穂乃果「何度目かの夏」
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穂乃果「今年の夏も暑いねー……」
にこ「溶けるにこ……」
海未「夏が暑いのは仕方ないのですから、ほらしゃんとして」
希「まあ、確かにこの暑さじゃねー」
真姫「熱中症間違いなしね」
絵里「とは言っても冷房完備のスタジオなんてものはないんだから、さ、行きましょう?」
ことり「んー、あれ?」
花陽「ことりちゃん、どうしたの?」
ことり「なんだか、この会話、去年もしたような……」 海未「まあ夏は毎年来ますから似たような会話くらいはしたのではないでしょうか」
ことり「ううんっ、そうじゃなくて、皆と同じ会話した気がするの」
にこ「何言ってるのよ、私たち去年は出会ってもないわよ」
凛「凛たちはまだ中学生だったにゃ」
ことり「そ、そうだよね、気のせい、かな?」
穂乃果「うーん……」
希「デジャヴってやつやないかな?」 凛「でじゃぶ?」
花陽「既視感、のことだよ、凛ちゃん」
絵里「一度も体験したことないのに、以前に経験したように思える現象のことね」
海未「勘違い、ということですか?」
希「んー、夢で見た映像とかって言うね」
真姫「でもそれって確かなことはわかってないわよね」
穂乃果「原因がわからないってこと?」
真姫「と言うより実験や検証のしようがないのよ、起こそうと思って起きるものでもないし」
凛「なら、本当に予知してたのかも!ことりちゃん、超能力者にゃ!」 ことり「予知とか、そうじゃなくて……、例えば美味しいお店のケーキを食べた時に、数ヶ月前に同じケーキを食べたのを思い出したみたいな……」
にこ「想い出、ってこと?」
ことり「そうっ、それ!」
絵里「でもそれなら余計におかしいわね」
ことり「だ、だよね、やっぱり気のせい……」
穂乃果「それか……」
海未「それか?」
穂乃果「本当に去年も同じことをしてた、とか」 真姫「あり得ないわよ」
希「せやね、去年は出会ってもないもんね」
穂乃果「本当に、そうなんだっけ?」
海未「何を言ってるのですか、穂乃果は」
穂乃果「去年の夏って何してたゲーム!」
にこ「何よ、突然……」
穂乃果「いくよー、アイス食べてた、はい、凛ちゃん」
凛「え、えっと、かよちんと遊んでた、はい、にこちゃん!」
にこ「ちょっ、えーと、慌てて宿題してた、はい、海未」
海未「わ、私ですか?確か、海に行った、はい、希」
希「じゃあ、えーと、あ、枕投げした、はい、花陽ちゃん」
花陽「え、えーと、確かスイカ割りを……」
絵里「ま、待って」 にこ「何よ、急に止めて」
絵里「希、枕投げって、誰と?」
希「え?エリチとじゃなかった?」
絵里「私もそんな気がするんだけど、私たち2人でどこか旅行でもしたんだっけ?」
希「え、えーと、あれ?」
絵里「自慢じゃないけど、旅行行くような仲の友達は当時は希しかいないわ」
凛「本当に自慢じゃないにゃ」
希「じゃあ2人で?」
絵里「2人で行って、そんなことするかしら」 穂乃果「花陽ちゃん、スイカ割りって、どこでしたの?」
花陽「え、それは海で……」
海未「そうですよ、海で、あれ?」
穂乃果「なんで海未ちゃんと花陽ちゃん、同じ思い出があるの?」
真姫「たまたま海で同じようなことしたんじゃないの?」
ことり「……あれ?でもそれって今年の合宿のことじゃ……」
絵里「言われてみれば、合宿で同じことしたわね」
にこ「何よ、去年の話しろって言ったのに今年の話をしたってこと?」
花陽「あ、あれ……?」
海未「そんなはずはないのですが……」
希「んー、まあ暑さでこんがらがってるんかな?」
真姫「しっかりしてよね」 凛「確かに去年は受験でそれどころじゃ……、あれ?」
花陽「どうしたの?」
凛「なんか、去年受験勉強した覚えが……」
にこ「それはあんたがやってないだけでしょ」
凛「んー、そうだったっけ?」
絵里「まあいいわ、さ、練習行きましょう」
穂乃果「もしかして、時間が巻き戻ってたりして、なんて、あはは……」
穂乃果(その時、明らかに空気が変わった、言ってはいけない言葉を口にしたみたいな……) 海未「馬鹿なこと言ってないで行きますよ、穂乃果」
穂乃果「うぅ、待ってよ、海未ちゃん!」
真姫「穂乃果、ちょっと」
穂乃果「何、真姫ちゃん?」
真姫「あなた、どこまで知ってるの」
穂乃果「え、な、なんのこ」
真姫「とぼけないで!」
花陽「ど、どうしたの、真姫ちゃん」
凛「喧嘩?」
真姫「違うわ、そうじゃなくて……、穂乃果、練習後ちょっと付き合って」
穂乃果「う、うん」
穂乃果(その時の真姫ちゃんは、なんだか怖かったけど、怯えてるみたいだった) ちょうど一日班長のループ回読んでたからタイムリーだ 穂乃果(音楽室、真姫ちゃんといえばここだよね)
穂乃果「真姫ちゃん、それでどうしたの?さっきのは……」
真姫「時間を巻き戻してるって、さっき言ったわよね」
穂乃果「え、あれは冗談というか……」
真姫「本当?」
穂乃果「だってそんなことあるわけないじゃんー、嫌だなー」 真姫「じゃあ、この曲、わかる?」
〜♪〜♪
穂乃果「これは……、不思議だね、今の気持ち……」
穂乃果「……あれ、なんだっけ、この曲」
真姫「やっぱり歌えるのね」
穂乃果「なんか聞いたことあるというか……」
真姫「どこで?」
穂乃果「え、えっと……」
真姫「これはね、これから作られる曲、私たちが作る曲」 穂乃果「これからって……、何言ってるの?真姫ちゃん」
真姫「私たち、ループしてるのよ、同じ期間をずっと」
穂乃果「る、るーぷ?……え、えええ!?」
真姫「とりあえず説明するけど、ちょっと聞いてる?」
穂乃果「聞いてるけど、あの、これってドッキリとか……」
真姫「こんなドッキリ、クオリティ低すぎるわよ」
穂乃果「だ、だよね」 穂乃果「と、とりあえず私だけじゃ頭こんがらがっちゃうというか……」
凛「話は聞かせてもらったにゃ!」
穂乃果「……凛ちゃんかぁ……」
凛「ちょっと!その反応はひどい!」
真姫「珍しいわね、花陽と一緒じゃないなんて」
凛「2人の様子が気になって……、それに凛もさっき話してた時に違和感というか……」
真姫「まあいいわ、人数は多いに越したことはないもの」
穂乃果「それで、ループって……」 真姫「つまり、ある時点まで時が流れるとそこから今年の4月まで巻き戻ってるのよ」
凛「ある時点って、やっぱり来年の3月?」
真姫「正確には……」
穂乃果「ニューヨーク?」
凛「全国のスクールアイドルと路上ライブ?」
穂乃果「またまたー」
凛「流石にそれは騙されないにゃ」
真姫「本当だってば!」 穂乃果「なんで私たちがそんなところに行ったり、大掛かりなライブが出来るの?」
真姫「ラブライブ優勝したからよ」
凛「なるほどー」
穂乃果&凛「えええええ!?」
穂乃果「ゆ、優勝!?優勝するの、私たち!?」
凛「す、すごい!やったあ!」
真姫「あああ!もう、うるさい!」
穂乃果「え、えーと、じゃあその路上ライブ終わった後に4月に戻されると」
真姫「ええ、入学式の朝になってるわ」
凛「全然気付かなかったにゃ……、あれ?でもなんで真姫ちゃんはそれを知ってるの?」 μ's終わっちゃうもんね…そういやそんな題材の同人あったわ 真姫「わからないわ、最初はぼんやりだったけど、何か忘れてるような気がして」
真姫「それで忘れないようにって願い続けたらだんだんループしても記憶がはっきりするようになったってところかしら」
穂乃果「真姫ちゃんすごーい……」
凛「ちなみにループって何回くらいしてるの?」
真姫「私が覚えてる限りは4回よ」
穂乃果「よっ?!」
凛「じゃあ凛たちもう20歳近いの!?」 真姫「そうね、もしかしたらもっとループしてるかも」
穂乃果「はわわ……」
凛「そんなことって……」
