならコンビニで買えるものなら買って来れるけど」
真姫「大丈夫...」
希「あんな場所にいてご飯食べてないでしょ?真姫ちゃんが倒れたりでもしたら」
真姫「.........」グイッ
希「真姫ちゃん?」
真姫「!あ、ごめん....」 希(真姫ちゃん...もしかして....)
真姫「っ........」ブルブル
希(そうだよね...あんな目に遭ったんだもんね、怖かったよねきっと)
希「大丈夫!うちがいるから」ギュッ
真姫「っ.........」
希「怖かったよね?頑張ったね...もう大丈夫だから」
真姫「ひっく....ぐっす.....」
希「よし...よし....」
真姫「........」
希「落ち着いた?」
真姫「うん、希...ごめん...迷惑かけちゃって」
希「迷惑じゃないよ、真姫ちゃんを助ける為だもん」
真姫「..........」
グー...
真姫「!」
希「なんか食べよっか?」 希「本当にいいの?おうどんさんで、なんか買ってこなくても本当にいいの?」
真姫「うん...今はその...あんまり希と離れたくないから...」
希「そっか...わかった」
真姫「それに希の作る料理も食べてみたいし」
希「あんまり期待はしないでね?」
真姫「いただきます」
希「はい、召し上がれ」
真姫「........」ズルズル
希「大丈夫?美味しくなかったら残してもいいからね」
真姫「美味しい...」
希「お世辞はいいから、うちあんまり料理得意じゃないし」
真姫「お世辞じゃないわ...温かくてとっても美味しいわ...」ニコッ
希「!そ、そう....」
真姫「.........」ズルズル 真姫「ごちそうさまでした」
希「お粗末さまでした」
真姫「....えっと...」
希「今日はうちに泊まっていきな」
真姫「え...でも...」
希「いいから、それで色々と真姫ちゃんから話を聞きたいんだけど...その前にうちから真姫ちゃんに話しておきたいことがあるんよ」
真姫「話しておきたいこと?」
希「多分だけど...うち以外皆が真姫ちゃんの存在を忘れてるんよ」
真姫「...!?ど、どういうこと?」
希「μ’sの皆、真姫ちゃんの親御さん、学校の皆も真姫ちゃんのことを知らないって言ってるんよ」
真姫「そ...そんな...意味わかんない...」
希「そうだよね、うちもそう思う」
真姫「...だから希一人であんなところまで助けにきてくれたってこと?」
希「まぁ、そういうことかな?しかも皆...様子がなんかおかしいし」
真姫「おかしい?」
希「真姫ちゃんの話をすると変な空気になるんよ」 真姫「変な空気....」
希「まるで空気が凍るっていうのかな?皆が皆じゃないみたいな」
真姫「.......」
希「でもうちは忘れなかった!だからこうして真姫ちゃんをあそこから連れ出せた!」
真姫「でもなんで希だけ?」
希「さぁ?だから真姫ちゃんは外は出歩かないように、あとはうち以外の人には気を付けてね」
真姫「わかったわ....」
希「じゃあ、次は真姫ちゃんの方やね...なにがあったん?もちろん言いたくなければ言わなくてもいいから」
真姫「っ......あの日、希と別れた後変なやつに襲われたの」
希「変なやつ?」
真姫「えぇ、さっき檻をたたいてたやつよ」
希「あのローブみたいなのを着てたやつ」
真姫「そう...襲われた時は全然違う格好をしてたけど...」
希「どんな格好をしてたん?」
真姫「黒いスーツみたいな服に黒いシルクハット、あと杖を持っていたわ」
希「...マジシャン?みたいな格好ってこと?」
真姫「そうね...言われてみればマジシャンみたいな恰好だったわ」 真姫「それで襲われて逃げたんだけど捕まっちゃって...そしたら気が遠くなって気が付いたらあの檻の中にいたの」
希「成程...襲われたのって細い路地のところ?」
真姫「えぇ」
希「その時に真姫ちゃんは抵抗したりして暴れた?」
真姫「抵抗しようにも逃げて捕まった瞬間に気が遠くなったから...そんな暇はなかったわ」
希「そっか...」
真姫「なんでそんなことを聞くの?」
希「いや、そこの路地がすごい荒れてたらそこで暴れたのかなって思って」
真姫「いえ、暴れてはいないわ...」
希「そっか....」
希(じゃあ、あの道の荒れようはなんだったんだろう?関係なかったってことかな?) ブー!!ブー!!
