ルビィはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは海に出て仕事をはじめていた。
ルビィの十八の姉も、きょうは妹の代りに魚群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。
そうして、うるさく妹に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」ルビィは無理に笑おうと努めた。「用事は無事終わった。いつまでも姉妹、そして新たな兄も交え仲睦まじく暮らそう。あす、おねいちゃの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」