真姫「ただ、最初は私しか気付いてないみたいだったけど、だんだん皆覚えてるようになってきたみたいね」
凛「それで思い出がおかしなことに……、よーし、まずは原因を探さないとだね!」
真姫「どうして?」
凛「だって早くこのヘンテコな状態から抜け出さないと」
真姫「……」
穂乃果「ねえ、真姫ちゃん」
真姫「なに?」
穂乃果「真姫ちゃんはループに早くに気付いたのに、誰にも今まで何も言わなかったの?」
真姫「そうね」
穂乃果「……それは、なんで?」 凛「穂乃果ちゃん?……真姫ちゃん?」
真姫「……」
穂乃果「真姫ちゃん?」
真姫「……ループを抜け出す必要なんてある?」
穂乃果「な、何言って……」
真姫「ループを抜け出したら私たちバラバラになっちゃうのよ?」
穂乃果「そ、そりゃ、絵里ちゃんたちは卒業しちゃうし……」
真姫「μ’sもおしまいになるのよ?」
凛「あ……」
穂乃果「まだ、そんな先のこと考えてなかったけど、そっか、そう、だよね……」
真姫「ループすればずっと楽しい毎日なの、ずっとずっと、皆一緒にいられる」
穂乃果「で、でも!」
真姫「穂乃果を呼んだのは共犯者でいてもらうため、気付いてもループを受け入れるように」
穂乃果「真姫ちゃん、皆と別れるのは確かに寂しいけど、こんな状態はおかしいよ!」
真姫「最初は私だっておかしいって思ったけど、でもループして4月に戻った時に……」
真姫「良かったって思ったの」 凛「良かったって……」
真姫「先の見えない未来は来ない、また楽しい毎日が送れる、……ね、わかるでしょ?」
穂乃果「ま、真姫ちゃん……」
真姫「別れても、また会える、それがわかってる、素晴らしいことよ」
凛「真姫ちゃん、変だよ!そんなの!」
真姫「わかってるわよ!そんなこと!」
真姫「……それでも、μ’sが終わらないこの世界が私は嬉しいの」
穂乃果「真姫ちゃん……」 真姫「だからお願い、この先のことをちゃんと教えるわ、上手く立ち回って、それで……」
穂乃果「真姫ちゃん、私は未来がわかったらきっと違うことをやるよ」
真姫「だ、ダメよ、そんなことしたら」
穂乃果「先がわかってるなんて、そんなのつまらないよ、私はそんなつまらないことはしたくない」
真姫「……そう、やっぱりあなたはいつもそうなのね」
穂乃果「どういう……」
真姫「私がこの話を穂乃果にするのは2度目」 穂乃果「2度目……」
真姫「前回のループでも話したのよ、でもあなたは同じことを言った」
真姫「……本当に困った人ね」
穂乃果「……前回断った私はその後どうしたの?」
真姫「それは……、あ、あれ?前回その後……」
凛「真姫ちゃん……?」 真姫「お、おかしいわ、私は記憶を維持できるのに、え、え……」
穂乃果「ま、真姫ちゃん!しっかり!」
真姫「い、いや、消え……っ」バタ
穂乃果「真姫ちゃん!真姫ちゃん!」
穂乃果(急に苦しみだして倒れた真姫ちゃんが次に目を覚ました時)
真姫「……あなた、誰……?」
穂乃果(私たちとのすべての記憶が消えていた)
一章終わり 真姫「あなたたち、そんな嘘で騙されるほど私は馬鹿じゃないんだけど?」
穂乃果「本当だってば!」
真姫「スクールアイドルのくだりはまだしも、何よループって!意味わかんない!」
凛「あー!さっきの真姫ちゃんに言ってやりたいにゃ!」
穂乃果「でも困ったよ……、これじゃ……」
凛「なんで真姫ちゃんの記憶が急に……」 真姫「その、100歩以上譲ってとりあえず今の話が本当だったとして」
穂乃果「うん」
真姫「考えられるのが、さっきまでの1つ私は本当のことを言ってた、2つ嘘を言っていた」
凛「真姫ちゃん、嘘はよくないよ」
真姫「待って、3つ私自身も勘違いしてた」
穂乃果「勘違い?」
真姫「そう、私は願ったら記憶を維持できるって言ったのよね?」
凛「うん」
真姫「それが勘違いだったら?」
穂乃果「維持出来てなかったってこと?」
真姫「そこじゃないわ、願ったらってとこ」 凛「えーと、つまり?」
穂乃果「願ったから記憶が維持出来たんじゃなくて……、別の誰か……?」
真姫「そう、とんでも設定だから言うけど、記憶を操作してる人がいる、ってこと」
凛「え、えすえふにゃ……」
真姫「私も言ってて馬鹿みたいだけど、それなら納得はできるわ」
穂乃果「じゃあさっきのは、誰かが真姫ちゃんの記憶を消した?」
真姫「ええ、理由は不明だけど」
凛「でも、なんで凛たち無事なの?」
穂乃果「確かに……」
真姫「細かいことはわからないけど、さっきの会話で何かおかしいなこと言ってる人はいなかった?」
穂乃果「うーん……」 真姫「例えば、その会話になった発端になったのは?」
凛「暑いって言い出して……、あれそれって」
穂乃果「私だ」
真姫「あのねぇ……」
穂乃果「冗談冗談、えっと、何かおかしいって言いだしたのは、……ことりちゃん」
凛「でも、ことりちゃんはおかしいって言ったから違うんじゃ」
真姫「何にせよ、話は聞いた方がいいんじゃない?」
穂乃果「そうだね、じゃあ明日にでも」
真姫「待って、せっかくだから……」 翌日
穂乃果「今年の夏も暑いねー……」
にこ「溶け……、って昨日も同じこと言ってるじゃないのよ」
穂乃果「そうだっけー?」
海未「だらしなすぎます……」
穂乃果「でもしょうがないよー、毎日暑いんだから」
花陽「連日猛暑だもんね……」
希「部室でのんびりしたい気持ちもわかるなー」
絵里「そんなこと言わずに練習行くわよ」 穂乃果「海行きたいよー」
にこ「海ならこの前行ったばかりでしょ」
穂乃果「行ってないよー、何言ってるのさー」
にこ「あのね、合宿で散々……、合宿って今年よね、うん」
希「にこっちまでどうしたん?」
にこ「なんでもないわよ」
真姫「ほら、穂乃果せ、っと、穂乃果、おかしなこと言わずにしっかりしてよね」
凛「そうだよー」 穂乃果(これで、あとは……)
ことり「あ、あの、穂乃果ちゃん、さっきのって……」
穂乃果「ことりちゃん」
ことり「もしかして穂乃果ちゃん、海に行ったこと本当に忘れて……」
真姫「大丈夫よ、えーっと、ことりでいいのよね?」
ことり「真姫ちゃん……?」
穂乃果「私は忘れてないよ、だから安心して、ね?海未ちゃん、花陽ちゃん」
ことり「え?」
海未「よくわかりましたね」
花陽「……」 穂乃果「最初はことりちゃんかと思ったんだけどね」
穂乃果「昨日のあのやりとり、あれってわざとだよね?」
凛「同じ合宿の話してるのに希ちゃんは誰とどこで枕投げしたかはよくわかってないのに」
穂乃果「2人だけ思い出を共有してるような話し方だったからね」
海未「焦り過ぎましたね」
穂乃果「あれで、同調する人を探してたんだよね、きっと」 ことり「あ、あの一体何が……」
花陽「そ、それはその……」
穂乃果「それと私は記憶はちゃんとしてるよ」
真姫「2人が消したのは私の記憶だから大丈夫よ」
海未「消した……?」
花陽「え、な、なんのこと……」
真姫「とぼけないで!私は覚えてないけど、世界がループしてることを話した時に私の記憶を消したでしょ!」
ことり「る、ループ?記憶?」
凛「ことりちゃんには後で説明するにゃ」 海未「ま、待ってください、もしかして真姫も記憶がないのですか?」
真姫「ええ、μ’sとやらの記憶が一切ね」
花陽「え、そ、そんな、真姫ちゃんは一番覚えてる人だと……」
穂乃果「ま、待って、2人が記憶を消したんじゃないの?」
海未「なんですか、そのとんでも設定は!?」
穂乃果「あ、あれー……?」
ことり「ループ……、記憶……、そんなこと急に言われても……」
海未「なるほど、それで私たちが操作してると疑ったのですね」
穂乃果「ああ言えば出てくるかなーって」 真姫「えっと、海未と花陽、でいいのよね?」
花陽「うん、本当に覚えてないんだね」
真姫「昨日2人に情報叩き込まれたけどね、2人がどうも記憶があるらしいっていうのはなんとなく穂乃果が気付いたっていうから」
