海に面したその村は、一夜にして炎に包まれた

原因はただ一つ、一匹の火竜だった。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」




「吠えた……炎が来るぞ!!」

「下がれ!全員火竜から距離を取るんだ!!」

「おい!ハンター以外と子供は白き竜の祠のある島まで避難させろ!!」


人里に迷い込んだ竜は、その場を破壊し、灰塵と化す“災害”となった





「お父さん、お母さん……どこ……?」

呻くように呟く少女の周りでは業火が立ち上っていた。

海風で湿った木造の建物は白い煙を上げて燃え盛り、戦火は逃げ遅れた齢そこそこの少女を容赦なく包み込む。

「ぜんぶ、ぜんぶ…燃えちゃった」

「うぅ、みんな……どこへ行ったの…?」





「おねえちゃん……」