千歌「After World」
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千歌「あっ、ほらほら引いてるよ!」
曜「ほんとだ!梨子ちゃん早く上げて!」
梨子「うん!お…おりゃー!」グルグル
バッシャ-ン!
千歌「おお!大きいよ梨子ちゃん!これで今日の晩御飯は大丈夫だね!」
曜「ナイスだヨーソロー!」
梨子「えへへ///」
千歌「じゃあ今日の釣りはこれくらいにしときますか」
曜「そうしようか」
千歌「よーし、それじゃ家に帰って早速料理の準備だー!」
梨子「料理って言っても、焼くだけなんだけどね」
千歌「小さいことは気にしないの!」
曜「あはは、千歌ちゃんらしいね」
私たちは、今日もそうやって3人で笑い合う。
それはまるで、底知れない寂しさと不安を誤魔化すかのように。 千歌「いやー、美味しかった!」
曜「そうだねー」
梨子「毎日魚だと、ちょっと飽きるけどね」
千歌「もう、梨子ちゃん?小さいことは気にしないって言ってるでしょ?」
梨子「ごめんごめん」
曜「まあでもたしかに、ここ最近…3ヶ月くらいは毎日魚だね」
千歌「だって仕方ないじゃん、魚くらいしか食べるものがないんだからさ。それとも、山に行って鹿でも狩る?」
梨子「私たちにそんなことできるわけないでしょう…」
千歌「でしょ?だから魚で我慢してるんだよ」
梨子「私だってそんなの分かってるわよ」 曜「まあまあ、そうカッカしないでよ。ほら、今日は雲がないから、『アレ』が見えるよ!」
千歌「おお、確かに!」
梨子「最近曇り続きだったから、久しぶりに見れるのね!」
曜「じゃあ早速見に行こう!」
ちかりこ「おー!!」
曜「…見に行くって言っても、家の外に出るだけなんだけどね」 千歌「わー!やっぱり凄いなあ…」
梨子「ほんと、とっても綺麗…」
曜「すごいよね…電気がないだけで、こんなに星が綺麗に見えるなんて…」
千歌「世界が滅亡したからこんな景色が見られるなんて、なんだか不思議だよね」
梨子「そうね…世界中に未知のウイルスが蔓延して、みんなが死んでいって、でもなぜか私たちだけが生き残って…」
曜「悲しかったけど、でもこうしてこんな景色も見れるし、なにより梨子ちゃんにも出会えた」
千歌「悪いことだけじゃなかったんだよね…私たち、まだ生きていていいんだよね…」
梨子「当たり前でしょ、そんなの…私たちは生きてる。そして、これからも生きていくの」
曜「そうだね…それに、私たち3人でいれば、なんとかなると思うし!」
ウフフフ… 深夜・寝室
千歌「綺麗だったね、星」
梨子「うん、ずっと見てられる気がしたわ」
曜「じゃあ、もうちょっと見る?」
梨子「さすがにもう寒いから…」
曜「あはは、そうだね」
千歌「…みんながいなくなってから、どれくらい経ったんだろうね」
梨子「さあ…でももう2年くらいは経ってるのかしら」
曜「どうだろうね…」
千歌「結局、そんなこと考えたってどうしようもないんだけどね」
梨子「…千歌ちゃん?」 曜「千歌ちゃん、どうしたの?」
千歌「ごめんね…私、やっぱり寂しいよ…家族や友達もみんな死んじゃって、なのに私だけ生き残って…寂しくて死んじゃいそうだよ…!」
梨子「千歌ちゃん…」
曜「……」
千歌「ごめん、ごめんね…2人とも、それを我慢して前を向いてるのに…私だけこんな…」グスッ
曜「いいんだよ千歌ちゃん、好きなだけ泣いても」
千歌「曜ちゃん…」
曜「泣いて、悲しんで…そうやって私たちは前に進むんだよ。だから、泣いてもいいんだよ」
梨子「そうよ、千歌ちゃん。泣くことは…悲しむことは、悪いことじゃないのよ」 千歌「2人とも…うわああああん!!!」ダキッ
曜「よしよし、大丈夫だよ」
梨子「ふふっ」
千歌「グスッ…ありがと、2人とも。もう大丈夫だよ」ニコッ
曜「うん、そうみたいだね」
梨子「やっぱり千歌ちゃんは笑顔がよく似合うわよ」
千歌「よーし、じゃあ今日は寝よう!」
梨子「そうね。おやすみなさい」
曜「おやすみー」
千歌「うん、おやすみ…」
千歌(ありがとう。本当に大好きだよ、2人とも…) 曜「うーん、よく寝たぁー」ノビ-
曜「梨子ちゃんは…まだ寝てるか。千歌ちゃんは…あれ?いない…どこいったんだろ…」
梨子「うーん…曜ちゃん…?」
曜「あ、梨子ちゃん、おはよう。ごめんね、起こしちゃった?」
梨子「ううん、大丈夫…あれ、千歌ちゃんは?」
曜「それがベッドにいないんだよね。日の出でも見に行ったのかな?」
梨子「さあ、千歌ちゃんのことだからありえ――ん?なにあれ…」
曜「え?…あ、ほんとだ、千歌ちゃんのベッドの上に何かある」
梨子「これって…手紙?」
曜「どれどれ…………!こ、これ…!」
ダッ!