穂乃果「さっき言ったこともそうだけど、記憶がこんがらがってる割にはあんまり動揺してないというか」
凛「もし、記憶がこんがらがってたらことりちゃんみたいな反応するだろうって」
海未「なるほど」
花陽「確かに私たちはループの記憶があります……」 穂乃果「でも、記憶を操作したりとかは……」
海未「そんなこと出来るわけないじゃないですか」
真姫「じゃあなんで怪しい動きをしたのよ」
海未「それは、穂乃果も記憶が消えたりしたのかと……」
穂乃果「私も?ってことは……?」
海未「ええ、私ではなく花陽ですが」
花陽「私も一度記憶が消えたことがあって……」
穂乃果「い、いつ!?」
花陽「そ、その、えっと……」
海未「ダイエットの時です」 花陽「……///」
穂乃果「ダイエット?」
凛「そんなことしてたかにゃ?」
海未「あ、えっと秋に起きることです」
ことり「穂乃果ちゃーん、何が何だかだよー」
穂乃果「ご、ごめん、私もお手上げ」
真姫「だからって私を見ないでよ、もっとわかってないんだから」
海未「とにかく、穂乃果と花陽をダイエットさせてる時にですね」 穂乃果「待ったー!私もダイエット?!」
海未「はい」
穂乃果「太るの私!?」
花陽「うん」
穂乃果「あ……あ……」
海未「まあそこは置いておいて」
穂乃果「ええええ!?」
真姫「ちょっと、話が進まないじゃない」 海未「その時に穂乃果と花陽が運動中に隠れて店に入ってご飯を食べまして……」
穂乃果「海未ちゃん!さすがの私もそんなことしないよ!」
花陽「あ、あはは……」
海未「するんです!あなたは!」
ことり「まあまあ、それで?」
海未「その時に花陽が急に、海未先輩と言い出して」
花陽「その時、私はまだ皆と出会った時のことまでしか思い出せなくなってて……」
ことり「それで、気付いたってこと?」 海未「はい、私も記憶の違和感はあったのですが、花陽の話を聞いて確信しました」
穂乃果「じゃあ2人はそれからずっと?」
花陽「なるべく気付いてないふりをしながら過ごそうということに……」
海未「ええ、それで私たちのように記憶に何か変動があった方に声をかけていこうと……、それは最近なんですけどね」
ことり「最近?」
海未「ええ、さすがにこのループを抜け出したくなった、と言いますか……」
花陽「途中までは楽しかったの、でも……」
海未「毎回毎回感じる楽しいこと、悲しいこと、それが全部嘘のように感じて……」
花陽「辛くなっちゃったんです……」 凛「真姫ちゃんとは大違いにゃ」
真姫「ちょっと!その流れだと私悪人みたいじゃない!」
ことり「ま、まあまあ、真姫ちゃん落ち着いて……」
穂乃果「それで記憶が消えた様子の私に声をかけようとしたんだね」
海未「はい、ちなみにことりにもです」
ことり「わ、私?」
海未「そうです、ことりは、その、これまでで一番様子がおかしいのです」
穂乃果「どういうこと?」 海未「すでに何度かわからなくなったループで皆さんの記憶はかなり混濁してます」
花陽「多少の違和感とかがあって、それでだんだん思い出していくというか……」
海未「昨日ことりはあんな何気ない会話で違和感を感じてましたよね?」
ことり「う、うん、なんとなく……」
海未「実は、ことりは前回のループの時も同じことを言ってるんです」 ことり「えっ!?」
穂乃果「それは毎回じゃなくて?」
花陽「ループを疑うような会話まで同じなのはおかしいというか、その……」
海未「今回はもっと思い出していても、いえ、あんな会話まで違和感を感じるなら記憶がはっきりしているはずでは、と」
ことり「わ、私何も覚えて……」
花陽「それがことりちゃんが記憶を消えてるんじゃないかって疑ったところなのです」
海未「ことりはどこかのタイミングで記憶を、ただ花陽や真姫の場合と違ってうまく消えてると言いますか……」
真姫「私や、えっと花陽は大雑把に消されたのが、ことりは丁寧に消されたってことね」
海未「消されてるというのにはまだ疑問がありますが……」 穂乃果「でも昨日の真姫ちゃんの様子を見ると……」
凛「苦しんでて勝手に消えたという感じではなかったよね……」
海未「ですが、一体誰がなんのために……」
ことり「私なんだか怖くなってきたかも……」
真姫「ねえ、これって他のメンバーには聞かなくていいの?」
穂乃果「絵里ちゃん達も記憶があるのかな」
海未「おそらくまったくないというのことはないかと、ただそこまで記憶がはっきりしてる様子はないですね」
花陽「相談、した方がいいのかな」 真姫「よくわからないけど、あの3人は3年生なんでしょ?相談はした方がいいんじゃないの?」
穂乃果「うーん、いきなり話して信じてくれるかな?」
海未「ある程度違和感があるのであればおそらく……」
ことり「ね、ねえ、一旦ここにいるメンバーで話をまとめてみない?」
花陽「その方が話もしやすいかも」
海未「わかりました……、真姫、手伝ってくれますか?」
真姫「私?私は記憶が……」
海未「こういう時に冷静に話を聞いてまとめてくれるのはこの中なら真姫が適任ですから」
真姫「ま、まあいいけど……」
凛「真姫ちゃん照れてるにゃー」
真姫「照れてない!」 真姫「それじゃ、話をまとめると」
真姫「まずループの原因、これは今の時点ではまったく不明、ってことでいいわね」
海未「はい」
真姫「次に記憶について、おそらくループするとその前の1年の記憶は消えるのが前提で、何度も繰り返すうちに記憶が完全に消えなくなってる、これもいいわね?」
花陽「うん、大丈夫だよ」
真姫「記憶の残り方は個人差がある、と」 海未「そうですね、なぜ記憶がはっきりしてる方とそうでない方がいるのかは謎です」
凛「前の真姫ちゃんはすごいはっきりしてたにゃ」
真姫「そして、記憶は何かの原因でループ中でも急に消えることがある、今考えるのはここね」
海未「ええ、そこは未だにわかっていません」
真姫「この現象にあったとされるのは今のところ、私、ことり、花陽、この3人」
海未「私も含めて穂乃果や凛が消えてない可能性はゼロではありませんね」 穂乃果「私もどこかで消えてるのかなー」
真姫「そしてこれは人為的なのかどうか」
ことり「もし人為的なら、直接接触した人なのかなぁ?」
花陽「もし遠隔でも出来るならどうしようもないけど……」
海未「では仮に人為的で接触しないといけない場合を考えましょう」
穂乃果「え、それよりも不思議な力で消されたとか、遠隔で消されたとか考えた方がいいんじゃないの?」
真姫「それだと仮定が出来すぎるのよ」
海未「こういう時はまずは仮定が少ないものから潰す方がいいんです」
ことり「仮定が立てられなかったら人為的かつ接触したっていうのはあり得ないってことになるんだよね」
凛「なるほどー」 真姫「じゃあ、まず状況として私は穂乃果と凛と一緒にいた」
ことり「私はいつ消えたのか全然わからなくて……」
海未「自然に消されたと考えると接触してきても違和感のない相手かもしれませんね」
花陽「私はお店でご飯を食べていて……、そのあと海未ちゃんに見つかって……」
ことり「待って、花陽ちゃんって、確かその時」
ことり「一緒にご飯を食べてたのは」
花陽「それは」 海未「さて、そろそろ帰りましょうか、明日も練習ですし」
ことり「うんっ、疲れたねー」
穂乃果「明日くらい練習なしで遊ぼうよー」
真姫「ねえ、この人本当にリーダーなの?」
花陽「い、一応」
凛「そのはずにゃ」
穂乃果(私たちは何事もなく帰ることに、した)
二章終わり 記憶があったら絵里ちゃんが生徒会モードになれるわけないから… こういうSFネタ好きだわ、面白い
穂乃果ちゃんが不穏だがどうなる…… 数日後
絵里(やっぱりおかしい……、勘違いでも私の頭がおかしくなったわけでもない!)