真姫「!」ビクッ
希「電話?こんな深夜に....誰やろ」
『絢瀬 絵里』
希「エリチ?...なんか嫌な予感がするなぁ」
真姫「どうするの?」
希「とりあえず出てみる」スッ
希「....ふわぁ...もしもし?」
絵里『希』
希「んー...エリチィ?....なんなんこんな時間に...」
絵里『これから希の家にいってもいい?』
希「はぁ?....今、何時やと思ってるん」
絵里『今から行くから』ブチッ
ツー...ツー...
希「...真姫ちゃん」
真姫「なに?」
希「ここから離れるよ、準備をして」 真姫「どうしたのよ希」
希「エリチがここに来る」
真姫「エリーが?」
希「暗いのが怖いエリチがこんな時間に来るなんてありえない、そもそもこんな時間に来ようとすること自体がおかしい」
真姫「!たしかに言われてみれば....」
希「逃げるよ!」
真姫「え!?でもどこに?」
希「こんな時こそ神頼みや」
真姫「電気...なんで消していかないの?」
希「少しでも時間稼ぎがしたいからね...いるフリにしておこうって思って」
真姫「成程....」 希「さぁ、行こう」ガチャ
真姫「階段?」
希「エレベーターで万が一、鉢合わせでもしたら逃げられないからね」
真姫「希って意外に...」
希「なーに?真姫ちゃん」
真姫「機転が利いて頼りになるのね」
希「...そうだよ、ほら行くよ!」
真姫「うん」
希「さてと....」
真姫「...希!隠れて!」
希「むぐっ!」
絵里「........」
希「あれは.....」
真姫「エリー....」 希「一人でこんな時間に出歩くなんてやっぱりおかしい...」
真姫「エレベーターを待ってるみたいね」
希「乗ったら早く移動しよう」
真姫「えぇ、わかったわ」
真姫「ねぇ、希」
希「なに?」
真姫「このたくさんの荷物は一体...」
希「備えあれば嬉しいなってやつだよ」
真姫「それを言うなら備えあれば憂いなしなんじゃないの?」
希「そうとも言うね」 ブー!ブー!
希「!」
真姫「電話?」
希「........」スッ
『絢瀬 絵里』
希「真姫ちゃんちょっと静かにしててね」
真姫「........」コクッ
希「...もしもしぃ?」
絵里『希』
希「あー...えりちぃ?...なにぃ?....」
絵里『着いたわ....開けて』
希「本当に来たん?....うち眠いんだけど...」
絵里『.......』
希「...エリチ?」 絵里『希、どこにいるの?』
希「どこってうちだけど」
絵里『嘘』
希「はぁ?...もう怒るよ、うち」
絵里『聞こえない』
希「え?」
絵里『チャイムをこれだけ鳴らしてるのに音が聞こえないなんてありえない』
希「.......」
絵里『外ね....風の音が聞こえる』
希「うち寝るから、おやすみ、エリチ」ブチッ
ツー...ツー... 真姫「どうだった?」
希「異常やね...」
真姫「一体なんでこんなことに....」
希「とにかく明神さんに行こう」
真姫「...そうね」
希「大丈夫?真姫ちゃん」
真姫「え?なにが」
希「全然ゆっくり休む暇もなったから....体調とか大丈夫?」
真姫「ちょっといつもよりは体が重いわね...」
希「辛くなったらすぐにいってね」
真姫「わかったわ」 希「あともう少しで明神さんだから」
真姫「えぇ....」
「希ちゃんだぁ」
希「!!」
「........」
希「ことりちゃん....」
ことり「♪」
真姫「なんでこんなところにことりが...」
希「真姫ちゃん、うちの後ろに」スッ
真姫「っ.....」
ことり「こんばんは」
希「こんな時間に会うなんてびっくりやね」 ことり「ねぇ、希ちゃん」
希「なに?」
ことり「その子はだぁれ?」
希「うちの大切な子だよ」
ことり「ふーん....その子が...」チラッ
真姫「!」ゾクッ
ことり「まきちゃんなのかなー?」ニタァ
希「.........」
ことり「ふふふ.....」 希「真姫ちゃん....」ボソッ
真姫「え?」
希「...逃げるが勝ち!!」グッ
真姫「!」
希「........」ダッ!
真姫「え!ちょ!!」グイッ!
