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千歌「ねぇ善子ちゃん、すっごい可愛いって言われない?」←これってもはや告白★2.5
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0702名無しで叶える物語(笑)
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2019/01/12(土) 22:29:36.41ID:DGpwEH6c
まさかSSとして書いてくれる人がいるとは……!
是非とも続きが読みたいとこですなぁ
0703名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/01/12(土) 22:32:00.44ID:gWYd7f4E
まっって設定から何から色々と刺さりすぎて辛い
0704名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 22:32:10.14ID:jee/i6fj
これだよこれ
0705名無しで叶える物語(アラビア)
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2019/01/12(土) 23:13:24.79ID:fqmEJrnq
はよはよはよはね
0706名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:31:03.99ID:3sJDVsr0
善子「何年振りかしら……ずっと連絡もよこさないし、Aqoursの集まりにも来ないから心配してたのよ?」

千歌「……ぁ、うん。ごめん……」

善子「ふふ、でも久しぶりに千歌の顔が見れてよかった。こんなところで再会するなんて、あなたじゃないけど、奇跡なのかしら」

奇跡、か……懐かしいな。昔は口癖のように言ってたっけ、奇跡。

現実はそんな甘い願いが通用するようなもんじゃなかったけどさ────

善子「なにそんな惚けた顔してるのよ。仕事帰り?」

千歌「……うん、そんなとこ」

嘘をついた。

本当のことを言ったら、善子ちゃんの笑顔を奪ってしまうと思ったから。

人を不快にさせない振る舞いを1年半続けた私には……それは、できなかった。

昼間から街中を歩くから、見てくれだけは仕事してる風にしておいて助かったかな。

おかげで疑われずに済んだし。

善子「そう……じゃあこれから少し、飲みにでもいかない? 再会を記念して」

千歌「……」

飲み、か。……この言葉も久しぶり……私、あんまり好きじゃなかったんだよね、飲み会。

ひとりになってからは、ずっと飲みっぱなしだけど。

酔ってる間は……嫌なこと全部忘れられるからさ。

千歌「……いいよ、あんまりお金ないから高いとこ行けないけど」

私は善子ちゃんの誘いを受け入れた。

やっぱり、断って彼女を不快にさせるのが嫌だったから。
0707名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:33:36.49ID:3sJDVsr0
・・・


善子「ここ、私の行きつけなのよ。安いし美味しいの。カウンター席しかないのがつらいとこだけど」

善子ちゃんに連れていかれたのは、大衆居酒屋だった。

あんまり多くのお客さんは入らないけど、そのぶん、ひとりひとりに手間をかけられる立派な居酒屋さん。

何より、本当に安い。

この値段設定は、今の私にはありがたいや。

善子「なに飲む? ビールで良い?」

千歌「いいけど……善子ちゃん、ビールなんて飲めるようになったんだ」

善子「これでも社会人1年生よ? 飲まされまくって慣れちゃったんだから!」

善子「マスター、こっちビール2つね! あと唐揚げと枝豆と────」

言いながら、慣れた様子で善子ちゃんは一通り注文を終えた。

ほぼ同時にビールと枝豆が差し出され、その早さに驚いてるうちに善子ちゃんが乾杯しましょ、と言う。

善子「なにぼーっとしてるのよ。ほら、持って持って」

千歌「う、うん」

善子「はい、再会を記念して……乾杯っ」

千歌「か……乾杯」

かちん、とぶつけ合ったジョッキはいい音が鳴った。

善子「ごく、っん……んく、っく……」

善子「ぷはーっ! このために生きてるって感じだわ!」

千歌「……おじさんみたいだよ」

善子「いいのよ、金曜の夜はこれって決めてるの」

……ああ、今日って金曜日なんだ。居酒屋も人が多いわけだね。
0708名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:34:03.36ID:3sJDVsr0
善子「ほら、千歌も飲みなさい? 今日はヨハネが奢ってあげるから。マスターおかわり」

千歌「まだヨハネやってるんだ……」

善子「……バカ、今のは千歌の前だから言っただけ。外じゃもうやってないわよ」

千歌「そうなんだ」

善子「高校卒業したら、さすがにね」

千歌「さすがに恥ずかしい?」

善子「恥ずかしくはないわよ? けど、堕天使は期間限定なのよ。大人になると、名乗るのが難しくなるの」

千歌「そっか……善子ちゃんはもう大人になったんだ」

善子「ええ、それなりにね」

善子「千歌は? ちゃんとやれてる?」

千歌「私は────」

仕事を辞めたよ。

今はバイトも職探しもせず、ただ惰性で毎日を過ごしてるだけ。

頼る人はいないし、家に帰る勇気もない。

地元の人を思い返すだけで胸が苦しくなって死んでしまいたくなるような毎日を過ごしてる。

千歌「────ちゃんとやってるよ。この前、肩書き付きになってお給料も増えたしね」

また、嘘をついた。しかも積み重ねるように。

善子「え、すごいじゃない! やっぱりむしろ奢ってもらおうかしら」

千歌「え〜」

善子「ふふ、冗談よ。言ったからには私が奢るわ。……でも、まあ、千歌のことだし会社のことは心配してなかったけどね」

そっか、私は心配されないんだ。

いいのか、悪いのか、分かんないけど。
0709名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:35:47.73ID:3sJDVsr0
しばらくすると注文した料理が届いて、それをつまみながら、昔の話に花を咲かせた。