絵里(急がないと……!)
絵里「希、大変よ!私たち!」
希「やっぱりエリチもなんやね、ちょうど呼ぼうと思ってたところ、ね、にこっち?」
絵里「にこ……?」
にこ「遅かったわね、絵里」
にこ「私たち3年生が頑張る時みたいよ」 62と63の間で穂乃果が真姫、海未、花陽、凛、ことりの記憶を消したな 絵里「じゃあ2人も記憶が……」
希「うん、数日前から徐々にね」
にこ「正直最初は混乱するし、頭痛はするし……」
絵里「私も自分がおかしくなったかと思ったんだけど……」
にこ「さすがに3人とも同じならこれは勘違いじゃないってことね」
絵里「そうね、なんとかしないと」
希「熱くなってるところ申し訳ないけど、ちょっとストップ」 にこ「何よ、盛り上がってるところに」
希「まず情報の整理からしないと、闇雲に動くことになるんやない?」
絵里「それもそうね……」
にこ「じゃあ絵里、話をまとめて」
絵里「わ、私が?」
にこ「だってあんた元生徒会長でしょ」
絵里「そんなこと言ってもそんなの何年も前というか、あ、でもこの段階だとまだ生徒会長……?」
希「まあなんでもいいけど、エリチよろしくね?」
絵里「わかったわ……」 絵里「まずはじめに私たちは何度も同じ期間をループしてる、正確には新学年の始まりからアキバでの路上ライブまで」
希「せやね」
絵里「そして今まではループするたびに記憶がリセットされていた」
にこ「そうね」
絵里「ただループする度に記憶のリセットが、その雑になって前のループをなんとなく覚えてることが多くなった」
絵里「そして、急にはっきりと記憶が戻った」
絵里「ここまでは大丈夫よね?」 希「うん、大丈夫」
絵里「他のメンバーの様子を見る限りだと、私たち以外は記憶が完全にリセットされている」
にこ「ええ、ちょっと前まで全員違和感あったみたいなのにね」
絵里「そして、どうやらそれが原因で私たちの記憶が戻ったと思われる、と」
希「おそらく、だけどね」
絵里「ここから完全に私の仮説だけど……」
絵里「記憶のリセットを無理にしたことで私たちの記憶が戻ったと思うだけど、それはどう?」 にこ「あー、もうさっさと結論でいいわよ、記憶完全に戻ってるなら答えも出てるでしょ」
絵里「え、ええ、でもまだ混乱してて……」
希「記憶のリセットは基本的にはループする時にされた、でも例外的にループ中に無理にリセットをしている……」
絵里「気になるんだけど、あの子は記憶あるのかしら、それとも同じように無くしてるのかしら……」
にこ「記憶があるなら大女優よ?……え、もしかしてあり得るの?」
希「うちは可能性としてはあると思ってるよ」
にこ「でも、何年もよ?それこそ気がおかしくなるんじゃ……」 絵里「どちらにせよ、慎重にいかないとね」
希「せやね、気をつけないとまたリセットされる可能性もある」
にこ「でも確かめないと仕方ないでしょ、何年も同じことやらせて……、文句も言ってやらないと、それこそ気が済まないわよ!」
絵里「作戦を立てましょう、全員の記憶が消えたら意味がないもの」
希「それにまだわかってないこともあるしね」
にこ「何かあった?」 希「んー、キリがないんだけど……、一番は方法やね」
絵里「どうやって記憶を消してるかってことね」
希「そ、直接触れるのか、それとも念じるだけなのか、距離は?対象は?」
にこ「確かに、もし遠距離でも出来るなら厄介……」
希「ま、そうは言っても直接会ってみるしか今のところどうしようもないんやけどね」
にこ「結局それ?」
希「仕方ないやん?それだけうちらもわかってないことだらけなんだもん」
絵里「とにかく会いましょう、……穂乃果に」 やっぱり穂乃果ちゃんか……
>>62のシーン、ほんとゾクッとさせられるな 1年と言う瞬間をループしている、これぞモーメントリング!! 何気にここまで一人ひとりのキャラを掴んでいるSSは珍しいかも 屋上
穂乃果「うー、絵里ちゃん、暑いよー、なんで屋上……」
絵里「ごめんなさい、ちょっと2人で話したくて」
穂乃果「せめてこっちの日陰のとこにしようよー……」
絵里「ええ、そうね」 数十分前
絵里「穂乃果を屋上に呼んだわ」
にこ「私たちは部室で会話を聞いてるから」
希「通話ボタン切らないようにね?」
絵里「わかってるわ」
絵里(さて、どうなるか……) 現在
穂乃果「話ってなーに?」
絵里「えーと、最近穂乃果、様子がおかしいなって思うことない?」
穂乃果「え?うーん、ない、かな?」
絵里「初めてのことなのに一度やっとことあるなーとか」
穂乃果「あ、デジャヴってやつでしょ、ないかなー」
絵里「行ったことないのに、いったことあるまたいなことも?」
穂乃果「ないよー、あっても原因とかわからないんでしょ?」
絵里「まあ、そうね……」 >>112
修正
現在
穂乃果「話ってなーに?」
絵里「えーと、最近穂乃果、様子がおかしいなって思うことない?」
穂乃果「え?うーん、ない、かな?」
絵里「初めてのことなのに一度やっとことあるなーとか」
穂乃果「あ、デジャヴってやつでしょ、ないかなー」
絵里「行ったこともないのに、行ったことあるみたいなことも?」
穂乃果「ないよー、あっても原因とかわからないんでしょ?」
絵里「まあ、そうね……」 穂乃果「絵里ちゃんはあるの?」
絵里「……ええ、そうね、最近多いかしら」
穂乃果「おー、絵里ちゃん、預言者かも!」
絵里「起きてからわかることだからそれはないわよ」
穂乃果「話ってそのこと?」
絵里「それもあるけど、聞きたいことがあって」
穂乃果「なーに?」 絵里「穂乃果、数日前に3年生以外で何か話し合ってなかった?」
穂乃果「え?知らないよー」
絵里「大事な話とかしてなかった?」
穂乃果「してないよー、大事な話なら絵里ちゃん達も呼ぶよー」
絵里「それじゃあ、この前去年の夏に何してたかってゲームしたのは覚えてる?」
穂乃果「そんなことしたっけ?」
絵里「覚えてない?」
穂乃果「んー、やってないと思うけど……」 絵里「そう、例えばだけどそのゲームの時にまだ会ったこともない2人が同じ場所で同じことしてたって言ったらどう思う?」
穂乃果「え?……たまたまじゃなくて?例えば行った日が違うとか」
絵里「時間が巻き戻ってる、とか思わない?」
穂乃果「……巻き戻る?ど、どういうこと?」
絵里「……」
にこ「やっぱり記憶ないのよ」
希「んー、でもそれならどうやって記憶を消してるの?」
にこ「それはー……、その時に急に思い出すとか?」
希「それはちょっと無理やない?……あ、エリチが何か言う」 絵里「穂乃果、あのね、私たち同じ一年間をずっと繰り返してるのよ」
穂乃果「い、意味がわからないけど……、本当なら大変だよ!みんなに知らせないと!」
絵里「そうね、大変なの……、だから記憶がないふりはやめて、穂乃果」
穂乃果「……え?」 穂乃果ちゃんがはたしてどういう役回りになるのか……
にこのぞえり頑張れ 穂乃果「もー、絵里ちゃん何言ってるのさー」
絵里「穂乃果、最初にあなたに聞いたこと覚えてる?」
穂乃果「デジャヴの話でしょ?さすがにさっき話したことは覚えてるよ?」
絵里「そうね、それにしても穂乃果、よくデジャヴのこと知ってたわね?」
穂乃果「え?」
