0001名無しで叶える物語(やわらか銀行)2019/07/28(日) 11:09:46.50ID:0dEeHyL0
穂乃果「今年の夏も暑いねー……」
にこ「溶けるにこ……」
海未「夏が暑いのは仕方ないのですから、ほらしゃんとして」
希「まあ、確かにこの暑さじゃねー」
真姫「熱中症間違いなしね」
絵里「とは言っても冷房完備のスタジオなんてものはないんだから、さ、行きましょう?」
ことり「んー、あれ?」
花陽「ことりちゃん、どうしたの?」
ことり「なんだか、この会話、去年もしたような……」
穂乃果「だ、ダメだよ!そんなの!」
絵里「……そうね、選ばないといけないわ、穂乃果がいないけど通常の世界か、穂乃果がいるけど異常な世界か……」
海未「それは!それを選ぶことは……」
穂乃果「悩む必要なんてないよ!みんな将来なりたいものたくさんあるでしょ!?」
穂乃果「みんなの夢は知ってるよ!?何度も何度も繰り返してきたんだから!」
ことり「でも、穂乃果ちゃんがいないなんて、そんなのっ……」
穂乃果「やめようよ!私はもう、消えるのは覚悟出来てるから!だから!」
にこ「私たちは出来てないのよ!」
穂乃果「っ……」
にこ「わかりなさいよ……、こんな数分で出来るわけないでしょ……」
穂乃果「ごめん……、でも、本当に時間が……」
ことり「私は嫌だよ!穂乃果ちゃんのこと忘れて、穂乃果ちゃんがいないなんて嫌!」
花陽「わ、私も、嫌です……、穂乃果ちゃんがいないのは……、そんな、つらくて、悲しいことは……」
凛「凛も、穂乃果ちゃんと一緒の世界がいいよ、きっとまた別の方法が見つかるかもっ!」
花陽「凛ちゃん……」
真姫「……確証なんてないのよ?」
凛「真姫ちゃん?」
真姫「ごめんなさい、私は……、ちゃんとした世界に戻したい」
にこ「ちょっと何言ってるのよ!」
真姫「にこちゃんは、穂乃果存続派なのね」
にこ「そんなの当たり前でしょ!?穂乃果よ!?私たちは穂乃果がいたから」
真姫「わかってる!そんなこと、穂乃果が私のこと見つけてくれなかったら、きっと……」
絵里「ごめんなさい、真姫、あなたに辛いこと言わせて」
希「あとは任せて?」
絵里「穂乃果の存在が大きいことはわかってるわ、でも一番怖いはずの穂乃果が、私たちのために、みんなのために決断してくれたのよ?」
希「うちらは、穂乃果ちゃんの意思を尊重する」
にこ「おかしいわよ!そんなの!そんな……」
ことり「海未ちゃん……、海未ちゃんは、どう思ってるの?」
海未「……私は……」
穂乃果「……」
海未「……穂乃果のことです、どうせもう譲らないんでしょう?」
穂乃果「……うん」
海未「……いつも勝手なんですから……」
穂乃果「ごめんね、海未ちゃん」
海未「私は忘れません、きっと……、きっと」
穂乃果「海未ちゃん……、ありがとう」
絵里「……みんなのも、いいわよね?」
にこ「……」
穂乃果「ごめんね、にこちゃん」
にこ「もういいわよ……、私も忘れない、忘れたとしても思い出すから……」
穂乃果「うん……」
希「それじゃあ……」
ことり「……って」
花陽「ことり、ちゃん……?」
ことり「待ってよ!私は嫌!穂乃果ちゃんが消えるなんて絶対に嫌!」
海未「ことり……、でもこれは穂乃果の決断で……」
ことり「わかんないよ!消えるって、いなくなるって死んじゃうのと変わらないよね、死んじゃう決断をみんなは認めるの!?」
絵里「それは……」
ことり「ダメだよ、そんなの……」
海未「ことり、穂乃果は私たちのために決断してくれて、それを止めるのは……」
ことり「穂乃果ちゃんの犠牲で、私は大人になんかなりたくないよ!それならずっとこのままでいい!おかしな世界でいいよ!」
穂乃果「ことりちゃん……」
ことり「穂乃果ちゃんだからじゃない、私たちが、μ'sの誰かが死んじゃうなんて嫌だよ……」
海未「……ずるいです」
ことり「……海未ちゃん?」
海未「そんなこと言われたら、みんな嫌に決まってるじゃないですか……!」
真姫「私だって!私だって……」
花陽「死んじゃうなんて、嫌……」
希「……考えないように誤魔化したけど、やっぱり無理だね」
絵里「……穂乃果の意思は反しちゃうけど、ね」
穂乃果「みんな……、でも、このままじゃ……」
