にこ「七月四日は」穂乃果「ナスの日?」
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【都内某所】
希「にこっち。ナスの苗を買ってきてよ」
にこ「はぁ?ナス?…なんで?」
希「畑にナスを植えるん。漬物に炒め物に焼きナス…和洋中なんでもできるやろ?」
にこ「まあいいけど…じゃあ行ってくるわ」
【店】
花陽「い、いらっしゃいませ…お花の苗はいかがですか?」
にこ「花は今いらないわ。野菜の苗を見せてよ」
花陽「お野菜ですか。わかりました…えーと…こちらになります」
にこ(ナスは…あった。100円の苗と500円の苗があるわね。希に渡されたのは野口が一枚だけ…)ペラ
にこ(凡人ならここで安い苗を選ぶんでしょうけど…値段の違いにはそれなりの理由がある。高い苗のほうが結果的に得するはずよ!)
花陽「ありがとうございました。またお越しくださいませ…」ペコ
にこ(我ながら賢い買い物をしたわ。こういうところで凡人との差が出るのよねー)ホクホク
【家】
にこ「ただいまー」
希「おかえり、にこっち。買ってきてくれた?」
にこ「ちゃんと買ってきたわよ。はい、ナスの苗」トン
希「ありがと…って、一つだけ?他の苗は?」ガサ
にこ「無いわよ。苗500円+消費税で、一つしか買えないし」
希「いやいや、ナスの苗なら100円くらいで売ってるやん?千円で9株は買えるはずやろ?」
にこ「やっすい苗なんて買わないわよ。高いやつのほうが美味しいナスでしょ?…たぶん」
希「美味しくなるかどうかは育て方次第やん。安い苗でよかったのに…」
にこ「いいじゃない。一株でも育て方次第で増やせるでしょ?きっと高い苗のほうが丈夫だって」
【夏】
希(にこっちが買ってきたナスの苗を植えて、二人で育てると…苗はぐんぐん伸びて大きくなり、雲の上まで届いた)
にこ「ほら、私の言ったとおりでしょ。きっと雲の上には食べきれないほど大量のナスが実ってるわ」ギュ
希「にこっち、何する気?」
にこ「登ってナスを収穫するのよ」
希「危ないからやめとき。いくら大きくてもナスの木なんて登れないやろ?」
にこ「大丈夫だって。希はそこで待ってなさい」
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvvv:1000:512:----: EXT was configured 希(ウチが止めるのも聞かずに、にこっちはナスの木を登って雲の上まで行っちゃったよ)
希「器用やね…まるでサルやな」
にこ「誰がサルよ!」ヒョコ
希「あ、まだいたんや」
にこ「うっさい。ったく…ナス持って帰るから、ごはんでも炊いといてよ」
希「はいはい」
【千代田区・上空】
海未「素晴らしいですね。実の一つ一つが大きいだけではなく、色つやも良く高品質のナスが、こんなにたくさん採れるとは…」ドッサリ
にこ「あっ、私のナス…!あんた誰よ!?」
海未「おや、あなたは…このナスを育てた人ですか?」
にこ「そーよ。私が苗を選んで買ってきて植えたの」
海未「おかげで美味しいナスをいただいていますよ。ありがとうございます」
にこ「いや、あんたに食べさせるために育てたわけじゃないわよ!」
海未「まあ、まあ。せっかく来たのですから、私の家にご招待しますよ。ナスのお礼をさせてください」
にこ「お礼?…まあ、そういうことなら…」
にこ(金持ちっぽい家ね。どんなごちそうが出てくるのかしら…)ワクワク
ここあ「あれっ、おねえちゃん?」
こころ「お姉さま!」
にこ「こころ、ここあ!…何してんのよ?こんなところで…」
海未「二人とも。この人がナスを育ててくださったのですよ」
こころ「まあ。そうなのですか。ありがとうございます♪」
ここあ「おねえちゃん、ありがとー♪」
にこ「まあ、あんたたちなら…ナスは好きなだけ採っていいから、たくさん食べなさい」
希(にこっちは雲の上の住人に大層歓迎され、美しい二人の娘が歌と躍りでもてなしたそうな)
ここあ「マルマルモリモリみんなたべーるよ♪」
海未「お風呂の準備ができましたよ。ゆっくりしていってください」 トプン ザバー