絵里「名称もそうだけど、原因はわかってないとか、興味でもあって調べたことがあったの?」
穂乃果「あ、あれ?えっと、なんかどこかで聞いたというか」
絵里「……あ、うっかりしてたわ、そう言えばこの前部室で話してたわね」 穂乃果「そうだよー!もうー、しっかりしてよ絵里ちゃん!」
絵里「どうしてそれを覚えているの?穂乃果?」
穂乃果「え……」
絵里「穂乃果にこの話をする前に1年生と2年生に同じ話をしたわ」
絵里「海未、ことり、花陽、凛、真姫、この5人はまったく覚えてなかったわ」
絵里「なぜあなただけ、覚えているの?」
穂乃果「……わ、わかんないよ、そんなの……」 絵里「穂乃果、あなたは記憶は消えてないどころか、すべて覚えているのよね?」
穂乃果「な、何のことか全然……」
絵里「少なくとも私はあなたが記憶を消していると思ってる、どうなの?」
穂乃果「……」
にこ「ちょっと、追い込みすぎじゃない!?」
希「……エリチ、まさかわざと……」 穂乃果「……本当に何もわからないよ……、記憶を消してるとか、そんなの……」
絵里「お願い、もうこのループは終わらせたいの、だから……」
穂乃果「ループって、なーに?」
絵里「だからそれは、……あれ、え……、っ、穂乃果っ、あなたっ!」
穂乃果「……」
絵里「や、やめっ、消さないでっ!っ……!!」
穂乃果「……」
穂乃果「あ、あれ?絵里ちゃん!どうしたの!しっかり!」
穂乃果「ど、どうしたんだろ……急に……」
穂乃果「……あれ?電話……、希……ちゃん……?」 部室
穂乃果「……いた」
希「来ると思ってたよ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「全部聞いてたんだよね、さっきの会話」
希「せやね」
穂乃果「そっか」
希(……穂乃果ちゃん、その顔は何……?笑ってる?怒ってる?悲しんでる?)
希(表情がまったく読み取れない……) 希「うちの記憶も消す、だよね……?」
穂乃果「そうだね、消さないとね」
希「随分あっさりやね」
穂乃果「そりゃ、消さないといけないってわかってるから、本当はあんまりしたくないんだけど」
希「記憶をどうせ消すなら聞いてもいい?」
穂乃果「なーに?方法とかなら教えられないよー?」
希「あなたは、本当に穂乃果ちゃん?」
穂乃果「それは、どういう意味かな?」 希「さっきの会話、うちは確かに聞いてた、それで思ったんだけど……」
希「途中まで話してた穂乃果ちゃんは本当に記憶を消すとかわかってないみたいだったってこと」
穂乃果「途中で偽物と入れ替わったって言いたいの?さすがの絵里ちゃんも人が入れ替わったら気付くんじゃないかなー」
希「そやね、さすがのエリチも目の前で人が入れ替わったら気付くと思う」
穂乃果「じゃあ……」
希「でも中身なら、気付かないかも」 穂乃果「じゃあ今の穂乃果は誰なのかな?海未ちゃん?ことりちゃん?」
希「そこまではうちもわからないかなー、ただ穂乃果ちゃんとはどうも思えないってことくらい」
穂乃果「残念でしたー、穂乃果は誰とも入れ替わってないよー」
希「それじゃあ、誰かが入ってるのかな、穂乃果ちゃんの中に」
穂乃果「……」
希「入れ替わったというよりも、ずっと一緒にいて、でも穂乃果ちゃんは気付いてない……」
希「μ’sのメンバーじゃない?それとも……」
穂乃果「消えて」 希「……」ドサッ
穂乃果「私は穂乃果なんだ、私は……」
穂乃果「……ん……、の、希ちゃん!?どうしたの、しっかりして!!」
穂乃果「ど、ど、どうしよう、救急車!?それとも保健室、は、夏休みだし、えっとー……」バタバタ
にこ「……」 数分前
希「これは穂乃果ちゃん来るね」
にこ「どうすんのよ!逃げる!?」
希「逃げてもずっと会わないわけにはいかないって」
にこ「でもそれじゃ!」
希「……とりあえずバレたのはうちだけ、わかるよね?にこっち」
にこ「え、……だ、ダメよ、そしたら記憶あるの私だけに!」
希「全滅するよりマシだって、消される前提でなんとか情報引き出して見るね」
にこ「で、でも……」
希「さ、早く隠れて、うちの骨は拾ってね」
にこ「笑えないのよ……」 現在
にこ(……あれは、穂乃果じゃない、何か別の……)
にこ(……あとは私がなんとかしないと) これ結構前に書いててくれたやつかな
何年も前の話だけど 穂乃果ちゃん(?)も怖いがにこちゃんなら何とかなる、頑張れ 数日後
海未「さあ、もうすぐ夏休みも終わりです、その前にたくさん練習をしましょう!」
穂乃果「そんなこと言っても暑いよー……」
希「もう少し涼しくなってからでもいいんじゃない?」
海未「そんなこと言ったら夜になってしまいますよ」
にこ「そうよ、ちゃんと練習するわよ」
凛「にこちゃんがこの暑いのにやる気なのは珍しいにゃ……」
真姫「今日って夕立の予報出てた?」
にこ「ぬぁんでよ!」 にこ「まったく……、よく考えたらこの夏は最後だもの」
にこ「来年もずっとこのメンバーでやりたいけどそれは出来ないから後悔しないようにしないとね」
ことり「そうだよね、来年は……」
絵里「……ほら、しんみりしてないで練習行きましょう?」
花陽「う、うん」
希「でも本当に今日夕立かもなー」
にこ「だから、ぬぁんでよ!」
穂乃果「……」 凛「今日も練習疲れたにゃー……」
海未「しかし、今日はしっかりと出来ましたね」
真姫「雨降らなかったわね」
にこ「まだ、それ言う!?」
穂乃果「ねえ、にこちゃん」
にこ「なに?」
穂乃果「ちょっと相談したいことがあるだけど……」
にこ「珍しいわね、なによ」
穂乃果「部室、残ってもらっていいかな?」
にこ「仕方ないわねー」
にこ(来た) にこ「それで何よ、相談って」
穂乃果「あー、えーと、にこちゃんがさっき言ってた、来年はこのメンバーじゃないって話なんだけど」
にこ「あれ?だってそうでしょ?」
穂乃果「わかってたけど、改めて聞くとなんかなーって」
にこ「なによ、柄にもなく寂しくでもなったの?」
穂乃果「うーん、まあそんな感じで……」
にこ「あのねぇ……」 穂乃果「あのさ、にこちゃん」
にこ「なによ?」
穂乃果「にこちゃんはさ、来年もずっと私たちと一緒にいたい?」
にこ「どういう意味?そりゃ、μ’sは楽しいし、それが出来ればね」
穂乃果「……そっか」
にこ「でも」
穂乃果「え?」
にこ「それは絶対無理なことでしょ?だからそんな話しても仕方ないわ」
穂乃果「……無理じゃないなら、どうする?」 にこ「どういう意味?」
穂乃果「……時間を戻したりとか、思わない?」
にこ「……そうね、それが出来たらいいわね」
穂乃果「……そっか、そうだよね、にこちゃんは、わかってくれるよね……」
にこ「ええ、もちろんよ」
穂乃果「……」ニヤ
にこ「……まあ、それでも私の知ってる穂乃果はそんなこと言わないでしょうけどね」 穂乃果「にこちゃん……?」
にこ「あの子はね、呆れるくらい前向きなのよ、何があってもね」
にこ「あんた、一体誰なのよ」
穂乃果「……なーんだ、にこちゃんも、記憶、戻ってたんだ、残念……」
にこ「そうよ、希の記憶を消した時も近くにいたから」
穂乃果「せっかく、にこちゃんとはもっと仲良く出来ると思ったのにな……」