主に、Aqoursのこと。

ラブライブを頑張ったこととか、新しい学校のこととか。

いま、みんなが何してるのか、とか。

そんな話を聞きながら、思い出す。

私、あの頃は輝いてたんだな……って。

何もかも全力で、めいっぱい楽しんでて。

今の私と大違い。

あの頃の私が見てた世界は、確かに光り輝いていたような気がする。

何もかもが鮮やかで、美しくて。

ただ見ているだけで、こっちまで元気になるようで。

────本当、今とは大違い。

全部が、灰色だ。

輝きなんて、ひとつもない。

なにも美しくない、なにも感じられない世界。

ううん、違うかな────

世界は鮮やかかもしれない……けれど、私だけが灰色になってるんだ。

私だけが、世界から取り残されてる。

それが、今の私の世界なんだ。

善子「そういえば、千歌ってどこの大学行ったんだっけ?」

千歌「え……っと、◯◯大学だけど」

善子「あ、知ってるわよ! 川沿いにあるとこでしょ」

千歌「うん、そうだよ。善子ちゃんは?」

善子「私はねえ……」

千歌「わあ、すごいね。結構頭いいとこだよ」

善子「ふふん、それだけ頑張ったのよ!」

千歌「すごいね」

善子「んで、今はここで働いてて……」

千歌「……え、すごい」
0710名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:36:40.93ID:3sJDVsr0
善子「そのぶんハードなとこもあるけど、なんとかやれてるわ」

善子「周りの人も褒めてくれるしね」

千歌「……そう、なんだ」

善子「同僚も先輩もみんな優しくて、Aqoursにいた時のことを思い出しちゃうわ。みんな私のバカにも付き合ってくれるし」

千歌「……」

善子「会社に入ったら人間関係に苦労する……って聞いてて怖かったけど、全然そんなことなくてよかった」

善子「不幸には自信があるけど、これだけはラッキーだわ」

千歌「……そっか」

善子ちゃんは、私と逆なんだね。

善子「昨日も同僚と飲み会で────」

私が失敗した、会社の人との関係を……善子ちゃんは上手く乗り越えたんだ。

すごいな。すごいよ。

私にはできなかったのに、善子ちゃんはできたんだ。

恵まれたね、周りに。

今までの私みたいに。

千歌「じゃあ……善子ちゃんは今も輝けてるんだ」

善子「ん? ……そうね、あなた風に言えば……最高に輝いてるわ」

千歌「……」

そっか。

千歌「よかったね。安心したよ」

最悪だよ。

千歌「善子ちゃんが一番周りと融け込めなさそうだから、心配してたんだよ」

なんで私はダメなのに、善子ちゃんは出来てるの?

善子「え、ひどい! これでも真面目な善子ちゃんなのよ!」

真面目、真面目か。それじゃあ私は真面目じゃないってこと?

千歌「でも堕天使じゃん!」

善子「それは言わないで!」
0711名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:37:43.82ID:3sJDVsr0
善子「……まあ、でも、今までバカなことはしてたけど」

善子「そのぶん、真面目にやってきたことが今に繋がってるのかも」

じゃあ、私の今までって本当になんだったんだろう。

頑張ってた意味は?

そもそも、頑張りってなに? 私は今まで何をどうやってたの?

それが全部、ぜんぶぜんぶいまの失敗に繋がってるの?

どうして私はこんなになっちゃったのに。

善子ちゃんは、そんなになれたの……?

千歌「……うん。よかった、よかったよほんとに」

もう、笑顔でいられないや。

そもそも笑顔なんて作るの、1年ぶりくらいだし。

善子「千歌?」

千歌「ごめん、用事を思い出しちゃった。今日は帰るよ」

善子「ちょ、待ってよ! 待ちなさいよ!」

もう、善子ちゃんの話を聞きたくなかった。

無理だ……ここにいたら、私がおかしくなる。

私と正反対の彼女の言葉は、いまの私には、つらいだけだ。

千歌「ごめん、お金、置いておくから」

私は財布に入ってたお金を全部置いて、店を出た。

けど。

善子「待って、待ってよ千歌!」

追いかけてきた善子ちゃんに、しがみつかれてしまった。

これじゃあ動けないよ……

善子「待って……私、何かした……?」

千歌「……善子ちゃんは悪くないよ、何もしてない」

善子「ううん、した……絶対した」

千歌「してないよ」
0712名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:38:58.77ID:3sJDVsr0
善子「ねえ、謝るから……」

千歌「……参ったな、ほんとに善子ちゃんは悪くないのに」

善子「じゃあ、じゃあお店、戻りましょうよ。みんなびっくりしてたし……あれじゃお金多すぎるし」

千歌「……」

善子「私、あなたに喜んでほしくて話してたのよ……? 今までのバカな私が、今は頑張ってるんだって、褒めてほしくて」

千歌「……」

善子「なのに、千歌、全然笑ってくれないし……むしろどんどん辛そうで……」

千歌「っ……」

善子「……今度は千歌の話、聞かせて? あそこがダメなら、お店変えて……それがダメなら、私の家でもいいから」

千歌「うるさいな……」

善子「!」
0713名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/12(土) 23:40:34.60ID:3sJDVsr0
千歌「善子ちゃんには分かんないよ……私が、私が今どうなってるか!」

千歌「会社なんかもう半年前にやめたよ……人間関係に疲れちゃってさ」

千歌「今はバイトも職探しもしてない、貯金切り崩して生活してる。正直堕落してるよ、最悪レベルまでね」

善子「ぇ、え……そんな、でもさっき……」

千歌「あんなの嘘に決まってるでしょ? 善子ちゃんに気を使わせたくなくていった、ただの嘘」

千歌「いまの私は……ただの無職だよ。何もしてない、なにもない、ただの……」

千歌「ただ、の……社会の、ごみだよ……っ」

善子「…………」

ああ、驚いてる驚いてる。

まあ、そりゃそうだよね? 私がこんなんになってたら、そうなるよね。

ふふ……言っちゃった。

Aqoursには一番知られたくなかったのに……最悪だよ。

お酒入ったせいかな……なんか、もう、涙まで、出てきて……っ。

千歌「ぐ、っ……ぅ、うぅっ……」

善子「……千歌」

なさけ、ない。

みっともない。

こんな大通りで、泣いちゃうなんて。しかも後輩に抱きしめられて。

これ……みんなが見たら、どう思うかな。

ほんと、最悪だよ。

最悪だよ……私。


从c*・ヮ・§「みたいなね」
0715名無しで叶える物語(笑)
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2019/01/12(土) 23:50:14.45ID:DGpwEH6c
まさに脳内で考えてた感じにしてくれて感謝しかないですわ……