穂乃果「……」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「消えて」
海未「」
穂乃果?「……」
iOS更新してからtwinkleがおかしくなってなかなか書き込めない状況でした
次の更新で最後になると思います
0277名無しで叶える物語(しうまい)2019/09/27(金) 05:03:40.90ID:phywRRY4
保守
穂乃果「……真っ暗、ここどこだろ、私……、消えちゃったの……?」
???「……そう、私と一緒に消えたよ」
穂乃果「そっか……」
???「驚かないんだ」
穂乃果「ん?あれ?私何もしてないよね?」
???「……そう、何もしてないよ」
穂乃果「もうこれでループはしないの?」
???「……」
穂乃果「ねえ、答えてよー」
???「……」
にこ「溶けるにこ……」
海未「夏が暑いのは仕方ないのですから、ほらしゃんとして」
希「まあ、確かにこの暑さじゃねー」
真姫「熱中症間違いなしね」
絵里「とは言っても冷房完備のスタジオなんてものはないんだから、さ、行きましょう?」
ことり「んー、あれ?」
花陽「ことりちゃん、どうしたの?」
ことり「……あれ?」
凛「……なんか、おかしいよね?」
にこ「だから、どうしたのよ、ってか凛までなんなの?」
真姫「またデジャヴとか言わないでよ?」
海未「いない……、誰かがいない……?」
花陽「……誰かが?」
絵里「いない……?」
凛「凛、かよちん、真姫ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃん、にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん……、あれ?」
ことり「全員、いる、よね……?」
花陽「間違いなく……、全員?」
凛「全員……?」
希「……真姫ちゃん、さっき、またデジャヴって言ったけど、あれはどういう意味?」
真姫「だから、この前も……、あれ?」
にこ「な、なによ、これ、なんだか大事なことを忘れて……」
絵里「どうしたのかしら、急に……」
穂乃果「みんな、穂乃果のこと忘れちゃったの?」
???「そう、忘れたよ」
穂乃果「……なんか寂しいね」
???「望んだのはあなた」
穂乃果「それでもやっぱり寂しいよ」
???「ならやめれば良かったのに、ずっとあのままで」
穂乃果「あのまま……」
???「きっとあなたたち9人が一番輝いてた時を繰り返す、なにが嫌だったの?」
穂乃果「私も最初は戻れて嬉しかった、でもね」
穂乃果「……みんなの可能性を消したらダメなんだって気付いた」
???「可能性?」
穂乃果「うん、これから先もっともーっと素敵なことが待ってるかもしれないのに、それを勝手に消したらダメなんだよ」
???「もっと素敵かなんて、そんなことわからないのに?」
穂乃果「わからないからいいんだよ!廃校阻止も、ラブライブ優勝も、わからないから、だからあんなに楽しかったんだよ!」
???「……」
穂乃果「これからのこと、確かに怖かったり不安だったりするけど」
穂乃果「それでも今を、これからを精一杯頑張りたい!」
???「……」
凛「なんだか、すごい大事なこと忘れちゃってる気がするにゃ……」
希「うん、とっても大事な、大事なこと……」
真姫「忘れちゃってるなら大事じゃないのよ、きっと」
花陽「真姫ちゃん……?」
真姫「何よ」
花陽「泣いてる……」
真姫「え?な、なんで……」
ことり「私もなんだかすごく悲しい、何を、何を忘れてるの……?」
海未「……大事な人が確かに……」
絵里「にこ?どうしたの?」
にこ「……海未、これ新しい歌の歌詞?」
海未「え?……なんでしょう、確かに私が書いたような……、でもこんな歌詞は作った覚えが……」
穂乃果「私のことは忘れても……、みんなが将来の夢を叶えてくれたらそれで私はいい」
???「本当に?」
穂乃果「え?」
???「本当にそれでいいの?」
穂乃果「……」
???「あの中にあなたはいなくていいの?」
穂乃果「……っよ……」
???「……」
穂乃果「嫌だよっ、嫌だ、私もみんなと……っ……」
???「……私はみんなに喜んでもらえると思った、これがμ'sにとって一番いいことって」
???「でも、今みんなが泣いてるなら……、間違いだったんだね」
???「……みんなを信じてみようか」