にこ「それじゃ、私の記憶も消す?」
穂乃果「当たり前だよ、みんなに知られる前に……」 海未「知られる前に?ということは、今の状況ではどうするのですか?」
真姫「これ、本当にドッキリとか、お芝居じゃないのよね?」
希「さすがに今の穂乃果ちゃんの顔見たら、それはないかな」
穂乃果「な、何……、え……」
にこ「残念だけど、全員いるわよ?ここに」 もしここが落ちてもスレ立てて、今までの貼ったら続き書いてくれるかな >>192
8月中に終わらせると言ってくれてるので少なくともそれまでは保守を続けたい
でもそういう例があるのかはちょっと気になる >>194
前にやってた時は何人か書いてくれたよ
毎回じゃなくても書き手の目に止まればなんかしらレスくれてた感じ 前日
ことり「遅くなってごめんねー、あ、あれ?みんな?」
絵里「にこが大事な話があって一人で来てっていうから来たけど、この感じじゃ、全員呼んでたの?」
凛「まだ穂乃果ちゃんがいないにゃ」
海未「穂乃果待ちでしょうか?」
にこ「いいえ、これで全員よ」
花陽「穂乃果ちゃん以外を呼んだの?」
希「誕生日のサプライズパーティー?」
ことり「穂乃果ちゃんの誕生日この前やったばっかりだけど……」
にこ「そうじゃないわ、実は信じられないかもしれないけど、穂乃果が記憶を消してて……」 にこ「……という状況よ」
真姫「時間がループ?」
海未「私たちの記憶を消してる?」
絵里「穂乃果の中に穂乃果じゃないものがいる?」
希「にこっち、疲れてるの?」
にこ「あー!やっぱりこうなるの!?」
ことり「さ、さすがに……」
凛「ちょっと痛くないかにゃ……?」
花陽「り、凛ちゃん……」 にこ「もう……、はい、希」
希「ん?なにこれ?」
にこ「あんたが記憶消される前に書いて私に預けたものよ」
希「believe NICO……、確かにうちの字やね……」
真姫「真似して書いたんじゃなくて?」
希「この書き方といい、確かにうちが書きそうな……、え?まさか本当?」
にこ「だから本当だっての!」
ことり「え、え……」
海未「本当と言ってもいきなり信じろというのは……」
にこ「それはわかってるわ、でも確かだし、協力して欲しいことがあるの」
にこ「明日、穂乃果を呼び出すから……」 穂乃果「……みんな」
絵里「半信半疑だったけど」
ことり「今の穂乃果ちゃんの顔、見たらわかった……」
凛「穂乃果ちゃんじゃないにゃ!」
にこ「さあ、どうする?」
穂乃果「それはこっちのセリフなんだけど、みんなを集めて、それでどうするの?」 にこ「……」
海未「あの、私たちも聞いてませんがどうするんですか?」ヒソヒソ
にこ「……え、私も考えてないけど……」
花陽「ええー!?」
にこ「みんなで囲めばどうにかなるかなって……」
絵里「う、嘘でしょ、にこ……」
にこ「……にこにっこにー」
凛「あ、誤魔化したにゃ」 希「この人数を一気に記憶は消せない、違うかな?」
穂乃果「……」
真姫「確かに話を聞いた限りだと、もう記憶が消されてもおかしくないわよね」
希「3年生以外を消した時はうちらの記憶が戻った、やっぱり限界みたいなものがあるんやない?」
にこ「そ、そう、それよ」
穂乃果「……っ」
絵里「ループする時にくらいしか、多人数の記憶は消せない……、ってところかしら?」
海未「どうやら、図星みたいですよ」 穂乃果「……いい加減にしてよ……」
花陽「穂乃果ちゃん……?」
穂乃果「なんで!?みんなだってずっとこのままがいいんでしょ!?」
穂乃果「だから戻したんじゃん!記憶だって消してあげたのに!なんで!?」
にこ「ま、待った、それって……ループを望んだのは私たちってこと……?」
穂乃果「そうだよ!私はずっと聞いてたんだ、みんなの言葉、想い、ずっと!」
穂乃果「卒業なんてして欲しくない、μ’sを終わらせたくない、μ'sの曲をまだ作りたい……」 凛「……」
真姫「……」
にこ「嘘よ!私たちはちゃんと決めたはずよ、おしまいにするって、最後のライブで終わりって!」
穂乃果「そうだよ、でもみんなの中に残ってたんだよ、おしまいにしたくないって気持ちが」
花陽「……確かにそうなのかも……」
凛「かよちん?」
花陽「考えないようにしてたけど、μ’sはこの一年だけ……、そんなの嫌だなって……」 にこ「待ってよ、みんな確かにそうだった、でもちゃんと乗り越えて、決めたのよ……、だから……」
ことり「でも……、私たちは今は覚えてないよ……」
海未「……どこかで望んだ結果がこれだというなら……」
絵里「みんな、待って、落ち着いて」
穂乃果「……」ニヤ
希「ループを望んだらダメ!」
穂乃果「そう、みんなで望んで、時を巻き戻そ……、ダメだよっ」 絵里「え?」
穂乃果「な、なんで、そんな……、みんな!思い出して!あの時の気持ち!」
ことり「穂乃果……ちゃん……?」
穂乃果「出てくるなっ、出てこないでよっ!」
花陽「こ、これって……」
希「本物の穂乃果ちゃんが……」
穂乃果「限られた時間の中だから輝ける、それがスクールアイドルなんだよ!」 8って横にしたら無限だから。ループするから。
あ、だから「何度目かの夏」なのか!? なるほど、8月は永遠に続くから大丈夫だな
続き楽しみ にこ「あ、あんた、穂乃果で、いいのよね?」
穂乃果「うんっ、そうだよ!」
海未「な、何がどうなって……」
穂乃果「えっとー、この子はちょっと隅に行ってもらったから、私が出てこれたの!」
凛「さっぱりわからないにゃ……」
希「多分、穂乃果ちゃんの中にいた、もう一人の意識を押しのけて、本来の穂乃果ちゃんが出てこれたってことかな?」
穂乃果「そんな感じ!」 真姫「よくまとめたわね……」
絵里「穂乃果、良ければわかる範囲で説明して欲しいことだらけなんだけど……、状況は理解できてるのよね?」
穂乃果「うん、ずっと話も聞いてたし、私も記憶が今は戻ってるから」
花陽「穂乃果ちゃんも記憶が消えてたの?」
穂乃果「うん、最初は消してもらってた……んだけどね……」
ことり「消してもらってた……?」
穂乃果「うん……」
穂乃果「始まりは、私だったから」 夏が来る〜
いつの夏が来る〜
真っ白な悪魔に乗った〜
お〜ジサマが〜
なんでやねん! 穂乃果「最初はね、少し思っただけなの、みんなで路上ライブをしたあの後」
穂乃果「まだ、終わりにしたくない、お別れしたくないって……」
穂乃果「そしたらあの子が言ってきたの、終わらせないことができる、私が協力すればそれができるって」
絵里「それで時が戻った……」
穂乃果「最初は嬉しかった、でも、次第に私の記憶が消えて、また思い出して……、怖くなってやめてって言っても、もう遅くて……」
にこ「結局なんなのよ、その記憶を消したり、時間を戻したり……」
穂乃果「みんなの意思、って言ってた、終わりにしたくないって思いが少しずつ少しずつ大きくなって……」
海未「では原因は私たち……?」 穂乃果「えーと、それも違うみたいで……」
希「多分、μ'sをおしまいにしたくないっていう人達がたくさんいたんじゃないかな、それこそ、あの最後のライブでそれが一気に増えて……」
穂乃果「うん、あの子はたくさんの願いが生み出したって自分で言ってた」
