しばらくすると注文した料理が届いて、それをつまみながら、昔の話に花を咲かせた。

主に、Aqoursのこと。

ラブライブを頑張ったこととか、新しい学校のこととか。

いま、みんなが何してるのか、とか。

そんな話を聞きながら、思い出す。

私、あの頃は輝いてたんだな……って。

何もかも全力で、めいっぱい楽しんでて。

今の私と大違い。

あの頃の私が見てた世界は、確かに光り輝いていたような気がする。

何もかもが鮮やかで、美しくて。

ただ見ているだけで、こっちまで元気になるようで。

────本当、今とは大違い。

全部が、灰色だ。

輝きなんて、ひとつもない。

なにも美しくない、なにも感じられない世界。

ううん、違うかな────

世界は鮮やかかもしれない……けれど、私だけが灰色になってるんだ。

私だけが、世界から取り残されてる。

それが、今の私の世界なんだ。

善子「そういえば、千歌ってどこの大学行ったんだっけ?」

千歌「え……っと、◯◯大学だけど」

善子「あ、知ってるわよ! 川沿いにあるとこでしょ」

千歌「うん、そうだよ。善子ちゃんは?」

善子「私はねえ……」

千歌「わあ、すごいね。結構頭いいとこだよ」

善子「ふふん、それだけ頑張ったのよ!」

千歌「すごいね」

善子「んで、今はここで働いてて……」

千歌「……え、すごい」