ことり「!!」
希「ちょっと走るよ!!真姫ちゃん!!」
真姫「うわっ!!」
ことり「........」 希「はぁ...はぁ...なんとか撒けたかな?」
真姫「い...いきな...り...引っ張らないでよ...」ぜぇぜぇ
希「ごめんごめん」
真姫「はぁ...はぁ...」
希「もう少しだから」
真姫「わかったわ....」
希「よし...境内に入れた」
真姫「ここなら大丈夫ってことなの?」
希「この辺の州域ならここが一番安全だと思う」
真姫「そう....」
希「ちょっと休もうか?」 希「真姫ちゃんはコーヒーでよかったかな?缶コーヒーだけど」
真姫「ありがとう...って着替えたの?」
希「うちでも巫女さんの端くれやからね、こっちのが頼もしいでしょ?」
真姫「そうね...ありがとう」
希「ふふ...砂糖さんはどれくらいがいい?加糖さんがいい?それとも無糖さん?」
真姫「コーヒーを人の名前みたいに呼ばないでよ、無糖でいいわ」
希「はい」スッ
真姫「....ありがとう」
カポッ
真姫「......」ごくごく
希「不謹慎だけど...なんか二人でこんな時間にこうやってるの...なんか新鮮やね」
真姫「....そうね」
希「例え世界中の皆が真姫ちゃんが忘れてもうちは真姫ちゃんのことをちゃんと覚えてるから」
真姫「なによ、それ」
希「大丈夫...うちが一緒にいるから...もう少しだけ頑張ろ?」 希「それにしてもなんなんやろうね...この状況は」
真姫「......」
希「なんで真姫ちゃんなんだろ...」
真姫「多分...私は生贄なんだと思う」
希「生贄?」
真姫「私があの檻の中にいた時、あいつが檻の前に立って変な本を読みあげていたの」
希「本を読み上げていた?....なんかの儀式?」
真姫「かもね...聞いたことない言語だったし、たぶん呪文みたいなものだと思うわ」
希「でもなんでそれだけで生贄だって思うん?」
真姫「私とあいつの間に台みたいなのが置かれていて...そこに短剣が置いてあったの」
希「短剣...」
真姫「それを時折持って私に向けながらなにか言ってたし...そんなことをされたらそう思わない?」
希「......」 真姫「このままなにも解決できないなら....私は...」
希「絶対にだめ!!」
真姫「!」
希「なんで真姫ちゃんが犠牲にならないといけないん?うちはそんなの絶対にさせない!!」
真姫「希....」
希「真姫ちゃんはなんも悪いことをしてないじゃん!!だからこんなの絶対におかしいよ!!」
真姫「........」
希「諦めちゃダメ!!うちが頑張るから!!一緒に元の日常に戻ろう?」
真姫「ありがとう....っ...」
希(絶対に....真姫ちゃんを...皆を...元の日常を取り戻すんや!!) ヒュー!!ヒュー!!!
真姫「...なんか風が強くなってきたわね....」
希「そうやね...」
真姫「........」
希「........」
真姫「ねぇ、希」
希「なに?」
真姫「なんか胸騒ぎがするのは私だけかしら?」
希「奇遇やね....うちもそんな感じがする」
真姫「もしかしてあいつが....」
希「近づいてきてるみたいやね」
真姫「どうするの?私が言うのもなんだけど策はあるの?」
希「やれるだけやってみるよ、うちだってなにも考えなしにここに来た訳じゃないんだから」 ビュー!!ビュー!!
真姫「っ......」
希「どうやら...門前まで来てるみたいやね」
真姫「入ってくるってこと?」
希「多分入ろうとしてる...でも結界が貼られてるから簡単には入れないと思う」
真姫「そう....」
希「....真姫ちゃんをこれを.....」スッ
真姫「お守り?」
希「厄除けのお守り、身に着けておいて」
真姫「...わかったわ」スッ
希「有名な神社の厄除けのお守りだから、きっと真姫ちゃんのことを守ってくれる」
真姫「希の分は?」
希「大丈夫、うちのもちゃんとあるから」 真姫「......!空が!」
希「急に雲ができてたね...ちょっとまずいかな」
真姫「まずい?」
希「月を見て」
真姫「月?...雲で月が隠れてきた?」
希「月は神聖なものだったりするんよ...月がなくなるってことは天からの加護がなくなるってことなんよ」
真姫「ってことは....」
希「相手にとってはより行動がしやすくなるってこと」
真姫「それってまずいんじゃ」
希「そうやね...多分この雲はあいつの仕業かもしれないね」
真姫「.......」
希(さてと....どうしたものか....とにかくいろんなものを試してみるしかないか) 真姫「...風が止んだ?」
フッ
真姫「!電気が」
希「真姫ちゃん....来るよ、うちの後ろに下がって」
真姫「う、うん....」
コツ...コツ....