ことり「でも、そんな目に見えないような力どうすれば……」
凛「穂乃果ちゃんから追い出せばいいにゃ!」
花陽「でも、どうやって……」
穂乃果「終わらせる方法はあるよ、今なら出来る……」
真姫「じゃあさっさとそれで終わりにしましょう?」 海未「……その方法は、穂乃果、あなたは特に何も影響ないのですよね?」
穂乃果「……」
絵里「っ、ダメよ!それは絶対に!」
穂乃果「あの子は私の中にいるから、このまま私が消えればきっとループは終わる……」
ことり「き、消えるって……」
穂乃果「あの子と一緒に何年もいて、どうすればいいかわかったんだよ、多分これしかない……」
にこ「ダメに決まってるでしょ!消えるって何よ!あんた、自殺でもする気!?」
穂乃果「えっとね、あの子の不思議な力が少しは使えるから、私をこの世界から消すの、存在がなかったことになるみたいな……」
にこ「なかったことに……?」
穂乃果「最初からいなかったことになるから、ほら、みんな寂しくなんてないんじゃないかな?」 海未「ふざけないでください!そんなの!そんなわけっ!」
穂乃果「でも、このままじゃ、私たちずっとこのままだから」
真姫「何か他の方法くらいあるわよ!」
花陽「そんなにすごい力なら、その子だけ消すとか、出来ないの……?」
穂乃果「一応何度か試したんだけど、無理だった、私と一緒にいすぎたみたい……、あはは」
希「あははって……、待って、絶対何か方法があるはずだから!」
ことり「穂乃果ちゃん、嫌だ、嫌だよお……、消えるなんて嫌!」 穂乃果「でも、消えないと、ずっとずっとこのままだよ?ずっとずっと大人にもなれないまま……」
凛「穂乃果ちゃんがいなくなるなら、そんなの、そんなの意味ないよ!」
穂乃果「大丈夫だよ、きっと私のことも忘れちゃうと思うから……」
海未「それが嫌なのです!穂乃果のことを忘れるなんて……、いなかったことになるなんて……」
穂乃果「でも、他に方法はないよ?」
ことり「それなら、それなら、私はこのままでいいよ……、ループでもなんでも穂乃果ちゃんがいる世界がいい……!!」 穂乃果「だ、ダメだよ!そんなの!」
絵里「……そうね、選ばないといけないわ、穂乃果がいないけど通常の世界か、穂乃果がいるけど異常な世界か……」
海未「それは!それを選ぶことは……」
穂乃果「悩む必要なんてないよ!みんな将来なりたいものたくさんあるでしょ!?」
穂乃果「みんなの夢は知ってるよ!?何度も何度も繰り返してきたんだから!」
ことり「でも、穂乃果ちゃんがいないなんて、そんなのっ……」
穂乃果「やめようよ!私はもう、消えるのは覚悟出来てるから!だから!」
にこ「私たちは出来てないのよ!」 穂乃果「っ……」
にこ「わかりなさいよ……、こんな数分で出来るわけないでしょ……」
穂乃果「ごめん……、でも、本当に時間が……」
ことり「私は嫌だよ!穂乃果ちゃんのこと忘れて、穂乃果ちゃんがいないなんて嫌!」
花陽「わ、私も、嫌です……、穂乃果ちゃんがいないのは……、そんな、つらくて、悲しいことは……」
凛「凛も、穂乃果ちゃんと一緒の世界がいいよ、きっとまた別の方法が見つかるかもっ!」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「……確証なんてないのよ?」
凛「真姫ちゃん?」 真姫「ごめんなさい、私は……、ちゃんとした世界に戻したい」
にこ「ちょっと何言ってるのよ!」
真姫「にこちゃんは、穂乃果存続派なのね」
にこ「そんなの当たり前でしょ!?穂乃果よ!?私たちは穂乃果がいたから」
真姫「わかってる!そんなこと、穂乃果が私のこと見つけてくれなかったら、きっと……」
絵里「ごめんなさい、真姫、あなたに辛いこと言わせて」
希「あとは任せて?」 絵里「穂乃果の存在が大きいことはわかってるわ、でも一番怖いはずの穂乃果が、私たちのために、みんなのために決断してくれたのよ?」
希「うちらは、穂乃果ちゃんの意思を尊重する」
にこ「おかしいわよ!そんなの!そんな……」
ことり「海未ちゃん……、海未ちゃんは、どう思ってるの?」
海未「……私は……」
穂乃果「……」
海未「……穂乃果のことです、どうせもう譲らないんでしょう?」
穂乃果「……うん」
海未「……いつも勝手なんですから……」
穂乃果「ごめんね、海未ちゃん」 海未「私は忘れません、きっと……、きっと」
穂乃果「海未ちゃん……、ありがとう」
絵里「……みんなのも、いいわよね?」
にこ「……」
穂乃果「ごめんね、にこちゃん」
にこ「もういいわよ……、私も忘れない、忘れたとしても思い出すから……」
穂乃果「うん……」
希「それじゃあ……」
ことり「……って」
花陽「ことり、ちゃん……?」
ことり「待ってよ!私は嫌!穂乃果ちゃんが消えるなんて絶対に嫌!」 海未「ことり……、でもこれは穂乃果の決断で……」
ことり「わかんないよ!消えるって、いなくなるって死んじゃうのと変わらないよね、死んじゃう決断をみんなは認めるの!?」
絵里「それは……」
ことり「ダメだよ、そんなの……」
海未「ことり、穂乃果は私たちのために決断してくれて、それを止めるのは……」
ことり「穂乃果ちゃんの犠牲で、私は大人になんかなりたくないよ!それならずっとこのままでいい!おかしな世界でいいよ!」
穂乃果「ことりちゃん……」
ことり「穂乃果ちゃんだからじゃない、私たちが、μ'sの誰かが死んじゃうなんて嫌だよ……」
海未「……ずるいです」
ことり「……海未ちゃん?」
海未「そんなこと言われたら、みんな嫌に決まってるじゃないですか……!」 真姫「私だって!私だって……」
花陽「死んじゃうなんて、嫌……」
希「……考えないように誤魔化したけど、やっぱり無理だね」
絵里「……穂乃果の意思は反しちゃうけど、ね」
穂乃果「みんな……、でも、このままじゃ……」
穂乃果「……」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「消えて」
海未「」
穂乃果?「……」 iOS更新してからtwinkleがおかしくなってなかなか書き込めない状況でした
次の更新で最後になると思います 穂乃果「……真っ暗、ここどこだろ、私……、消えちゃったの……?」
???「……そう、私と一緒に消えたよ」
穂乃果「そっか……」
???「驚かないんだ」
穂乃果「ん?あれ?私何もしてないよね?」
???「……そう、何もしてないよ」
穂乃果「もうこれでループはしないの?」
???「……」
穂乃果「ねえ、答えてよー」
???「……」 にこ「溶けるにこ……」
海未「夏が暑いのは仕方ないのですから、ほらしゃんとして」
希「まあ、確かにこの暑さじゃねー」
真姫「熱中症間違いなしね」
絵里「とは言っても冷房完備のスタジオなんてものはないんだから、さ、行きましょう?」
ことり「んー、あれ?」
花陽「ことりちゃん、どうしたの?」 ことり「……あれ?」
凛「……なんか、おかしいよね?」
にこ「だから、どうしたのよ、ってか凛までなんなの?」
真姫「またデジャヴとか言わないでよ?」
海未「いない……、誰かがいない……?」
花陽「……誰かが?」
絵里「いない……?」