梨子「よ、曜ちゃん!?どこいくの?」 梨子「行っちゃった…なんて書いてあったんだろう…ええと」
『2人とも、おはよう。これを読んでるということは、私はもうここにはいません。私、どうしても人類が滅亡した原因、ウイルスのことが知りたい。
だからしばらく、それを探すために旅に出ます。ごめんね、置いて行っちゃう形になって。でも、きっとこれは長い、大変な旅になる。だから2人には迷惑をかけたくなかったの。
本当にごめんなさい。曜ちゃん、梨子ちゃん
――大好きだよ 千歌』
梨子「これは――!」
ダッ! 曜「おーい!千歌ちゃーん!!」
梨子「千歌ちゃん!?千歌ちゃん!!」
曜「千歌ちゃん!嫌だ、嫌だよ!!私、千歌ちゃんと離れ離れになったら、もう…!」ヘタッ
梨子「曜ちゃん…」
曜「う…うう…千歌ちゃん…千歌ちゃん…」グスッ
梨子「曜ちゃん…大丈夫…大丈夫だよ…」
曜「大丈夫…?なにが大丈夫なの…?」
梨子「…え?」
曜「私にとって、千歌ちゃんは全てなの…そんな千歌ちゃんがいなくなって大丈夫…?そんなわけないでしょ…なにが、なにが大丈夫だよ!後から来たくせに、そんなこと言わないでよ!!」
梨子「…!」 曜「…あ……」
梨子「私だって…私だって悲しいに決まってるでしょ!たしかに私は最近仲良くなったばっかりの他人よ!!でも…私にとっては、千歌ちゃんも曜ちゃんもとっても大切な人なの…だって、初めてできた友達なんだから…!」
曜「梨子ちゃん…」
梨子「……」ダッ!
曜「あっ、梨子ちゃん!」
曜「…なにやってんだろ、私」 ・川辺
梨子「……」グスッ
梨子(でもたしかにそうよね。大丈夫なわけがない…曜ちゃんにとって千歌ちゃんは、大切な幼馴染なんだから…)
梨子(ちゃんと謝らなきゃ)
曜「…梨子ちゃん」
梨子「曜ちゃん?」
曜「えっと……さっきはごめんなさい!」バッ!
梨子「曜ちゃん…」
曜「私、梨子ちゃんにあんなひどいこと言っちゃって…ホント、最低だよね…」 梨子「最低なんかじゃないよ」
曜「えっ?」
梨子「私こそ、簡単に『大丈夫』だなんて言ってごめんなさい…曜ちゃんの気持ち、考えてなかった」
曜「そんな、梨子ちゃんはなんにも悪くなくて…私を励まそうとしてくれたわけだし…」
梨子「だったら、このことはもう終わりってことにしましょうよ」
曜「梨子ちゃん…うん、分かったよ!」
梨子「今は、これからどうするかを話し合いましょう」
曜「そうだね」 梨子「ではこれより、第一回、千歌捜索会議を始めます」
曜「おー!」
梨子「まず、千歌ちゃんは今日の未明に出て行ったということで間違いないでしょう」
曜「そうだね」
梨子「さらに千歌ちゃんの自転車が無くなっていることから、千歌ちゃんはその自転車に乗って行ったということも推測できます」
曜「ほうほう」
梨子「だいたい、現在がお昼前くらいなので、千歌ちゃんが出て行ってからすでに数時間経っているでしょう」
曜「なんてことだ…」
梨子「私たちも今から自転車で追いかければ、もしかすると追いつくかもしれません」
曜「だ、だったら今すぐにでも――」
梨子「しかし!千歌ちゃんがどこに向かったのかは分かっていません」
曜「たしかに…」
梨子「と、いうわけで」 曜「?」
梨子「とりあえずは東京を目指してみようと思います」
曜「え、なんで東京?」
梨子「だって、千歌ちゃん言ってたでしょう?『ウイルスのことを知りたい』って」
曜「言ってたけど、それでなんで東京に?」
梨子「曜ちゃん、ニュースとか見てないの?あのウイルスは、一番最初は東京で確認されたんだよ」
曜「そうなんだ」
梨子「それに、情報だったら東京にいっぱいありそうって思うのが普通でしょ?」
曜「まあ、そうだね」
梨子「以上の理由から、東京に向かおうと思います」
曜「うん、分かったよ!」 梨子「じゃあさっそく、荷物の準備を――」
プップ-!
曜「!千歌ちゃん!?」バッ!
梨子「な、なに!?」
プップ-!!
