ルビィ「……分かってるよ」

ルビィ「大丈夫、ルビィはちゃんと分ってるよ……」

ルビィ「この前、背中を押したときに覚悟はしたんだ」チラッ

ルビィ「………」グッ

花丸(それでいいなら、マルは止めないよ)

花丸(でも、覚悟はしておいてね)

花丸(現実は、優しくないんだよ)

花丸(追い詰められた人にほど、非情にできているものなんだよ)

花丸「ルビィちゃんは、靴の件を聞かれるよね」

花丸「……マルはこのことは黙っておく」

花丸「特に、善子ちゃんに知られたら大変なことになりかねないからね」

ルビィ「うん」

花丸(……でも、動き出した歯車は止まらない)

花丸(明日には広まっちゃうかな)

花丸(警察は、男の人を捕まえるかな)

花丸(どうなるんだろう)

花丸「見つかると良いね」

ルビィ「そうだね」

花丸(何が。とは言わないでおく)

花丸(そうすれば、ルビィちゃんは笑顔でこたえられるから……)

花丸(けれど)

花丸(そんなルビィちゃんの気丈さをあざ笑うかのように)

花丸(その日の夕方、捜査を受け入れた縁談相手の男の人の車から、血の付いたダイヤさんの髪留めが見つかった)