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曜「善子ちゃんをくすぐり続けたら失禁した」その5
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0002名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:10:09.05ID:EDSYYcIsM


ゴポッ……

曜(ここは……水の中?)

「……さん。曜さん」

曜(ん……。善子ちゃんの声)

「私の声、聞こえる……?」

曜(善子ちゃん、どこ……?)

「目を開けて。お願い……」

曜(どこ? どこにいるの?? ねぇ……)

「……」グスッ

曜(泣いてるの……?)

「ごめんなさい……。私のせいで」

曜(え……?)

「……」スタッ

スタスタ

曜(待ってよ! 行かないで……)

曜(私を助けてよ……)

チャプン





 沼津総合病院 病室

曜「はぁっ……!」バサッ

曜「善子ちゃん……」

曜「あれ……?」キョロキョロ

曜「何だ、夢かぁ」ホッ

曜(すごく嫌な夢だった……)

曜(息ができなくて、苦しくて……)

曜(水の中で溺れるみたいな、そんな夢)

曜「……」
0003名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:11:17.46ID:EDSYYcIsM
曜「ん? ここって……」キョロキョロ

曜(病院だよね? 何で私、ベッドで寝て……)

曜(ってことは入院してるのか)

曜(……いつから?)

曜「そうだ、今日って何日だろう?」スッ

曜「うわ、スマホ電池切れてる……」

曜「……」

曜「はぁ……」

曜(えっと……とりあえず顔洗ってこよう)スタッ

曜「おっと……」ツルッ

ズテッ!

曜「あいたた……」ヒリヒリ

曜「もう! 誰こんなところに水こぼしたの! 拭いておかないと危ないじゃん……」

曜「……ん?」

曜「水じゃない……」

曜「……」クンクン

曜(何だっけこれ……。ずっと昔に嗅いだことのあるような)

曜(懐かしくて……温かくて、とっても優しい気持ちになれる香り……)

曜「……」ペロッ

曜(こ、これは……っ!!)ペッ!

曜「おぇーっ!! 何でこんなところにおしっこが溢れてるのっ!?」ペッペッ!

曜(もしかして私、漏らした?? いや高校生にもなってありえないでしょ)

曜「……っ!?」サワッ

曜(よかった……。お股が濡れてないってことは私じゃないよね)サワサワ

曜「ん……♡」

曜「と、とりあえず拭かなきゃ……。私だと思われたくない」サッ

曜「……」フキフキ

曜「……」フキフキ

コトッ

曜「ん?」
0004名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:11:53.27ID:EDSYYcIsM
曜「何だろこれ」ヒョイ

曜(尿瓶……?)

曜「……」コトッ

曜(私じゃん……)

曜(きっと寝ぼけてひっくり返したんだ……)

曜(ってことは私、自分のおしっこを舐め……っ!?)

曜「おぇーっ!!」ペッ

ガラガラッ

善子「大丈夫? 大きな声が聞こえたけど……」

曜「だ、大丈夫です! えと、あの……」

善子「まさか溢したの?」

曜「はい……。すみません」フキフキ

善子「はぁ……。貸して、私も拭いてあげるから」スッ

曜「いいですいいです! 自分のくらい自分で片付けるので……」カァアア

善子「えっ?」

曜「えっと……ゴミ箱はっと」キョロキョロ

善子「あ、ゴミ箱ね。はい」スッ

曜「ありがとうございます」ポイッ

善子「……」

曜「わ……。手洗ってこないとだ」スタッ

善子「それと、服も着替えたほうが……」

曜「はい……。代わりの服貰えますか?」

善子「いいけど……」

曜「んっ……」ヌギッ

善子「えっ、ちょっ……ここで脱ぐの?」

曜「え? ここで脱がないんですか?」

善子「後ろ向いてるから……終わったら言ってよね」カァアア

曜「はい……? 変な看護師さん」ヌギヌギ

善子「えっ」

曜「脱げました。着替えは……」
0005名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:12:31.76ID:EDSYYcIsM
善子「曜さん、さっきからどうして敬語なのよ?」

曜「へっ? だって、看護師さんにタメ口なんて失礼ですよ……」

善子「私、看護師じゃないけど」

曜「あっ……。ごめんなさい、よく見たら白衣も着てないし……」

曜「えっと……でも病院の方ですよね?」

善子「は??」

曜「違うんですか? うーん……」

善子「……」

曜「あの、すみません。お名前をお聞きしても……?」

善子「はぁ……」

曜「あっ、そうですよね。人に名前を聞くときはまず自分から……」

善子「……」

曜「自分から……。ええと」

善子「曜さん?」

曜「私の名前は……」

曜「私……」

曜「……」

善子「……」

曜「待って、どうして思い出せないの……!?」

曜「落ち着いて……。私って誰だっけ」

曜「……」

善子「そう……。そういうことなのね」ボソッ

曜「もしかして、お見舞いの方ですか?」

善子「お見舞いよ。一応ね」

曜「ってことは……私の知り合いだったりします?」

善子「知り合いじゃなかったら来てないわよ」

曜「ですよね! あはは……」

曜「じゃあ……私の名前も知ってますよね?」

善子「当然。曜さんの名前は……」
0006名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:13:27.36ID:EDSYYcIsM


私の名前は渡辺曜。

浦の星女学院に通う高校二年生で、何と何と! スクールアイドルをやってたんだって!

それでね、この子はヨハネちゃん。私と同じスクールアイドル部の後輩で……後輩っ!?

……大人っぽく見えたから年上かと思っちゃった。

それにしても可愛い子だなぁ。あんまりアイドルって感じはしないけど……。

こんな子が私の後輩? 毎日一緒に登下校して、休み時間には一緒にお喋りして……あ、後輩か。教室は違うんだよね……。

でも、一緒に練習したりお昼食べたりはしてたのかな?

わざわざこうしてお見舞いに来てくれるくらいだもん、私ってこの子と仲良かったりするのかなぁ……。

えへへ。こんな子と仲良しだったなんて羨ましいぞ私!



「……さん」

曜「まるで夢の中にいるみたい……」ウットリ

善子「曜さん?」

曜「あっ、ごめんなさいヨハネちゃん。ちょっと考えごとしてました」

善子「敬語はやめてよ。何だか……くすぐったいわ」

曜「だけど……会ったばっかりでいきなりタメ口っていうのも」

善子「曜さんってそんなキャラだったかしら? もっと初対面でもグイグイ行く感じじゃなかった?」

曜「そうなんですか?」

善子「そうなんですかって……」ハァ

曜「あの、実は……」

曜「私、記憶喪失みたいなんですよね」

善子「そうみたいね。私のことだけじゃないみたいだし……」ボソッ

曜「はい?」

善子「ううん。何でもないわよ」

曜「……」

善子「それより、体調はどう? どこか痛むところとかない?」

曜「特にはないですね。うん、元気そのものです」

善子「そう。それはよかったわ……」ホッ

曜「あの……私の名前、教えてくれてありがとうございます。まだ何にも思い出せないんですけど、ヨハネちゃんは私のお友だちってことでいいんでしょうか?」
0007名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:14:09.29ID:EDSYYcIsM
善子「友だち……。そう、友だちよ。先輩後輩の」

曜「私ってどんな先輩でした?」

善子「え? それはもう、優しくてカッコよくて頼りになって……」

善子「私が困ってたら必ず手を差し伸べてくれるような、本当に素敵な先輩よ」

曜「……」カァアア

善子「私以外にも優しいのがムカつくけど……」

曜「そっか……私、そんないい先輩だったのか……」

善子「それでも私は、曜さんのことを、その……」ドキドキ

曜「こんなふうに慕ってくれる後輩もいるのに、全然思い出せないなんて……」ハァ

善子「す、好きになっちゃうくらいの?」カァアア

曜「あぁ……私って本当にどうしちゃったんだろう」

善子「もう! 何言わせるのよ!!」バシッ!

曜「痛っ!!?」

善子「はぁ、はぁ……」

曜「えっ?? 今何かした?」

善子「何も。天の裁きが下ったんじゃないかしら?」

曜「そ、そっか……」ヒリヒリ

曜「それで、私ってどんな先輩でしたっけ」

善子「別に。普通の先輩だったわ」フンッ

曜「普通の先輩かぁ……」

善子「そうよ。不満?」

曜「いえ、もう少し具体的な情報があると嬉しいかな……なんて」エヘヘ

善子「あぁ、思い出すためにね」

曜「はい。何かありませんか?」

善子「そうね……。話してもいいんだけどその前に」

曜「ま、まさか」ビクッ

善子「敬語、やめてくれない? 気持ち悪いわ」

曜「ほっ……」

善子「あっと……記憶喪失なのよね。気持ち悪いは言いすぎたわ」

曜「焼きそばパン買ってこい、とか言われたらどうしようかと思いました」アハハ
0009名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:15:44.83ID:EDSYYcIsM
善子「私が後輩よね? どうして先輩をパシるのよ」

曜「何となく? ヨハネちゃんってパシられるよりパシる側な気がします」

善子「何でよ。あと敬語やめて」

曜「うっ……」

善子「曜さんの方が先輩なのよ。後輩どころか先輩にすら敬語なんて使わなかったじゃない」

曜「そんな失礼な子だったんですか私」

善子「敬語!」

曜「あっ……失礼な子だったんだね、私」

善子「そうよ。曜さんは失礼な人だったわ」

曜「反省、反省……」シュン

善子「……」

曜「それで、ヨハネちゃんはどうして私なんかのお見舞いに?」

善子「は? そんなの……」

曜「?」

善子「えっと……こ」

曜「こ?」

善子「こっ、こい……」カァアア

善子「……」フゥ

善子「後輩だからに決まってるじゃない」

曜「……」

善子「それ以上の意味なんてないわよ! 期待しないで!」

曜「こんな優しい後輩がいるなんて……」グスッ

善子「わっ、何泣いてんのよ気持ち悪いわね」

曜「よかったらその……私のこととか、ヨハネちゃんのこと……もっと教えてくれませんか?」

曜「あっ……お、教えてくれないかな?」

善子「……」

曜「ダメ?」

善子「教えるのはいいんだけど……その前に」

曜「敬語はやめます! あ、やめるよ!!」

善子「それもそうなんだけど、その前に」
0010名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:16:40.78ID:EDSYYcIsM
曜「まだ何か?」

善子「服、着替えない?」チラ

曜「えっ……?」

善子「その、下着姿でいられると……目のやり場に困るわ」カァアア

曜「そ、そうだよね!?」バサッ

善子「あと、もし濡れたならシャワー浴びてきて。せっかく着替えるんだから」

曜「私、くさいかな?」クンクン

善子「……少し」

曜「うぇ……。いったい何日お風呂入ってなかったんだろ……」

善子「そういうくささじゃないわよ」

曜「どういうくささ?」

善子「どういうって……」

善子「いいから浴びてきなさい!!」

曜「はいっ!?」ビクッ



善子「ふぅ……」

善子(曜さんが記憶喪失……か)

善子(最初は私のことを忘れたフリしてるのかと思ったけど、そうじゃないみたい)

善子(どうしよう……。このままじゃみんなに迷惑がかかるわ)

善子(もうすぐライブだってあるのに……自分がスクールアイドルってことすら忘れちゃうなんて)ハァ

善子「……」

善子(待って……? 今の曜さんは全部忘れてる状態……自分の名前すら思い出せてない)

善子(それに私のことは嫌いになってない……)

善子(これってもしかしてチャンス……?)

善子(ふふっ。天はまだ私を見放してはいなかったようね)ニヤリ
0011名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:17:31.68ID:EDSYYcIsM


 シャワールーム

ザー バシャバシャ

曜「ふんふーん♪」

曜(病院なのにシャワー付きの個室……。もしかして私ってお金持ちなのかな?)

曜(あぁ……それにしてもシャワーって気持ちいいなぁ。何日ぶり? いや、ひょっとしたら何ヶ月?)

曜(……何年かも??)

ザー

曜(いや、それはないな。だって私、高校二年生だもん。少なくとも二年生になってから入院してるはずだよね)

曜(あ、でも一年生の終わり頃から入院してるかもしれないのか……)

曜(進級はできたみたいだし、留年するほど欠席にはなっていないみたい)

曜(早くても一年生の……二月くらいかな?)

曜(うーん、ヨハネちゃんに今日が何日なのか聞きそびれちゃった)

曜(上がったら聞かないと……)

バシャバシャ

曜(それと、私が何で入院してるのかも聞かなくちゃ)

曜(ケガはしてないみたいだからたぶん病気だね)

曜(だけど、記憶を失くすような病気って……)

曜「……」

曜(それか薬の副作用? それとも手術で……??)

曜(まあ、聞いてみれば分かることか……)

コンコンッ

曜「は、はい? あの、入ってまーす……」

「開けるわね……」ガチャ

曜「えっ……あの」

善子「……」ドキドキ

曜「よ、ヨハネさん?? 私、今浴びてるんですけど……」

善子「私も浴びていい? ちょっと汗かいちゃったから……」チラ

曜「いいですけど……その、私の後に」

善子「今浴びたいの」
0012名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:18:08.29ID:EDSYYcIsM
曜「じゃ、じゃあ私が一旦上がります。お先にどうぞ……」

ギュッ

曜「へっ……?」

善子「一緒に……浴びたいの。ダメ?」カァアア

曜「せ、狭くないかな?」

善子「狭くないわよ」

曜「うん……意外と広いよねここ」

善子「ええ。贅沢な個室よね」



ザー

曜「……」

善子「痛くない?」ゴシゴシ

曜「はい、全然大丈夫です」

善子「どうしてまた敬語になってるのよ」

曜「え? あ……何でだろう。お風呂だからかな」アハハ

善子「意味分かんない」ゴシゴシ

曜「こんなふうに誰かと一緒に入るなんて……」

善子「……」ゴシゴシ

曜「私、いつから入院してるのかな」

善子「……」

曜「そもそも今日って何月何日?」

善子「今日は二月四日、日曜日よ」

曜「えっ、冬!?」ガタッ

善子「ど、どうしたのよ急に」

曜「いや……私的には夏かと思ってた」

善子「窓の外見なかったの? 雪降ってたじゃない」

曜「ごめん……見てないや」

善子「そうでなくても寒いわよね」

曜「病院の中は暖かいから……」

善子「……」
0013名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:18:41.86ID:EDSYYcIsM
曜「そっか……。冬なのかぁ」

善子「ええ」

曜「待って。じゃあもうすぐ三年生?」

善子「そうよ。来週には中間テストがあって……あっ」

曜「ん?」

善子「曜さん、二年生の勉強は覚えてる?」

曜「えっと……」

善子「まずいわ……。もし赤点でも取られたら、本当に留年しちゃう……」

曜「留年っ!? それはまずいよ! 何とかしなきゃ!」

善子「だけど……ううん、そうよ。きっと……」ブツブツ

曜「あ……そもそも出席してなかったね」

善子「……」ブツブツ

曜「来年は同じ学年かな? よろしくねヨハネちゃん」

善子「へっ?」

曜「同じクラスになれるといいなぁ」

善子「なれるわよ。そもそも一学年に一クラスしかないんだし」

曜「そうなの? ずいぶん小さな学校に通ってるんだね私たち」

善子「……って、そうじゃないでしょう。留年しないで済むように勉強しなさいよ」

曜「それは無理だよ。ずっと入院してた時点で留年は確定してるもん」

善子「何言ってるのよ。曜さんが入院したのは昨日よ」

曜「そう……昨日」

善子「昨日は二月三日。あ、そういえば節分ね……」

曜「昨日っ!!?」ガタッ

善子「きゃっ……」

ドシーン!

曜「あいたた……」

善子「」

曜「大丈夫? ヨハネちゃん」

善子「」

曜「ほら、立てる? それっ……」グイッ
0015名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:20:51.09ID:EDSYYcIsM
善子「」ドサッ

曜「……え?」

善子「」

曜「ちょっと、大丈夫? ねぇ……」ユサユサ

善子「」ユサユサ

曜「た、大変だーっ!!? 救急車呼ばなきゃ! あ、でも私のスマホ電池切れてるよーっ!?」

曜「どうしよどうしよ……! ヨハネちゃんのスマホ借りてもいいかな? 緊急時だしいいよね!?」

ガチャッ!

「おっと」ドンッ

曜「あっ……ごめんなさい!」

曜ママ「何だ、曜起きてたんだね。誰がシャワーなんて浴びてるのかと……」

曜「えっ……? あの、すみません! 救急車呼んでもらえますか!?」

曜ママ「救急車?」

曜「はいっ! ヨハネちゃんが……あの、私のお友だちが倒れててっ……!!」

曜ママ「ん?」ズイッ

善子「」←裸

曜ママ「わぁあ!!? 曜何してるの!? ここ病院だよ!? そういうことは家で……」カァアア

曜「いいから早く呼んでくださいっ!」

曜ママ「わ、分かった……。ちょっと待っててね」スッスッ

曜「大丈夫? ヨハネちゃん……しっかりしてよ」グスッ

曜ママ「待って。ここもう病院だ」

曜「そんなのどうでもいいよ! 救急車!!」

曜ママ「いや、すぐ看護師さん呼んでくるから……」タッ

タッタッ



曜「ヨハネちゃんしっかりしてよ……」ユサユサ

善子「ん、ん……?」

曜「ヨハネちゃん!!」ガシッ

善子「へっ……ええ!!?」
0016名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:21:31.19ID:EDSYYcIsM
曜「大丈夫?? ねぇ……本当に心配したんだから」グスッ

善子「ど、どどどうして曜さんが私の上に……!?」カァアア

曜「息してる? してるよね……。心臓は?」スッ

善子「やっ、まだそういうのは……」ドキドキ

曜「ん……」ピトッ

善子「……っ!!?」ドキドキドキドキ

曜「脈が速い……」

善子「曜さんのせいよ!!」カァアア

曜「とりあえず深呼吸しよう。息を吸って……」

善子「すぅ……」

曜「吐いて……」

善子「はぁ……」

曜「もっと吐いて……」

善子「はぁぁぁ……」

曜「もっともっと吐いて……」

善子「はぁっ……!」ゲホッゴホッ

曜「もう終わり? 息が短いね」

善子「死ぬわ!! そんなに息続かないわよ!」ゼェゼェ

曜「そっか。少しは落ち着いた?」

善子「こんなの落ち着けるかっ!」ゲホッ

曜「ほら、大丈夫……。さっきの人が救急車呼んでくれたから、すぐに助けが来るよ」ギュッ

善子「あっ……」ドキッ

曜「ごめんね……。私が急に立ち上がったせいでヨハネちゃんが……」

善子「い、いいわよそんなの。それより……早く離れて」カァアア

曜「え? うん……」パッ

善子「朝からずいぶんと大胆なことするじゃない……」ドキドキ

曜「??」

善子「無自覚? はぁ……。曜さんって記憶を失くしても変わらないわね」

曜「救急車まだかなぁ」

善子「救急車っ!? まさか救急車呼んだの!?」
0018名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:23:07.32ID:EDSYYcIsM
曜「うん」

善子「ここ病院よ?」

曜「……あっ」

善子「消防署の人、何か言ってなかった?」

曜「ううん。電話したの私じゃないし……」

善子「えっ、じゃあ誰が……」

曜「知らない人」

善子「知らない人っ!!?」ガタッ

曜「おっと、また転ぶよ」ギュッ

善子「もしかして……見られた?」

曜「何を?」

善子「裸よ!! 私の……いや、曜さんもだけど」

曜「緊急事態だもん。そんなこと言ってられないよ」

善子「嫌ぁああ!!! 恥ずかしい!! 死ぬ!!」

曜「お、落ち着いて。女の人だったよ」

善子「あ、そう? ならよかったわ……」ホッ

善子「っていいわけあるかっ!!」バシッ!