そんでこれから1話Bパートの続きが始まるんですよね?(懇願)
0716名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:25:38.02ID:9bNaEGwn
〜善子の家〜

善子「遠慮なく入って」

千歌「……お邪魔します」

泣きながら私は、手を引かれて、善子ちゃんの家へ来た。

そのつもりはなかったのに、善子ちゃんは意外と力が強くて……逃げられなかった。

善子「そこ座ってて。とりあえずお酒のアテ、何か作るわ」

シラフじゃ話せないでしょ────という善子ちゃんは、途中でコンビニでお酒やおつまみ、食べ物を買い込んでいた。

当然、逃げられないように手を掴まれたまま。

流石に鼻水垂らしながらコンビニに行くのは恥ずかしかったよ……

善子「……千歌」

千歌「……ん」

善子「ごめん」

千歌「……」

千歌「善子ちゃんは、悪くないよ。私が八つ当たりしただけだから」

善子「でも……あなたの前で、あなたの傷をえぐるようなことを」

千歌「それは仕方ないよ。言わなかった私も悪いんだから」

善子「……」

何度も謝る善子ちゃん。

ほんとに、悪くないのに。
0717名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:26:26.14ID:9bNaEGwn
・・・

善子「……たいしたものじゃないけど、食べながら話しましょ。いっぱい飲んで、いっぱい泣いて……今日は泊まっていっていいから」

千歌「……でも」

善子「貯金、いくらあるの」

千歌「……50万くらいかな」

善子「全然ないじゃない……家賃、やばいんじゃないの?」

千歌「あ、あはは……い、いただきます」

善子「……」

善子「……今は、何もしてないのよね?」

千歌「……うん。あれから、働くのが怖くなって……周りの人が、私をどう見てるのか、思ってるのか……わからなくなっちゃって」

千歌「バイトもしてないし……職探しもしてない。貯金と保険だけで、なんとか」

善子「……そう」

善子「実家は……」

千歌「……」フルフル

善子「……嫌?」

千歌「そりゃあ……ね。反対押し切って外で働いて……勝手に挫折して、退職して……なにも連絡してないんだよ?」

千歌「今更、帰れないよ」

善子「……じゃあ、Aqoursの誰かに頼るとか」

千歌「それこそ……できるわけないじゃん」

善子「そう、よね……」

そう、できるわけがない。

いまの私の姿を見られただけでも、死んでしまいたいくらいなのに。

特に、善子ちゃんには……見られたくなかったのに。

善子「……私を救ってくれた、あなたが……」

……だってきみは、こんなふうに、慕ってくれてたから。
0718名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:27:01.84ID:9bNaEGwn
ほんとに、最悪だよ。

運が悪いったら、ないね。

誰にも迷惑をかけず、不快に思われないように、ひっそり生きてたのにさ……

なんで、また……こんな……っ

よりにもよって、善子ちゃんに……、っう

千歌「っ、ぐ……う、ぅぅっ……」

善子「千歌……」

また、涙が溢れてきてしまった。

ああ、情けない……本当に情けない、死んでしまいたい。

なんで、なんでこの子の前で泣かなくちゃいけないんだ。

どうして善子ちゃんに心配をかけさせてしまうんだ、私は。
0719名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:27:33.76ID:9bNaEGwn
千歌「ご、めっ……ごめん、ごめんね……っ」

善子「大丈夫……大丈夫よ。私はあなたの味方だから……大丈夫」

そういって、善子ちゃんが優しく頭を撫でてくれる。

優しく私を抱きしめてくれる。

こんな風にしてもらうの、何年振りだろう。

ほんとに、ほんとに……人の温もりに触れるのは、久しぶりだった。

泣いたのも、久しぶりだ。

家でお酒飲みまくってる時は、涙なんか出ないのに。

やっぱり、大好きな子に会ったからなのかな……?

最悪だよ……ほんとに、ほんとに。
0720名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:28:59.23ID:9bNaEGwn
・・・

しばらくして。

千歌「なんで、私ばっかり……もう、嫌ぁ!」

善子「そうよ! なんでうちの千歌がそんな扱いされんのよ、ほんとに納得できない!」

ふたりとも、お酒に飲まれてしまっていた。

お酒が入ると、いつもこう。

嫌なことへの不満をずっとずっと吐き続けてる。

家では、クッションに八つ当たり。

ここでは……ぶつけるものがないから、机を叩いたり。

善子ちゃんも私の話を聞いて怒ってくれた。

善子「千歌はなーんにも悪くない! 最悪なのはそいつらでしょ! 千歌に嫉妬してるだけのクソヤローじゃないの!」

千歌「でも、私そんな可愛いわけじゃないし……」

善子「バカ言わないで! 千歌は可愛いわよ、ヨハネが保証するわ」

千歌「んなことぉ、なーいのー! 私、ずっと怖い目で見られたし……調子のんなって小声で机蹴られたこともあるもん!」

善子「なにそれ!? ふっざけてるわ……そいつら連れてきなさいよ! ぶん殴ってやるわ!」

千歌「いーや! 顔も見たくないよ!」

善子「ぐむ……じゃあ、ここで発散しましょ!」

千歌「する! 善子ちゃんありがとう!」

善子「ぜーんぜん構わないわ! 千歌なら……全然」
0721名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:30:05.36ID:9bNaEGwn
千歌「ん? なぁにぃ……ぽけーってしてんの?」

善子「別に、してないけど」

千歌「そっかぁ〜! じゃあお風呂はいる!」

善子「あ、じゃあすぐ沸かすから待ってて!」

千歌「はぁい〜!」

ほんとに、最悪だ。

千歌「…………はあ」

缶、空っぽになっちゃった。

千歌「……今日が終わったら、また明日はつらいんだ」

善子「……ん」

千歌「楽しみのは、今だけなんだ。明日が来たら、またつらいだけ」

千歌「もうね……死んじゃいたいって思うんだ……最近」

善子「千歌……」

ぐったりと、空っぽになったお酒の缶を握りしめて、ぽつり。

うん、これは……お酒のせい。

酔ってるからだ。

こんな、弱気な私は。おさけの、せい。
0722名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:30:52.60ID:9bNaEGwn
千歌「手首にナイフを突き立てたことある? 私は、あるよ……何回も」