梨子「あれは…バス?」
曜「うん、こっちに向かってきてるね」
梨子「てことは…人!?」
曜「かもしれない…!」 「ヘーイ!誰かいるのー?いるなら返事please♪」
梨子「人だわ!おーい!!」
曜「おーい!!」
ブロロロ...キキ-!
???「Wow…知らない人に会うなんて、2年ぶーりですネー☆」
???「ちょっと鞠莉さん!まだ警戒態勢を解いてはダメです!悪人かもしれませんわ…」
???「うーん、でもこの子たち、悪い人には見えないけどなー」
鞠莉「果南の言う通りデース!まったく、ダイヤはもう少し人を信用することを覚えたら?」
ダイヤ「で、ですが…」
果南「こんにちは。あなたたち、よく生きてたね」
梨子「は、はあ…こんにちは」
曜「どうも」 鞠莉「はじめまして。私は小原鞠莉、そしてこっちが…」
果南「松浦果南だよ。よろしくね…ほら、ダイヤも」
ダイヤ「え?ちょっ、ちょっと!…ああ、もう…黒澤ダイヤですわ」
梨子「私は、桜内梨子です」
曜「渡辺曜です!よろしくであります!」
鞠莉「とっても良い子たちみたいね♪」
果南「あなたたちは、ずっとここにいるの?」
梨子「はい、そうですけど…あなたたちはどうしてここへ?」 果南「私たち、旅をしてるんだ…ある目的のために」
梨子「ある目的?」
鞠莉「そう…もしかしたらまだ生きているかもしれない、ダイヤの妹を探して」
ダイヤ「……」
梨子「ダイヤさんの妹…」
果南「みんながいなくなってから今まで、だいたい西日本は全部探した…けど、ルビィちゃんはいなかった」
曜「ルビィちゃんっていうんですね」
鞠莉「そう、だから今はとりあえず、東京に向かってるんだ。もしかしたら、なにか情報があるかもしれないから」 梨子「東京…!」
曜「…!」
ダイヤ「鞠莉さん、果南さん…改めて、感謝します…私の妹のことなのに、ここまで一緒に来てくださって…」
鞠莉「なに言ってるのダイヤ。ダイヤの妹は私の妹も同然。それなら探しに行かないわけにはいかないでしょう?」
果南「そうだよダイヤ。それに私、いつもしっかり者のダイヤに助けられてばっかりだったから、なにか恩返ししたいと思ってたんだ」
ダイヤ「鞠莉さん…果南さん…」
梨子「3人は、仲がいいんですね」
鞠莉「もちろんデース!なんたって、『親友』だもんね!」
ダイヤ「ええ、そうですわね」
果南「もっちろん♪」 鞠莉「そういえば梨子たちは、梨子と曜の2人だけなの?」
梨子「それは…」
曜「もう1人…いるんですけど…」
鞠莉「What's? なにかあったの?」
梨子「実は、どこかに旅に出てしまって…」
鞠莉「旅?いつか帰ってくるの?」
曜「それが分からなくて…」 梨子「…あ、あの!」
果南「どうしたの?」
梨子「もしよかったら、その…」
果南「なになに?言ってごらん?」
梨子「わ、私たちも東京に連れて行ってくれませんか!?」
曜「梨子ちゃん!?」
鞠莉「Oh♪意外な注文ですネ」
梨子「千歌ちゃん…私たちの友達も、東京へ行ったかもしれないんです!だから、お願いします!!」
曜「わ、私からも、お願いします!」 果南「うーん、どうする?鞠莉、ダイヤ」
ダイヤ「私は反対ですわ…正直、まだこの2人のことも信用できません。こんなルールも秩序もない世界で、簡単には人を信じることはできませんわ」
鞠莉「私は、いいと思うけどな。だってよく言うでしょ?『困ったときはお互い様』って♪」
ダイヤ「そ、それはそうですけど…」
果南「私もいいと思うよ」
ダイヤ「果南さん…ああ、もう!分かりましたわ。おふたりを連れて行きましょう」
梨子「!ありがとうございます!」
曜「ありがとうございます!」
果南「そのかわり、今日はここに泊めてもらってもいい?私たち、昨日から一睡もしてないんだ」
梨子「そうだったんですか。はい、ぜひ」
果南「えへへ、ありがと。じゃあ、はい」 梨子「…その手は?」
果南「ハグだよ、ハグ。友情の証。ほら、ハグしよ?」
曜「じゃあ私から!」ハグ-
果南「おお♪曜は抱き心地がいいなあ」ハグ-
梨子「え、ええと…」
果南「ほら、梨子も」
梨子「は、はい…じゃあ、失礼しまーす」ハグ-
果南「おおっ、梨子もなかなか…」ハグ-
ダイヤ「まったく、なにをやっているのですか…」 果南「えー、 私たちもよくやってたじゃん」ハグ-