希「...........」
コツ....コツ....
真姫「っ.......」
希(....周りの照明が消えて月も見えなくなって真っ暗なはずなのに)
コツ...コツ....
「...........」
希(相手の姿が見えるなんて...これまた不思議やね) 希「...珍しいなぁ、こんな時間にそんな恰好をした人がお参りにくるなんて」
「.........」
真姫「っ.......」ギュッ
希「外人さんかな?ハロー、いやこの時間はハローではないか...お面まで付けちゃってお祭り帰りかな?」
「........」
希「...こんな芝居は無駄か...なんの用や」
「.........」
希「こんな神聖な場所に来るなんていい度胸やん、立ち去るなら今のうちだよ」
「..........」
希「..........」
「...........」スッ
希「!」 希「っ....なに?頭が.....」グラッ
真姫「希?どうしたの?」
希「....え?誰?...」
真姫「!?」
希「...なんでうちはこんな時間に明神さんに?」
真姫「希!どうしちゃったのよ!!!私よ!!真姫よ!!」
希「まき?....」
真姫「っ...そ、そんな希まで....なんで....」
希「.....!!!」
真姫「っ....嫌っ...希にまで忘れられたら私....私...」
希「あああああああああああ!!!」
「!!」
真姫「!!」ビクッ 希「はぁ...はぁ....」
真姫「の、希?」
希「いい度胸してるやん...うちの中から真姫ちゃんを消そうとするなんて」
「........」
真姫「!希、私のこと....」
希「忘れる訳ないよ、真姫ちゃんは皆にとって...うちにとって大切な人なんやから!!」
真姫「!!」
希「人の思い出っていうのはね...そう簡単に消せるものではないし、消していいものやない!あんたなんかにうちと真姫ちゃんの思い出は消せない!!」
「.......」
希「あんたに宣戦布告をするわ、あんたは絶対に許さない...皆を...うちらのかけがえのない日常を返してもらうよ!!!」
「........」
希「あんたが何者か知らんけど、あんたをここで倒す!!」 希「まずはこれやね....はっ!!」ヒュッ
「!!」
真姫「あれはお札?」
「っ.......」バチッバチッ
真姫「効いてる!?なんか火花みたいなのが出てる...」
希「これが効くってことはやっぱり人間やないね、あんた」
「........!!」スッ
希「!!」グイッ
真姫「きゃ!」
希「真姫ちゃん、あいつの手は注意してね...」
真姫「手?」
希「うん...なにをしてくるかわからないからね」 「..........」スッ
希「てぇやぁ!!」バチッ
真姫「すごい...まるで映画みたい...」
希「っ.....」ボワッ
真姫「お札が!!燃え尽きた!?」
希「これは手強そうやね....」
「..........」
希「なら....これはどう?」サッ
真姫「なにそれ...スプレー?」
希「これはお清めスプレーっていうんよ...これならどうや」
「!」
希「お清めパワー射出!はーい!ぷしゅ!!!」シュッ! 「!!!」バタ!バタ!
希「よし!今のうちに!真姫ちゃん!」グッ
真姫「え?なに!?」
タッタッタッ
真姫「なにこれ」
希「うちが作った結界、真姫ちゃんはこの中に入って」
真姫「じゃあ希も中に」
希「うちはあいつを倒す」
真姫「一人じゃ危険よ!」
希「でも倒さない限り真姫ちゃんもうちも元の日常には戻れない」
真姫「でも!.....」
希「大丈夫♪」 「..........」キョロキョロ
希「真姫ちゃんならおらんよ」
「!」
希「あんた一体なんなんや...なんでこんなことを!なんで真姫ちゃんなん?」
「.......」
希「まぁ...いいや、あんたを倒して...私達の日常を取り戻す!」
「........」
希「伊達に神社でバイトはしてないよー!!!」スッ
「..........」バチッバチッ
希「お札はダメージはあるけど...これじゃあ決定力にかけるなぁ...」
「.........」カパッ
希「!?お面を外した?.....」
「........!!」ギロッ
希「!な...なんなん...その顔は....」 「.........」
希「っ....」
希(顔の半分は普通の顔なのに...もう半分は全く血の気のない顔...いや、腐ってる?まるで半分ミイラ!?)
「..........」ブツブツ
希(なにか言ってる?)
「アのむスめはドこだ」
希「!」ゾクッ
希(なにこの声....聞いただけで鳥肌が....)
「ジかんガナイ」
希(時間がない?相手は焦ってるってこと?)
「タまシイをよコせ」
希(成程...あいつは真姫ちゃんからを魂を奪って自分のものにする気みたいやね...よし!絶対に渡さないようにしないと!) 希「あんたにあげる魂はないよ、さっさと成仏しな」
「よこセ!!!!!」ダッ
希「!!急に動きが!!」
「ァぁアああああ!!!」
希「がっ.....」
「バショをいえ」
希「だ、誰が言うもんか....」
希(なんて力なんや...うちをこんな簡単に持ち上げるなんて)
「.......」グッ
希「ぁ!....っ....」
「イわナイとくビをオルぞ」
希「だ...誰が......」
「.........」ググッ....
希「ぁ....あ...ぁ....」
希(ま、まずいこのままだと....意識が....) 真姫「希を離して!!!」
「!」
希「!...ま....ち....」
真姫「.........」
「.........」スッ
ドサッ
希「ぅ.......」
真姫「希!!」
「.........」スタスタ
希「ま...きちゃん...ど..して」
真姫「私のせいで希を犠牲にしたくないの!!希が犠牲になって私が残っても私は結局一人...誰も私のことなんてわからない、なら私が消えればいい」
希「っ......」
真姫「ありがとう...希....」
希「!真姫ちゃん.....」 「..........」スタスタ
真姫「...さよなら....」
希(うちはなにやってるんだ...なにが一緒だから大丈夫だ...大丈夫じゃないじゃないか!)
希(ここでうちが....私がやらなきゃ...誰がやるんだ!!!)
希「やあああああああああ!!!!!!!」
「!!」
真姫「希!?」
希「この!!!」ドン!
「!?」グラッ
希「はぁ...はぁ...はぁ...」
真姫「希....」
希「言ったでしょ、うちがいるから大丈夫だって」
「........」
希「あんたには真姫ちゃんは渡さないよ!」 希(とは言ったけど...こんな得体のしれない相手をどうやって倒したら)
「.......」
希(弱点でもわかれば...倒せるかもしれないのに....)
「.......」
希(!....待って...そういえば『あれ』にはたしかそういった類の話はあったはず)
真姫「希?」
希「真姫ちゃん!!ちょっと走るよ!!」グイッ
真姫「え!なに!?」
希「いいからついてきて!」ダッ
「!」
真姫「!わかったから!引っ張らないでよ!!」 ガチャ
希「えっと...たしかこの辺にあったはず」ゴソゴソ
真姫「一体どうしたのよ、それにここはなんなのよ」
希「うーん...まぁ、宝物庫みたいな場所かな」
真姫「え!!そんな場所に勝手に入っていいの?」
希「緊急事態だし、何故か誰もおらんから細かいことはええんよ」
真姫「えー...」
希「.....!あった」
真姫「何を探してたの?強力なお札とか?」
希「これだよ」スッ
真姫「え?これってただの古い...」
希「もしかしたらこれならあいつを倒せるかもしれない」
真姫「本当?」
希「やってみないことにはなにも始まらないし、やってみよう!」 「.........」キョロキョロ
希「こっちや」
「!」
希「..........」
「.........」
希「あんたの悪行もここまで、今日で終わりだよ」
「.........」
希「一つだけ疑問があったんよ...なんであの日あの場所だけが荒らされていたのか」
真姫「.........」
希「....それはこれのせいだぁ!!」スッ
「!!!!」
希「その反応...やっぱり弱点みたいやね!」
希「くらえ!!!」 パー!!!