にこころあ「ふー」
にこ「すごいわね。雲の上の露天風呂…」
こころ「六月二十六日は“露天風呂の日”だそうですよ」
ここあ「へー」
にこ「地上からここまで登ってきて、さすがに今日は疲れたわ…」ファー
ここあ「おねえちゃん!ここあがマッサージしてあげる♪」
にこ「いいけど…マッサージなんてできるの?」
ここあ「うん!えーとね、ここをこうやって…」ワシワシ
にこ「ひゃぁ!?…ちょっ、ここあ!?///」
こころ「な、何してるんですか!?///」ドキドキ
ここあ「あのね、むねがおおきくなるマッサージだって。あの人いつもやってるみたいだよ?」
にこ「あの人って…海未?」
ここあ「うん」
にこ「要するに効果は無いってわけね…」
ここあ「そうなのー?><」
ザバ
海未「お布団も敷いておきましたよ。ごゆっくりお休みください」
にこ「ん。ありがと」
海未「では、おやすみなさいませ」
パタン
ここあ「えへへ。おねえちゃん♪」ギュー
にこ「おやすみ。ここあ」ナデナデ
こころ「…」ジーッ
にこ「ほら、こころも。もうちょっとこっちに詰めて」
こころ「は、はい。お姉さま」ギュ
にこ「ん。じゃあ、おやすみ。こころ」ナデナデ
こころ「おやすみなさい…」
ここあ「…」スー
にこころあ「…」Zzz チュン(・8・)チュン
【翌朝】
にこ「ん…今、何時…?」ファー
にこ「こころ、ここあー?」
にこ「海未ー!誰もいないの?」
海未「おはようございます。これから仕事に出かけるところです」
にこ(外に出てたのか。声だけ聞こえる…)
にこ「仕事って…こころとここあも連れて行くの?」ガラ
にこ「!?…海未、あんた…その姿」
にこ(海未の頭に左右一対のツノが生えて…)ヒヤアセ
にこ「お、鬼!?」ガクブル
海未「フフフ…今頃気づいたのですか?」ニヤリ
にこ「あ、あんた…こころとここあをどうする気!?」
海未「どうもしませんよ。二人は優秀な助手ですから」
にこ「助手って…何をさせるっていうのよ。…あんた、いったい何者?」
海未「この雷太鼓が見えませんか?」デデン
にこ「雷…太鼓?」
海未「ええ。私は、ただの鬼ではありません。雷を落とし、地上に雨を降らせる…それが私たちの仕事です」
にこ「雷様だとでも?バカバカしい。そんなのいるわけ…」
こころ「お姉さま」
ここあ「おねえちゃん♪」
にこ「こころ、ここあ…二人とも、何してんの?」
こころ「雲の上から、この柄杓で桶の水をまいて雨を降らせるんです」パシャ
ここあ「ここあは、ぞうさんのじょうろだよー♪」サァァァ
にこ「そんなんで地上に雨が降るの?気が遠くなりそう…」
海未「さあ、雷を落としますよ。狙いを定めて…」ドドドン
バリバリ
【絢瀬家】
絵里「Ой!?」
亜里沙「Ай><」
亜里沙(真っ暗になっちゃった…雷のせいで停電になったみたい) 絵里「あ、亜里沙…どこ?」プルプル
亜里沙「ここだよ。お姉ちゃん」ギュ
絵里「だ、大丈夫?ケガはない?」
亜里沙「平気よ。私、全然動いてないし…じっとしていれば転んだりぶつかったりしないわ」
絵里「そ、そうよね。電気、早く点かないかしら…」ビクビク
【再び上空】
にこ「ぷぷっ…あの絵里が雷なんかにビビっちゃって」
ここあ「あめふれー♪」キャッキャ
海未「どうです?あなたもやってみますか?」
にこ「面白そうね。やるわ!」
ゴロゴロ…
【神田・穂むら】
雪穂「天気予報、夕方から雨って言ってたよ。さっき雷も鳴ってたし…」
穂乃果「でもまだ雨降ってないじゃん。平気平気!」
雪穂「やめときなって。危ないよ」
穂乃果「走りたい気分なの!明日のライブに向けてウォーミングアップだよ!」
雪穂「この様子じゃ明日も雨だと思うけど…ライブだって中止でしょ?」
穂乃果「雨でも学園祭はやるんだから、ライブだってやるの。行ってきまーす!」ガラ
雪穂「ちょっ、お姉ちゃん!…行っちゃったよ」
雪穂(大丈夫かなぁ…この空の感じだと絶対雨が降ると思うんだけど)
タタタ…
穂乃果「A-RISEなんかに負けないぞっ♪」タッタッタ
にこ(バカが走ってるわね。フフフ…雨を降らせてやるわ!)
ザァァァ…
穂乃果「うわ、降ってきちゃった…でも、ちょっとくらい平気平気♪」
穂乃果「雨にも風にも負けないぞっ♪」タッタッタ
にこ「む…案外しぶといわね。これならどう!?」ザバー
ドドドド
穂乃果「な、なんか雨強すぎない!?顔に当たって…いててて><」 にこ「ほら、さっさと諦めて家に帰りなさい!」バシャ
ドバババ
穂乃果「な、なんの。これしき…」フラフラ
にこ「もう!しつっこいわね…こんな雨の中で走るなんてバカじゃないの!?」
海未「バカなんです」
こころ「バカですね…」
にこ「海未!こうなったら、あんたの雷で何とかしなさい!」
海未「お安い御用です。では…いきますよ!」ドドドン
カッ
穂乃果「!?」
ズドーン
穂乃果「わぁー!?><」ズシャァ
穂乃果(す、すごい光と音…すぐ近くに雷が落ちたんだ)
ピーポー ザワザワ…
穂乃果(もう帰ろう…ホントに危ないみたいだし)
【高坂家】
ガララ
雪穂「あ。お姉ちゃんおかえりー」
穂乃果「ただいま…」グッショリ
雪穂「うわ、ずぶ濡れじゃん…だからやめとけばって言ったのに」
穂乃果「うぅ…雪穂ー!」ガバ
雪穂「ちょっ、お姉ちゃん?冷たっ…」
穂乃果「怖かったよー!黒コゲが雷の救急車で…」グス
雪穂「何言ってるのかわかんないし…風邪ひくよ。お風呂でも入ったら?」
穂乃果「うん…雪穂、一緒に入ろ?」ギュ
雪穂「…いいけどね///」
トプン ザバー
ほのゆき「ふー」
雪穂「まったく…雨の日に走るのはもうやめなよ?」
穂乃果「わ、わかってるよ。もうしないもん…」 雪穂(お姉ちゃん、少しは懲りたみたいだね。ケガとか無くてよかったけど)
パタン
雪穂「あったかくして寝るんだよ」
穂乃果「えへへ。雪穂ー♪」ギュー
雪穂「離してよ。私ももう眠いんだけど」
穂乃果「一緒に寝たほうがあったかいよ♪」
雪穂「えー?…まあ、いいけどさ///」
チュン(・8・)チュン
【学園祭当日】
穂乃果「体調も万全だし…ライブ頑張るぞー!」
【上空】
にこ「仕事は?」
海未「今日はお休みです。音ノ木坂の学園祭に行きますよ」
ここあ「μ'sのライブ!」
こころ「楽しみですね♪」
にこ(面白くないわね。穂乃果を家に帰らせたのも結局、海未だったし…)
にこ(私が大雨を降らせて、音ノ木坂の奴らをビビらせてやるわ!)
こころ「あら?お姉さまは…?」
海未「にこは準備に時間がかかるので後から来るそうですよ。私たちは先に行きましょう」
にこ(あっ、あれは海未の雷太鼓!置いてったのね。あれを使えば…)クシシ
にこ「んしょ…っとと、あとちょっと届かないわね。ナスの木に登るか…」
バキ
にこ「え」グラッ
にこ「ちょっ…嘘でしょ!?」アワワワ
にこ(落ちる…!?)
ヒューン…ドサ
にこ「ふぎゃ><」
にこ「いてて…助かったの…?」
こころ「お姉さま?…どうして床で寝てるんです?」
にこ「寝てるんじゃなくて空から…あ、あれ?…私の部屋?」 【四月・秋葉原】
にこ(変な夢だったわね…こころとここあ、あと希と…ほかにも誰か出てきた気がする)
穂乃果「あのー」
にこ「なに?いま忙しいんだけど」
にこ(…ん?)
\♪キャナイドゥーアイテーキベビ/
穂乃果「あの人たちって、芸能人とかなんですか?」
にこ(こいつ、どこかで…)
『A-RISEなんかに負けないぞっ♪』
穂乃果「あの…?」
にこ「雨の中で走ってたバカ!」
穂乃果「えぇ!?バカって…何ですか、いきなり」
にこ「けど妙な話ね…私、あんたなんか知らないと思うんだけど」
穂乃果「えー?…知り合いだっけ?…顔、見せてくれます?」
にこ「しょうがないわね…ほら」カチャ
穂乃果「えーと…ちなみに私、高坂穂乃果です」
にこ「矢澤にこ」
穂乃果「ヤザワさん…」
にこ「あんた二年でしょ。私は音ノ木坂の三年。あんたの先輩よ!」
穂乃果「はあ。…え、高校生!?」
にこ「…なによ」
穂乃果「小学生くらいかと思いひゃい、いひゃい><」ギュー
にこ(確か夢の中ではナスの苗を買ってきて育てて…)
穂乃果「やっぱり知らない子だ…こんな子と知り合いだったら忘れないもん」ヒリヒリ
にこ「うっさい。…それよりあんた、放課後ちょっと付き合いなさいよ」
穂乃果「放課後?…いいけど、何するの?」
にこ(とりあえず高坂と連絡先を交換しといたわ) 穂乃果「へー。ナス…」
にこ「そ。今頃植えれば六月中旬には収穫できるらしいわ」
穂乃果「そんな早いんだ…でも梅雨とかあるけど大丈夫なのかな?」
にこ「どうかしら…でも、いつ梅雨入りするか誰にもわかんないでしょ。それでも春にはみんな種まきとか苗を植えたりするじゃない」
穂乃果「それもそうだね…ナスかぁ。どんな料理にも合いそうだし、楽しみ♪」
にこ「もう食べるつもりでいるの?…あんたが栽培するんじゃないでしょうに」
穂乃果「私もやってみたいなー」
にこ「園芸は甘くないわよ?」
穂乃果「頑張ります!」
【音ノ木坂・二年教室】
穂乃果「ナスだよ!なす♪」バサ
ことり「看護師を目指すの?」
穂乃果「それはナース」
海未「木といふものは木瓜さへもなし。手して掬ふ水もなし」
穂乃果「それは那須野が原…そっちの那須じゃなくて、お野菜のナス!」
ことり「お料理の本?」
穂乃果「違うよ。園芸!…ほら、これは京都の賀茂なす。こっちは福岡の博多なすだって♪」
海未「品種ごとに栽培の条件も変わるのですね…知りませんでした」
穂乃果「人気のナスを栽培してる学校は、入学希望者も増えてるんだって!」
ことり「ナスで?…本当かなぁ?」
穂乃果「それで私、考えたんだけど…あれ?」
海未「…」ソローリ
穂乃果「海未ちゃん!まだ話、終わってないよ!」
海未「京都、行こう。とか言うつもりでしょう?」
穂乃果「へ?…なんで京都?」
海未「違うのですか?」
穂乃果「東京でも賀茂なすはできるでしょ?音ノ木坂の廃校を防ぐためなんだから、音ノ木坂で栽培しなきゃ意味ないじゃん!」
海未「そんなことで本当に生徒が集まると思いますか?」
ことり「ナスは美味しいけど…難しいんじゃないかなぁ」
穂乃果「でもでも、こんなにツヤツヤしてるんだよ?こんなナス、東京じゃ簡単に手に入らないよ?」 海未「その雑誌に載っているようなナスを栽培するためには、穂乃果の苦手な害虫との戦いの日々になるのですよ」
穂乃果「え。…虫さん?」ヒヤアセ
海未「当たり前です。穂乃果のように好奇心だけで始めても、うまくいくはずないでしょう?」
穂乃果「えーと…虫さんは海未ちゃんがえいえいって」
海未「はっきり言います。園芸はナスです!」
ことり「ナス…だね」
海未「じゃなくて、無しです!」
【屋上】
穂乃果「いい考えだと思うんだけどな…」
にこ「高坂。あんたも来てたの?」
穂乃果「あ、矢澤先輩」
にこ「やっぱりナスを栽培するならここよね。陽当たりもいいし」
穂乃果「ここって…屋上で?」
にこ「そうよ。理想的な場所じゃない?」
穂乃果「ゆ、夢の舞台へ…駆け上がれ!?」
にこ「いや、誰が屋上に畑なんか作るのよ…畑だと連作障害とかあって面倒だし」
穂乃果「あ、聞いたことあるかも…同じ畑で同じ物は続けて作れないんだっけ」
にこ(…それだと私が卒業したあと、あんたたちが困るじゃない)
にこ「だからプランターを屋上に置いて栽培するの。雨とか心配なときは簡単にしまえるでしょ」
穂乃果「プランタン!?」
にこ「そうと決まれば早速、必要な物を買い出しに行くわよ。あんた、どうせ放課後もヒマでしょ?」
穂乃果「“も”ってとこが引っかかるけど…」
にこ「じゃあ来ない?」
穂乃果「行きます!」
【店】
穂乃果「わあー。こういうお店って初めてかも!?」
にこ「目移りして変な物買うんじゃないわよ」
英玲奈「いらっしゃいませ」
にこ「!?…あ、A-RISEの英r」
英玲奈「人違イダ。ワタシハ園芸しょっぷ店員」
にこ(似てる…けど、英玲奈がこんなとこでバイトしてるわけないか) 穂乃果「店員さん、ナスの種ってあります?」
にこ「ちょっと待った。ナスは種から育てるのは難しいらしいわ。初心者には無理よ」
穂乃果「え。そうなんだ…」
英玲奈「茄子なら、こちらの苗がオススメです」
にこ「値段の違う苗がある…(あの夢と同じ?)」
英玲奈「それは品種が違うんだ。米なす、水なす、賀茂なす、千両なす、下田なす、深雪なす、吉川なす、佐土原なす、三豊なす。グレーテルにフェアリーテイル」
穂乃果「ふぇ、フェアリーなんとかって…?」
英玲奈「フェアリーテイル。イタリアのナスだ。5〜10cm程度の小ナスだが、気候が違うから日本での栽培は少し難しいかもしれない」
穂乃果「んー。栽培できたら珍しいし人気が出そうだけど…」
にこ「一応やってみましょ。種から育てるよりは可能性もあるんじゃない?」
穂乃果「じゃあ賀茂なす、水なす、フェアリーテイル…」
にこ「そっちのグレーテルっていうのは、どんなナス?」
英玲奈「フェアリーテイルと同じくイタリアの品種だ。グレーテルは10〜15cm程度の小ぶりのナスで、この写真のように外皮が白いのが最大の特徴だが…」
穂乃果「へー。白いナス…」
英玲奈「だが加熱調理すると白い果皮が茶色く変色してしまう。見た目を楽しめるのは収穫までと考えたほうがいいかもしれない」