善子「……」

千歌「線路に飛び込もうとしたこともあるし……車道に飛び出したこともあるし」

千歌「睡眠薬をたくさん買って、飲もうとしたこともあるし」

千歌「けど、けどね……こんなので死んだら、なんだかなぁって……思っちゃって」

千歌「結局……死ぬのも、できなくて」

千歌「私、何にもできない最悪な子なんだ……っ」

千歌「人に迷惑をかけないように生きることもできない……一人で死ぬこともできない……」

千歌「ごめんね……こんな、私で」

善子「……よしよし」

なでてくれる手、あたたかいな……
0723名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:31:26.26ID:9bNaEGwn
千歌「……明日になったら、私のことは忘れて。私と出会ったこと、私が話したこと、全部忘れて?」

千歌「私も忘れるし、もう善子ちゃんの前には現れないから」

千歌「明日から、また頑張るから……貯金が切れるまで」

善子「……頑張らなくていいわ」

千歌「……でも、頑張らないと生きていけないんだよ」

善子「頑張り方すら思い出せないくせに」

千歌「それは……」

善子「……千歌」

千歌「なに……?」

善子「お金がないなら、うちに来たらいい」

千歌「え……?」

善子「ここなら心配ないわ。他のAqoursにはバレないし」

千歌「だ、だめだよ。それはだめ。できるわけないよ」

善子「私はそう決めたの。あなたは明日からここに住むの」

千歌「な、なんで……っ」

善子「……私だって簡単に言ってるわけじゃない。ちゃんと考えて、悩んで決めた」
0724名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/13(日) 00:34:39.59ID:9bNaEGwn
善子「あなたをそのままにしておきたくない。私の目の届かない場所に置きたくない。私のそばにいてほしい……そう、思ったの」

千歌「……なに、言って」

善子「千歌……あなたを傷つけるものすべてから、私があなたを守る」

善子「あなたのことを傷つけるものすべてを、私は許さない」

善子「私と暮らしましょう。ここにいれば、あなたは安

千歌「っ、ぅ……ぁ、あっ……」

善子「ひとりで、頑張ったわね……よしよし、もう、もう怖くないから」

善子「私が一緒にいてあげるから……私が、あなたを守ってあげるから」

善子「……だから」

善子「一緒に、いましょう?」

千歌「ぁ……ぁああ、っぐ……ぅ、うぁっ……」

善子ちゃんは、私を抱きしめてくれた。

ほんとに、弱ってた。

全てが灰色で。世界に取り残されて。

ぬくもりというものを全て無くした私に。

善子ちゃんが、手を差し伸べてくれて。

私が、一番欲しかった言葉を、くれて。

私は泣いた。

今度こそ、声をあげて。

みっともないし、情けないけど、そんなのもうどうでもいい。

ただ、ただ、善子ちゃんのぬくもりに、甘えて。

ただ、泣いた。

この日から、灰色だった私の世界は。

この、部屋の中にだけ彩りが帰ってきた。

あの頃のような、鮮やかな、輝きが。
0727名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2019/01/13(日) 00:53:21.33ID:RMQUrolY
ありがとうありがとう……
0729名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)
垢版 |
2019/01/13(日) 01:18:21.12ID:QwpWdfwH
めっっっっちゃ良い
心理描写とか人間の弱い所とか上手く表してて心にぐっと来る
千歌ちゃんだからこその葛藤もエモエモのエモって感じでエモでした
0735名無しで叶える物語(プーアル茶)
垢版 |
2019/01/13(日) 02:44:08.10ID:J2NcWy3z
じゃあ他のメンバーはどうだったんだろ?もしかして…?っって展開好き過ぎる…

ちかよしスレ立っても話題無さすぎてすぐ落ちちゃってた頃を知ってると今が幸せ過ぎて… 作者には感謝しかない
0736名無しで叶える物語(アラビア)
垢版 |
2019/01/13(日) 04:07:36.13ID:3QdueZr4
マジで感謝だよ
前のスレが落ちてからというもののめっちゃ書いてくれてて凄い
0738名無しで叶える物語(笑)
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2019/01/13(日) 13:55:49.38ID:0+P+2Rn6
SSにしてくれた有能たこやきにはマジ感謝ですわ


この後の展開は

久しく人の温もりに触れてなかったことで昔みたいに積極的なスキンシップが取れなくなってしまって善子に触れたいのに触れられなくてぎこちない態度になってしまう千歌とか

同居生活が始まってしばらくして会社で周りから
「最近やる気に満ち溢れてるけど何かあった?」
「何か良いことあったとか?」
「あ、ひょっとして彼氏ができたとか?」
とか色々言われて否定するものの、もしも恋人が出来て同棲とか始めたらどんな感じになるんだろ……という考えが頭の隅にある状態で帰宅すると
嬉しそうに出迎えてくれたり、一緒に料理したり、同じ机で向かい合ってご飯食べてる千歌を眺めてる内に、こういう風に一緒に過ごせる恋人がいたら楽しいんでしょうね……
なんてぼんやり考えてしまい、何考えてるのよ私!?と内心で慌てる善子とか

なんだか最近善子が目を合わせてくれなくなった気がして、また何かやっちゃったのかな私……と曇り始める千歌とか

帰宅してドアを開けようと思ったら中から千歌の泣き声が聞こえて大慌てで飛び込む善子とか

な、なんでもないよ!と誤魔化す千歌と、なんでもないわけないでしょ!と声を荒げる善子とか

少し冷静になってお互いに思ってたことをぽつりぽつりと話始めて……なんだそんなことですれ違ってたのかと気づいて笑い合ってまた一つ距離が縮まる二人とか考えてたんですけどどうですかね?(提案)
0741名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2019/01/13(日) 20:32:49.96ID:kNlnRxF3
本当さすたこだわ、尊しありがたしの限りですね!
というか、自分の一言をキッカケに結果ここまでの名作がうまれるとは…って感じ
0743名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2019/01/14(月) 16:26:07.35ID:DsB+7Pfr
昨日今日は成人式
千歌の成人式、善子の成人式にそれぞれどんな風に過ごしたか見て見たいものです
0744名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2019/01/14(月) 23:02:13.54ID:0H7Qm+9E
成人だぁと勢いに任せて酒をあおり酔い潰れた千歌っちを解放する善子ちゃん
0745名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2019/01/14(月) 23:05:09.14ID:HeaugRyn
書いてみたいけど、成人式ってのがどんなもんかも、お酒を人と飲むってのがどんなもんかもわからんから、全然インスピが湧かないのだ…
0748名無しで叶える物語(やわらか銀行)
垢版 |
2019/01/15(火) 00:02:22.02ID:M8RgVcC4
成人式って歳の差感じるじゃん…好き
0749名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2019/01/15(火) 07:04:49.69ID:GXyNkUO+
千歌ちゃんが少しだけ遠くに行ってしまったようで、初めて早くオトナになりたいと思う善子ちゃん…
0751名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:17:11.32ID:XfFE4eye
成人式。

20歳を迎えた青少年が、この日から大人となり、その自覚を持って過ごすようにという祭典。

成人式を迎えた若者たちは、みんな一様におめでとうと祝いの言葉をかけられる。

大人になることを、大人たちから祝われるのだ。

まったく、何がめでたいんだか。

大人になると、制限がある。自由がなくなるし、やりたいこともやれないようになる。

辛いことから逃げることだって難しくなるし、誰かに甘えることだって簡単にはできなくなってしまう。

別に私がそれを惜しんでるとか、色々言って結局子供のままがいいだ、ということではないけれど、ただ。

成人式を、私はあまり祝いたいという気持ちにはならないというだけの話。
0752名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2019/01/15(火) 14:17:38.54ID:XfFE4eye
成人式、前日。

高校時代からずっと憧れている先輩と同じ大学に進学した私は、せっかくだからという先輩の誘いもあり、ふたりでひとつの部屋を借りて一緒に住まうことになった。

その誘いは私にとって心臓が飛び出るほど嬉しいことで、毎日24時間、その人と一緒に居られるというだけで幸せ。

ふたりで買い物をしたり、料理をしたり、くだらない話をしながら、毎日を過ごす。

時々喧嘩をすることもあるけど、もうそれなりに付き合いは長く、仲直りも早い。

何より、好きな人と喧嘩したままは嫌だから、私から仲直りする方向へシフトさせていくのだけど。

そんな先輩が、今は地元の実家へと帰っている。

明日の成人式に参加するためだ。
0753名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:20:33.50ID:XfFE4eye
私はバイトがあるから帰っておらず、自宅で、実家へ帰った先輩のことを夢想する。

何をしてるのだろうとか。誰といるのだろうとか。昼間に送られてきた晴れ着の写真は綺麗だったな、とか。

だけど、心にモヤがかかった感じ。

せっかく好きな人のことを考えてるのに、すっきりしない。幸せな気持ちになれない。

寂しいというのは、まあ、隠しても仕方ないから認める。

それに加えて、気分がもやもやしているのだ。

別に、あの人がここに帰ってこないというわけじゃない。明日の夜には帰ってくると言っていたから、明日の夜には会えるのだけれど。

だから寂しさもそれほど大きくはないのだけれど。

なぜか、それとは違う部分で、無性に寂しさを感じてしまうのだ。

……はぁ。

ため息が出てしまう。ため息は幸せを逃すというけれど、絶賛ナイーブなのでそれくらいは見逃してほしい。

私は、何をしてるのだろう。

家でひとり、特に面白くもないテレビ番組をぼやっと眺めながら、普段は飲まないチューハイを傾けて。

あの人が地元に帰っただけで、こんなになるなんて……考えたくもなかった。

いや、違う。

今までだって、私を置いて地元へ帰ったことなんて何度もある。そのたびにナイーブになったわけではない。

だから、先輩と離れたからこうなってるわけでは、ない。
0754名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:21:24.00ID:XfFE4eye
原因は────明日の成人式。

明日の、祭典。

それが私の心を苛んでいるのだ。

まったく、面倒なことこの上ない。

だって、だって。

明日を迎えると、あの人は大人になってしまう。

私を置いて、大人になってしまう。

来年は私が……なんてことを言ってるんじゃなく。

今、ここから……置いていかれてしまう。

こんな気持ちは先輩が卒業する日以来だ。あの日も置いていかれてしまうような感覚で死んでしまいそうだった。

その時は、同じ大学に行くのだ、という意気込みと気合いで満ち満ちていた。

今の私と比べてもバイタリティが溢れている。私も年老いたものだわ、なんて言っても意味はないわね。

けど、明日は、何かが違う。
0755名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:21:53.94ID:XfFE4eye
大人になるということは、子供ではなくなるということだ。

大きく何かが変わるわけではないけれど、なんだか、私と違うというだけで、とてももやもやする。

私から離れてしまう。

そんな気がしてしまうのだ。

……情けないわ、私。それだけで寂しくなってしまうなんて。

でも、仕方ない。仕方ないのよ。

同い年なら、どれほど良かったか。何度そんな妄想をしたことか。

一緒に入学して、一緒に授業を受けて、一緒に帰って。

……そんなことを何度夢見たか。

やっと大学生になって、その機会ができたというのに。

明日、あの人は大人になる。

子供である私を置いて、また、離れてしまう。
0756名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:23:53.90ID:XfFE4eye
いえ、どこにもいかないし何も変わらない。

ただ、大人になるというだけ。

その『ただ』が私を無性に寂しくさせている。

……はぁ。

ため息をひとつ。ナイーブの証。

電話をかけようか……ううん、ダメ。きっと今は他の先輩たちと会ってる。

だから、それを邪魔してはダメ。

……はぁ。

またため息。お酒切れたし。勝手に飲んだのバレたら怒られるかしら……まだ未成年だし、私。

「……千歌」

好きな人の、名前をつぶやく。

名前を呼べば少しは寂しさが紛れるかと思ったけれど、むしろ寂しさが増すだけだった。最悪。やめとけばよかった。

「……どこにもいかないで」

呟いたって、仕方がない。年の差は、どれだけ追いかけてもどんなに駆け寄ってもどこまで求めても同じにはなれない。

だから明日、千歌が大人になるのは仕方がない。私が何を言ってもどうにもならない。

理不尽なものね。

ほんと、同い年ならよかったのに。
0757名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:24:50.68ID:XfFE4eye
・・・

「今日から私たち、もう大人なんだねえ」

「そうであります」

「曜ちゃんまだそれやってるんだ……」

「本物の水兵さんになりましたので!」ビシッ

「そういえはそうでした」

「梨子ちゃんは音大で……うーん、私だけ普通だなぁ」

「それが千歌ちゃんのいいところじゃない?」

「普通怪獣だからねぇ……」

「それに可愛い後輩と付き合ってるんだし」

「つ、付き合ってないよ! 一緒に暮らしてるだけで……」

「付き合う前から同棲でありますか……ふむふむ、なかなか罪ですなあ」

「ち、違うったらもぅ……」

「ふふ、照れてる照れてる」

「よっちゃんは元気にしてるの? 最近会えてないから……」

「やめてよも〜! それに善子ちゃんは今日来ないよ、家で待ってるって」

「え、そうなの?」
0758名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:25:56.56ID:XfFE4eye
「うん。バイトがあったみたいだし、私と違って帰る用はないしね」

「……普通は恋人の晴れ着を見にくるものなんじゃ……」

「恋人じゃないから! ……まだ」

『まだ?』

「いや、なんでもないです! なんでも! ……まあ、写真は送ってあるから」

「でも、やっぱり本物を見せてあげたいよね」

「ねー」

「いいのいいの。あんまり無理させたくないし」

「ふーん……恋人には優しいですなぁ。私たちには無理やりでも付き合わせるくせに」

「ねえちょっと!」

「ふふ、ジョーダンだよ〜」

「今日はどうするの? 泊まるの?」

「ううん、帰るよ。ひとりにさせちゃうし」

「えー……せっかく久しぶりに会えたのに」

「まあまあ、千歌ちゃんは恋人にご執心だから……ね?」

「次それ言ったら怒るからね梨子ちゃん」

「ふふ、こわいこわい……でも、帰る必要はなさそうだよ?」

「え?」

「……ほら」

「……え、善子ちゃん……?」

「ん」
0759名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:31:08.61ID:XfFE4eye
「え、なんで!? なんでいるの!」

「別に……ちょっと帰りたい気持ちになっただけ。曜、リリー久しぶり」

「久しぶりであります!」

「久しぶりだね、善子ちゃん」

「それじゃあ私たち、先生に挨拶してくるから二人で仲良くね」

「え、ちょっと梨子ちゃん!?」

「またねよーしこー!」

「よーちゃーん!」

「……千歌」

「あ、うん……えっと」

「……成人、おめでと」

「うん……ありがとう」

「……」

「……え、それだけ言いに来たの?」

「……うん」
0760名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 14:33:44.38ID:XfFE4eye
「もしかして善子ちゃん……寂しかったの?」

「……別に」

「よしよし。一足先に大人になっちゃって、ごめんね」

「……ん」

やっぱり、年下は嫌。

同い年が良かった。

同い年なら、好きな人にこんな顔をさせなくて済むのに。

やっぱり、私はまだまだ子供だ。

あと1年、子供だ。

大人になるまで、もう少し。

私は好きな人の前で子供でいる。

「そういえば、どうやって来たの?」

「バイク、飛ばした」

「じゃあ帰り、乗せてくれる?」

「でも荷物は限られるわよ」

「いいよ。あとで送って貰えばいいし……善子ちゃんと帰りたいから」

「……うん」


千歌の成人式、おわり
0766名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 18:06:22.12ID:XfFE4eye
(未成年なのに勝手にお酒飲んだところが、早く大人になりたい善子ちゃんの心情となっておりましてですね)
0773名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:50:46.78ID:3x24UxFk
善子「………んんぅ〜…」モゾモゾ

千歌「あ、善子ちゃん起きたー?」

善子「起きたわよー。いま何時ー?」

千歌「じゅーいちじー」

善子「…爆睡したわねえ」

千歌「――ね、善子ちゃん」

善子「ん?」

千歌「昨夜は…すごかったね♡」

善子「…ふふ、そうね」


ちかよし「「スマブラ」」
0774名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:51:39.15ID:3x24UxFk
千歌「もーダメだってあのゲームぅ…やめるタイミングがないんだもん」

善子「アンタが『善子ちゃんに勝つまでやめない!』とか意地になってるからでしょ」

千歌「だってもうちょっとで勝てそうな試合あったじゃん! 善子ちゃんが自爆した時とか! 善子ちゃんが勝手に落ちた時とか!」

善子「アレはもう寝落ち寸前だったからよ。今なら完封勝ちできる自信あるわ。試してみる?」フフン

千歌「言ったなー!? よーし望むところだ! リトルデーモンの底力を見せてや――」


\グウゥゥゥゥ/


善子「……その前に、腹ごしらえしましょうか」

千歌「そ、そうだね…えへへ///」

善子「………」

千歌「………」

善子「…ねえ千歌、今から身支度して近くのお店まで食べに行く気力と体力、ある?」

千歌「…ちょっと…自信ないかなあ。着替え終わったあたりでまた寝ちゃいそう」

善子「…私も。…何か作る?」

千歌「そうだねー…」
0775名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:52:23.48ID:3x24UxFk
善子「………」

千歌「………」

善子(…………いや待って、誰が!?)ハッ

善子(私は料理ができないわけじゃないけど、有り合わせのモノで美味しくいただけるゴハンを錬成できるだけのスキルなんて持ち合わせてない)

善子(千歌は…)チラッ

千歌「?」ニコニコ

善子(めっちゃかわいい)

善子(…じゃなくて! ――当人には悪いけど、料理の腕は正直あまり期待できない…気がするわね。夏合宿の時も呼び込み担当に回されてたくらいだし)

善子(……仕方ない。ちょっと面倒だけど、素直に外に食べに行きますか)

善子「千歌、やっぱり――」

千歌「善子ちゃん、ちょっと冷蔵庫の中、覗いてもいいかな?」
0776名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:53:00.28ID:3x24UxFk
善子「? 別に構わないけど…」

善子(何だろう、喉でも渇いたのかしら?)

ガチャコ

千歌「えーっと、卵とハムとお豆腐と…ワカメとシャケの切り身とちりめんじゃこ。野菜室には…人参とレタスと、これは…小松菜かな」

千歌「…あ、ご飯の残りがある。善子ちゃーん、これも使っちゃっていいー?」

善子「え? ええ、いいと思うけど…」

善子(…おにぎりでも作るのかしら?)

千歌「それじゃあ――善子ちゃん、ちょっと台所借りるね」

善子「えっ」
0777名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:53:41.10ID:3x24UxFk
トントントン

グツグツ

ジュ−


善子「えっえっ」

千歌「はい、お待ちどうさま♪」コトッ


・じゃこと小松菜の混ぜごはん

・豆腐とワカメの味噌汁

・だし巻き卵(青ねぎ入り)

・人参のツナごま和え


善子(ごきげんな朝飯だわ…)

千歌「あまり凝ったものじゃないけど、お腹空いてるからね。それじゃ早速、いただき――」

善子「ちょ、ちょっと待って千歌」
0778名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:54:47.55ID:3x24UxFk
千歌「ん? どうしたの? …あ! もしかして使っちゃダメな食材使っちゃったとか!?」アワワ

善子「あー違う違う、そうじゃないの。そうじゃなくて――千歌、あなた料理できないんじゃ」

千歌「…私、そんなコト言った覚えないけど」

善子「え"」

千歌「…さてはイメージだけで料理ができないって決め付けてたなー?」ジトー

善子「そッ!? …んな……ことは………」

善子「…………スミマセンデシタ」ドゲザァ

千歌「そーいう偏見はよくないと思いまーす」

善子「仰るとおりでございます」

千歌「仮にも旅館の娘だからね! 料理のいろはくらいはお父さんから叩き込まれているのだ!」エッヘン

善子「おみそれしました」

千歌「反省してるー?」

善子「このとおりでございます」

千歌「よーし許ーす! ――じゃ、冷めないうちに食べよ食べよ! いただきまーす!」
0779名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/15(火) 22:55:40.18ID:3x24UxFk
善子「い、いただきます」

善子(初めて食べる、千歌の――恋人の、手料理。なんだか緊張する…)

善子「……」パクッ

善子「………」モグモグ

善子「…………」ゴックン

善子「…………!!!」パクパクモグモグゴックンパクパクパク

千歌「――ふふっ、気に入ってくれたみたいで何より♪」

善子「……千歌」

千歌「うん? どしたの? おかわり?」

善子「結婚しましょう」

千歌「へあ!?////」



おわるずら
0782名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/01/15(火) 23:04:23.09ID:EDLUg6L7
幸せなちかよし
0785名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/16(水) 21:33:14.90ID:Un5E3wIv
善子「こく、んくっ……っはー」

善子「あー……さっっぶ……ココアあったか……」

千歌「ふぉんなにひゃむい?」チュー

善子「……こんな寒いのによく食べられるわね、それ」

千歌「おいひぃよ? みかんアイスゼリー」チュー

善子「寒くない?」

千歌「んー……ちょっと寒い?」

善子「ほら」

千歌「でもそういうときは〜」ピト

善子「ふぎゃあっ!?」ビクンッ!!

千歌「こうすればあったかいよ〜」
0786名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/16(水) 21:34:07.33ID:Un5E3wIv
善子「や、やめなさいって! 寒いじゃない!」バッ

カランカラン…

千歌「あー……ヨハネカイロが……」

善子「カイロ扱いすんなっ! びっくりして缶落としちゃったじゃない……飲み終わってたからいいけど」

千歌「ごめんごめん、アイスひとくちあげるからっ」

善子「いやよ、寒いって言ってるのに。何のために私はココアを飲んでると思って……」

千歌「仕方ないなあ。寒くしちゃったお詫びに捨ててきてあげるよ」

善子「え、いいわよ。どうせバス停にゴミ箱……」

千歌「いいからいいから、ちょっと戻ったとこに自販機あったからそこ行ってくるよ!」

善子「何でわざわざ……」

千歌「お詫びだからっ」ヒョイ

善子「別にいいのに……じゃあお願いするわ」

千歌「うん、先行ってて〜」タッタッタッ

・・・

タッタッタッ…

千歌「と、あったあった」

千歌「……」キョロキョロ

千歌「……」

千歌「……ん」


千歌は、悪い子です────ふふっ。


チュッ♥︎


みたいな
0787名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/01/16(水) 22:34:46.61ID:J3jrxnQV
あまったるいなぁ!!
0790名無しで叶える物語(たこやき)
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2019/01/17(木) 02:17:12.96ID:0ni6/nX5
マリーのおふざけによって手錠をかけられたちかよしが24時間手がつながった状態で過ごさなくてはいけなくなってしまったお話とかどうでしょう(提案)
0795名無しで叶える物語(庭)
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2019/01/17(木) 16:26:01.64ID:ZmRKtOY+
千歌「……」シャンシャン♪

善子「何してるの?」

千歌「ん」シャンシャンシャンシャン

善子「ああ、スクフェスね。ハジマリロード難しいわよね、この前のルビィの動画はめちゃくちゃ笑ったけど」

千歌「うん」シャンシャン

・・・

千歌「はー……LP使い切ったー」

善子「お疲れ様。私も別ゲーだけどスタミナ使ったわ」

千歌「あ、そうだ善子ちゃん」

善子「ん?」

千歌「ずっときになってたんだけど……私いつも善子ちゃんをお気に入りにしてるんだけどね?」

善子「えっ」

千歌「LP回復しようとしたらさ」

『はーい♪ LPはラブカストーンで回復できますよ〜♪』

千歌「って言ってるけど、なにこれ」

善子「……」

千歌「迷走してた?」

善子「ち、違うわ! 知らないわよそんなの!」

千歌「えー! でも収録したの善子ちゃんでしょ? ねえねえなんでこんな可愛い言い方したの?ねえねえ」

善子「う、うるさーい!やめろー!」


ほんとここ可愛いよねお前誰だよってレベルで可愛い
0796名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/17(木) 16:33:09.08ID:g8oLMk0/
めっさわかる
ワンチャン中身が漏れ出てるのでは?感

ところで中身といえば、今日は花陽ちゃんの誕生日ですやん
つまり、中身が漏れ出ておにぎりを量産し始める千歌ちゃんに対して、WWWを歌うことで中身を浄化して元の千歌ちゃんを取り戻そうとする善子ちゃんもどこかにいるってことですよね?
0798名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/17(木) 18:37:07.72ID:g8oLMk0/
善子「ふぁぁ。千歌、おはよ、ぉ?」

千歌「あ、ヨハネちゃんおはよー!朝ごはんはおにぎりだよ!たんとお食べ!」ニギニギ

善子「あ、ありがとう。っていやいやいや、急にどうしたのよ、とんでもない数のおにぎり作って」

千歌「なに言ってるの、ヨハネちゃん!?今日はあの天使・小泉花陽ちゃんの誕生日だよ!?」ニギニギ

善子「て、天使…?」

千歌「そうだよぉ。あぁチカもおにぎりになりたいのだ」ニギニギ

善子「(ち、千歌がおかしくなった!え、いや、確かにこないだからμ'sのメンバーである花陽さんの誕生日だということは聞いていたけど!なんか近づくにつれて、白飯を食べてカラダを清めるなんて発言も増えてたけど!)」

千歌「ふんふんふふーん♪」ニギニギ

善子「かわいいわね」ボソッ

千歌「おぉっ?ヨハネちゃんも可愛さに気づいてくれたの!?」ニギニギ

善子「え、あ、いや。というか、その娘の誕生日ならルビィと祝ったほうがいいんじゃないかしら?確かルビィも推してたわよね」
0799名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/17(木) 18:39:13.28ID:g8oLMk0/
千歌「ほぇ?大切な人の誕生日は大切な人と祝いたいじゃん!だったらヨハネちゃんとじゃなきゃだよ」ニギニギ

善子「……?ふぇっ!?」

千歌「『ふぇっ』だって、あはは、かわいいなぁヨハネちゃんも」ニギニギ

善子「(ヤバいヤバいヤバい、なにかがおかしい。圧倒的になにかがおかしいわ。というか機嫌が良すぎてヨハネ呼びになってるあたりもむしろ怖さを引き立ててるんですけどぉ!) ダレカタスケテー!」

千歌「チョットマッテテー!…どうかした?ヨハネちゃん」ニギニギ

善子「い、いえ、なんでもないわ! (考えろ、考えなさい、津島ヨハネぇ!今までも千歌がこういう変化したことは、……あ、ライブのときにたまに誰かに背中を押されるとか言ってたわね。でもそれだけじゃ…)」

千歌「もー、よくわからないけど、なにもないならおにぎり作るの手伝ってよ、ヨハネちゃん」ニギニギ

善子「え、えぇ、そうね」ニギニギ

善子 (……案外おにぎり作るのもいいかもしれないわね、頭が冴えてくるわ。は!ヤバい、これじゃあ洗脳されてる!早く元の千歌を取り戻さないと) ニギニギ
0800名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/17(木) 18:41:03.26ID:g8oLMk0/
千歌「えへへ〜、花陽ちゃんはどんなおかずが好きなのかな〜?」ニギニギ

善子 (そういえば前に言ってたわね、Waku-Waku-Week!を聴くと不思議なくらい心が躍るって) ニギニギ

千歌「うーむ、いい加減おにぎりになるための旅に出るべきかなぁ」ニギニギ

善子 (とんでもないこと言い出したわね。…この怪しげな人格?は言動がまさにオタク!ならば逆にWWWを私が歌えば浄化できるのでは…?)

千歌「あれ、ヨハネちゃん手止まってるよ。どーしたの?」ニギニギ

善子 (一か八かだけど、それでも)

善子「なんだか行ける気がするわ!」

千歌「なんだなんだ!?突然!!!笑」ニギニギ

善子「ふっ、どうやら定刻までにある程度のおにぎりを握らねばならないようね。ならば私はあなたを応援するべく、軽く歌いましょう」

千歌「よくわからないけど、歌ってくれるならありがとう…?」ニギニギ

善子「言うなれば鬼に金棒、マリオにスターよ」

千歌「おぉ、さすが我が堕天使!」ニギニギ
0801名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2019/01/17(木) 18:43:38.07ID:g8oLMk0/
善子「今週のWaku-Waku~♪」

千歌「う、ぁ、この曲は…!」

善子「失敗もあるけど〜♪」

千歌「……いい、かわいい!かわいいよぉ!好き!!!」

善子「妄想がとまらない〜♪」

千歌「うぅ、とにかくかわいい、マジでかわいい!……ぅ、ぐぬぬ、消えるのは私じゃない!世界だぁぁぁ!!!」

ーーーーー
ーーー


千歌「ふぁぁ。善子ちゃん、おはよ、ぉ?」

善子「千歌、時計見てみなさい。おはようの時間じゃないわよ」

千歌「あれ!ほんとだ!あわわ、μ'sのメンバーの誕生日なのにお祝いし忘れるとこだったのだ…」
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