0697名無しで叶える物語(たこやき)
2019/01/12(土) 22:21:55.86ID:3sJDVsr0それから私は、少しでも周りに不快に思われないように務めた。
とにかく。
目立たないように。
静かに。
それからというもの、みんなの視線が分かるようになった。
私を見る────話しかけるな、という視線。
私が会議で発言したときの、またお前かよ────という視線。
だけど、振る舞い方を変えたら……それもなくなった。
誰も私を不快だと思わなくなった。
よかった、頑張ってよかった。
これでもう、誰にもウザがられたりなんか────
「最近、高海の様子変じゃない?」
「あ、思ってました。ちょっと変わりましたよね」
それは、またお昼休みから帰ってきた時だった。
喫煙所で話す、同僚と先輩の声。
「静かっていうか、なんか大人しくなった?」
「はい」
「いやあ、前よりだいぶ楽だわ。あのうるさい声が響いてないだけで全然違う」
「ふふww」
……よかった。不快に思われてなかったみたい。
あとは頑張って仕事だけしてれば────
「でも、それもそれでウザいんすよね」
────え?