真姫「光った!?」
希「見て...真姫ちゃんあいつを」
真姫「...!!なによ...あれ、あいつの体から...」
「助けて」「苦しい」「なんで私が」
希「今までの犠牲者達みたいやね...あいつが生きながらえる為に犠牲になった」
真姫「っ.....」
希「鏡っていうのは魂が宿ってると昔から言われていたんよ...だから卑弥呼とかは鏡を使っていたとも言われてるんよ」
希「有名な3種の神器でも八咫鏡があるくらいだからね」
希「だからこの魔力が宿っている鏡ならその魂が見えると思ってね...見て真姫ちゃんあいつの体を」
真姫「!体が...」
「.........」フラフラ
真姫「ボロボロになっていく?」
希「無理やり奪った他人の魂を自分の命にしてたからそれが反発をして抜けていってるんや、それで体が崩壊していってる」
真姫「........」 希「人の命は永遠じゃない...だからこそ今を生きようと皆頑張ってるんや」
「..........」ドサッ
希「あんたは他人の時間を命を奪ったんや....あの世でその罪をちゃんと償んだね」
「」
ヒュー...
真姫「砂になった.....」
希「........」
真姫「...終わったってこと?」
希「そうやね...」
パー!!
真姫「!今度はなに!?」
希「!!」 「」
希「この子は....」
真姫「たしか前に貼り紙で見た....」
希 真姫「!!」
希「!思い出した...この子!うちのクラスの子や...今まで忘れてたなんて...」
真姫「私と同じように被害って遭ってたってことね」
「」
希「...気を失ってるだけみたいね...」
真姫「この人は取り込まれてから戻れたってことかしら?」
希「そうかもね....よいしょっと」スッ
真姫「運ぶの私も手伝うわ...希」
チュン...チュン...
希「日が開けるね...」
真姫「そうね......」 真姫「それにしてもよくわかったわね弱点が」
希「カーブミラーを破壊するなんておかしいからね」
真姫「成程、道が荒れていたのはそれを隠すためのカモフラージュだってってことね」
希「そういうことやね」
真姫「ありがとうね...本当に色々」
希「どういたしまして!大切な後輩だからね」
真姫「...私が後輩だから助けてくれたってこと?」
希「へ?」
真姫「それとも...μ’sのメンバーだから?」ジッ
希「!ん?ま、真姫ちゃん?」
真姫「.........」ジー
希「え、えっと.....」
真姫「.........」 真姫「なんてね」
希「え」
真姫「今度ちゃんとお礼をさせて」
希「!いいよ...お礼なんて別に」
真姫「させてよ、いいでしょ?焼肉なんてどう?」
希「!焼肉....」グー
真姫「行きたいお店があるならどこでもいいわよ、今度また聞くからその時までに考えておいて」
希「焼肉....焼肉....」
真姫「ふふ....」
真姫(それにしてもなんで希だけが私のことを覚えててくれたんだろう....)
真姫「.........」 真姫『誰か助けて....パパ...ママ...皆....』
「おーい真姫ちゃん?」
真姫「.........」
「真姫ちゃーん?」
真姫『助けて....希...』
「真姫ちゃん!!!」
真姫「!!」ビクッ
希「どうしたん?ぼーっとして眠い?」
真姫「え...あ...ちょっとね、うん...」
希「多分皆、元に戻ってるだろうし家に帰って寝た方が」
グイッ
希「!」
真姫「......」
希「真姫ちゃん?」
真姫「今はちょっと...希がいないと不安ていうか...もうちょっと一緒にいてほしい...」
希「真姫ちゃん....ええよ、落ち着くまで一緒にいてあげる」
真姫「........」 こうしてうちと真姫ちゃんの短いようで長かった戦いは終わった
皆も無事に戻ってうちらの日常は元に戻った
少し変わったところもあるが....
どこが変わったかというと
真姫「.......」
希「あのー...真姫ちゃん?」
真姫「なに?」
希「なんか近くない?」
真姫「そうかしら?」
希「.........」
真姫ちゃんとの距離が近くなったような気がします
気のせい?
真姫「♪」
希(ち、近い.....)
真姫「....!」
真姫「ハッピーエンドね」 これでおしまいです
最後までお付き合いいただきありがとうございました 乙
夜中に外で突然記憶が戻ったことえり混乱してそう
特にエリチカヤバそう >>147
何処チカ⁉︎ 真っ暗チカーっ⁉︎
それはともかく完結乙、毎回楽しみにしてたよ >>140
希「日が開けるね」×
希「夜が明けるね」○ >>146
いいね!
ホラー路線かなり良かったわ!
またこんな感じの路線の話出来たら頼むわ! 焼肉ねだるのんちゃんがこんな時まで余裕崩さなくてらしさに溢れてて良い ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています