土曜日の深夜

その日私はなんだか眠れなくて、家の中をウロチョロしていた

普段の私はよく眠れるほうだ

運動たくさんするし、布団に入ったら2分で寝息を立てる

でもその日は何故だか眠れなくて
そういう時は身体を動かすのが一番なんだけど、いかんせん深夜だし外に走りにも行けない

だから家の中を目的もなく、鬱陶しくウロチョロしていたのだった

そのうち居間のテーブルあった、お父さんが読み散らかした本が目に入った

読書なんてそうそうしない私だけど、その時はなんだか手持ち無沙汰だったから

「うわっ、つまんなそ……」

……なんて言いながらペラペラページをめくって視線を怠く左右に走らせた

それは哲学書だった