暗くなり始めた街中を歩きながら、夢想する。

楽しかった日々を。

私が昔の振る舞い方でいられた日々を。

輝いていた日々を。

大好きだった地元の景色を。

遠く離れてしまった、大切な仲間のことを。

ごめん。

私こんなんになっちゃった。誰にも見せられないくらい、ひどい有様だよ。

どこにも居場所、ないんだ。

私の帰る場所、ないんだ。

みんなに会いたいけど、会いたくない。

こんな私、見せられない。見せたくない。

ねえ、私、もう。もう。

もう、私、死んじゃった方がいいのかな────

「……千歌?」

千歌「え……?」

誰かに、声をかけられた。久しぶりに名前を呼ばれた。

その声は、少し聞き覚えがあるけど、ちょっと分からなくなってて。

だけど、振り向いたら、すぐにわかった。

その声、その呼び方をするのは。

千歌「善子、ちゃん……?」

善子「やっぱり千歌ね! 久しぶり、元気にしてた?」

……私は、地元を遠く離れた場所で。

いま、会いたくない人のうちのひとりに再会してしまった。


从c*・ヮ・§「みたいなね」