曜「痛っ!!?」

善子「知らない人に裸を見られるなんて……死んだ方がましよ!!」カァアア

曜「そんな! 死ぬなんて簡単に言わないでよ!」ヒリヒリ

善子「もう嫌……」グスッ

曜「泣かないでヨハネちゃん。私がいるから」ギュッ

善子「うぅ……」

曜「よしよし。いい子いい子……」ナデナデ

善子「善子ってゆーな!!」

曜「えっ?」

善子「あ、いや……何でもないわ」グスッ

曜「とりあえず体を拭いて待とっか。服を着て、それからにしよう」

ドンドンッ!

善子「ひぃっ!?」ビクッ
0019名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:23:50.38ID:EDSYYcIsM
「渡辺さん!? 大丈夫ですかっ!?」

「曜じゃなくて、善子ちゃんの方です……」

「そ、そうだったわね。津島さん! 津島善子さん!!」

曜「津島さん……? えっと……」

善子「だ、大丈夫です!! ちょっと転んで気絶してただけだから!」

「開けますね! 失礼します!!」ガチャッ

曜「見ちゃダメっ!!」ガシッ

看護師「きゃっ!?」ビクッ

曜「私のは見てもいいけど……ヨハネちゃんは見ないであげて」

善子「曜さんっ……?」ドキッ

看護師「あ、あのっ……私、津島さんが倒れたって聞いて……」

曜「もう大丈夫だから。来てくれてありがと」ニコッ

看護師「はい……♡」キュン

善子「曜さん……」ハァ

曜ママ「善子ちゃん、大丈夫……? 曜に変なことされなかった?」

善子「されたわ」

曜ママ「されたのっ!? どんなこと!? どんなことされたのっ!!?」ガシッ

善子「それは……って何見てんのよっ!!」ブンッ!

ガシッ!

曜「この人が救急車呼んでくれたんだよ。乱暴なことはダメ」

善子「で、でも……っ」カァアア

曜ママ「曜、ありがと……」フゥ

曜「見ないであげてください。ヨハネちゃんは恥ずかしがり屋さんだから……」グイッ

バタン

看護師「えっと……」

曜ママ「とりあえず大丈夫そうです」アハハ

看護師「全く、人騒がせなんですから……」ハァ

曜ママ「ごめんなさい……」

看護師「それと、渡辺さんの目が覚めたなら教えてくれなきゃダメじゃないですか。早く先生に診察してもらわないと……」

曜ママ「はい……」
0020名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:24:26.89ID:EDSYYcIsM
看護師「それから! ここは病院ですよ!? 娘さんによく言い聞かせてくださいっ!!」カァアア

曜ママ「……」カァアア

看護師「返事は!?」

曜ママ「はいっ!?」ビクッ

看護師「本当にもう、あの二人は……」

スタスタ

曜ママ「……いや、曜にそんな勇気ないんだけどなぁ」



 シャワールーム

曜「これでよし……と」

善子「あ、あの……」

曜「大丈夫? できるだけ見られないようには配慮したんだけど……」

善子「……」ドキドキ

曜「どこか打ってない? 頭とか……、頭とか」

善子「頭は大丈夫よ!」

曜「だよねっ!? どっちかと言うと私……」アハハ

善子「……ありがと」

曜「ん?」

善子「ありがと!! 一応お礼は言っておくわ。その……嬉しかった」カァアア

曜「?? まあいいや。座ってよ」

善子「え? うん……」ストン

曜「目、瞑っててね……」

ザー バシャバシャ



善子「はぁ……。私たちのせいでとんだ騒ぎだったわね」

「うん……。気をつけなきゃね」モコモコ

善子「それと……私が洗ってもらっちゃっていいのかしら」

「何言ってるの。私を洗ってくれたお返しだよ」

善子「そう……」

「……」モコモコ
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2018/07/15(日) 10:25:01.19ID:EDSYYcIsM
善子「……」

「このまま体洗ってもいい?」

善子「えっ? 一度流してくれないと目が開けられないわ」

「大丈夫。私が洗うから」スッ

善子「あっ……♡」ビクッ

「あはは。何今の声」

善子「ちょ、ちょっともう! どさくさに紛れて変なところ触らないでよねっ」カァアア

「触ってないよ」モコモコ

善子「んっ……」

「ヨハネちゃん、綺麗な背中だね……」モコモコ

善子「やめてよ……恥ずかしいじゃない」

「うん」モコモコ

善子(ちょっと……本当にこのまま洗う気? 目を瞑ったままだから怖くて仕方ないわよ……)

「それで……あぁ、そうだ。私っていつから入院してるんだっけ」モコモコ

善子「昨日よ。昨日の午前中から」

「そ、そっか……。たったの一日だったんだね」

善子「そうよ……たったの一日」

善子(寂しくなんて……全然)

「もう何年も寝たきりなのかと思ったよ」モコモコ

善子「点滴もせずにどうやって生きるつもり?」

「あれ? そういえば点滴してなかった」

善子「曜さんを傷つけていいのは私だけよ」

「えっ?」

善子「何でもないわ」

「……」モコモコ

善子「明日、学校行けそう?」

「ん? どうだろ……。退院できれば行けると思うけど」

善子「きっと大丈夫よ。検査では何も異常がなかったから」

「そうなんだ……。私って何の病気なのかなぁ」

善子「病気? 強いて言うなら、そうね……」フフッ
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2018/07/15(日) 10:25:36.28ID:EDSYYcIsM
「……」ゴクリ

善子「って言うわけないでしょう」カァアア

「言ってよ! 気になるじゃん!」

善子「私がいないと死んじゃう病気よ」

「はい?」

善子「治療法はただ一つ、死ぬまで私と一緒にいること……」

「あはは……。それで、何の病気なのかな」

善子「さあね。知らないわ」

「えぇ!? 私の友だちなんだよね!?」

善子「友だちでも後輩でも、知らないものは知らないわよ」

「うーん……。先生に聞くしかないかぁ」

善子「……」

「前はどうする? 自分で洗う?」

善子「何?」

「前だよ。私が洗ってもいいなら洗うけど」

善子「そ、そんなの聞かないでよ!! ただでさえ恥ずかしいんだから!」カァアア

「一旦流すね。そうすれば目を開けられるでしょ」

善子「あ……」

ザー バシャバシャ

「ヨハネちゃん、すごい髪質いいよね……。羨ましいな」

善子「そんなことないわよ。ダイヤさんはもっと綺麗な髪してるから」

「ダイヤさんはね。あんな綺麗な髪の人そうそういないよ」アハハ

善子「ええ」フフッ

善子「……ええっ!!?」ガタッ

曜「わっ、危ないよ!」

善子「あっ……目が」

「もう、だから目を瞑っててって言ったのに……」

善子「仕方ないじゃない……。それより今、ダイヤさんのこと……」

「ダイヤさんがどうかしたの?」

善子「どうして覚えてるの?」
0024名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:28:08.59ID:EDSYYcIsM
「へっ? どうしてって……」

善子「ダイヤさんのこと知ってるの?」

「知ってるよ。それがどうかした?」

善子「果南さんは? 鞠莉さんは??」

「もちろん知ってるよ。というか、ヨハネちゃんも知り合いだったんだ?」

善子「……」

「はい、もう開けていいよ」

善子「あ、ありがと」パチ

曜「目、痛くない?」

善子「少し……。それより、もっと他に痛いところがあるから」ズキッ

曜「どこっ!? 看護師さん呼ぶ!?」

善子「千歌さんと梨子さんは?」

曜「え? 二人のことも知ってるの?」

善子「ルビィとずら丸は??」

曜「ルビィちゃんは知ってる。ずら……何ちゃん?」

善子「あっ、花丸よ。国木田花丸……」

曜「すごいね! 私の知り合いのことみんな知ってるんだ!」

善子「……」

曜「あれ? ってことは……」

善子「私が今、名前を挙げた人……みんな同じグループのメンバーよ」

曜「グループ?」

善子「そう。スクールアイドルの……」

曜「Aqoursのこと?」

善子「何よ……。全部覚えてるんじゃない」ホッ

曜「そっか。言われてみれば……だんだん思い出してきたぞ」

善子「そう。それはよかったわ……」

曜「……」

善子「……」

曜「え、私も?」

善子「ん?」
0025名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:28:43.31ID:EDSYYcIsM
曜「私がスクールアイドルっ!!?」ガタッ

善子「そうよ!! って言うか思い出したんじゃなかったの!?」

曜「無理だよ私なんて! みんなみたいに可愛くないし、髪だって塩素で色が抜けちゃってるし……」

善子「可愛いわよ!! 塩素は……塩素??」

曜「そう。見ての通り、私って髪が白っぽいでしょ? これ塩素のせいなんだよね」

善子「塩素……あっ、プール!?」

曜「そう! 何を隠そう私は水泳部のエースなんだよ!!」

善子「えっ……」

曜「そっか! そうだったんだ!! 全部思い出したよ!」ガシッ

善子「ち、違うわよ? 曜さんは……」

曜「ヨハネちゃん、本当にありがとう! 私の記憶を取り戻してくれて!」ギュッ

善子「……」

曜「いやー、これで明日から安心して学校に行けるね! よかったよかった!」

曜「あとは無事に退院できるかどうか……」ウーン

曜「テストも近いし退院させてくれるようにお願いするしかないな」

善子「……」



 病室

曜ママ「やっと上がったね。着替えたら診察室に来てってさ」

善子「あの……ごめんなさい。看護師さん怒ってなかった?」

曜ママ「ちょっぴり」

曜「さっきはありがとうございました……」ペコリ

曜ママ「ご丁寧にどうも」アハハ

曜「ヨハネちゃんのお知り合いですか?」

曜ママ「え」

善子「あっ、あのね? 曜さん少し……記憶が混乱してるみたいで」

曜「すみません……。もしかして私とも面識あったりします?」

曜ママ「」フラッ

善子「大丈夫? しっかりして」ガシッ

曜ママ「こんなことって……」グスッ
0026名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:29:21.57ID:EDSYYcIsM
善子「ほら、曜さんも!」

曜「……」

曜ママ「天の裁きが下ったんだ……。私なんかもう母親じゃないって……」

善子「曜さんっ!!」

曜「なーんてね! 嘘だよお母さん!」ギュッ

曜ママ「えっ?」

曜「忘れちゃってたのは本当だよ? でもヨハネちゃんが全部思い出させてくれたから大丈夫!」

曜ママ「ど、どういうこと……?」

善子「えっと……目が覚めたときに記憶が混乱していたのは本当よ。自分の名前も思い出せなくて……」

曜ママ「そうなの!? すぐ先生に知らせなきゃ!」

善子「でももう大丈夫だから! みんなのことも思い出してきてるし……すぐに全部思い出すわよ」

曜ママ「本当……?」

曜「あれ? この人誰だっけ?」

曜ママ「」

曜ママ「もうっ!! 親をからかうんじゃないっ!!!」バンッ!!

三人「「「!?」」」ビクッ

善子「って何で自分までびっくりしてるのよ」

曜ママ「思ったより強く叩きすぎて……」ヒリヒリ

曜「物に八つ当たりするのはよくないよお母さん」

曜ママ「なっ……!」

曜「子どもじゃないんだからさぁ」アハハ

曜ママ「……」プルプル

善子「曜さん、やめなさいよ。お母さんは曜さんのことを心配して……」

曜「それよりお腹空いた。何か買ってきてくれない?」

曜ママ「善子ちゃん」

善子「な、何かしら」

曜ママ「私、泣いてもいいかな……」グスッ

善子「落ち着いて。曜さんもお母さんと会えて嬉しいだけなのよ」

曜「一日ぶりじゃん」

善子「一日ぶりだけど! しばらく帰ってこなかったじゃない! 意識が!!」
0028名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:30:52.41ID:EDSYYcIsM
曜「あ……まぁ、そうか」

曜ママ「本当に大丈夫なの……? 何ともないの……?」グスッ

曜「大丈夫だよお母さん」ギュッ

善子「……」

曜「心配かけたみたいで……本当にごめんなさい」

曜ママ「曜……っ」ポロポロ

曜「えっ? 何泣いてるの、本当に子どもみたいだよ……」アハハ

曜ママ「曜のばか。親不孝のばか娘……」グスッ

曜「うん……」

曜ママ「泣いて謝ったって絶対に許さないんだからね」

善子「……」

曜「これからはたくさん親孝行しなきゃね」ナデナデ

曜ママ「うぅ……」ギュッ

善子「ごめんなさい」ペコッ

曜「?」

善子「私のせいで……こんなことに、曜さんを辛い目に遭わせて本当に」

曜「何のこと?」

曜ママ「大丈夫。悪いのは全部曜なんだから」

善子「私が曜さんに……あんなこと言ったから」

曜「ね、ねぇ何の話?」

曜ママ「善子ちゃんのせいじゃないよ。ああしたのは曜の意思で……」

善子「私がお願いしたのっ! 私が、曜さんに……」

曜「えっと……」

コンコンッ

「失礼します……」ガラッ

曜「あ、看護師さん。さっきはごめんなさい」ペコッ

看護師「……」カァアア

曜「私に何か用ですか?」

看護師「先生が診察室で待ってます。一緒に行きましょう」

曜「で、でも……」
0029名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:31:24.77ID:EDSYYcIsM
曜ママ「行っておいで。先生を待たせたら悪いよ」グスッ

善子「……」

看護師「どうします? もう少し後にしますか?」

曜「いえ、行きます」スタッ

善子「バカ……」

看護師「……」

曜ママ「落ち着いたら私も行きます。すみません」ペコリ

看護師「分かりました。それでは失礼します……」ガラッ

ストッ



善子「えっと……大丈夫?」

曜ママ「うん……」

曜ママ「善子ちゃんのママからね、ちょっとだけ聞いたんだけど」

曜ママ「あんまり詳しくは教えてくれなくてさ」

善子「……」

曜ママ「できれば、善子ちゃんの口から聞きたいな。曜に何があったのか……」

善子「そうよね。本当は昨日のうちに話さなきゃいけなかったのに……」

曜ママ「ううん。昨日は善子ちゃんも辛そうだったから」

善子「……」

曜ママ「って今もだよね。ごめん」

善子「ありがとう……。私なんかに気を遣ってくれて」

曜ママ「私なんか、って……善子ちゃんは曜の恋人だよ? 私の娘みたいなものだよ」

善子「……」

曜ママ「曜、プールで溺れたんだって?」

善子「溺れたわけじゃないの。ただ……倒れて、その……」

善子「溺れそうになったのは本当だけど……」

曜ママ「溺れてはいないんだね」ホッ

善子「あの人が助けに入らなかったら溺れてたわ」

曜ママ「あの人……?」

善子「曜さんの中学時代の同級生の子よ。曜さんの次に水泳が上手で、今は全日本強化選手にも選ばれてる……」
0030名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:31:58.66ID:EDSYYcIsM
曜ママ「あぁ、うん。その子が助けてくれたんだ? 今度お礼しとかないと……」

善子「私、その人と勝負するように言ったのよ」

曜ママ「曜とあの子が? まさかぁ」アハハ

善子「最初は二人とも乗り気じゃなかったけど……勝負するようにうまく話を持っていったの」

曜ママ「それで……」

善子「それで、百メートルの勝負をしたわ」

曜ママ「……」

善子「曜さんは勝つために……去年と同じことをした」

曜ママ「もしかして、息をせずに……?」

善子「ええ。百メートルのうち、折り返してからの五十メートルは全く息をしなかった」

曜ママ「一度も息をせずに全力で泳いだの? それは溺れるね」アハハ

善子「今回は泳ぎきったわ。泳ぎきった後……突然気を失ってしまったの」

曜ママ「ふむ……。それでここに運ばれたんだ?」

善子「ええ」

曜ママ「曜もバカだなぁ」

善子「私がお願いしたのよ」

曜ママ「息をしないでって?」

善子「そんなこと言ってないわよ! 去年のことだって、私は知らなかったし……」

曜ママ「今は知ってるんだね。誰から?」

善子「……」

曜ママ「曜が話すわけないか」

善子「助けてくれた人と、ママから……」

曜ママ「そっか……。善子ちゃんのママは知ってたもんね」

善子「ママだって、知ってたなら教えてくれればよかったのに……」

善子「ううん、ママは悪くないわよね」

曜ママ「善子ちゃんもね」

曜ママ「いくら勝つためとはいえ、息をしなかったのは曜の意思でしょ?」

善子「最終的にはそうかもしれないけど……」

曜ママ「善子ちゃんは、何てお願いしたのかな?」

善子「……」
0031名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:32:31.69ID:EDSYYcIsM
善子「曜さんに、『絶対に勝って』って言ったわ」

曜ママ「曜は何て?」

善子「……。私のためならって」

曜ママ「善子ちゃんの?」

善子「ええ。私のためならやるって……」

曜ママ「そっか」

善子「だからこれは私の責任よ。本当に……ごめんなさい」ペコリ

曜ママ「……」

善子「正直なこと言うとね、曜さんが負けちゃっても仕方ないって思ってた」

善子「相手は現役の選手だもの、いくら曜さんとはいえ勝てなくても無理はないわ」

曜ママ「曜だって、勝てるなんて思ってなかったはずだよ」

善子「そうよ。だから曜さんはなかなかやりたがらなかった……」

曜ママ「……」

善子「曜さんの性格上、負けると分かってる勝負に本気を出すなんて絶対にしないだろうから」

曜ママ「……そうかな?」

善子「そうよ」

曜ママ「どんな形であれ、勝負って名前のつくものなら死んでも勝ちたがると思うけど」

善子「昔はそうだったのかもね。今は違うわ……」

曜ママ「……」

善子「曜さんがどうしてテスト勉強をしないのか知ってる?」

曜ママ「え? うーん……」

善子「やってもできないことは最初からやりたくない、ですって」

曜ママ「曜がそう言ったの?」

善子「ええ」

曜ママ「まさか……」フフッ

善子「信じられない? でも今の曜さんはそういう人よ……」

善子「何をするにも一生懸命で、いつだってキラキラしてて、みんなが憧れちゃうような……」

善子「私が好きだった曜さんは、もう……」

善子「……」

曜ママ「……」
0032名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:33:07.34ID:EDSYYcIsM
善子「でも、今はそんなこと関係なく好き。どんな曜さんでも……私はずっと好きだから」

曜ママ「ありがとう」

善子「だけど……やっぱり曜さんには前を向いていてほしかった」

曜ママ「スクールアイドルを始めて、曜はだいぶ前向きになったよ。やっと水泳の代わりになるものを見つけたんだと思う」

曜ママ「本気で夢中になれるものを見つけたんだよね。もう、無理に水泳をやる必要なんてないんだよ」

善子「……」

曜ママ「って、これじゃまるで善子ちゃんを責めてるみたいだね」

善子「いいのよ……本当のことだから」

曜ママ「善子ちゃんに何と言われようと、最後は曜が決めたことなんだよ。だから善子ちゃんは悪くない」

善子「そうかしらね……」

曜ママ「そうだよ。私だって……善子ちゃんには感謝してるよ」

善子「曜さんは私のせいで死ぬかもしれなかったのよ!?」

曜ママ「……そうだけど」

善子「心にもないことを言うのはやめてよ……。私を慰めてるつもり? ちっとも嬉しくないわ」グスッ

曜ママ「……」

曜ママ「曜が水泳に未練があるのは、私も知ってたよ」

曜ママ「競泳水着だって捨てずにとってあるくらいだし」

善子「……」

曜ママ「進路を決めかねてるって話は私も聞いてる」

曜ママ「結構有名な大学から推薦の話が来てるらしいね」

善子「ええ」

曜ママ「曜はあれ以降大会にも出てないのに、どうして今さら来たんだろう?」

善子「さあ? 見る人は見てるのよ……たぶんね」

曜ママ「……」

曜ママ「曜の頭じゃ、大した大学に行けないことも分かってる。曜は進学せずにパパの船に乗るんだなんて言ってたけど……」

善子「曜さん、そんな話私には……」

善子「あ」

曜ママ「?」

善子「私に気を遣ってくれたのかしら」

曜ママ「どうして?」
0033名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:33:41.32ID:EDSYYcIsM
善子「ほら、私って……父親がいないじゃない? だから言わなかったのかも」

曜ママ「……」

善子「曜さんのお父さんも、海外で船長をやっているって聞いたわ。家にはずっと帰って来られてないって」

曜ママ「……うん、そうだね」アハハ

善子「……」

曜ママ「まあでも、曜は本当はできる子だって知ってるから。本気でやれば勉強だってできるはずなんだよ」

善子「そうかもしれないわね。この前のテスト、一緒に勉強した範囲は満点だったし」

曜ママ「あぁ、一年生の範囲だけ満点だったあのテストね」

善子「……」

善子「楽しかったわ」

曜ママ「え?」

善子「私もね、勉強はあまり好きじゃないの……。なぜか頭よさそうに見られるんだけど、本当は全然」

曜ママ「知ってる」フフッ

善子「……。だけど、曜さんと一緒に勉強するのは楽しかった」

善子「この前のテスト、ほとんど満点だったのよ。こんなの初めてじゃないかしら」

曜ママ「中学の時はトップクラスだったって聞いてたけど?」

善子「あ……。それは中学の時の話でしょ。高校に入ってからは全然ダメ」

曜ママ「……」

善子「私、曜さんには推薦を受けてもらいたいと思ってるわ」

曜ママ「推薦?」

善子「さっきお母さんも言った通り、今の曜さんじゃまともな大学になんて行けないわよ」

曜ママ「……」

善子「推薦がなかったら、あんな大学絶対行けないんだから」

善子「曜さんも、新しい環境でならまた水泳をやってくれるかもしれないし……」

善子「……」

善子「ごめんなさい。好き勝手なこと言って」

曜ママ「曜も私には言いづらかったんだと思う。私も……何て言ったらいいか分かんないし」

善子「曜さん……」

曜ママ「だから善子ちゃんにありがとうって言いたいんだ。ずっと迷い続けてる曜の背中を押してくれたから」

善子「……こんなやり方でも?」
0034名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:34:23.11ID:EDSYYcIsM
曜ママ「どんなやり方でも最後に決めるのは曜なんだって。善子ちゃんのせいじゃない」

曜ママ「曜が水泳から逃げ続けていたのは私だって見てて辛かったよ。だけど何にもしてあげられなかった……」

曜ママ「水泳が苦手なはずの善子ちゃんが、曜をプールに誘ったのはきっとそういうことだろうな、って……」

曜ママ「私にもそのくらいは分かったから」

善子「……」

曜ママ「曜がもう一度、水泳ときちんと向き合ういい機会だと思った。水泳をやるにしても、やらないにしても……きちんと答えを出すいい機会だなって」

曜ママ「親として今回のことは申し訳ないと思ってるよ。曜は自業自得だけど、善子ちゃんに嫌な思いをさせちゃったことはね」

善子「私がお願いしたのよ? あの人と勝負するように仕向けたのは私。嫌がる曜さんを無理やりね……」

曜ママ「本当に嫌なら断ってるよ」

善子「……曜さんは、私のお願いなら何でも聞いてくれるわ」

曜ママ「それは曜がそうしたいからしてるんだよ」

善子「ううん。やりたくなさそうだったわ。本当に、心の底から」

曜ママ「……」

曜ママ「いくら善子ちゃんのお願いだからって、本当にやりたくなかったらやらないよ……」

善子「そうかしらね」

曜ママ「善子ちゃんってちょっぴり自意識過剰だよね。そんなところも可愛いんだけどさ」フフッ

善子「笑いごとじゃないわよ」
 
曜ママ「ごめん」

善子「私は、曜さんが私のお願いなら何でも聞いてくれるって分かっててお願いしたのよ?」

善子「勝ち目のない勝負をさせて、絶対に勝つようにって……」

善子「そんなの、曜さんはどんなことだってするに決まってるわ」

曜ママ「んー……。本当にそうかな?」

善子「そうよ。だって本当に……勝ったわ」

曜ママ「こんな賭けみたいなやり方で?」

善子「……」

曜ママ「曜だって勝てるなんて思ってなかったはずだよ。一応経験者なんだし、あの子とどのくらいタイム差があるかくらい分かるんだから」

曜ママ「もし負けちゃってたらどうしたんだろう? 善子ちゃんのお願いを聞くためだけなら、もっと確実な方法だってあるのにさ」

善子「確実な方法?」

曜ママ「相手に勝つんじゃなくて、相手に負けてもらうとか」

善子「相手をケガさせるってこと!? そんな卑怯な手、曜さんが使うわけない!」
0036名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:37:29.37ID:EDSYYcIsM
曜ママ「あぁ、そういう手もなくはないけど……。他にもあるじゃん」

曜ママ「相手に、負けてくれるようにお願いすればいいんだよ」

善子「……」

曜ママ「そうしなかったのは、曜なりにプライドがあったからだと思うんだよね」

善子「相手だって現役の選手よ? そんなこと絶対にしないわよ」

曜ママ「そうかな。あの子は去年の曜を知ってるんだよ」

善子「……だから?」

曜ママ「曜が溺れて死にかけたとき、助けてくれたのはあの子なんだよ」

善子「知ってるわよ」

曜ママ「曜に無理をさせたら、どうなるか分かってたと思うんだよね」

善子「だからわざと負けてあげたって?」

曜ママ「分からないよ。でも、曜が頼めばそうしてくれたかも」

善子「そんな勝ち方で私が満足すると思う?」

曜ママ「相手だってそこそこの選手だよ。善子ちゃんにバレない程度にいい勝負を演じつつ、最後に負けてあげるなんてやろうと思えば簡単にできたでしょ」

善子「それは……そうかもしれないけど」

曜ママ「だけど曜はそうしなかった。やっぱり善子ちゃんの言う通り、水泳に未練があったのかもね」

曜ママ「もう一度本気でやってみたくなったんだと思う。少なくとも、昨日の勝負に関しては」

善子「……」

曜ママ「もしかしたら、もう一度やるって言い出すかもしれないよ?」フフッ

善子「もうないわよ……。こんなことがあったんだもの」

曜ママ「でも善子ちゃんはそれが目的だったんでしょ?」

善子「……ええ」

曜ママ「それはたぶん、曜も分かってるはずだよ」

善子「……」

曜ママ「先週から毎日、曜がプールに通ってるって聞いてびっくりしたなぁ」

曜ママ「善子ちゃんのママが言った通りだった。全部、曜をもう一度水泳と向き合わせるため……」

曜ママ「結果的に曜が、水泳をやらないって決めたとしてもそれはそれでいいって……」

善子「ママから聞いたの?」

曜ママ「うん……。ごめんね、私が聞き出したの」

善子「ママのお喋り……」ムスッ
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2018/07/15(日) 10:40:18.53ID:EDSYYcIsM
曜ママ「曜は一年前に溺れて死にかけてから、水がすっかり怖くなっちゃったみたいだけど……」

曜ママ「ううん。本気で泳ぐことが、だね。水遊びとかお風呂は普通だったから」

善子「……」

曜ママ「もちろん、また体が動かなくなって溺れることも怖かったと思う」

曜ママ「でもそれ以上に、自分の限界を突き付けられることが怖かったんじゃないかな……」

善子「……」

曜ママ「それからはずっと、善子ちゃんの言う通り……水泳から逃げ続けてた」

曜ママ「やめるならはっきりやめるって言えばいいのに、それすら言わないまま逃げて……」

曜ママ「水泳部に退部届けだって出してないんだよ」アハハ

善子「そうなの……? でも、曜さんは水泳なんてやめたって……」

曜ママ「あはは。善子ちゃんがこういうことをしださないようにかな」

善子「うっ……」

曜ママ「もし善子ちゃんが本当のことを知ったら、逃げるなんて絶対に許してくれないだろうから」

善子「わ、私は……。それはもちろん、できることならもう一度やってほしかったわよ? でも……」

善子「水泳以外のことで本気になれるなら、それでもいいと思ったわ」

善子「曜さんとアイドルをやるのも楽しいし……」

曜ママ「恋人にもなれたし?」

善子「……」コクッ

曜ママ「はぁ……。うん、そうだよね」

善子「水泳をやめてアイドルをやるにしたって、それならそうと区切りをつけてからにすべきよ」

曜ママ「……」

善子「ごめんなさい……。自分勝手で」

曜ママ「ううん。今のは善子ちゃんを責めたわけじゃないよ」

善子「私のせいで……曜さんは、また死ぬかもしれなかった」

善子「水泳からだって、また逃げることになるかもしれない……」

曜ママ「……」

善子「勝手なことをして本当に……ごめんなさい」ペコリ

善子「せめて曜さんのお母さんに相談していれば……こんなことには」

曜ママ「やめてよ。私だって曜と向き合うのが怖かったんだからさ」

曜ママ「ずっと逃げてたのは私も同じ。仕事を言い訳にして、娘のことなんて何も考えなかった」
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2018/07/15(日) 10:44:52.70ID:VqKTirr5M
曜ママ「最低の親だよ、私は」

善子「……」

曜ママ「曜が進路のことで悩んでるのは、私だって知ってたよ。それなのに何もしなかった」

曜ママ「曜が水泳と向き合うのが怖かったように、私は曜と向き合うのが怖くて……」

曜ママ「毎日夜遅くまで仕事をして、曜が寝た頃に帰るようになって……」

曜ママ「そのうちに曜も家のこと何でもできるようになってからは、ますます私なんていらないんじゃないかなって」

曜ママ「ううっ……」グスッ

善子「仕事が忙しかったのは本当でしょう? そのおかげで今の役職もあるんだし……」

善子「曜さんだっていつまでも子どもじゃないのよ。もう高校生にもなるんだから、自分のことを自分でやるのって普通でしょ?」

善子「まあ、私はできてるか怪しいけどね……」

曜ママ「だけど……曜に寂しい思いをさせてたのは本当だよ」

善子「あなたが寂しかったんじゃなくて?」

曜ママ「そ、それは……」

善子「私のママに嫉妬してたんでしょう」

曜ママ「してないよ! どうして善子ちゃんのママに」

善子「曜さんがママのことを大好きだったのはそれだったのよね」

善子「曜さんはよく、私への好きとママへの好きは違うって言っていたけれど……」

善子「たぶん、そういうことだったのよ」

曜ママ「善子ちゃんのママは、女性としてすごく魅力的な人だよ? 曜が好きになるのも無理はないって」

曜ママ「もちろん、私も大好きだよ。こうしてお付き合いさせてもらってるわけだしね」エヘヘ

善子「曜さん、あなたのことは『お母さん』って呼ぶのに、私のママのことは『ママ』って呼ぶでしょう?」

曜ママ「それは……善子ちゃんがママのこと、『ママ』って呼んでるからだよ」

曜ママ「あと、どっちも『お母さん』だとどっちか分からないし……」

善子「……」

善子「これは私の想像なんだけど、曜さんは中学の時から『ママ』って呼んでたんじゃないかしら?」

曜ママ「え……」

善子「やっぱりね」

曜ママ「もちろん、みんなの前では『先生』って呼んでた。だけど二人のときは……」

善子「……」

曜ママ「曜はママのこと大好きだったけど、それは女性として好きだったわけじゃなかった……?」
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2018/07/15(日) 10:45:40.24ID:VqKTirr5M
善子「ええ。本当に『ママ』として好きだったんだわ……」

善子「……」

善子「ママもそれが分かっていたから、曜さんのことを突き放せなかったのよ」

善子「教師としてはあんなに真面目なママが、教え子に手を出すなんてあるわけないもの……」

曜ママ「曜が手を出してたんだよ」

善子「それは分かってるわよ。二人のときにわざと怒らせたり、お漏らしを片付けてもらったり……」

善子「曜さんはずっとママに甘えていたんだわ」

曜ママ「私がちゃんと、母親しなかったから……」

善子「そう思うなら、これからは一緒にいてあげることね」

曜ママ「分かってるよ……。今月からは私も、早く帰るようにしてる」

善子「そうしてあげて」

曜ママ「……」

善子「って、偉そうなことを言ってごめんなさい。私なんかが言うことじゃないわよね」

曜ママ「ううん、ありがとう。善子ちゃんは本当に曜のことを考えてくれてるんだね」

善子「と、当然でしょう? だって私は曜さんの……恋人なんだもの」カァアア

曜ママ「うん。曜は幸せ者だよ、こんなに自分のことを想ってくれる人がいて」

善子「……」

曜ママ「あ、いや……私もだね! 善子ちゃん、私のこともこんなに考えてくれてるもん」アハハ

善子「曜さんも考えてるわ。そうじゃなかったらあんなに料理上手くなってない」

曜ママ「うん……」

善子「あなたに食べてほしかったから」

善子「曜さん、ずっとお母さんと一緒にご飯を食べたかったのよ。ご飯を食べながら色んなことを話して……」

善子「普通の親子がするように、自分もしたかったんだと思うの」

善子「私の知る限り、曜さんの料理はどんなお店の料理よりも美味しいわ」

善子「私だけじゃなくてママにも食べてもらいたがるのは、きっと……」

曜ママ「分かるよ。曜のお弁当、本当に美味しいし……」

曜ママ「夕飯だって、私が帰って来ないって分かってるのに必ず私の分まで用意して待ってるんだよ」

曜ママ「私は作らなくていいって言ってるのに……」グスッ

善子「……」

曜ママ「善子ちゃんやママは美味しそうに食べてくれるから」
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2018/07/15(日) 10:46:13.44ID:VqKTirr5M
曜ママ「曜の目の前で、曜と一緒に食べてくれるから」

曜ママ「だから曜は料理が好きなんだよ……」グスッ

善子「だから私のことも好きなのかもね」フフッ

曜ママ「善子ちゃんは本当に美味しそうに食べてくれるからね」

曜ママ「そのせいでちょっと太っちゃうくらいに」フフッ

善子「むっ。もう戻したわよ!」

曜ママ「あはは。ごめんごめん」

善子「いつもいつも作り過ぎなのよ。あんな料理、残せるわけないのに……」

曜ママ「曜が退院したら、一緒にご飯でもどう?」

善子「え?」

曜ママ「私、休みの日は料理教室に通ってるでしょ? 今度は前回みたいに失敗しないからさ」

善子「えっと……うん。た、楽しみにしておくわね」

曜ママ「露骨に嫌な顔しないでよ。本当に凹む……」シュン

善子「そ、そうだわ。曜さんと一緒に料理したらいいんじゃないかしら? きっと親子の絆が深まるわよ」フフッ

曜ママ「私の料理、そんなに食べたくない?」ジー

善子「食べたくない……わけじゃないけど」

曜ママ「じゃあ食べてくれる?」

善子「……わ、分かったわ。ただし、味見は絶対にしてよね。それと必ず中まで火を通すこと」

曜ママ「分かってるよ。私の料理のせいで善子ちゃんがお腹を壊したら、私が曜に殺されちゃう」

善子「いや、殺しはしないわよ……」

曜ママ「私をわざと食中毒にさせて苦しませるかも?」

善子「そんなことするわけないじゃない。曜さんは優しいもの」

善子「あなたのことも、本当は大好きなのよ」

曜ママ「……私も大好き」エヘヘ

善子「……」ハァ

善子「今回のことは私も悪かったと思ってるわ。それを言いたかっただけよ」

曜ママ「そうだね。善子ちゃんが曜を好きすぎたせいだね」アハハ

善子「こんな恥ずかしい話するつもりなかったのに……」

曜ママ「私の方がずっと恥ずかしいよ。絶対誰にも言わないでよね?」

善子「さあ? どうしようかしら」
0042名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:46:51.99ID:VqKTirr5M
曜ママ「お願い! 特に曜には絶対に言わないで!」

善子「……」ニヤリ

曜ママ「わっ、すごい顔してるよ善子ちゃん」

善子「人にお願いごとをするときには、何か言うことがあるんじゃないかしら?」クスクス

曜ママ「え? お願いします……」ペコリ

善子「違うわよ。こういうとき、曜さんなら何て言うかしらね? 母親なら分かるんじゃない?」フフッ

曜ママ「あっ……」

善子「はい、言ってみて」

曜ママ「分かったよ……『何でもする』」

善子「その言葉を聞きたかったわ。覚悟しておきなさい!」

曜ママ「善子ちゃんの鬼! 悪魔!!」グスッ

善子「ふふん♪」





 診察室

コンコンッ

先生「どうぞー」

「失礼します」ガラッ

先生「あら、もう元気そうね? よかったわ」フフッ

曜「はい! 先生もお元気そうで何よりです」ニコニコ

先生「聞いたわよ、さっき病室のシャワールームで……」

曜「あっ……ヨハネちゃんとのことですか」

先生「ヨハネちゃん?」

曜「えっと……私のお友だちみたいなんですけど」

先生「あぁ、津島さんのことね」

曜「そういえば、さっき来た看護師さんも『津島さん』って呼んでた……」

先生「彼女とはどう? 上手く行ってる?」フフッ

先生「まあ、さっきシャワールームで……こほん」

先生「上手く行ってるのはいいけれど、時と場所は選んでね」

曜「?? 一緒にシャワー浴びただけですよ?」
0044名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:47:28.68ID:VqKTirr5M
先生「あなたが津島さんを押し倒していたって聞いたわよ?」

曜「あはは。確かに、そう見えなくもないかも……」フフッ

先生「違うの?」

曜「だって私とヨハネちゃん、どっちも女の子ですよ?」

先生「ええ」

曜「女の子同士でそんな……漫画やアニメじゃないんですから」アハハ

先生「……」

曜「先生?」

先生「ケンカでもした?」

曜「いえ、特には……」

先生「……そう」

曜「……?」

先生「まあいいわ。診察を始めます」

曜「はい。お願いします」

先生「じゃあ、まずは服を脱いでもらえる?」

曜「」ガタッ

先生「安心して。私は見ての通りおばさんよ」

曜「いえ、十分若く見えますけど……」

先生「あなたの倍くらいは生きてるわ。まあ、とにかく女性だから」

曜「そうですよね」スルッ

先生「どうして私が女性なのに、びくってしたの?」

曜「え? うーん……何でですかね。やっぱり恥ずかしいからかな?」アハハ

先生「……」

曜「えっ、まさか先生、私をそういう目で……」

先生「ふふっ」

曜「えっ? えっ!?」ガタッ

先生「安心して。いつもの渡辺さんだなって思っただけよ」

曜「もうっ! からかわないでくださいよ……」

先生「ごめんなさいね。渡辺さん、やっぱり面白いわ……」スッ

曜「ん……」
0045>>43ありがとうございます!(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:48:20.72ID:VqKTirr5M
先生「はい、口を開けて」

曜「あーん」

先生「……」スッ

曜「……」

先生「はい、いいわよ。次は……」

曜「あの……一つ聞いてもいいですか?」

先生「ん? 何かしら」

曜「私、何で入院してるんですかね」

先生「……というと?」

曜「何の病気ですか? 昨日からって聞きましたけど……」

先生「別に何の病気でもないわよ」

曜「そうなんですか? でも、体はどこも痛くないし……ケガじゃないと思うんですけど」

先生「プールで倒れたのよ。覚えてない?」

曜「プールで? うーん……」

先生「今日が何月何日か分かる?」

曜「二月四日ですよね。ヨハネちゃんから聞きました」

先生「自分の名前は?」

曜「渡辺曜ですよね。それもヨハネちゃんから」

先生「もしかして、渡辺さん……」

曜「えへへ。実は記憶喪失っぽいんです」

先生「そんな……本当なの?」

曜「でも大丈夫です。ヨハネちゃんのおかげで、全部思い出せました」

先生「そう……」

曜「明日から学校に行ってもいいですか?」

先生「それはちょっと……今すぐにいいとは言えないわね」

曜「どうしてっ!? こんなに元気なのに!」ガタッ

先生「渡辺さん、よく聞いて。あなたはプールで倒れたのよ。突然気を失ったの」

曜「そ、そうなんですか」

先生「何があったのか分かる?」

曜「うーん……。準備運動してなくて足が攣ったとか?」
0047名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:50:30.17ID:VqKTirr5M
先生「溺れて死ぬところだったのよ。息をしなかったせいでね」

曜「あぁ……はい。去年そんなこともありましたね」アハハ

先生「いいえ。昨日あったことよ」

曜「昨日……」

先生「今回は溺れる前に助けてもらったみたいだから、前回よりは酷くなかったわ」

曜「あのときは……本当に死ぬかと思いました」

先生「渡辺さん、去年何て言ったか覚えてる? あのときも私が診察したのよ」

曜「はい。先生、相変わらず綺麗な肌してますよね」フフッ

先生「へっ……?」ドキッ

曜「やっぱりお医者さんだとお高い化粧品使ってたりするんですか?」

先生「は、話を逸らさないでちょうだい」カァアア

曜「……」

先生「もう水泳なんてしないって……そう言ってなかった?」

曜「い、言いました」

先生「私も言ったわ。こんなことをしていたら、いつか必ず死ぬわよって」

曜「……」

先生「それで渡辺さん、もうやめるって言ったわよね?」

曜「はい……」

先生「渡辺さんがどんなにすごい選手だったかは私もよく知っているわ。水泳が大好きなことも……」

先生「でも、だからこそその水泳で命を落としてほしくないの」

曜「……」

先生「まだ渡辺さんは高校生よ。体も成長途中だし……もちろん心もね」

先生「この先、人生は長いんだから。あまり焦りすぎるといいことなんてないわよ」

曜「先生だってまだ三十じゃないですか……」

先生「失礼ね! 私はまだ二十九よ!!」バンッ!

曜「ひっ」ビクッ

先生「いえ、三十だったわ……」

曜「きょ、今日誕生日ですもんね。おめでとうございます……」パチパチ

先生「人生でいちばん嬉しくない誕生日よ……」

曜「私がお祝いしてるのに?」
0048名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:51:01.25ID:VqKTirr5M
先生「渡辺さんは私の恋人か何か? 嬉しくないことはないけれど……」

曜「先生の恋人ですか? 私は構いませんけど……」エヘヘ

先生「……今の、恋人が聞いたら泣くわね」

曜「うわぁ……やっぱり先生、恋人いたんですね」

先生「え?」

曜「知るの怖いから聞かなかったのに……」グスッ

先生「渡辺さんの恋人よ?」

曜「えっ!? 先生が!? 私のっ!?」ガタッ

先生「違うわよ。津島さんが聞いたら泣くわね、って意味」

曜「どうしてヨハネちゃんが泣くんですか」

先生「……はい?」

曜「あっ、先生も私とヨハネちゃんがそういう関係だと思ってるの? 困ったなぁ」アハハ

曜「一緒にシャワー浴びてただけなのに……」

先生「そういえば、どうして津島さんのこと『ヨハネちゃん』って呼んでるの? 前は『善子ちゃん』だったわよね」

曜「?? ヨハネちゃんはヨハネちゃんだよ? 自分でそう言ってたもん」

先生「そ、そう……」

曜「それより私、退院できそうですか?」

先生「うーん……。ちょっと記憶が混乱しているみたいね」

曜「もう治りました」

先生「本当に?」

曜「本当です。先生の誕生日だってちゃんと覚えていたでしょ?」

先生「そ、それは……ありがとう」カァアア

曜「というわけなので、さっそく今日退院ですね! ありがとうございました」ペコリ

先生「えっ、ちょっと待ちなさい……」

曜「寂しいですか? 私もです。でも、また遊びに来ますから……」フフッ

先生「いえ、遊びには来ないで貰いたいんだけれど」

曜「そんなぁ……」シュン

先生「そうだわ、今日はお母さんがいらしてるのよね? ちょっと呼んできてもらってもいい?」

曜「え? いいですけど……もう私も子どもじゃないのにな」

先生「そういうわけにはいかないでしょう。まだ未成年なのよ」
0049名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:51:35.41ID:VqKTirr5M
曜「先生となら、お母さんも反対しませんよ」

先生「退院の話ね」

曜「はーい……」スタッ

ガラッ

 待合室

曜「お母さーん。先生が話したいって……」

曜ママ「曜……。善子ちゃん泣きそうじゃん」

善子「泣いてないわよ。曜さんはもとからこういう人だもの……」グスッ

曜「わっ、お母さんヨハネちゃんに何したの!? 私の大切なお友だちなのに!」

曜ママ「はぁ……」

先生「えっと……少しお話よろしいですか?」

曜「はい! よかったらランチでも一緒にしませんか?」

善子「調子に乗るんじゃない」グイッ

曜「いてて」

曜ママ「何かすみません……。二人の話は聞こえてたんですけど、曜が色々失礼なことを……」

先生「それはいいですから、中へどうぞ」

曜ママ「はい……」スタッ

先生「……」チラ

曜「?」

ストッ

曜「あれ? 私はいいのかな?」

善子「……」

曜「ごめんね、ヨハネちゃん。疲れたでしょ? もし帰りたければ帰っても……」

善子「曜さん、全部思い出したって言ってたわね」

曜「うん。おかげさまで……」

善子「私のことは?」

曜「ヨハネちゃんのこと? あ、そういえば……」

善子「私とのこと、何も覚えてないの?」

曜「うーん……」

善子「……」
0050名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:52:09.77ID:VqKTirr5M
曜「ごめんなさい。完全には思い出せてないみたいだね」

善子「私の名前分かる?」

曜「ヨハネちゃんだよ。さっき自分で……」

善子「津島善子。それが私の名前……」

曜「え? ヨハネちゃんは??」

善子「そっちは……もう一人の私よ」

曜「」ガタッ

善子「……」

曜「もしかして双子? 姉妹?? そっくりすぎて見分けがつかないよ……」

善子「もう一人の私って言ってるでしょう? どっちも私よ。私は一人、善子でもありヨハネでもあるの」

曜「んん???」

善子「みんなの前にいるときは堕天使のヨハネ。人間の姿、善子でいるのは……ママと曜さんの前くらいなんだから」

曜「待って、頭が痛くなってきた……」

善子「って、そんなことはどうでもいいのよ。いや、どうでもよくはないけど!」

善子「私のこと、本当に覚えてない?」

曜「ヨハネちゃんも善子ちゃんも……今日初めて聞いた名前だよ」

曜「ごめん」

善子「……」

曜「でも、ヨハネちゃんの口ぶりからして私とはけっこう仲良しだったのかな?」

善子「そうよ」

曜「ごめんね。他にも忘れてることあるかもしれないけど……ヨハネちゃんとなら思い出せるかも」

曜「だから……私とこれからも友だちでいてくれる?」

善子「……」

曜「えっ、嫌? 嫌なら無理にとは言わないよ……」

善子「私が本当のことを話したら、信じてくれる?」

曜「え?」

善子「信じてくれる??」

曜「えっと……内容によるかな」

善子「……」

曜「し、信じる……と思うよ? だって私たち友だちなんだもんね」
0051名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:52:43.23ID:VqKTirr5M
善子「絶対に信じるって約束して」

曜「そんな無茶苦茶な……」

善子「じゃあ話さない」

曜「……」

善子「一生このまま、ずっと忘れたままでいなさい」

善子「たぶん、その方が幸せなんだわ……」ボソッ

曜「信じるよ」

善子「……」

曜「ヨハネちゃんの話、全部信じるって約束する」

善子「本当?」

曜「どんな話でも、絶対に笑ったりしないよ。だから話して?」

善子「……」グスッ

曜「大丈夫だから……」ギュ

善子「うぅっ……」

善子「私と曜さんはね……」

曜「……」

善子「恋人、だったのよ」

曜「へ……?」

善子「恋人よ。彼女と彼女の関係」

善子「キスもしたし、恋人繋ぎもしたし……色んなことをしたわ」

曜「あはは……」

善子「何で笑ったのよ」

曜「えっ、いや……ごめんなさい」

善子「私は真面目に話してるのよ。笑わないで聞いて」

曜「はい……」

善子「私と曜さんが付き合い始めたのは、クリスマスの少し前のことよ」

善子「詳細は伏せるけれど、曜さんの方から私を好きって言ってくれたの」

曜「その詳細ってやつを話してよ。気になるじゃん」

善子「後でね。今はまだその時じゃない」

曜「その時だよ? 今がまさにその時だよ!?」
0052名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:53:13.88ID:VqKTirr5M
善子「ちょっと訳アリなのよ。話がややこしくなるから先へ進ませて……」

曜「う、うん……」

善子「曜さんが中学の時から、私はずっと曜さんに憧れていたわ」

善子「学校は違ったけれど……ママと見に行った水泳の大会で曜さんを見つけて」

善子「すごくカッコよかったんだから。中学生とは思えない圧倒的な速さで……」

善子「女の子たちからキャーキャー言われてた」

曜「女の子たちからなんだ……」

善子「仕方ないでしょう。女子校だったんだから」

曜「そうなんだ? それは初耳かも」

善子「ほら、全部思い出してないじゃないの」

曜「あはは、そうだね……」

善子「また笑ったわね!?」

曜「えっ、今のもダメ? 厳しいなぁ」

善子「とにかく笑わないで聞いてよね。私は本当の本当に、真面目に話してるのよ?」

曜「はい」シュン

善子「……」

善子「で、曜さんが浦女に進学したって聞いて……私も行くことにしたの」

曜「ほう」

善子「中学の時だって、曜さんと同じ学校だったらどんなによかっただろうって……何度も考えたくらいだもの。浦女に合格したときはものすごく嬉しかったわよ」

曜「そうなんだ。私は……」

善子「入ってみたらガッカリしたわ」

曜「何で? 私に会えなかったの?」

善子「ある意味ね。私の会いたかった曜さんは、もういなかったから……」

曜「その人、転校しちゃったの? それとも……」

善子「あのねぇ、ふざけてるの?」

曜「いえ、真面目に聞いてます。私のことですよね」

善子「そうよ。私も水泳部に入りたかったところだったけど、あいにく堕天使は泳げないの。天界に海はないから」

曜「ヨハネちゃんこそ真面目に話してよ」

善子「真面目よ。大真面目だわ」

曜「あ、そうですか……」
0053名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:53:51.42ID:VqKTirr5M
善子「マネージャーにでもなれればいいなって思ってた」

曜「冴えてるね。マネージャーなら泳げなくても何とかなりそう」

善子「そうしたら、曜さんがいないんだもの……」

曜「お休みしてたのかなぁ?」

善子「部員リストに名前はあるのに、部室にロッカーもあるのに……どの部員に聞いても、言葉を濁すだけで」

善子「本当のことは誰も教えてくれなかったわ」

曜「……」

善子「そんなときに、二年の生徒がスクールアイドルを始めるって話を耳にして」

善子「私は興味がなかったんだけど……そこに曜さんはいたわ」

曜「そうだね。最初は千歌ちゃんと二人で設立したんだもん」

善子「ちっ……」

曜「舌打ち!? 何かまずいこといったかな?」

善子「ううん。続けるわね」

善子「私も入りたいと思ったわ。曜さんと一緒に何かできるなら、スクールアイドルでも何でもやってやろうじゃないって」

善子「なかなか言い出せずにいたときに、千歌さんが声を掛けてくれて」

曜「千歌ちゃん、見る目があるよね」フフッ

善子「また……」

曜「わ、笑ってません。今のはちょっと……鼻が痒くて」

善子「……」

善子「出会いはそんな感じよ。あとは家が意外と近かったことに驚いたくらいね」

曜「そうなんだ。ヨハネちゃんも沼津に住んでるの?」

善子「毎日同じバスで通学していたのよ」

曜「へぇ……」

善子「もうこれは天が授けたチャンスだと思ったわ。毎日同じバスなのよ? 田舎だからほとんど他の乗客もいないし……」

善子「他にも席は空いているのに、わざわざ二人がけの席に二人で座ったりして」カァアア

善子「曜さん、私の気持ちなんか知るはずもないのに、バスが揺れたときとかいつも優しく声をかけてくれて……」

善子「『大丈夫?』って手を握ってくれて……」ドキドキ

曜「こんなふうに?」ギュッ

善子「ひゃっ!? そ、そうよ! こんなふうに!」

曜「イケメンだなぁ」アハハ
0057埋め立て規制キツすぎませんかね?(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:57:28.63ID:VqKTirr5M
善子「……」

曜「あっ」

善子「自分で言うな」

曜「そ、そうだね。うん……」

曜(笑っちゃったことはいいのかな……?)

善子「スクールアイドルとして一緒に練習するだけじゃなくて、運動が苦手な私のために色々付き合ってくれたりもして」

曜「逆上がりの練習とか?」

善子「えっ? 覚えてるの!?」

曜「ううん。何となくヨハネちゃん、逆上がりできなそう」

善子「何だ……」ハァ

曜「できるの? できないの?」

善子「できるわよ! ……たぶん」

曜「じゃあ明日見せてね。私が教えたからにはただできるだけじゃだめだよ。綺麗なフォームで、ビシッと決めてくれないと」

善子「いきなりハードル上がったわね……」

曜「まあ、ここまでの話で私とヨハネちゃんがいつも一緒にいたことは分かったよ」

善子「ええ。いつもってわけじゃないけれど、他のメンバーに比べたら……少なくとも学年が違うメンバーの中ではいちばん一緒にいたと思うわ」

曜「それで私、ヨハネちゃんのことをいつの間にか好きになっちゃってたんだね」

善子「そうよ。あ……どうなのかしら? その辺りはよく知らないわね」

曜「何で知らないの? 恋人だったんだよね??」

善子「そんなこと恥ずかしくて聞けないわよ!」カァアア

曜「そういうものかなぁ」

善子「ええ」

曜「……」

善子「何よ」

曜「え? ううん……」

善子「何か気になることがあるの? 言ってみなさいよ。答えられる範囲で答えるわ」

曜「何でもは答えてくれないんだ……」

善子「何でも答えるなんて言ったら、曜さんの場合本当に何でも聞いてきそうだから嫌」

曜「スリーサイズとか?」

善子「ええ。上から××……」
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2018/07/15(日) 10:58:20.97ID:VqKTirr5M
曜「い、言わなくていいよ」

善子「ってほら!! こうなるから嫌なのよ!」バシッ!

曜「痛っ!?」

善子「質問は一切受け付けません」プイッ

曜「うぅ……。ヨハネちゃんのこと、あんまりよく分かんなかったなぁ」ヒリヒリ

善子「……」

曜「他には何かないの?」

善子「初デートのエピソードとか? 話してもいいけど……ここではちょっと恥ずかしいわ」カァアア

曜「えっと、そうじゃなくて……」

善子「何よ。もう重要なことはだいたい話したわよ?」

曜「そっか……」

善子「ええ」

曜「ありがとう。話してくれて」

善子「……」

曜「それで……たぶん、なんだけどね」

善子「何?」

曜「ここまで話してくれたヨハネちゃんだから、私も本当のことを話すよ」

善子「ええ、是非聞きたいわね」

曜「怒らないで聞いてね? ヨハネちゃんを信じて話すんだから」

善子「怒らないわよ。真面目な話なんでしょう?」

曜「うん……」

曜「たぶん私、ヨハネちゃんのこと……」

善子「……」

曜「恋人とは思ってなかったんじゃないかな」

善子「えっ」

曜「あの……たぶん、好きだったのは本当。じゃなかったら一緒にいないだろうし……」

善子「こ、恋人よ。何を言い出すのかと思えば……」フフッ

曜「笑わないで聞いて。私だって真面目に話してるんだから」

善子「……」

曜「さっき、診察室の中で私と先生が話してたの聞こえた?」
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2018/07/15(日) 10:59:07.40ID:VqKTirr5M
善子「聞こえてたわ。あんなのセクハラよ」

曜「私、綺麗な人を見るとついついああいうことを言っちゃうみたい」アハハ

善子「……」

曜「あ、ごめん。私が笑っちゃダメだよね」

善子「曜さんはそういう人よ。初詣に行ったときだって巫女さんを口説いてたし……」

曜「あぁ……。巫女さん、いいよね……」ウットリ

善子「前にこの病院に来たときだって、ナースの連絡先を聞き出そうと必死だったわ」

曜「看護師さんもいいよね……」ニヤニヤ

善子「気持ち悪い」

曜「あっ、い、今のは……違うよ? 私は綺麗な人も好きだけど、綺麗な人が制服を着ているのがものすごく大好きなんだよ」

善子「何も違わないじゃない」

曜「Aqoursの衣装係だって、みんなに色んな衣装を着せたいからであって……」

曜「決してみんなのスリーサイズを把握したいとか、採寸と称してえっちなイタズラをしたいとかじゃないんだからね?」

善子「うぇっ……」ヒキ

曜「わぁあ!! 余計なこと言うんじゃなかった!」

曜「本当に違うから! 私がみんなのことをそんなふうに見てるなんて言わないでよ!?」

善子「……」ジー

曜「うぅ……。そもそも私、女の子だよ? どうして同じ女の子の裸を見たいなんて思うの?」

善子「知らないわよ!」

曜「ヨハネちゃんは見たい?」

善子「見たくないわよ」

曜「だよね。なら問題ないよ」

善子「でも曜さんのだったら……」ドキドキ

曜「ん?」

善子「何でもないっ!」カァアア

曜「……」

曜「スリーサイズを把握したいのは本当。把握してないと衣装が作れないからね」

善子「そんな補足いらないわ」

曜「すぐにキツくらないように、ある程度伸び代は確保してるつもりだよ」

善子「私の衣装、いつもパツパツなんだけど」
0060名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 10:59:43.93ID:VqKTirr5M
曜「伸び代がある子はね、確保してるつもりだよ?」チラ

善子「あ? 今どこ見て言った??」

曜「いえ、何でもありません」

善子「本当にムカつくわね……」チラ

曜「大丈夫。私もたぶん、もう大きくならないよ」アハハ

善子「本っっ当にムカつくわね!!」

曜「まあまあ、そう怒らずに」

善子「曜さんが怒らせてんのよ!!」

曜「話を戻すけど、やっぱり私たち、恋人じゃないと思うんだよ」

善子「……」

曜「そんなふうに期待させちゃったことは……申し訳ないと思ってる。ごめんなさい……」ペコリ

曜「だけどほら、私も女の子だからさ……」

善子「だから何よ」

曜「え?」

善子「曜さんが女の子だから何なの?」

曜「えっ……あっ、まさか」

善子「曜さんが女の子だったら私を好きになっちゃいけないの?」

曜「ヨハネちゃんって実は男の子……?」

善子「違うわよ!! 私も曜さんも女の子!!」

曜「でも……」チラ

善子「え? 死にたいですって?? いいわ、今すぐ殺してあげる……」イライラ

曜「ひぃい!!? 今のは冗談だよ!!」ビクビク

善子「はぁ……」

曜「まだ死にたくないよ……」

善子「さっきシャワーのとき見たでしょう? 私はちゃんと女の子よ……」

曜「前は見ちゃ悪いかなって思って見なかったんだよ」

善子「いや、見なくても分かるでしょうが……」

曜「うーん……。そのときはヨハネちゃんの性別なんて気にも留めてなかったからなぁ」

善子「私の体洗ったわよね!? 触ってて分かんなかったの!?」

曜「だから、さっきはそんなふうに触ってないし……」
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2018/07/15(日) 11:00:18.00ID:VqKTirr5M
善子「じゃあ今触って確かめなさい」

曜「……えっ?」

善子「ほら、手を貸して」グイッ

曜「嫌だよ! そんなのセクハラだよ……」

善子「私がいいって言ってるんだからいいでしょう!? 早く触りなさいよ!」グイッ

曜「だからやめてってば! セクハラだよ!!」

善子「いいから触れって言ってんの!! このっ……!!」グイッ

曜「嫌っ……! 誰かー!! この人、私に胸を触らせようと……」

善子「ば、バカっ!!? 大きな声出さないでっ!!」ガシッ

曜「もごっ!? もごもご……」

看護師「あの……どうかされました?」

善子「い、いえ! 何でもありません! この子、少しお腹が痛いみたいで……」

曜「もごもご! もごっ……」

看護師「えっと……大丈夫?」

善子「はい。トイレに連れて行きます! 騒いでごめんなさい!」グイグイ

曜「もごっ……」ズルズル

看護師「あはは……。仲がいいなぁ」



 トイレ 個室

ギィ バタン

ガチャン

善子「ふぅ……」

曜「もごもご……」

善子「静かにしてくれる? 約束できるなら離すわよ」

曜「……!!」コクコク

善子「はい」パッ

曜「げほっ! おぇっ……!!」ゼェゼェ

善子「そんなに苦しかった?」

曜「死ぬかと思ったよ……」ハァハァ

善子「ごめんなさい。でも曜さんが悪いのよ」
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2018/07/15(日) 11:00:51.89ID:VqKTirr5M
曜「あんなことされそうになったら誰だって……」

善子「私は女の子よ? 曜さんと同じ……」

曜「関係ないよ……。男でも女でも、無理やり体を触ったり触らせたりするのはセクハラだよ」

善子「まあ、一般的にはね」

曜「ヨハネちゃんは違うって言うの?」

善子「当たり前じゃない。だって恋人なんだもの」

曜「仮に恋人だとしてもだよ。無理やりこういうことするのは、セクハラだと思う……」

善子「……」

善子「ごめんなさい。ちょっと乱暴なやり方だったわね」

曜「そうだよ。ヨハネちゃんが女の子って証明するなら、もっと他に方法があるよね?」

善子「例えば?」

曜「身分証明書を見せるとか」

善子「そんなもの持ってないわよ。曜さんは持ってるの?」

曜「私? えっと……持ってない」

善子「ほら。大人なら運転免許証とか保険証とか持ってても私たちは……せいぜい学生証くらいじゃない?」

曜「学生証か。病室に戻ればある?」

善子「ないわよ。今日は休みの日だし……」

曜「身元不明じゃん」

善子「何でよ。ちゃんとさっき名乗ったじゃない」

曜「だってヨハネちゃんなんて人、私知らないよ?」

善子「うっ……」

曜「津島……何とかさんって人も」

善子「善子よ。津島善子」

曜「そうそう」

善子「曜さんのお母さんと私は知り合いだったわよね。それは曜さんも見たでしょう?」

曜「見た」

善子「それに、こうしてお見舞いに来るくらいなのよ? 見ず知らずの他人なわけないじゃない」

曜「うん、まあ……」

善子「それとも、曜さんのことが好きすぎてストーカーになったファンの一人だとでも言うの?」

曜「えっ」ビクッ
0063名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:01:28.52ID:VqKTirr5M
善子「違うわよ。曜さんの場合、本当にそういうファンもいそうだけど……私は違うから」

曜「しょ、証明できる?」

善子「……どうやって?」

曜「それは自分で考えてよ」

善子「……」

善子「き、キスとか」ドキドキ

曜「へ?」

善子「キスしたら思い出す?」

曜「え、嫌だけど」

善子「は? 何で嫌なのよ」

曜「だって知らない人とキスなんてしないよ……」

善子「恋人よ。今までに曜さんと何度もキスしてるわ。もしかしたら思い出すかも……」スッ

曜「いやいやいや、待とうね? それはもうセクハラなんてレベルじゃないよ。強制わいせつだよ」

善子「自分はしたくせに何言ってるの?」

曜「してないよ。さっきのシャワーだってヨハネちゃんが乱入してきたんだし」

善子「あの日、屋上で……」

善子「曜さんが初めて私に気持ちを打ち明けてくれたときのことよ。覚えてないの?」

曜「覚えてるも何も、知らないもん。思い出しようがないよ」

善子「嫌がる私を無理やり押し倒して……」

曜「そうやってありもしないことをでっち上げるのはやめようよ! いくら私だって騙されないよ……」

善子「……」

曜「ね、今なら警察には言わないから。私をここから出してくれるとありがたいかなって……」

善子「『私のものになりなよ。抱いてあげる……』」グイッ

ドンッ

曜「ひっ……!?」ビクッ

善子「とは言わなかったけれど、まあまあ近いことは言ったわよ」

曜「や、やめてよ……」ガタガタ

善子「壁ドン。曜さんも好き?」

曜「怖いよ……」

善子「好きよね……。恋人なんだもの」フフッ
0065名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:03:33.27ID:VqKTirr5M
曜「……」ビクビク

善子「そんなに怖がることないじゃない。別に乱暴しようってわけじゃないんだし」

曜「お願い……もう許して」

善子「私のことを思い出してくれたら、許してあげる」

曜「無理だよ……。知らないものは知らないんだよ! お願いだから……」

善子「少し黙って」

曜「……」ビクッ

善子「目を瞑って……」

曜「は、はい……」パチ

「……」スッ

曜「ひっ……」

チュッ

曜(う、嘘……っ!?)

「ん……」

曜(わ、わた……私っ)

曜(知らない子にキスされちゃってるよ……)

「ねぇ……曜さん」

曜(嫌だ……。怖いよ)

曜(誰か助けてよ……)ビクビク

「舌、入れてもいい?」

曜(嫌だ嫌だ嫌だ……嫌だよ!!)

「入れるわね……」

レロッ……

曜(!!?)ビクッ

「ちゅる……」

曜(あ、あ……♡)

「ちゅぱっ……」

曜(私の中に……ヨハネちゃんの舌がっ)

曜(入ってきてる……♡♡)

「んふ……♡」
0066名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:04:05.34ID:VqKTirr5M
曜(嫌なのに……)

曜(怖いのにっ……!)

「れろっ……♡」

曜(どうして……こんなに気持ちいいのっ……??)ビクッ

「ぷはっ……」

曜(お、終わり……?)

「もう開けていいわよ」

曜「うん……」パチ

善子「どうだった?」

曜「ど、どうって……」

善子「キスした感想よ」

曜「そんなの……」

善子「何か思い出せそう?」

曜「……」

善子「もう少しする?」

曜「嫌……」

善子「それとも……その先がいい?」フフッ

曜「嫌ぁ……」

善子「そういえば……私が女の子かどうか、知りたがっていたわね」スッ

シュルッ……

曜「うぅ……」ビクビク

善子「ほら、見える? ちゃんとあるでしょう……?」

曜「見ないよ……」パチ

「手、貸して」スッ

曜「嫌っ……」ビクッ

「ほら」

ムニュッ

曜「あ……」

「女の子でしょ? 曜さんのに比べたら小さいけれど……」

ムニュッ……
0067名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:04:52.15ID:VqKTirr5M
曜「ヨハネちゃん……もうやめよう? こんなことしたって……」

「曜さんの好きにしていいのよ。だって……恋人なんだから」フフッ

曜「……」パッ

善子「もういいの? 何なら口で確かめてもいいわよ」

曜「こんなことしたって私は……」

曜「ヨハネちゃんのこと嫌いになるだけだよ」グスッ

善子「え……」

曜「確かに、さっきのキスは……正直気持ちよかったよ」

曜「だけどそれは……ただキスが気持ちよかっただけで」

曜「ヨハネちゃんとだからじゃないよ……」

善子「私とだからよ」

曜「違うよ……」ビクビク

善子「私とだからよ!!」グイッ

チュッ

曜「や、やめ……」

善子「私とだから……曜さんは」

チュルッ

曜「もう本当に……」

善子「……気持ちよかったんでしょうが!!」

ペロッ

善子「こんなふうに……首筋を舐められたり」

ハムッ

善子「耳たぶを噛まれたり」

スッ

善子「頭の後ろを撫でられたり……」

曜「も、もう無理……耐えられない……」グスッ

善子「全部私とだから……」

善子「私とだから好きなんでしょう!?」

曜「うぅっ……」ポロポロ
0068名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:05:27.21ID:VqKTirr5M
善子「そう言ってたじゃない!! どうしてっ……」グスッ

善子「全部忘れちゃったのよ……!!」

曜「分かんないよ……!! 私だって……好きで忘れたわけじゃ……!!」

善子「……」

曜「どうしてっ……こんなことするの……?」グスッ

善子「曜さんのことが好きだから」

曜「だったらこんなことやめてよ! 私の嫌がることをどうして……」

善子「曜さんのことが好きだからよ!」ガシッ

曜「ひぃっ……!?」ビクッ

善子「脱いで」

曜「やだ……」

善子「脱いで!!」

曜「嫌だ!!」

善子「いいから脱ぎなさいよっ!!!」グイッ

ビリビリッ!

曜「やっ……ふ、服がっ!?」

善子「ごめんなさい。とっても似合ってたのに破いちゃって」

曜「お願いします……。もう許してください」ガタガタ

善子「許さないわよ? 私を思い出してくれるまで……」フフッ

曜「思い出します! 思い出しますから……」グスッ

善子「そう。じゃあ大人しくしててね……」サワッ

曜「嫌っ……」ビクッ

善子「思い出した? まだよね」サワッ

曜「よ、ヨハネちゃんは私の恋人だよ?? そうだよね。やっと思い出したよ……」ビクビク

善子「本当?」

曜「お、思い出したよ?? こんなに可愛い子が恋人なんて、わたっ、私って本当に」

曜「ほ、本当に、幸せだよね!?」ビクビク

善子「告白のときの言葉、言ってみて」

曜「えっ……? あの」

善子「本当に思い出したなら言えるわよね?」サワッ
0069名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:06:02.09ID:VqKTirr5M
曜「ひっ……! い、言う! 言うよ!!」

善子「はい、じゃあ言って?」

曜「わ、私は……」

善子「……」ニコニコ

曜「私はヨハネちゃんのことが好きですっ!」

善子「……」

曜「え、えっと……」

善子「それで?」

曜「あ、あの……世界でいちばん好きです!! だから私と……」

善子「私と?」

曜「つ、付き合ってください!!!」

善子「……」

曜「違った? えっと、待ってね……すぐ別のを」

善子「嘘つき」ボソッ

曜「えっ……」

善子「私のことを騙せるとでも思ったの? 大好きって言えば何でもごまかせるとでも??」

曜「そ、そうじゃないよ……」

善子「もういいわよ」

曜「え……」

善子「私が悪かったわ。曜さんは本当に私のこと、覚えてないみたいだものね」

曜「ごめんなさい……」

善子「これ以上やっても嫌われるだけみたいだし……」

曜「……」

善子「もう終わり。私と曜さんが恋人なんて、私の勘違いだったわ」

曜「そ、そっか。うん……分かってくれて嬉しいよ」

善子「だから……」

曜「……」

善子「死んで」

曜「え?」

ガシッ!
0070名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:06:42.06ID:VqKTirr5M
曜「うぐっ……」

善子「私のことを好きじゃない曜さんなんて……」グッ

曜「く、くるしい……」

善子「私のことを忘れちゃう曜さんなんてっ!」グイッ

曜「あ、あ……」

善子「そんなの、私が知ってる曜さんじゃないっっ……!!」グッ!

曜「ぐぁ……」ピクピク

善子「返してよ……」

善子「私が好きだった曜さんを」

善子「ねぇ!!」ギュゥッ

曜「や……」

善子「今すぐ返してっっ!!!」

善子「じゃないと私……本当に」

善子「本当にっっ……」

善子「曜さんのこと殺しちゃう……!!」グスッ





 診察室

曜ママ「……」

先生「先ほど少し診察させていただきましたが……」スッ

先生「昨日の検査の結果を併せてみても、特段身体的な異状は見られません」

曜ママ「そうですか……。よかったです」ホッ

先生「ただ……。あのときも言いましたが」

曜ママ「はい……」

先生「水泳はもう、なさらないほうがよろしいかと」

曜ママ「……」

先生「この先また本気で水泳をやるとすると……」

先生「いつかまた、必ず壁にぶつかるときがくるでしょう」

先生「そのとき、渡辺さんは……」

先生「三回目をしないとも限りません」
0071名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:07:14.19ID:VqKTirr5M
曜ママ「そう……ですよね」

先生「……」

先生「今回はたまたま近くにいた方が助けてくださいましたが、次回は……」

曜ママ「……」

先生「本来、水泳は息を止めるスポーツではないでしょう?」

曜ママ「それは……。曜も重々承知しているはずです」

先生「渡辺さんは確かに素晴らしい選手です。中学生のときにあと少しで日本記録というタイムを出していますし」

先生「最近は少しプールから遠ざかっていたようですが、まだまだ素質は十分にあると思います」

曜ママ「ありがとうございます……」

先生「周囲の期待にはいつだって応えてみせた……」

先生「だからこそ、あのときも」

先生「周囲の高すぎる期待に応えようとしたのではありませんか?」

曜ママ「……」

先生「ご本人も、きっと悩まれたと思います。お母様も……」

曜ママ「私は……何もしてあげられませんでした」

曜ママ「曜の悩みを聞いてあげるどころか、曜と話すことすらほとんどなく……」

曜ママ「ずっと仕事に逃げて、あの子に向き合うことから逃げ続けていました」

曜ママ「そのせいで曜は……自分ひとりですべて抱え込んでしまったんです」

先生「……」

曜ママ「中学時代の担任の先生は、それに気づいて曜のことを支えてくれていました」

曜ママ「曜が卒業した今も……教師と生徒でこそありませんが、ずっと支えてくれています」

曜ママ「私の代わりに……」グスッ

先生「そうですか……」

曜ママ「善子ちゃんは……さっきの子です……はそのときの担任の娘なんです」

先生「津島さんが?」

曜ママ「はい……。曜のことをいつも気にかけてくれる、とっても優しい子なんです」

曜ママ「そんな二人に、ずっと私は甘えていたんです……」グスッ

先生「……」

曜ママ「でも、それではいけないと思いました」

曜ママ「いえ……本当は二人に言われてやっと気がついたんですけど」
0072名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:07:48.13ID:VqKTirr5M
曜ママ「今月からは早く帰って、曜と一緒に夕飯を食べて……お風呂にも何年ぶりかに一緒に入って」

曜ママ「やっと曜の笑顔を見ることができました」

曜ママ「全部あの二人が変えてくれたんです」

曜ママ「曜も、私も……あの二人に助けられたんです」グスッ

先生「いいご友人を持たれましたね」フフッ

曜ママ「実は私も……その先生とお付き合いさせていただいてまして」

先生「えっ?」

曜ママ「いえ、元はと言えば私がその先生とお付き合いしてたんです」

曜ママ「曜がまさか、その娘と付き合うことになるなんて……思いもしませんでした」

先生「なかなか……複雑な家庭環境をお持ちで」

曜ママ「不倫ではありません。その先生は早くに夫を亡くしていて……」

曜ママ「私も……私の夫は海外で船長をやっていたんですけど」

曜ママ「事故でもう、この世にはいません」

先生「……」

曜ママ「娘たちはこのこと知らないんですけどね」アハハ

曜ママ「死ぬまで言わないつもりです……」

曜ママ「曜はずっとパパの帰りを待っていますから」グスッ

先生「そうでしたか……。私が言えることではありませんけれど、その」

先生「お気持ちお察しします……」

曜ママ「……」

曜ママ「すみません。つまらない話をしてしまいました」

先生「いえ、渡辺さんの家庭環境を知ることができてよかったです」

曜ママ「曜は……退院できそうですか?」

先生「……」

曜ママ「どこも異状はないんですよね?」

先生「身体的には」

曜ママ「『身体的には』?? 精神的に問題があると?」

先生「……記憶の混乱が見られます」

曜ママ「曜は全て思い出したと言っていました」

先生「ええ、ご本人は」
0073名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:08:25.69ID:VqKTirr5M
曜ママ「私も……いつもの曜に戻っているように見えました」

先生「そうでしょうか……」

曜ママ「そうです。さっきだって、先生のことを口説いていましたし……」

先生「あ、あれはその……」カァアア

先生「聞いていらしたんですか」

曜ママ「それは、すぐドアの前で待っていましたから」

先生「お恥ずかしい……」ドキドキ

曜ママ「……」

先生「こ、こほん。それで……」

先生「退院はできると思います」

曜ママ「本当ですか!? ありがとうございます!」ペコッ

先生「ただし……あまり無理をさせないようにしてください」

曜ママ「それはもちろん。私だって、曜を二度とこんな目に遭わせたくありませんから」

先生「渡辺さんはとっても強い子ですけれど、それでも年頃の女の子です。親として、一人の大人として気にかけてあげてくださいね」

曜ママ「はい。ありがとうございます……」

先生「って、未婚の私が言うのも説得力がないかもしれませんが」フフッ

曜ママ「いえ、そんなことないです。きっと先生はいいお母さんになれますよ……」

先生「だといいんですけど」エヘヘ

先生「あ、それと退院は許可しますが、また明日診察に来てください」

曜ママ「えっ?」

先生「念のため経過を見たいんです。お忙しいとは思いますが、お願いします……」

曜ママ「……しばらく通院になるのでしょうか」

先生「それはまだ……分かりません」

曜ママ「……」

先生「費用もかかることですし、無理にとは言えませんが……」
0075名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:10:25.45ID:VqKTirr5M
曜ママ「いえ、そうではないんです」

曜ママ「実はあの子、学校の成績があまりよくなくて……進級が危ぶまれていまして」

先生「……」

曜ママ「もうすぐ中間テストなんです。それさえ終わればいくらでも通院させてもらって構わないんですけど……」

先生「そうですよね。渡辺さんの場合、スクールアイドルもされているようですし……」

曜ママ「え、知ってるんですか!? ウチの娘、Aqoursってグループで……」パァアア





 トイレ 個室

善子「はぁっ、はぁ……!」パッ

ズルッ

ドサッ

曜「」

善子「……」

曜「」

善子「綺麗な顔ね」スッ

曜「」

善子「あぁ……ついにやっちゃったわ」

善子「本当に殺しちゃった……」フフッ

善子「でも曜さんが悪いのよ? 全部曜さんのせいなんだから……」クスクス

曜「」

善子「大丈夫よ。これで曜さんを操っていた悪魔は消えたはず」

善子「目が覚めたらきっと全部思い出してるから……」

曜「」

善子「曜さん、起きなさい……」ユサユサ

曜「」ユサユサ

善子「……」

善子「ほら、起きて」ユサユサ

曜「」ユサユサ
0076名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:11:01.61ID:VqKTirr5M
善子「……」

善子「起きなさいよ!」グイッ

曜「」ゴロンッ

善子「え……?」

曜「」

善子「わ、私っ……!?」

善子「やだ、何てことを……」

曜「」

善子「私、本当に曜さんを……」

善子「殺しちゃったの……?」

曜「」

善子「嫌よ、起きて! お願い……目を覚まして」ユサユサ

曜「」ユサユサ

善子「お願いだから目を開けてよ……」グスッ

曜「」

ポタッ

善子「私の恋人でしょう!? 私を一人にするなんて……」

善子「そんなの、絶対許さないんだから……!」

ポタポタ

曜「」

善子「こ、これは命令よ。今すぐ目を開けなさい」

曜「」

善子「私のお願いが聞けないって言うの? ねぇ!!」ユサユサ

曜「」ユサユサ

善子「何とか言いなさいよ!!」ブンッ

バチーン!!

曜「」ドサッ

善子「……」

曜「」

善子「……」
0077名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:11:37.05ID:VqKTirr5M
善子「そう……。本当に死んだのね」

曜「」

善子「私が殺したんだわ」

善子「……」フフッ

善子「あはは……」

善子「私……いちばん大切なひとを、この手で……」

曜「」

善子「曜さんって本当にバカよね」クスクス

善子「私なんかを好きになるからこういうことになるのよ」

善子「全部自業自得だわ」

曜「」

善子「さてと……曜さんがいないんじゃ私も生きてる意味がないわね」

曜「」

善子「私もすぐに行くわ。曜さん」ナデナデ

善子「……」

善子(とは言っても、どうやって死ねばいいのかしら)

善子(ここから出て誰かに見つかったら嫌だし……)

善子(何より、曜さんとは離れたくないわ)

善子「……」

善子(この個室の中で死ぬには……)

善子(服で首を吊るしかないわね)

善子「……」

チャプン

善子(あぁ、いいところに水が……)

善子(ちょっと汚いけれど、私にはお似合いじゃない)フフッ

善子(恋人を殺しちゃうような、最低最悪の堕天使にはね……)

善子「……」

善子(さぁ、顔を突っ込むのよ)

善子(怖くないわ。こんなもの、曜さんの味わった苦しみに比べたら……)
0078名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:12:12.06ID:VqKTirr5M
善子(さぁ)

善子(早く)

善子(顔を……)

チャプ

善子(このまま息を止め続けるの……)

善子(曜さんがそうしたように……)

善子「……」

善子(ごめんなさい。全部私のわがままだったわ)

善子(嫌がる曜さんに無理やり水泳をやらせたのも……)

善子(記憶喪失の曜さんを無理やり……)

善子「……」

善子(思えば最初からそうだったじゃない)

善子(曜さんが好きだったのは私じゃなかったのよ)

善子(曜さんが好きだったのは、私のおしっこ)

善子(キスよりもえっちなことよりも、おしっこを飲むことの方が好きだった……)

善子(殺しちゃう前に試せばよかったかしら)

善子(もし曜さんに私のおしっこを飲ませたら、思い出してくれたかも……)

善子(って、嫌よそんなの。それで思い出すなんて、それこそ本当に)

善子(私じゃなくておしっこが好きだったってことじゃない)

善子「……」

善子(曜さんが好きだったのは私よ)

善子(そうだわ。だから私のお願いを聞いてくれたんじゃない)

善子(私のおしっこを飲みたいからとかじゃないわよ)

善子(……ないわよね?)

善子「……」

善子(あぁ……体が痺れてきたわ)

善子(頭もだんだん……)

善子(ぼーっとしてきて……)

善子「……」
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2018/07/15(日) 11:12:46.71ID:VqKTirr5M
善子(さようなら。下界のみんな)

善子(私なんかと仲良くしてくれてありがとう……)

善子(私はまた天界に戻るわね)

善子「……」

善子(曜さん……待ってて)

善子(今行くから……)

善子「……」

善子「大好きよ」

ゴポッ





 沼津駅前

花丸「……」

ルビィ「善子ちゃん、来ないね……」

花丸「うん……」

ルビィ「今日こそ一緒に遊ぶって約束したのに」

花丸「そうだね……」

ルビィ「連絡しても通じないし」

花丸「……」

ルビィ「善子ちゃん、ルビィたちのこと嫌いになっちゃったのかな……?」

花丸「行こっか。マルと二人で遊ぼう」スタッ

ルビィ「え……でも」

花丸「善子ちゃん、何度も連絡してるのに出てくれないんだよ。たぶん、約束したことすら忘れてるよ……」

ルビィ「……」

花丸「マルと遊ぶの嫌?」

ルビィ「ううん……」

花丸「パフェはまた今度奢ってもらおうよ。約束を破ったぶんグレードアップしてもらわないとね♪」フフッ

ルビィ「……」

花丸「分かった。今日はマルが奢ってあげるから……それでいい?」

ルビィ「花丸ちゃん、お金持ってるの?」
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2018/07/15(日) 11:13:21.72ID:VqKTirr5M
花丸「うぐっ……半分ずつ食べよう。それなら何とか……」

ルビィ「無理しなくていいよ。ルビィ、お姉ちゃんの電子マネー借りてきたから」スッ

花丸「ずらっ!? ま、マルもしかして……気を遣われてる?」

ルビィ「また帰りのバス代がなくなるのは嫌だよ……」

花丸「う……」

ルビィ「それに、大丈夫だよ。今日はお姉ちゃんに断って借りてきたから」

花丸「あ、そうなの? 盗んできたわけじゃないんだね」ホッ

ルビィ「あっ! 失礼しちゃうなぁ!! 人聞きの悪いこと言わないでよ!」プンプン

花丸「ごめんなさい……」

ルビィ「今日の分はルビィが払うから、一つだけお願いがあるんだけど……」

花丸「何?」

ルビィ「今から善子ちゃんの家、行ってみない?」

花丸「善子ちゃんの家に?」

ルビィ「うん。家まで押しかけて、引きずり出してくるの」

花丸「なかなか怖いこと言うね……」

ルビィ「約束を破った罰だよ♪」エヘヘ



 善子の家

プルル

善子ママ「はい、もしもし」

曜ママ『私だよ。今終わったところ』

善子ママ「あら、思ったより早かったのね」

曜ママ『曜、今日退院だってさ。片付けとか色々あるから、実際に出られるのはお昼近くになりそう』

善子ママ「そう……。曜ちゃんはもう大丈夫なの?」

曜ママ『起きてすぐは記憶が混乱してたみたい。でも善子ちゃんのおかげで元通りだよ』アハハ

善子ママ「よかった……。あの、本当にごめんなさいね?」

曜ママ『何で謝るの。曜を病院に運んでくれたんだよね』

善子ママ「善子がこんなことをして……」

善子ママ「ううん、私もいたのにただ見てるだけで……」

曜ママ『観客席から見てたんでしょ。止めに入るのは無理だよ』
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2018/07/15(日) 11:13:53.84ID:VqKTirr5M
善子ママ「……」

曜ママ『現地にいてくれたのは、こうなることを予測してくれてたのかな?』

善子ママ「いえ……。分かっていたら止めたわよ」

善子ママ「でも、まあ……一応心配だったから」

曜ママ『ふふ。ありがとね』

善子ママ「……」

善子ママ「善子とは話した?」

曜ママ『話したよ。やっぱり善子ちゃん、自分のせいだと思ってたみたい……』

善子ママ「そう……。謝ってた?」

曜ママ『うん。ごめんなさいって……』

善子ママ「もっと厳しく叱ってもいいのよ? 大切な娘をこんな目に遭わせたんだもの……」

曜ママ『そんなことできないよ。だって善子ちゃん、全部曜のためにやってくれたんだからさ』

善子ママ「……」グスッ

曜ママ『ママ?』

善子ママ「あなたは本当に優しいわよね。曜ちゃんに似て」

曜ママ『曜が私に似たんだよ』

善子ママ「ううん。あなたが曜ちゃんに似たのよ」

曜ママ『何で? 私が親だよ??』

善子ママ「曜ちゃんの方がずっと大人よ。あなたよりね……」

曜ママ『むっ……』

善子ママ「時間が分かったらまた連絡ちょうだい。病院まで迎えに行くわ」

曜ママ『いいよいいよ、このくらい歩くし』

善子ママ「曜ちゃん、丸一日寝ていたのよ? そんな状態で家まで歩かせるつもり?」

曜ママ『ママは過保護だなぁ』アハハ

善子ママ「とにかく、また連絡ちょうだい。じゃあね……」

曜ママ『ん、また……』

ピッ

善子ママ「ふぅ……」

善子ママ「曜ちゃんが帰ってきたら何て言おうかしら」

善子ママ(謝るのは当然として……)
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2018/07/15(日) 11:15:47.39ID:VqKTirr5M
善子ママ(本当のことを話すべき? 私も曜ちゃんのお母さんも知っていて止めなかったこととか)

善子ママ(善子にも悪いことをしたわね……)

善子ママ「……」

善子ママ(曜ちゃんが善子を嫌いになっていないといいんだけれど)

善子ママ(いくら善子がやらせたとはいえ、さすがに善子一人が悪者になるのはね……)

善子ママ(曜ちゃんは優しいから、きっと怒ったりしないでしょうけど)

善子ママ(それどころか笑って許してくれそうだけれど……)

善子ママ(曜ちゃんの優しさに甘えちゃダメよ。善子も、私もね……)

善子ママ「はぁ……。疲れたわ……」

ピンポーン

善子ママ「あら?」スタッ

善子ママ「……」スタスタ

ピッ

善子ママ「はい、津島ですが……」

『あのっ、すみません……。善子ちゃんのお友だちの、ルビィです』

『花丸です。突然来てしまってごめんなさい……』

善子ママ「すぐ開けるから待っててね」ピッ

スタスタ

善子ママ(全くあの子ったら……まさか約束をすっぽかしたりしていないでしょうね?)

ガチャ

ルビィ「あ、あの……お久しぶりです」ペコッ

花丸「お久しぶりです」ペコリ

善子ママ「いらっしゃい。生憎だけど、善子は今出かけていて家にいないのよ」

花丸「えっ? もしかしてマルたちと入れ違いに……」

ルビィ「だから大人しく待とうって言ったんだよぉ」

花丸「えぇーっ!?」

ルビィ「あの、善子ちゃんがどちらに行ったか知ってますか?」

善子ママ「えっと……善子は……」

善子ママ(どうしよう……。本当のことを言うべきかしら)

善子ママ(でも、この子たちだって曜ちゃんのお友だちなのよね。知る権利くらいあるわ)
0084名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:16:24.78ID:VqKTirr5M
花丸「?」

善子ママ「あの、実はね……」

ルビィ「へっくち!」クシュン

花丸「ルビィちゃん大丈夫? 春とはいえまだ寒いからねぇ」

ルビィ「何言ってるの花丸ちゃん。どう見ても冬だよ」

花丸「春だよ? だって今日は二月四日……立春だもん」

ルビィ「春なのは花丸ちゃんの頭だけだよ……」

花丸「それどういう意味? さすがのマルでも怒るよ??」

ルビィ「だって見てよ……。雪降ってるじゃん」

善子ママ「今夜は積もるかもしれないわね……」

花丸「暗くなる前に帰らないと危険だね」

ルビィ「あの……もし帰れなくなったら泊めてもらってもいいですか?」

善子ママ「えっ?」

花丸「あっ、何でもありません……。ルビィちゃんの言うことは半分くらい冗談なので」

ルビィ「花丸ちゃん! 冗談は顔だけにしてよね」

花丸「むかっ……」

善子ママ「あの、よかったら中へ入って? ここじゃ寒いでしょう」

ルビィ「待ってました! お邪魔しまーす!」タッ

花丸「あっルビィちゃん!」

善子ママ「花丸ちゃんも、どうぞ」スッ

花丸「お邪魔します……。すみません」ペコリ



 リビング

善子ママ「はい、温かい紅茶よ……」コトッ

花丸「ありがとうございます」

ルビィ「わぁ……。レモン? ミルク??」

善子ママ「あっ、何か入れる? ストレートで持ってきちゃった」スタッ

花丸「ルビィちゃん、図々しいよ」ジッ

ルビィ「だって……」

「砂糖もいる?」ガサゴソ
0086名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:18:03.60ID:VqKTirr5M
ルビィ「はい! お願いします!」

花丸「マルもください」

「分かったわ」ガサゴソ

ルビィ「……」

花丸「ルビィちゃん?」

ルビィ「善子ちゃんのママ、美人さんだよね……」

花丸「えっ? そ、そうだね……」

「何か言った?」

ルビィ「いえ! 花丸ちゃんは善子ちゃんのママがタイプだそうです」

花丸「わぁあ!!? 変なこと言わないでよルビィちゃん!」カァアア

善子ママ「あら……。嬉しいわね、ありがとう」ニコッ

ルビィ「……」エヘヘ

花丸「……」カァアア

善子ママ「はい、砂糖とミルク、それからレモン……」コトッ

花丸「あ、ありがとうございます」

善子ママ「それから……チョコレート♡」コトッ

ルビィ「わぁいチョコレート! ルビィ、チョコレート大好き!」キャッキャッ

善子ママ「あ、でもこれは紅茶に入れる用なの……」スッ

チャプン

花丸「紅茶にチョコレート……?」

ルビィ「美味しいのかなぁ……?」

善子ママ「美味しいわよ。やってみて」

花丸「じゃ、じゃあ……」スッ

チャプン

ルビィ「わ……。チョコがどんどん溶けてく……」

花丸「綺麗ずら……♡」ウットリ

ルビィ「善子ちゃんのママが?」

花丸「ち、違うよっ!!」カァアア

善子ママ「ルビィちゃんも入れる? もちろん、そのまま食べてもらってもいいんだけれど」

ルビィ「それじゃあルビィは両方頂きます」スッ
0087名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:18:54.76ID:VqKTirr5M
チャプン

花丸「図々しいよルビィちゃん」

善子ママ「いいのよ。ちょうどお茶菓子もなかったから……このくらいしか出せなくてごめんね?」

ルビィ「ルビィは大丈夫です。花丸ちゃんも、善子ちゃんのママさえいれば何もいらないって言ってます」エヘヘ

花丸「……。もう突っ込むの疲れたよ」ハァ

善子ママ「ふふっ。二人は本当に仲良しなのね」ニコニコ

ルビィ「はい。善子ちゃんともすごく仲良しですよ?」

花丸「いつもお世話になってます」ペコリ

善子ママ「いえいえ。こちらこそ、いつもありがとう」ペコリ

ルビィ「今日ルビィたちが来たのは他でもない、ズバリ善子ちゃんの行方を聞き込みに来たんです」

花丸「誰……?」

ルビィ「善子ちゃんだよ! 忘れちゃったの??」

花丸「ううん、ルビィちゃんが謎のキャラで来たから……」

ルビィ「善子ちゃんに捜索願が出てることはご存じですか?」

善子ママ「えっ?」

花丸「あの、ルビィちゃんが自分で自分に出してるだけです……」

ルビィ「そこ。ネタバレしない」

善子ママ「……」

ルビィ「善子ちゃんから聞いてませんか? 今日、実は三人で遊ぶ約束をしてたんです」

善子ママ「そうだったの!? 善子、二人にちゃんと連絡した??」

花丸「……」

ルビィ「無断キャンセルされました」

花丸「ルビィちゃん!」

ルビィ「本当のことだもん」

花丸「だからって……」

善子ママ「ごめんなさい。私も知っていたら連絡したんだけれど……」

ルビィ「あー、やっぱり。善子ちゃん完全に忘れてたんだ」

花丸「……」

ルビィ「ズバリ善子ちゃんの行き先を当ててみせます。準備はいい?」
0088名無しで叶える物語(たこやき) (ワンミングク MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:19:43.31ID:VqKTirr5M
善子ママ「善子はね、曜ちゃんのところにいるわ……」

ルビィ「あー! 何で答え言っちゃうの……」

善子ママ「曜ちゃん、実は昨日から……」

ルビィ「善子ちゃんに似て本当に空気読めないよね! 花丸ちゃんもそう思わない??」

花丸「待ってルビィちゃん。あの、曜さんがどうかしたんですか?」

善子ママ「実は……昨日ちょっと倒れちゃって、今は病院にいるの」

ルビィ「え……」

花丸「倒れたって……? 大丈夫なんですか?」

善子ママ「ええ。幸い大事には至らなかったわ」

善子ママ「それと、今日のお昼くらいには退院できるみたい」

ルビィ「お昼って言うと……今が十時だから……」

ルビィ「ひぃ、ふぅ、みぃ……」

花丸「善子ちゃんはお見舞いに?」

善子ママ「ええ。お見舞いというか、昨日からずっと付き添っているわ」

ルビィ「もしかしてお泊まりですか」ドキドキ

花丸「落ち着こう。病院だよ」

ルビィ「うゅ」

善子ママ「ちょっと無理をさせちゃって……疲れとか、色々溜まっていたのよ」

ルビィ「あぁ、それで善子ちゃん、とうとう我慢できずに……」ドキドキ

花丸「病院だよ??」

ルビィ「冗談だよぉ」アハハ

善子ママ「そうだわ。せっかく来てくれたんだもの、もう少ししたら一緒に迎えに行かない?」

ルビィ「えー……でも外は寒いし歩くの疲れるし……」

花丸「マルも行っていいんですか?」

善子ママ「何言ってるの。二人とも曜ちゃんのお友だちじゃない、きっと喜ぶわよ」フフッ
0089名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:21:40.42ID:+VWnZkQ+M
花丸「ありがとうございます」ペコリ

ルビィ「ルビィもう歩きたくない……」

善子ママ「もちろん車でよ。こんな雪の中歩いて転んだら危ないわ」

ルビィ「本当!? 車は車でスリップ事故の危険はありますけど……」

善子ママ「うっ……。気をつけるわ」

花丸「でも、車道は除雪されてるから歩道より安全かも……」

ルビィ「沼津はいいよねぇ。ルビィたちのお家の方なんて誰も雪かきしてくれないよ」

花丸「それは仕方ないよ。田舎はそういうものなんだから」

ルビィ「はぁ……」ズズッ

ルビィ「あ、美味しい……♡」

花丸「マルも頂きます……」ズズッ

善子ママ「熱いかもしれないから気をつけ……」

花丸「あっつ!!」

ルビィ「ぷー! 花丸ちゃんの猫舌が発動したね!」アハハ

善子ママ「ごめんなさい……。火傷しなかった? 口の中見せて」クイッ

花丸「あっ……」ドキッ

善子ママ「すぐに冷たい水を持ってくるから、ちょっと待っててね……」スタッ

花丸「ごめんなさい……。マルがよく見てから飲めばよかったんですけど」

ルビィ「花丸ちゃん、火傷したね」

花丸「少しヒリヒリするよ……」

ルビィ「ドキドキの間違いじゃなくて?」

花丸「ん?」

ルビィ「火傷したのは花丸ちゃんのハートだよ?」ニヤニヤ

花丸「えっ……」ドキドキ

ルビィ「ひゅー♪」

花丸「もー! ルビィちゃんのばか!!」カァアア

ルビィ「えへへー!」

善子ママ「お待たせ……。って、今度はケンカ? 本当に仲がいいのね……」フフッ
0091名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:24:15.70ID:+VWnZkQ+M




 沼津総合病院

 トイレ 個室

ゴポッ……

善子「……ぷはぁっ!!?」ザバッ

善子「げほっ!! ごほっ……」ゼェゼェ

善子「し、死ぬかと思った……」ハァハァ

「私も死ぬかと思ったよ」

善子「え……?」

曜「善子ちゃん、酷いよ……。本気で私を殺そうとするなんて」

善子「曜さんっ!!?」

曜「あはは。酷い顔だね……」

善子「生きてたの!? 私っ……本当に曜さんを殺しちゃったのかと」

曜「死ぬわけないじゃん。だって私、善子ちゃんの恋人だよ?」

善子「え……」

曜「善子ちゃんを一人になんてさせないよ……」ギュッ

善子「嘘……。そんな……」グスッ

曜「ごめんね。つらい思いをさせちゃって」ナデナデ

善子「うぅ……」

曜「もう大丈夫、全部思い出したから……」

善子「うわぁああん……!!」

曜「……」ポンポン

曜「我慢しないで泣いていいよ」

善子「私っ……曜さんのことっ」

善子「大好きなのにっ……」

善子「どうしてっ、あんなこと……!」

曜「私がすぐに思い出せていればよかったんだけどね」

善子「そうよっ……! 全部曜さんのせいなんだからぁ……!!」

曜「うん……。本当にごめん」
0092名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:24:46.79ID:+VWnZkQ+M
善子「ううっ……えぐっ」

善子「バカぁ……」ギュッ

曜「バカだよね。善子ちゃんにここまでさせちゃうなんて、私……」

善子「ぐすっ……本当に曜さん?」

曜「?」

善子「本当に曜さんなの……? 偽物じゃない?」グイッ

曜「あいててっ!!?」

善子「私のこと分かる……?」

曜「分かるよ……。善子ちゃん」

善子「……」

曜「善子ちゃん?」

善子「信じられない……。だって曜さん、本当に死んだもの……」

曜「心臓、止まってた?」

善子「……息はしてなかったわ」

曜「前に言ったよね? 死亡確認を呼吸停止だけでしちゃダメだよって」

善子「そんなこと言われてないわよ……」グスッ

曜「善子ちゃんと初めてお風呂に入ったときのことだよ。覚えてないかな……?」

善子「え……」

曜「まあいいや。善子ちゃんが無事だったんだもん」

善子「……」

曜「立てる? 顔だけでも洗った方がいいよ……」

善子「えっ? あ、私……嫌だ、そんなところに顔突っ込んで……」

曜「せっかくの綺麗な顔が台無し」フフッ

善子「おぇーっ!!」ペッ

曜「そんなに気持ち悪かった!? 思ったことをそのまま言っただけなのに……」

善子「ち、違うわよ! 便器の中に顔を突っ込んだなんて……うぅっ」ペッ

曜「なかなか勇気あるなぁ」

善子「そういう問題じゃないでしょう……?」

曜「貸して。綺麗にしてあげる」グイッ

善子「えっ……」
0093名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:25:20.53ID:+VWnZkQ+M
チュッ

曜「ん……」

善子「えっ、え……!?」

曜「本物だよ……? 分かる?」

チュルッ

善子「や、やめなさいよ……。私、便器の水飲んだのよ……?」

曜「だから?」

善子「だから……? 汚いからやめなさいって……」

チュゥ

曜「汚くないよ……。善子ちゃんだもん」

善子「私が嫌なのよっ……!」バッ

曜「そっか……」

善子「けほっ、とりあえず顔だけ洗わせて……」

曜「そうだね」

ガチャッ キィ

善子「うぅ……気持ち悪い……」フラッ

曜「大丈夫? 看護師さん呼んでこようか」

善子「いいわよ……ここにいてくれれば」

曜「……」

キュッ

ザー バシャバシャ

善子「……」

バシャバシャ

善子「うぅ……」
0094名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:25:56.72ID:+VWnZkQ+M
ザー

曜「大丈夫? 顔色が悪いけど……」

善子「最悪の気分よ……」

曜「そっか……。私はそんなことないけどな」

善子「は……? これが最悪じゃなかったら何なのよ」

曜「だって、善子ちゃんの好きを痛いほど感じられたし……」エヘヘ

善子「わっ、その首……」

曜「すごい痕だね。今まででいちばんかも」アハハ

善子「私の手形がくっきり……痣になるんじゃないのこれ」

曜「えへへ。嬉しいな」

善子「」ヒキ

曜「あ、勘違いしないでよね? 私を首を絞められるのが好きな変態みたいに思わないでよ」

善子「いや、一瞬そうなのかと……」

曜「でもまさか、首を絞められて思い出すなんて……。自分でも笑っちゃうよ」フフッ

善子「そうなの? キスじゃなくて??」

曜「善子ちゃん、本当に怖かったな……。犯罪者の素質あると思う」

善子「嫌よそんな素質」

曜「私以外にしたらダメだよ? たぶん本当に死んじゃうから……」

善子「するわけないでしょう!? 曜さんにだって、もう二度としないわよ……」

曜「うん」

善子「それにしても、よく生きてたわね。本当の本気で絞めたのに」

曜「本当に死ぬかと思ったよ。怖すぎて漏らしちゃった」エヘヘ

善子「え?」

曜「ほら……」ペラッ

善子「お、おしっこ?」

曜「うん……」カァアア

善子「ふふっ」

曜「えぇ!? 何で笑うのっ?」

善子「どうせ舐めて綺麗にしろとか言うんでしょう?」クスクス

曜「言わないよ!! 私が一度でもそんな言い方したことある??」
0095名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:26:28.45ID:+VWnZkQ+M
善子「じゃあ何よ」

曜「私は善子ちゃんのを飲ませてもらえれば十分だよ」エヘヘ

善子「あ、後でね……」

曜「いいの!? 本当に!!?」ガタッ

善子「こんな目に遭わせたんだもの、そのくらいしなきゃ許せないわよ……」

曜「うんうん! そうだよね!」ニコニコ

曜「あ、私は善子ちゃんのこと怒ったりしてないからね? 全部私のためにしてくれたことだし……」

善子「え?」

曜「そうでしょ? わざとプールで溺れさせたり、一晩中ずっと手を握っていてくれたり」

善子「手を握ったのは確かだけど、プールで溺れさせたのはわざとじゃないわよ」

曜「そうなの?」

善子「そうよ! あと、厳密には溺れてないから……」

曜「あとはもう、私を殺す覚悟で記憶を取り戻そうとしてくれたことかな」

善子「いや、本当に殺すつもりだったし……」

曜「そこまでして私のこと……」グスッ

善子「えっ」

曜「嬉しいよ……。私、本当に嬉しい……」ポロポロ

善子「どれだけお人好しなのよ……。私、完全に殺人未遂じゃない」

善子「それに、嫌がる曜さんに無理やり……その、強制わいせつとか」

曜「すごくドキドキしたよ……」

善子「なわけないでしょ……。本当に許しを請う目だったわよ」

曜「全部ああいう演技だよ」

善子「いや、あれが演技とかあり得ないから」

曜「……」

善子「私を責めたいでしょう? 怒っていいのよ……」

曜「ううん。私は善子ちゃんのおしっこさえ飲めればそれで満足だよ」

善子「はぁ……」

曜「善子ちゃんもさぁ、便器の水で溺死するくらいなら私のおしっこを飲んでほしかったな」

善子「嫌よ。誰が飲むもんですか」

曜「絶対便器の水より綺麗だと思うけど……」
0096名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:26:59.12ID:+VWnZkQ+M
善子「だとしても飲まない! 便器の水だって……おぇっ」ペッ

善子「お願いだから思い出させないで……」

曜「分かった」

善子「お願いね? こんなこと一刻も早く忘れたいんだから」

曜「うん。でもさ……」ニヤニヤ

善子「な、何よその顔は」

曜「とりあえず、おしっこ飲ませて♡」

善子「嫌よ!! 何で私が……」

曜「私はさっき善子ちゃんに殺されかけたときに漏らしちゃったもん」

善子「そうだけど……って別に私は飲みたいわけじゃないわよ」

曜「お願い……。今飲ませてくれたら、今回のことは一切不問にするから!」

善子「……やっぱり怒ってる?」

曜「怒ってないよ。善子ちゃんが便器に顔を突っ込んでたことを忘れてあげるって意味だよ」

善子「うぷっ……そ、その話はしないでって」

曜「しないよ。飲ませてくれたらね」ニコニコ

善子「……」

曜「……」ニコニコ

善子「はぁ……。仕方ないわねぇ」

曜「ありがと♪ ではさっそく……」グイッ

善子「えっ!? ここで!? せめて個室で……」

曜「善子ちゃんはそのまま洗面台に手を置いてて」スルッ

善子「や、やだ脱がせないで……」カァアア

曜「おしっこを飲まれてる自分の顔、しっかり見ておいてね」

善子「はぁ!!? どんなプレイよ!!」

曜「ぷれい……?」

善子「あ、いえ……何でもないわ」カァアア

曜「それでは、いただきまーす♡♡」

チュルッ

善子「あっ♡」ビクッ

曜「れろれろ……」
0097名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:27:32.08ID:+VWnZkQ+M
善子「だめっ……♡ 出すから、待って……ぇ」

曜「ほら早くぅ」チュパッ

善子「うぅ……」ブルッ

曜「おほっ……きたきた♡」

チョロロ

善子「……あ♡」

曜「んぐっ……んぐっ」ゴクッ

チョロロ

善子「吸っちゃだめぇ……♡♡」

曜「ちゅるっ……もっと出るよね?」

善子「出ないわよ……! 急に言われたってそんなの……」

曜「ふーん……。もっと奥まで入れちゃおうかなぁ」ニュプッ

善子「あふっ♡♡」ビクンッ

曜「ほらほら、我慢しないで全部出しちゃいなよ。私は善子ちゃん専用の便器なんだから♡」

チョロロ

善子「曜さんは……っ♡ 便器なんかじゃないわよっ……♡♡」

曜「便器だよ? 善子ちゃんが好きなときに、好きなように使っていいんだよ……♡」

チョロロ

曜「殴りたかったら殴っていいし、首を絞めたかったらいつでも絞めていいよ♡」

善子「そんなことっ……♡」

チョロ

曜「でも、できればちゃんと便器として使ってほしいな」

善子「嫌よ……」

曜「それかペットボトル」

善子「それも嫌」

曜「おしっこしたくなったらいつでも飲ませて。私も善子ちゃんが飲みたいときにはいつでも出すから」

善子「嫌すぎるわそんなの」

曜「それか……『ペット』ボトルなんだし、首輪をつけて散歩させてもいいんだよ?」

善子「……」

曜「善子ちゃん、首輪買ったっきり私につけてくれないよね」
0098名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:28:04.09ID:+VWnZkQ+M
善子「あ、あれは……その」

曜「ちゃんとしつけないと浮気しちゃうかも……♡」

善子「曜さん、女の子には興味ないんじゃなかったの?」

曜「興味はあるよ。ただ、私も女の子だし特にえっちしたいとかは思わないかな」

善子「思いなさいよ!!」

曜「何で? 善子ちゃんにとってもその方が都合がいいんじゃないの?」

善子「少なくとも、私とは……もっとしてほしいと思う」カァアア

曜「んー……」

善子「って言うか、おしっこを直飲みするのはえっちしてるのとほとんど同じよ」

曜「それは違うよ。だって善子ちゃん、ペットボトルのお茶を直飲みするときにさ」

曜「『あぁ……♡ 今お茶とえっちしてるのよね……♡♡』ドキドキ」

曜「とか思う?」

善子「思うわけないでしょう」

曜「同じだよ」

善子「全然違うわよ!!」

曜「同じだよ?」

善子「じゃ、じゃあ私のおしっこを直飲みしても曜さんは少しも興奮しないってこと?」

曜「それはするよ。おしっこの匂いと味と……のどごしを直に楽しめるんだもん」

善子「……」

曜「って、もう終わりなの? まだ出せるでしょ?」

善子「私のアレを舐めてることについては何とも思わないの?」

曜「私、そういう目的では舐めてないよ」

善子「そういう目的でこそ舐めなさいよ」

曜「えぇ……」

善子「私たち恋人でしょう? 普通、恋人のアレを舐めるときはえっちする目的でしょうが」

曜「恋人以外のを舐めるときは?」

善子「舐めないわよ!」

曜「直飲みは恋人限定なのかな」

善子「そういう問題じゃないし……」

曜「とにかく、そういう目では見てないから安心してね」
0099名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:28:36.22ID:+VWnZkQ+M
善子「……」

曜「私が善子ちゃんをそういう目で見るときは、善子ちゃんが私をそういう目で見てるときだけだよ」

善子「見てるわよ」

曜「え、今?」

善子「今!! だってあんなことされたら……」ドキドキ

曜「そういえば、さっき私のこと無理やり脱がせようとしてきたもんね……」

善子「さっきのは……ちょっとむしゃくしゃしてたのよ」

曜「うぇ……。むしゃくしゃしたからって乱暴していいとでも思ってる?」

善子「思ってない。さっきのは……本当に悪かったわよ」

曜「私、本当に怖かったんだからね?」

善子「本当に怖そうだった……」

曜「この服、お気に入りだったんだけどな……」ボロッ

善子「ごめんなさい、破いちゃって」

曜「もうしないでね?」

善子「しないわ」

曜「絶対だよ??」

善子「絶対にしない」

曜「どうしてもしたくなったときは、一言断ってからにしてよね」

善子「え……断れば乱暴してもいいの?」

曜「ら、乱暴はダメ!! 破かれてもいい服に着替えるんだよ!」

善子「いや……たぶんもう服は破かないと思うわ」

曜「そっか……。善子ちゃんって大人しい顔してそういうのが好きな子なのかと思っちゃった」

善子「私だって……無理やりするのが好きなわけじゃないわよ。できれば曜さんと、一緒に気持ちよくなりたいし……」

曜「うん」

善子「だから、曜さんがしたいこともできる限り叶えてあげたいと思うわ」

曜「じゃあ飲んでくれる?」

善子「それ以外で」

曜「ちぇっ」

善子「他にないの? 私は曜さん専用のおしっこサーバーか何か??」

曜「そんな! 善子ちゃんのおしっこは世界でいちばん大好きな飲み物だけど、善子ちゃんをそんな風に思ったことなんて一度もないよ!」
0100名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:29:07.58ID:+VWnZkQ+M
善子「あら、そう? じゃあ飲ませなくてもいいわよね」