凛「凛、かよちん、真姫ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん、にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん……、あれ?」
ことり「全員、いる、よね……?」 花陽「間違いなく……、全員?」
凛「全員……?」
希「……真姫ちゃん、さっき、またデジャヴって言ったけど、あれはどういう意味?」
真姫「だから、この前も……、あれ?」
にこ「な、なによ、これ、なんだか大事なことを忘れて……」
絵里「どうしたのかしら、急に……」 穂乃果「みんな、穂乃果のこと忘れちゃったの?」
???「そう、忘れたよ」
穂乃果「……なんか寂しいね」
???「望んだのはあなた」
穂乃果「それでもやっぱり寂しいよ」
???「ならやめれば良かったのに、ずっとあのままで」
穂乃果「あのまま……」
???「きっとあなたたち9人が一番輝いてた時を繰り返す、なにが嫌だったの?」 穂乃果「私も最初は戻れて嬉しかった、でもね」
穂乃果「……みんなの可能性を消したらダメなんだって気付いた」
???「可能性?」
穂乃果「うん、これから先もっともーっと素敵なことが待ってるかもしれないのに、それを勝手に消したらダメなんだよ」
???「もっと素敵かなんて、そんなことわからないのに?」
穂乃果「わからないからいいんだよ!廃校阻止も、ラブライブ優勝も、わからないから、だからあんなに楽しかったんだよ!」
???「……」
穂乃果「これからのこと、確かに怖かったり不安だったりするけど」
穂乃果「それでも今を、これからを精一杯頑張りたい!」
???「……」 凛「なんだか、すごい大事なこと忘れちゃってる気がするにゃ……」
希「うん、とっても大事な、大事なこと……」
真姫「忘れちゃってるなら大事じゃないのよ、きっと」
花陽「真姫ちゃん……?」
真姫「何よ」
花陽「泣いてる……」
真姫「え?な、なんで……」
ことり「私もなんだかすごく悲しい、何を、何を忘れてるの……?」
海未「……大事な人が確かに……」
絵里「にこ?どうしたの?」
にこ「……海未、これ新しい歌の歌詞?」
海未「え?……なんでしょう、確かに私が書いたような……、でもこんな歌詞は作った覚えが……」 穂乃果「私のことは忘れても……、みんなが将来の夢を叶えてくれたらそれで私はいい」
???「本当に?」
穂乃果「え?」
???「本当にそれでいいの?」
穂乃果「……」
???「あの中にあなたはいなくていいの?」
穂乃果「……っよ……」
???「……」
穂乃果「嫌だよっ、嫌だ、私もみんなと……っ……」
???「……私はみんなに喜んでもらえると思った、これがμ'sにとって一番いいことって」
???「でも、今みんなが泣いてるなら……、間違いだったんだね」
???「……みんなを信じてみようか」 絵里「この歌詞がどうかしたの?」
にこ「……これ、私たちの名前なのかしら」
花陽「希、星空、花、にっこり……あ」
凛「凛だけ名字にゃ……」
真姫「そこはいいでしょう、別に……」
ことり「本当だ、ことりも、海未ちゃんも、絵里ちゃん、真姫ちゃん……」
海未「まったく作った覚えがないのですが……、確かに名前と対応した歌詞のところに丸までしてますね」 希「でもこれ最初と最後が抜けてるね」
にこ「……なんとかな予感から始まり……」
絵里「Nonono……なんとかが、最高……?」
花陽「これ、もしかして」
凛「凛たちが忘れてることと関係あるんじゃ!」
ことり「じゃあ……、ここに誰かの名前が……?」
真姫「でも、どっちに?」
凛「やっぱり締めの最後かにゃ?」
海未「いえ、最初です」
にこ「なんで言い切れるのよ」
海未「私ならそうします」
絵里「説得力あるわね……」 希「最初が名前ならなんで最後も抜けてるん?」
花陽「……が最高、何が最高なんだろう……」
凛「夢!」
にこ「アイドル!」
絵里「もっと前の文脈から考えないと……」
ことり「曲がないと何文字かもよくわからないね……」
凛「真姫ちゃん曲入れて!」
真姫「無茶言わないでよ!」
ことり「……ことりの翼がついに大きくなって……」
花陽「旅立ちの日だよ……」 凛「な、なんで歌えるの?」
花陽「なんだか、なんとなく……」
真姫「……〜♪〜♪……私ならこうする」
にこ「……これ……」
海未「遠くへと広がる海の色暖かく〜♪」
希「夢の中で描いた♪」
絵里「絵のようなんだ、切なくて♪」
真姫「時を巻き戻して♪」
凛「みるかい♪」
にこ「Nonono〜♪」
「今が最高!」 海未「今、……そうでした…….」
真姫「これは私たちが最後に歌うための……」
凛「なんで忘れてたんだろう……」
花陽「……答え、簡単だったね」
希「せやね、もう答えは」
にこ「これしかないわね」
絵里「じゃあ最初も、もう良いわよね?」
ことり「うんっ、せーの!」
「ほのか!!」
穂乃果「!」 バタン ゴロゴロ
穂乃果「痛たた……」
海未「ほ、穂乃果!?」
にこ「あんた、ずっとロッカーにいたの!?」
穂乃果「ロッカー?あ、あれ?」
花陽「何かの、ドッキリ……?」
穂乃果「お、おかしいな……」
凛「暑いからってそんなところに隠れちゃダメにゃ……」
穂乃果「隠れてたわけじゃないよ!」
真姫「隠れないでなんでロッカーから出てくるのよ……」 希「あれ?……さっきまでここに」
絵里「どうしたの?」
希「歌詞があったような……」
ことり「歌詞……?あれ?そういえば何の話してたんだっけ?」
海未「確か……」
穂乃果「暑いから練習やめようって話だよ」
凛「そうにゃそうにゃ」
絵里「してません、これから練習って話ね」
海未「懲りないですね……」 にこ「諦めて練習いくしかないわね……」
絵里「そうよ、笑っても泣いてもこの夏は一度きりなんだから、後悔しないようにいくわよ」
希「えりち、やる気満々やん」
花陽「凛ちゃん行こ!」
凛「かよちんもやる気にゃー!」
真姫「さっさと行きましょうよ」
にこ「仕方ないわねー」
ことり「穂乃果ちゃん?」
海未「穂乃果、いい加減観念してください」
穂乃果「……そっか、みんなとの夏は今回だけだもんね……」 海未「何を当たり前な……、宿題が終わってないからもう一度やりたいなんて言わないでくださいよ?」
穂乃果「言わないよ!だって今が最高だもん!」
「なんですかそれは……」
「なんか歌詞になりそうだねー」
「次の作詞穂乃果かな?」
「あり得ません」
「ひどいよー!!」
バタン
???「……今が最高」 以上で終わりです。
なんとか9月中終わらせました。
長い間保守していただきありがとうございました。 完結おつ!!
最後まで楽しく見させてもらったよー!ありがとねー! SFミステリみたいで、真相を徐々に明かしていく見せ方が上手いからすごく面白かった
未来の可能性を信じるって決着も好き
いいSS読めたよありがとう >>197
流れ的に返信できなかったから凄い亀になったけどありがとうございます
そういう方法できるの知れて良かった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています