「ていうかあいつさぁ、高校の時にスクールアイドルやってたんでしょ? それって自分のこと可愛いって思ってるってことじゃん、やっばww」

「うわぁ、ちょっとキモいですね」

「ていうかあの人うるさいんだよね。無駄に元気振りまいてうちらに絡んでくんの」

「見た目に自信あんのか知らないけどさ、誰に対しても絡んできますしね」

「媚び売ってんのかっつーの。しかもなんか目があったらニコってすんだよ、キモすぎてやばいって」

「最近露骨に話しかけてくんなオーラ出してんのにそれにも気づかないでズカズカ踏み込んでくるしさぁ」

「ちょっと声大きいですよ先輩ww」

その声逃げ出すように、自分のデスクへ向かった。


────私の今までって、ダメだったのかな。

今まで私と仲良くしてくれてた人は、私のことどうだったのかな。

Aqoursのみんなは、私のこと好きでいてくれてたのかな。

……ダメだな、私。信じなくちゃいけない人たちまで疑っちゃう。

でも、少なくとも。

私は……今までが恵まれすぎてただけなのかもしれない。

文句のひとつも言わず、嫌味のひとつも言わず、付いてきてくれた友達がいてくれた。

私と仲良くしてくれた……そんな人が周りにいたことが、恵まれすぎてたんだ。

「無駄に存在感ありすぎてウザいって────」

「あのテンションがマジで不快だから喋らないでほしいわ────」

だから、本当は同僚や先輩たちの反応が正しくて。

だから、本当の私は、もっと静かに目立たないで。

誰にも、迷惑をかけないようにしなくちゃダメだったのかな。