曜「代わりに私のを飲んでくれるなら……」

善子「嫌よ!! 何で私が飲まなきゃいけないの!?」

曜「私のこと嫌い?」

善子「好きよ。大好きだけど……おしっこは飲みたくない」

曜「本当に好きなら飲めるんじゃないの?」

善子「本当に好きよ。好きすぎて周りが見えなくなっちゃうくらいには大好き」

曜「好きすぎて殺したくなっちゃう?」アハハ

善子「それは……まあ、時々ね」

曜「ひぇっ……」

善子「ならないわよ。いくら好きだからって、殺しちゃったらこうして曜さんとお喋りできないもの」

曜「そ、そうだけど……」

善子「それだけじゃないわ。毎日一緒に通学したり、放課後に振り付けの練習をしたり……」

善子「何より、あんなに美味しい料理が食べられなくなるなんて絶対に嫌」

曜「……」

善子「私のこと、ぎゅってしてくれなくなるのも嫌……」

曜「えへへ」ギュッ

善子「もう二度と……私のこと忘れないでよね?」

曜「忘れないよ」

善子「例え今回みたいに、私のせいだとしても……」

曜「あはは。少しは悪いと思ってくれてるんだ?」

善子「思うわよ! いくら知らなかったとはいえ、まさかプールで溺れさせるなんて」

曜「水泳はやりたくないって言ったのになぁ」

善子「……悪かったわ。本当にごめんなさい」

曜「いいよ。許してあげる」ナデナデ

善子「……」グスッ

曜「許すというか、最初から怒ってなんかないけどね」

善子「私のせいで死にかけたのよ!? 何で怒らないの? 私のこと、少しは嫌いになりなさいよ……」

曜「どうして? 善子ちゃんは私のこと嫌いかな」

善子「大好き! だけど……それとこれとは別でしょう?」
0102名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:31:31.87ID:+VWnZkQ+M
曜「善子ちゃんが私のこと好きって言ってくれる限り、私は善子ちゃんのこと嫌いになんてならないよ」

善子「もし私が嫌いになったら、曜さんも嫌いになるの?」

曜「嫌いになる努力はするよ。それでも嫌いになれなかったらごめんね」エヘヘ

善子「はぁ……」

曜「大好きだよ」

善子「私のおしっこが?」

曜「うん! ……じゃなくて善子ちゃんがだよ」

善子「……」ジー

曜「さすがの私でも、善子ちゃんじゃなかったら嫌いになってるよ」

善子「そうよね。こんなことをしても嫌いになるだけって言ってたものね」

曜「うん……。乱暴されるのは怖いし、痛いし、やっぱり嫌いになるよ」

善子「……」

曜「どうしても善子ちゃんが私を乱暴したいって言うなら……うん」

曜「優しくしてくれるならいいよ」

善子「それは乱暴とは言わないわ」

曜「えっと……本当にしたいの?」

善子「したくない。私だって、曜さんに嫌われたくないもの」

曜「そっか。じゃあ安心だ」ホッ

善子「もういいでしょう? 部屋に戻ってシャワー浴びたいわ」

曜「そうだね。便器に顔を……」

善子「だからその話はやめてっっ!!」

曜「あはは。行こっか」クイッ

善子「あっ……」

曜「上着、借りてもいいかな? こんな格好で人前は歩けないよ」

善子「そうよね」ヌギッ

善子「はい。あと……その首、本当にごめんなさい」

曜「あぁこれ? こんなの明日には消えてるから心配しないでよ」アハハ

善子「だといいんだけど……」

曜「よっと……。あぁ、善子ちゃんの匂いだ……」クンクン

善子「嗅がなくていい!!」カァアア
0104名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:33:31.49ID:+VWnZkQ+M
曜「えへへ。ありがとね」

善子「もう……」





 病室

ガラッ

曜「ただいまー」

善子「お邪魔します……ってここ家じゃないでしょ」

曜「お母さんまだ戻ってきてないのかな」

善子「あっ、そういえば……。曜さんの代わりに診察室に入って、その後は見てないわね」

曜「お母さん、先生といったい何を……」ドキドキ

善子「は?」

曜「冗談です」エヘヘ

善子「もしかしたら診察室の前で待ってるかも……」

曜「そっか。じゃあ私、行ってくるね」スタッ

善子「待って」クイッ

曜「え? 善子ちゃんはシャワー浴びてていいよ」

善子「その格好で行く気?」

曜「上着着てるから見えないでしょ?」フリフリ

善子「おしっこ漏らしたのよね?」

曜「あ……」

善子「曜さんもシャワー浴びたら?」

曜「うーん、とりあえずお母さんを呼んできてからにするよ」

善子「いや、そんな匂いで外を歩かないでよ」

曜「でも、お母さんずっと待ってるかもよ。可哀想じゃん」

善子「いいからシャワー」クイッ

曜「困ったなぁ」

善子「今、浴びたいの」ギュッ

曜「……今日の善子ちゃんは甘えん坊さんだね」フフッ

善子「さっきあんなことされたら……我慢しろって言う方が無理って言うか、その」
0106名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:35:19.54ID:+VWnZkQ+M
曜「あぁ、私としたくて仕方がないんだね。でもここ病院だからさ」

善子「そんなの知らないわよ……。曜さんがこんな気持ちにさせたんだからね?」

曜「でも……」

善子「おしっこ、飲ませてあげる」

曜「本当っ!!? やるやる! 善子ちゃんのこといっぱい飲んであげる!」

善子「私よりおしっこでテンションが上がるのね……」ハァ

曜「だって善子ちゃんのおしっこ大好きだもん」ニコニコ

善子「はぁ……。いいから、早く浴びちゃいましょ」スタッ



 シャワールーム

ザー バシャバシャ

善子「あー……」

善子「……」フラッ

曜「おっと。大丈夫?」ガシッ

善子「え? 大丈夫よ。ちょっと疲れちゃっただけ」

曜「あんまり無理しないでね。休みたいときは休んだ方がいいよ」

バシャバシャ

善子「明日から学校よ。ところで、曜さんはもう退院できるの?」

曜「あ、どうなんだろう? 先生の口ぶりだと大丈夫そうだったけど」

善子「お母さんと相談して決める感じだったわね」

曜「どうなったのかな。まだ部屋に戻ってきてないところを見ると、もしかしたら退院の手続きとかしてるのかも……」

善子「……」

曜「たぶん大丈夫だとは思うよ。お母さんだって、私が退院したがってるのは分かってるだろうし」

曜「こんなに元気だしね」

善子「うん……」

バシャバシャ

曜「それで……続きはまだかな? 早く飲みたくてウズウズしてるんだけど」

善子「えっ、本当に飲むの?」

曜「本当にって……善子ちゃんから誘ってきたんだよ?」

善子「いや、もう出ないし……」
0107名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:36:03.63ID:+VWnZkQ+M
曜「え? 私を騙したの?」

善子「一緒に浴びたかったのよ。嫌?」

曜「それならそう言ってよ」

善子「また後でね、って行っちゃうに決まってるわ」

曜「だってお母さん待たせてるし……」

善子「私を待たせるのはいいの?」

曜「え……ううん。そういうわけじゃないよ」

善子「曜さんだってまだ飲みたいんでしょう?」

曜「でも出ないんでしょ?」

善子「やってみたら? 出るかもしれないわよ」

曜「あっ……ふーん? そういうことなんだね」

曜「出ないのを分かってて私に舐めさせたいんだ?」

善子「……」

曜「善子ちゃん、ここ病院だよ? そういうことはお家でしようよ」

善子「家だとママに聞こえちゃうから……」

曜「善子ちゃんの声大きいもんね」アハハ

善子「わ、悪かったわね! 曜さんが上手なのよ……」

曜「まあいいや。貸して」

善子「ん……」

曜「まだ出るはずだよ。絶対飲んでみせるんだから」グイッ

善子「やっ……♡」

曜「さっき鏡見た? おしっこ飲まれてるときの善子ちゃん、意識が飛びそうなくらい気持ちよさそうだったよ」

善子「見るわけないでしょう!? どうして自分のそんな顔見なきゃいけないのよ!」

曜「じゃあ今度はしっかり見せてあげるね……」グイッ

善子「あっ……」

鏡「……」

曜「まだ何もしてないのにこんなに可愛い顔しちゃって」アハハ

善子「う、うるさい……」カァアア

曜「いただきます♡」チュルッ

善子「んっ……♡」
0108名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:36:38.99ID:+VWnZkQ+M
曜「鏡、見える……?」

善子「見たくなっ……」

鏡「……」

チョロロ

曜「ちゅるっ……ちゅぱっ♡」

曜「やっぱり善子ちゃん、こういうの好きなんだ?」フフッ

善子「……」カァアア

曜「ほら、もっと出して。恥ずかしがらないでさ……」スッ

チョロ……

曜「んん……いまいち出が悪いな」ペロッ

善子「はぁっ……♡ わ、悪かったわね……」

曜「こういうの好きかなって思ったんだけどなぁ」

善子「好きとか……そういう問題じゃないわよ……」

曜「んん……。そっか」

善子「そうよ……」

曜「善子ちゃんは虐められるより虐めるほうが好きだもんね」

善子「は、はぁ……? 何言って……」

曜「耳、貸して」

善子「え?」

「善子ちゃんのおしっこで、溺死したいな♡♡」ボソッ

善子「あ……♡♡」

ジョボボ

曜「やったぁ! ちゅるっ……」

善子「やだっ♡ 溺死しないでっ……♡♡」

曜「ごくっ……ごくっ」

善子「死なないでっ……♡」

曜「こんなに出されたらっ……本当に溺死しちゃうっ」

善子「やだっ……♡ 死んじゃやだっっ……♡♡」

曜「んぐっ……ちゅるっ」

善子「ずっと私のそばにっ……♡」
0110名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:38:33.15ID:+VWnZkQ+M
曜「ごくっ……」

善子「私のそばにいてよ……♡♡」

ジョボボ

曜「んぐっ……し、死なないよ」

曜「私は絶対死なないからっ」ゴクッ

曜「だって私……」

曜「善子ちゃんの恋人だもん♡」

ジョボボ

善子「約束だからねっ……? 絶対に約束だからね……??」

曜「ごくっ……ごくっ」

ジョボボ

善子「もし曜さんが死んだら……私も死んでやるんだからっ♡♡」

曜「ごくっ……」

ジョボボ

善子「大好きっ♡♡ 曜さんもっ……」

善子「曜さんにおしっこ飲まれるのもっ……♡♡」

曜「んぐっ……ごくっ」

ジョボボ

善子「大好きなのっ♡♡♡」

曜「ごくっ……」

チョロロ

善子「はぁ♡ はぁっ♡♡」

曜「ぷはぁっ……」

善子「もう出ないからね……?」

曜「私ももうお腹いっぱいかな」
0111名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:39:20.56ID:+VWnZkQ+M
善子「そう……。もっと出せなんて言われたらどうしようかと思ったわ」

曜「えへへ。言ってほしい?」

善子「言わなくていい」

曜「そっか……」スッ

善子「……」ドキドキ

曜「気持ちよかった?」

善子「……」コクッ

曜「えへへ……。便器としてこんなに嬉しいことはないよ」

善子「便器じゃないでしょう? 曜さんは私の……」

曜「うん」

善子「……」チラ

曜「恋人だよねっ」

善子「そうよ。これからもずっと恋人でいなさい」

曜「そんなお願いしなくてもずっと恋人だよ」

善子「お願いじゃないわ。これは命令よ」

曜「命令?」

善子「ずっと私の側にいなさい。これから先、死ぬまで……ううん」

善子「死んでも私の手を離さないで」

曜「うん」ギュッ

善子「私が呼んだらいつでも会いに来ること。私がお腹空いたらいつでも最高の料理を作ること」

善子「それから……私が困ったときは助けてよね」

曜「もちろん。善子ちゃんのためなら何だってするよ」

善子「何でも?」

曜「何でもだよ。キスだってしてあげるし、デートだっていつでもしてあげるよ」

善子「じゃ、じゃあ今……」スッ

曜「善子ちゃんのおしっこを飲んだ口だけどいい?」

善子「……や、やめとくわ」

曜「あはは。自分のは飲みたくないよね」
0112名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:39:56.26ID:+VWnZkQ+M
善子「まあでも、便器の水よりは……」

善子「おぇっ……。何思い出させるのよ!」バシッ!

曜「痛っ!!?」

善子「もう二度とその話はしないでって言ったじゃない!」

曜「してないよ!? 善子ちゃんが勝手に思い出したんだよ!」ヒリヒリ

善子「いいから、責任持って忘れさせなさいよ」

曜「忘れさせ……え?」

善子「おしっこ飲むだけじゃなくて……その」ドキドキ

曜「……」

善子「私のこと……いっぱい好きにしていいから」カァアア

曜「じゃあ飲んで♡」

善子「それ以外」

曜「飲ませて♡」

善子「もう本当に出ない」

曜「じゃあ……えっと」

曜「キスしよっか」エヘヘ

善子「ん……」スッ

チュッ

曜「……」

善子「ちゅるっ……」

曜「自分のおしっこを飲んだ口だよ?」

善子「それでも……曜さんだから」

曜「そっか……」

善子「好き……♡」

曜「私もだよ」

善子「おしっこじゃなくて……私を好きって言ってよ」

曜「善子ちゃんのことが好き」

善子「もっと……」

曜「だーーーい好きっ!」

善子「言葉じゃなくて!」
0113名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:40:36.58ID:+VWnZkQ+M
曜「おしっこでもなくて?」

善子「そうよ……。せっかく二人とも裸なんだから、他にあるでしょ……?」チラ

曜「『私とえっちして♡』って言えばいいのに」フフッ

善子「そっ、そんなこと言えるわけ……」カァアア

曜「じゃあやめる?」

善子「……やめない」

曜「何を?」

善子「何だっていいでしょう?」

曜「うーん、言ってくれないと分かんないよ」

善子「……」

曜「ほら、私に何をしてほしいのかな??」ニヤニヤ

善子「調子に乗らないで!」

曜「あはは。善子ちゃん面白いなぁ」

善子「このっ!」グイッ

ドンッ

曜「今度は床ドン? 善子ちゃんこういうの好きだっけ」

善子「……私がその気になれば、曜さんなんて簡単に押し倒せるんだから」

曜「そうだよね。その体のどこからあんな力が出せるんだか……」

善子「そんなの知らないわよ。曜さんのことが好きだからじゃない?」

曜「うん」ニコニコ

善子「……」ギュッ

曜「おっと……。急に抱きつくのは反則」

善子「いつ抱きつこうが私の自由でしょ」

曜「まあ、そうだけど……」

善子「病院だからここまでよ。この先はさすがにまずいわ」

曜「え? うん。おしっこ飲むのはセーフだもんね」

善子「どこがよ」

曜「だって私、善子ちゃんのトイレだもん」

曜「あっ……トイレ兼恋人だね」フフッ

善子「せめて恋人兼トイレにして」
0114名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/15(日) 11:41:10.34ID:+VWnZkQ+M
曜「トイレなのはいいんだね……」

善子「曜さんがしたいことも、たまにはさせてあげないとね」

曜「さっき飲まれるの好きって言ってなかった?」

善子「は? 言うわけないでしょうが。私は曜さんと違って変態じゃないのよ」

曜「私は変態じゃないよ! 善子ちゃんのおしっこが大好きなだけだよ」

善子「私以外のだって好きなくせに」

曜「うん……まあ、誰のかにもよるけど」

善子「せめて私だけにしなさいよね。本当に嫌われるわよ?」

曜「分かってるよ。だから飲むのは善子ちゃんと、善子ちゃんのママのだけにしてるじゃん」

善子「ママのは飲まないで」

曜「どうして? ママも口では嫌がってるけど本当は嬉しそうだよ?」

善子「ママには曜さんのお母さんがいるじゃない」

曜「恋人としてはね。私は娘としてだよ」

善子「娘は私よ。曜さんじゃないわ」

曜「でも善子ちゃん、ママのおしっこ飲んであげないじゃん」

善子「曜さんだって曜さんのお母さんの飲まないでしょう?」

曜「だってお母さん変態なんだもん」

善子「そういう問題?」

曜「お母さん、いくら善子ちゃんのママと恋人だからって……あんなことしないよ普通」

善子「ちょっと待って。何の話よ? もしかして二人がしてるとこ見たの??」

曜「たまたま夜中に目が覚めちゃってさぁ」アハハ

善子「え……」

曜「やっぱりママの恋人はお母さんだけだね。私には無理だ」

善子「いったい何してたのよ……」

曜「聞きたい?」

善子「聞きたくない。死んでも聞きたくないわ」

曜「善子ちゃんが前に買った鎖の首輪があるでしょ……」

善子「だから聞きたくないってばぁああ!!!」



0118名無しで叶える物語(笑) (ワッチョイ 3d18-NFua)
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2018/07/15(日) 16:39:27.27ID:0OPYZM1A0
ずっと....待ってた.....ウレシイウレシイ
0119名無しで叶える物語(庭) (アウアウカー Sa55-4OEh)
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2018/07/15(日) 16:41:16.79ID:PIdVQZ8Ia
一言一言が短すぎる
ダメなSSの特徴だよ。もっとキャラが生きてるように書いてほしい
それなら一行で終わるような台詞連呼はありえないから
0120名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) (ワッチョイ 668b-NFua)
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2018/07/15(日) 19:51:26.71ID:ewwqQEO90
これまだやってたんか
ちょっとわろた
0123セルフ保守(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/16(月) 13:27:09.52ID:aea6ld0WM
レズありがとうございます
後編は今日の夜投下できるように頑張ります

>>119
鋭い意見でグサッときました
ちょっと読み返してみましたが、自分でも気持ちが焦って指が追いついていない感じはします
もう少し考えて喋らせるということですかね
もっと勉強しなくては……

こういう感想すごく嬉しいのでもっとお願いします
あとできれば初見の方の感想もお聞きしたいです
0126名無しで叶える物語(笑) (ワッチョイ 3d18-NFua)
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2018/07/16(月) 22:51:56.52ID:gbrK/TvC0
なんて言うか一言で言い表せないこの2人の関係に引き込まれる

天才だと思うわ
01281(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/17(火) 06:54:33.52ID:Tl14M5apM
すみません寝落ちしてました
仕事終わったらまた書きます
今日中には投下したいと思います

>>127
雪降らないんですね
知らなかった……
他にもおかしな点とかあるかもしれません
誤字脱字も含めご指摘頂けると嬉しいです
0132名無しで叶える物語(もんじゃ) (ワントンキン MM7a-6+go)
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2018/07/18(水) 03:03:56.61ID:nRJu+OeUM
どなたかテキストエディターで上書き自動保存されてしまったファイルの復元方法をご存知ないでしょうか
色々調べてみたのですが削除ではなく上書きされたファイルの復元方法がなかなか見つかりません

状況としてはテキストエディターからコピーしようとしたらうっかり消してしまい、元に戻そうとホームボタンをタップしたらホーム画面に戻って自動保存発動→上書きされてしまった感じです

削除したファイルは戻せるのに上書きだと戻せないなんてことがあるんでしょうか
0142名無しで叶える物語(笑) (ワッチョイ 1718-qfp/)
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2018/07/22(日) 01:27:43.89ID:0faHX6Qb0
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