ダイヤ「あれはもうずっと昔のことです…!」
果南「ちぇっ、つれないなー、ダイヤは」ハグ-
梨子「あ、あの…もう離してもらっても…?」ハグ-
果南「うーん…もうちょっと♪」ハグ-
梨子「ええー…」ハグ- 曜(いいなー梨子ちゃん)
鞠莉「…曜?よかったらこのマリーがハグしてあげようか?」
曜「!いいの?」
鞠莉「もちろんデース♪ほら…ハグ、しよ?」
曜「わーい!」ハグ-
梨子「え、ええー…」ハグ-
ダイヤ「…はぁ」
ワイワイ... ・翌朝
鞠莉「さあ!それじゃあしゅっぱーつ!」
ようかな「おー!」
ダイヤ「おー」
梨子「おー…」
鞠莉「どうしたの、ダイヤも梨子も。元気ないよ?」
梨子「だって…昨日日が昇るまでずっとババ抜きしてたから…ていうかなんで3人は元気なんですか…」
ダイヤ「まあまあ梨子さん、勘弁してやってくださいな。私たちも本当はとても嬉しかったのです、こうして生きている人、しかも同年代の人と会えたことが」
梨子「ダイヤさん…はい、私たちも嬉しいです、ダイヤさんと果南さんと鞠莉さんに出会えて」
鞠莉「じゃあもう一回いくよー!東京に向けてー…しゅっぱーつ!!」
全員「おー!!!」 ・東京某所
千歌「ここ、もう東京だよね…?」
千歌「うわあー、建物大きいなー」
千歌「さてと…まずはどこに向かおうかな」
......テ-
千歌「ん?何か聞こえるような…」
...スケテ-
千歌「やっぱり聞こえる…近づいてきてる?」
タスケテ-!
千歌「!誰かいる!音のする方向は…あっちだ!」
???「助けてー!!!」
千歌「女の子が走ってこっちに?いや…追いかけられてる!うわ!あれって…熊!?」 ???「うわーん!!誰かたすけてー!!」
千歌「なんとかしなきゃ…よし!」
???「たすけ――うわっ!?」ドテ-ッ
???「ひっ!」
千歌「うおりゃー!!!」
ド-ン!ガシャ-ン!
???「…え?」
千歌「いてて…」
???「あ…熊さんが逃げてく…」
千歌「さすがの熊でも、自転車で衝突したらひとたまりもないでしょ」
???「あの、ええと…」
千歌「大丈夫?怪我はない?」 ???「はい、大丈夫です…あの、助けてくれて、ありがとうございます」
千歌「えへへ、どういたしまして!」
???「あ、ルビィ、黒澤ルビィです。あなたは…?」
千歌「私?私は高海千歌!ちかっちって呼んでもいいよ!」
ルビィ「千歌さん…」
千歌「いやー、それにしても驚いたよ!まさか生きてる人間に会えるなんて!」
ルビィ「はい、ルビィもです」
千歌「私ね、静岡の沼津ってところから来たんだ」
ルビィ「そ、そうなんですか…あ、もしよかったら、私たちの家に来てください!」
千歌「いいの?ぜひ!…って、私『たち』?」
ルビィ「♪」 ルビィ「みんな!お客さんだよ!」
???「客?そんなの来るわけないでしょうが、みんな死んだんだから」
???「ルビィちゃん、もしかしてそれ、新しい冗談ずら?だとしたら成長したずらね」
ルビィ「違うよ花丸ちゃん!本当にお客さんだよ!」
???「だからそんなの来るわけ――って、誰!?」
花丸「善子ちゃんまでそんな――ってうわあ!?ホントに知らない人ずら!?」 千歌「えへへ…どうも、高海千歌です」
善子「…何者?」
千歌「何者、かあ…そうだなあ…普通怪獣チカチーだぞー!がおー!」
善子「……」
千歌「が、がおー…」
善子「ごめんなさい、私が悪かったわ」
千歌「謝らないでよ!」 花丸「善子ちゃん、これが善子ちゃんのいつもの感じずらよ」
善子「ええ…私っていつもこんな感じなの?」
ルビィ「うん」
善子「なんかショック…」
千歌「勝手に残念がらないでね!?」 〜〜〜
花丸「ほほう、千歌ちゃんは沼津から来たずら?」
千歌「うん、そうなんだ。いいところだよ、沼津は。海もあるし、魚は釣れるし、海風が気持ちいいし…」
善子「いやそれ全部海じゃないの」
ルビィ(善子ちゃんがツッコミって、珍しい…) 千歌「それで、ルビィちゃんたちはどういう関係なの?」
ルビィ「ルビィたちは…」
花丸「まあ、なんというか、苦楽を共にした仲というか」
善子「私たちは前世からの因縁で結ばれた闇よりも深い関係…そう、まさに――」
千歌「つまり親友ってことだね」
善子「最後まで言わせなさいよ!」 ルビィ「そうだよ、私たち、親友なの」
花丸「そう、かけがえのない親友ずら。ね、善子ちゃん?」
善子「え?あ、えっと、その…///」
花丸「善子ちゃんは照れ屋さんだからねー?」
ルビィ「ねー?」
善子「んにゃー!からかうなー!」 千歌「あはは、ホントに仲良いんだね!」
善子「…うん、まあね」
千歌「親友か…」
花丸「どうしたずら?千歌ちゃん」
千歌「ううん、なんでもないよ」
善子「そういえば千歌、あなたはなんでわざわざ東京に来たの?」 千歌「あ、そうだった…あのね、私は今、ウイルスについての情報を探してるんだ」
花丸「ウイルスって、世界を壊したあの?」
千歌「そうだよ。どうしても気になってね」
ルビィ「……」
善子「そう、それは頑張ってね。私たちじゃ力になってあげられないけど」
千歌「うん、ありがとう。それじゃ私行くね」
花丸「行くって、なにかあてがあるずら?」
千歌「うーん、特にないけど、そこは野生のカンで…ね?」 ルビィ「あ、あの!」
千歌「?」
ルビィ「ルビィたち、実は…!」
善子「ちょ、ルビィ!」
ルビィ「実はね、そのウイルスの研究所のこと、知ってるんだ」
千歌「え!ほんとに!?」
善子「ちょっとルビィ、それはもう忘れるって約束でしょ!?」
ルビィ「でも、千歌さん困ってるから…!」
善子「困ってるからって…」 花丸「善子ちゃん、やめるずら」
善子「でも、ズラ丸…」
花丸「たしかにあのことはもう忘れようとしてた…でもやっぱり、困っている人を助けてあげようっていうルビィちゃんの考えも、間違ってないと思う」
善子「…はあ。たしかにそうね」
千歌「よく分からないけど…教えてくれる?」
ルビィ「はい」コクン ・神奈川某所
鞠莉「果南の獲ってきたお肉は最高デース!」モグモグ
曜「お肉なんてホントに久しぶりだよ〜。やっぱり美味しいなあ」モグモグ
果南「さあさあ、遠慮せずどんどん食べてね」
梨子「はい、いただいてます」モグモグ
ダイヤ「果南さんもほら、取ってあげますわ」
果南「お、ありがとダイヤ」
鞠莉「やっぱりpartyといったらBBQだよね!」 梨子「それにしても果南さんはすごいですね、山で鹿を仕留めてくるなんて…」
果南「まあ、お肉を食べるにはそうするしかなかったからね」
曜「私たちもいつか出来るようにならなくちゃね」
梨子「ホントにできるかなあ…」
鞠莉「そういえば、2人のこと、もっと知りたいな。なにか教えてくれない?」
梨子「え、そんな急な振り?」
曜「うーん、教えてと言われてもどんなことを言えばいいのか…」 果南「なんでもいいんだよ。例えば…」
梨子「?」
果南「私の実家はダイビングの店やっててさ、その影響で私もよく海に入ってたよ。
でもあのとき、ウイルスがすごい速さで蔓延して、みんな死んで…でも、親友の鞠莉とダイヤだけはなぜか生き残ってさ。しばらくは3人でずっと泣いてたかなあ。
それでも、ずっとメソメソしてるわけにもいかないし、こうしてダイヤの妹を探し始めたってわけ。どう?こんな感じで」
梨子「な、なるほど…」 曜「じゃあ、私からいくね。コホン…私は内浦で普通に高校生やってたんだ。そしてここにはいない千歌ちゃんは私の大切な幼馴染で、大好きな親友。だから千歌を探しにいくんだ」
ダイヤ「簡潔でよろしいと思います」
鞠莉「千歌は曜にとって、とっても大事な人なんだね…」
曜「はい…でも、梨子ちゃんも同じくらい大好きだよ!」
梨子「曜ちゃん…ありがとう」
果南「じゃあ、次は梨子いってみようか」
梨子「私は…訳あって、中学にも高校にもほとんど行ってなかったんです。だから友達とかはいなくて…」
曜「そういえば昨日、私たちが初めてできた友達だって…」
梨子「そう、今はこうして曜ちゃんや千歌ちゃんに会えて、そして友達になれて、とても嬉しい。2人は本当に大切な親友…ありがとね、曜ちゃん」
曜「そんな、こちらこそだよ」
梨子「私はそんな感じです」 ダイヤ「素敵だと思いますわ、そうやって友達を大切に思うのは」
鞠莉「私たちだって、ダイヤのことを大切に思ってるんだからね?」
ダイヤ「もう、分かってますわよ、それくらい」
アハハ... 鞠莉「よーし、東京まであとちょっとだよ!」
曜「しゅっぱーつ!」
一同「おー!」
ブロロロ...
梨子「そういえば、このバスはどうしたんですか?」
果南「ああ、このバスは鞠莉の私物だよ」
梨子「自分のバスなんですか!?すごい…」
鞠莉「こう見えても、ちゃんと免許も持ってるんだからね?」 ダイヤ「あっ、看板が見えてきましたわ。あとちょっとで東京ですわね」
曜「でも、東京って言っても、どこを探せばいいんだろう」
果南「それは私たちにあてがあるよ」
梨子「そうなんですか?」
果南「うん。その千歌って子はウイルスについて探しに行ったんでしょ?だったらひとつ、行きそうな場所がある」
曜「それって一体…」
果南「それは――」 〜〜〜
千歌「東京ウイルス研究所…」
ルビィ「ここならたぶん、なにか分かると思う」
千歌「よーし、じゃあ早速入ってみよう!」
花丸「待つずら」
千歌「へ?」
善子「この建物中が複雑で迷路みたいになってるのよ。だからちゃんとどの階のどの部屋に行くのかを決めといたほうがいいわ」
千歌「な、なるほど…でも、どこになにがあるかなんて分かんないよ」 ルビィ「千歌ちゃんは、あのウイルスのことを知りたいんだよね?」
千歌「うん。あのウイルスがどんなものなのか知りたいんだ」
ルビィ「だったら…」
花丸「うん、あそこだね」
善子「ま、そうね」
千歌「?」 〜〜〜
千歌「ここって…研究室?」
ルビィ「そうだよ。ここではウイルスのワクチンを開発してたの」
花丸「ここなら、あのウイルスについての記録とかもいっぱいあるずら」
千歌「ほんとだ、資料がいっぱい」
善子「ほら、これとかウイルスについてのこと書いてあるんじゃない?」 千歌「どれどれ…『数日前に爆発的な流行を見せ始めたウイルス、通称『Xウイルス』は、非常に高い生命力と感染力を持っており、ワクチンができたとしてもその時には追いつかない可能性が高い…』」
千歌「『そこで我々はワクチンの開発を早急なものとするために今回の計画を打ち出した…』」
千歌「『このウイルスの抗体を持つ人間がごく稀にいるということを確認。その人間にウイルスを直接投与し、抗体を摂取することに成功…』なにこれ…」ペラッ
ルビィ「……」
花丸「……」
善子「……」 千歌「『抗体所有者は3名。内3名とも激しい発熱、嘔吐が確認されるも、命には別状は無し。このままウイルスの投与を続けても問題はないかと思われる…』どういう…こと…?」
善子「書いてる通りよ。抗体を持つ人間に無理やりウイルスを打って、抗体が生成されたところでそれを取る…その繰り返し」
花丸「家族から引き離されて、死にそうになるくらいの苦痛にずっと耐えて…でも結局、ワクチンの開発は未完成のまま終了」
ルビィ「……」
善子「私たちは何度もウイルスを打たれたせいで、ちょっとした記憶障害まで起こしたわ。ルビィはもう、家族のことも思い出せない」
千歌「ちょ、ちょっと待ってよ…私たちって、じゃあここに書かれてる抗体所有者って…善子ちゃんたちのことなの…?」
善子「ええ、そうよ」
千歌「そんな…じゃあみんな、こんなところ来たくなかったんじゃ…」
ルビィ「いいんだよ、千歌ちゃん」
花丸「そうずらよ。それによく言うずら…『困ったときはお互い様』って」
千歌「ルビィちゃん、花丸ちゃん…」 善子「まあ、いまさらそんなこと、どうでもいいわ。そう!私たちが生きてるのは今なんだから!」
千歌「善子ちゃん…ありがとう」
善子「ま、真面目にならないでよ!」
千歌「あはは……ん?なんだろうあれ…」
花丸「どうしたずら?」
千歌「ほら、あそこの壁紙がちょっと剥がれたところ、何か見えてない?」
善子「普通に壁じゃないの?」
千歌「でもあれ、隙間があるよ」 花丸「ほんとだ…ちょっと剥がしてみるずら」ベリベリ
千歌「!これって…」
ルビィ「隠し扉?」
善子「こんな扉、見たことないわね」
花丸「開けてみるずら?」
千歌「うん」ギイイ
千歌「ここは…普通の部屋?」
ルビィ「そうみたい…特になにもないし」
花丸「でもほら、ここにいくつかファイルがあるよ」 善子「分かりやすくマル秘って書いてあるわね」
千歌「どれどれ…」ペラッ
善子「マル秘なのに躊躇なく読むのね」
千歌「…………!これって…」 鞠莉「着いたよ。ここが東京ウイルス研究所」
果南「たぶん、日本で一番大きいウイルス研究所だね」
ダイヤ「正直、一番最初にここくるべきだったかもしれませんわ…」
曜「ここに千歌ちゃんがいるかもしれない…」
梨子「うん…」
鞠莉「それじゃあ中に入ってみましょう」 〜〜〜
曜「なんだか迷路みたいだね」
果南「たしかに。迷子になりそうだよ」
ダイヤ「でもほら、あそこが研究室のようですわよ」
鞠莉「ほんとだ…よし、あそこに行ってみましょう」
梨子「……」 〜〜〜
千歌「そ、そんな…」
善子「なるほどね…」
ルビィ「そうだったんだ…」
花丸「ずら…」
オ-イ
千歌「!この声…!」
ン?ナンカヘンナトビラガアルヨ
アケテミヨウ
ギイイ…
千歌「2人とも…!」 曜「千歌ちゃん…?千歌ちゃん!」ダキッ
千歌「曜ちゃん…」
曜「千歌ちゃん…なんで勝手にいなくなっちゃうの…バカ…千歌ちゃんのバカ…!」
千歌「曜ちゃん…ごめんね」
果南「!ダイヤ!あの子!」
ダイヤ「ルビィ…?」
ルビィ「…?」
ダイヤ「ルビィ!ルビィですわ!ああ、よかった、無事だったのですね!」ダキッ ルビィ「あ、え、えっと…」
ダイヤ「ずっとあなたのことを探してましたの!ああ、この日をどれだけ待ちわびたことか…」
ルビィ「あの…」
花丸「もしかして、ルビィちゃんの家族の方ですか?」
ダイヤ「はい、ルビィの姉のダイヤと申します。あなたたちは…」
花丸「ルビィちゃんの友達の国木田花丸です」
善子「同じく、津島善子」
花丸「あの、ダイヤさん…言いにくいんだけど」 ダイヤ「どうしたのですか?」
花丸「ルビィちゃん、記憶喪失になってるずら」
ダイヤ「記憶喪失…?」
花丸「そう、だから多分、ダイヤさんのことも誰だかわからないと思うずら」
ダイヤ「そ、そうなんですの?ルビィ…」
ルビィ「ごめんなさい…」
ダイヤ「そんな…」ヘタッ
果南「ダイヤ…」
鞠莉「……」
ルビィ「で、でもね!」 ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「今ダイヤさん…お姉ちゃんに抱きしめられたとき、なんだか懐かしいような気がしたんだ…」
ダイヤ「……」
ルビィ「だから、その…お姉ちゃんはお姉ちゃんだって、ルビィにも分かるよ」
ダイヤ「ルビィ…」
鞠莉「いいじゃない、記憶喪失を失くしてたって」
果南「鞠莉?」
鞠莉「また一から姉妹を始めたって、きっと大丈夫だよ。だって…2人は姉妹なんだから」
ダイヤ「鞠莉さん…ええ、そうですわね。ルビィ、もう一度、私の妹になっていただけますか?」 ルビィ「うん、もちろん!」
花丸「ルビィちゃん…」グスッ
善子「何泣いてんのよズラ丸…」グスッ
花丸「善子ちゃんのほうが泣いてるずら…」グスッ
千歌「よかったね、ルビィちゃん」
曜「ダイヤさんも」
千歌「あっ、そういえば」
梨子「……」
千歌「これって…どういうことなの?」
千歌「梨子ちゃん」 梨子「…見ちゃったのね」
曜「なにそれ?」
千歌「ここに書かれてることって、本当なの?」
梨子「…ええ、本当よ」
千歌「…!」
梨子「この世界を破滅に導いたXウイルス…それは自然に発生したものじゃない。人工的に作られたものよ」
一同「!」
千歌「……」 梨子「それも、そのウイルスを作り上げたのはひとりの若き女研究者が率いるチームだった」
千歌「その女研究者っていうのが…」
梨子「そう、桜内梨子…私のことよ」
曜「嘘…」
ダイヤ「あなたがウイルスを…?」
果南「そんな…」
鞠莉「まさか…」 梨子「当時私は、ウイルス研究の分野において日本でもトップレベルの成果を納めていたわ…そこであるとき、企業からある仕事の話をもらったの。その仕事っていうのが、Xウイルスの開発だった」
梨子「もちろん、最初は断ったわ。そんな恐ろしいウイルス、作りたくなかったから。でも、企業の誘いはしつこくて…そして断り続けてたら今度は強引な手段を使ってきたわ」
梨子「見せられたのは盗撮した家族の写真…これがなにを意味するのか、すぐに分かった。そして私は、この研究所でウイルスを作ることになった」
梨子「作っている当時、私はなんの目的で作っているのかすら知らなかった。それがこんなことに使われるなんてね…」 善子「なによそれ…そんなのただの言い訳じゃない!」
梨子「もちろん、こんなことが言い訳になるなんて思ってないし、許されるとも思ってないわ」
善子「もちろんあなたは許されないわ…あなたのせいで、あなたのせいで私たちはどれだけ苦しんだと思うの!?」
梨子「……」
善子「……って」
花丸「善子ちゃん?」
善子「どっか行ってよ!!あんたなんて…あんたなんて!!」 梨子「言われなくても、私はもう消えるわ…誰もいないところに行って、誰にも知られず死ぬ…それが私にできるせめてもの償い」
千歌「梨子ちゃん…」
梨子「ただ、ひとつだけ心残りがあるなら…」ウルッ
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんと、もっと友達でいたかった…!」ポロッ
千歌「…!」 曜「梨子ちゃん…!」
梨子「じゃあ、さよなら――」
千歌「行かせないよ」パシッ
梨子「千歌ちゃん…?」
千歌「私が言うなって感じだけど、ひとりで勝手にどこかに行くなんて、許さないんだから」
曜「あはは、それ、ほんとに千歌ちゃんが言う?…でも、私も同じだよ。梨子ちゃん、いなくなったりしたらダメだよ」 梨子「…離して。もう私は2人と一緒にはいられないの」
千歌「ううん、一緒にいるの。いつまでも、ずっと一緒にいるんだよ」
曜「そうだよ。だって私たち…親友でしょ?」
梨子「!」
千歌「みんな…」クルッ
千歌「私からも、みんなに謝るから…だから、梨子ちゃんのこと許してくれないかな?」ペコッ
曜「私からも、お願いします」ペコッ
梨子「2人とも…やめて…やめてよ…私は許される人間じゃない…ウイルスを作ったってだけじゃない…2人のこと、ずっと騙してたんだよ?」ポロポロ 千歌「そんなこと、どうだっていい。私は梨子ちゃんと一緒にいて、楽しかったんだもん」
曜「私も、梨子ちゃんのこと、大好きだから」
梨子「なんで…なんでそこまでしてくれるの…?」ポロポロ
千歌「だから言ってるでしょ…親友だから」
梨子「うう…千歌ちゃん…曜ちゃん…!」ポロポロ
千歌「ほら、梨子ちゃんも謝ろ?」
梨子「うん…みんな、本当にごめんなさい…」ペコッ
果南「…まあ、いいんじゃない?」 鞠莉「そうね…梨子だって、悪意があってやったわけじゃなさそうだし」
ダイヤ「いまさら梨子さんを責めたところで、何か起こるわけではありませんしね」
ルビィ「ルビィも、べつに怒ってませんよ。それに…」
花丸「千歌ちゃんに頭を下げられたら、許さないわけにはいかないずら。ね、善子ちゃん?」
善子「まったく、これじゃこっちが悪者みたいじゃない…はあ、今回は特別に許してあげるわ」
千歌「みんな…ありがとう!」
曜「よかったね、梨子ちゃん」
梨子「うん…本当にありがとう…!」 鞠莉「それじゃあ、記念にみんなでpartyデース!」
果南「いやいや、なんの記念?」
曜「数日しか経ってないのに、なんだか大冒険をしたみたいだよー」
善子「たしかにちょっと疲れたわね」
花丸「そういえば、ルビィちゃんはどうするの?」
ルビィ「ルビィは…お姉ちゃんと一緒にいたい」
花丸「そっか…じゃあ――」 ルビィ「でも、花丸ちゃんと善子ちゃんとも一緒にいたい!」
ダイヤ「ルビィ…」
鞠莉「じゃあ3人とも、私たちと一緒に来る?」
ルビィ「え?」
鞠莉「そうすれば、ルビィはダイヤとも花丸とも善子とも一緒にいられる。そして私たちも、ダイヤと一緒にいられる」
果南「たしかに、それなら万事解決だね」 ルビィ「え、えっと…」チラッ
花丸「おらはそれで構わないずらよ」
善子「私もそれでいいわよ。あとはルビィ次第」
ダイヤ「みなさん…」
ルビィ「みんな…うん!そうしたい!」
鞠莉「じゃあ、決まりね♪ちかっちたちはどうする?一緒にくる?」 千歌「私たちは…一緒には行かない。もう一回3人で暮らしたいんだ」
曜「……」ニコッ
梨子「……」クスッ
千歌「でも、誘ってくれてありがとう。たまに内浦に遊びに来てくれたら嬉しいな」
鞠莉「もちろん♪」
果南「じゃあ、新たな出会いも祝して、今日はやっぱりパーティーだー!!」
一同「おー!!!」 〜〜〜
千歌「あっ、ほらほら引いてるよ!」
曜「ほんとだ!梨子ちゃん早く上げて!」
梨子「うん!お…おりゃー!」グルグル
バッシャ-ン!
千歌「おお!大きいよ梨子ちゃん!これで今日の晩御飯は大丈夫だね!」
曜「ナイスだヨーソロー!」
梨子「えへへ///」 千歌「じゃあ今日の釣りはこれくらいにしときますか」
曜「そうしようか」
千歌「よーし、それじゃ家に帰って早速料理の準備だー!」
梨子「料理って言っても、やっぱり焼くだけなんだけどね」
千歌「だーかーらー、小さいことは気にしないの!」
曜「あはは、はいはい」 私たちは今日もそうやって3人で笑い合う。
それはまるで…
千歌「ほらー、梨子ちゃん早くー」
曜「置いて行っちゃうよー」
梨子「…♪」ニコッ
梨子「千歌ちゃーん、曜ちゃーん、待ってよー!」
まるで、幸せや喜びを、3人で分け合うかのように。 終わりです。見てくださった方、ありがとうございました 乙
すごい読みやすくて面白かったよ
ウィルスの謎とか暴いてく感じも期待したかったけど、人類ほぼ全滅してたら難しいよね。 なるほと、梨子ちゃんが音の木に通うでもなく
ほとんど学校に行っていなかったってのはそういうことだったのか
乙 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています