その日から……私は、会社での振る舞い方が分からなくなってしまった。

それから私は、少しでも周りに不快に思われないように務めた。

とにかく。

目立たないように。

静かに。

それからというもの、みんなの視線が分かるようになった。

私を見る────話しかけるな、という視線。

私が会議で発言したときの、またお前かよ────という視線。

だけど、振る舞い方を変えたら……それもなくなった。

誰も私を不快だと思わなくなった。

よかった、頑張ってよかった。

これでもう、誰にもウザがられたりなんか────

「最近、高海の様子変じゃない?」

「あ、思ってました。ちょっと変わりましたよね」

それは、またお昼休みから帰ってきた時だった。

喫煙所で話す、同僚と先輩の声。

「静かっていうか、なんか大人しくなった?」

「はい」

「いやあ、前よりだいぶ楽だわ。あのうるさい声が響いてないだけで全然違う」

「ふふww」

……よかった。不快に思われてなかったみたい。

あとは頑張って仕事だけしてれば────

「でも、それもそれでウザいんすよね」

────え?