絵里「この歌詞がどうかしたの?」
にこ「……これ、私たちの名前なのかしら」
花陽「希、星空、花、にっこり……あ」
凛「凛だけ名字にゃ……」
真姫「そこはいいでしょう、別に……」
ことり「本当だ、ことりも、海未ちゃんも、絵里ちゃん、真姫ちゃん……」
海未「まったく作った覚えがないのですが……、確かに名前と対応した歌詞のところに丸までしてますね」
希「でもこれ最初と最後が抜けてるね」
にこ「……なんとかな予感から始まり……」
絵里「Nonono……なんとかが、最高……?」
花陽「これ、もしかして」
凛「凛たちが忘れてることと関係あるんじゃ!」
ことり「じゃあ……、ここに誰かの名前が……?」
真姫「でも、どっちに?」
凛「やっぱり締めの最後かにゃ?」
海未「いえ、最初です」
にこ「なんで言い切れるのよ」
海未「私ならそうします」
絵里「説得力あるわね……」
希「最初が名前ならなんで最後も抜けてるん?」
花陽「……が最高、何が最高なんだろう……」
凛「夢!」
にこ「アイドル!」
絵里「もっと前の文脈から考えないと……」
ことり「曲がないと何文字かもよくわからないね……」
凛「真姫ちゃん曲入れて!」
真姫「無茶言わないでよ!」
ことり「……ことりの翼がついに大きくなって……」
花陽「旅立ちの日だよ……」
凛「な、なんで歌えるの?」
花陽「なんだか、なんとなく……」
真姫「……〜♪〜♪……私ならこうする」
にこ「……これ……」
海未「遠くへと広がる海の色暖かく〜♪」
希「夢の中で描いた♪」
絵里「絵のようなんだ、切なくて♪」
真姫「時を巻き戻して♪」
凛「みるかい♪」
にこ「Nonono〜♪」
「今が最高!」
海未「今、……そうでした…….」
真姫「これは私たちが最後に歌うための……」
凛「なんで忘れてたんだろう……」
花陽「……答え、簡単だったね」
希「せやね、もう答えは」
にこ「これしかないわね」
絵里「じゃあ最初も、もう良いわよね?」
ことり「うんっ、せーの!」
「ほのか!!」
穂乃果「!」
バタン ゴロゴロ
穂乃果「痛たた……」
海未「ほ、穂乃果!?」
にこ「あんた、ずっとロッカーにいたの!?」
穂乃果「ロッカー?あ、あれ?」
花陽「何かの、ドッキリ……?」
穂乃果「お、おかしいな……」
凛「暑いからってそんなところに隠れちゃダメにゃ……」
穂乃果「隠れてたわけじゃないよ!」
真姫「隠れないでなんでロッカーから出てくるのよ……」
希「あれ?……さっきまでここに」
絵里「どうしたの?」
希「歌詞があったような……」
ことり「歌詞……?あれ?そういえば何の話してたんだっけ?」
海未「確か……」
穂乃果「暑いから練習やめようって話だよ」
凛「そうにゃそうにゃ」
絵里「してません、これから練習って話ね」
海未「懲りないですね……」
にこ「諦めて練習いくしかないわね……」
絵里「そうよ、笑っても泣いてもこの夏は一度きりなんだから、後悔しないようにいくわよ」
希「えりち、やる気満々やん」
花陽「凛ちゃん行こ!」
凛「かよちんもやる気にゃー!」
真姫「さっさと行きましょうよ」
にこ「仕方ないわねー」
ことり「穂乃果ちゃん?」
海未「穂乃果、いい加減観念してください」
穂乃果「……そっか、みんなとの夏は今回だけだもんね……」
海未「何を当たり前な……、宿題が終わってないからもう一度やりたいなんて言わないでくださいよ?」
穂乃果「言わないよ!だって今が最高だもん!」
「なんですかそれは……」
「なんか歌詞になりそうだねー」
「次の作詞穂乃果かな?」
「あり得ません」
「ひどいよー!!」
バタン
???「……今が最高」
以上で終わりです。
なんとか9月中終わらせました。
長い間保守していただきありがとうございました。
完結おつ!!
最後まで楽しく見させてもらったよー!ありがとねー!
SFミステリみたいで、真相を徐々に明かしていく見せ方が上手いからすごく面白かった
未来の可能性を信じるって決着も好き
いいSS読めたよありがとう
0310名無しで叶える物語(SB-Android)2019/10/02(水) 21:41:39.76ID:dBgsqshj
素晴らしいです!
>>197
流れ的に返信できなかったから凄い亀になったけどありがとうございます
そういう方法できるの知れて良かった