穂乃果「ありゃりゃ。うまくいかないものなんだねぇ…」
にこ「まあ見た目は割と珍しい感じだし、いいんじゃない?皮が変色して味はどうなの?」
英玲奈「味には問題ない。皮は柔らかいしアクが少なく、ほのかな甘みがある」
穂乃果「穂乃果?」
にこ「いろいろ植えてみましょ。これと、これ。あとは…」
英玲奈「ありがとうございました」
穂乃果「収穫が楽しみだよね♪」ワクワク
にこ「まだ植えてもいないわよ」クス
【音ノ木坂・屋上】
にこ「日本のとイタリア組は分けて植えましょ」
穂乃果「そうだね。じゃあイタリア組はこっちに…」
にこ「ナスは乾燥に弱く水切れ厳禁。植える前の苗にたっぷり水をやるんですって」
穂乃果「え?…買ってきたポリポットのまま、お水を?」
にこ「そ。土が充分に湿ってる状態で植えたほうがいいみたい」
穂乃果「へー」 『ぞうさんのじょうろだよー♪』
サァァ…
穂乃果「あーしたーの今頃にはもうウィンブールドン♪」
にこ「なんでてーきゅう…ああ、高宮“なす”の」
穂乃果「陽気で!アンド狂気で!」
にこ「目が回るよな速度のタイフーン♪」
ほのにこ「ハレ!とき・どき!てーきゅう♪」
穂乃果「もうプランターに移していいのかな?」
にこ「大丈夫じゃない?これ以上待ってたら日が暮れるわよ」
穂乃果「イタリア組は室内に置いたほうがいいかなぁ?まだ夜は気温が低いですよね?」
にこ「んー。それだったら日本のナスも夜は室内かしらね」
穂乃果「早起きして来て、毎朝忘れずに屋上に出さなくちゃ」
にこ「ん。雨の日以外はね」
真姫「イタリア…?」ジーッ
ほのにこ「えっ」
真姫「トマトの栽培でもしてるんですか?」
にこ「ナスよ」
真姫「ナス…なんだ」
穂乃果「ナス嫌いなの?」
真姫「別に嫌いってわけじゃ…パスタとか何にでも合うし」
にこ「手伝ってくれたら、あんたにもナスを分けてあげてもいいけど」
真姫「なんとかの皮算用…」
穂乃果「ナスの皮?」
真姫「ナスの皮の紫色はナスニンっていうアントシアニン系色素。ポリフェノールの一種よ」
穂乃果「なすにん…なんだか可愛いね♪」
にこ「私が育てるんだから、宇宙一おいしいナスができるわよ」
真姫「ふーん…」
穂乃果「土が乾いてきたら水をあげるんだよ」
真姫「休みの日も学校に来るつもり?」
にこ「持って帰れないこともないけど…どうしようか?」 何故かNGに引っかかって>>8と>>9以外のレスが見えない 穂乃果「みんな集まるのもいいけど、休みの前は相談して特に用事がない人だけ来るとか」
真姫「そうですね。じゃあ持って帰るときは私が」
にこ「家、近いの?」
真姫「車ならすぐよ」
穂乃果「え?一年生だよね?」
真姫「私が運転するんじゃないし…」
にこ(運転手つき!?どんな家庭よ…ぐぬぬぬぬ)
穂乃果「よし、プランターは室内の陽が当たる場所に置いたし…」
にこ「じゃあ帰りましょ」
真姫「ええ」
にこ「お嬢様は車じゃないのー?」
真姫「いや、普段は歩いて帰るわよ。雨とか荷物が多いときくらいで…」
穂乃果「じゃあよろしくね。私、高坂穂乃果!」
にこ「矢澤にこ」
真姫「…西木野真姫」
にこ「半袖でうっかり日焼けすると、水着のときとかに目立つでしょ」
穂乃果「ナスの話じゃなかったの?」
にこ「だから、下田なすの特徴の話よ。普通のナスは白い部分が“がく”に隠れるでしょ。下田なすは白い部分が“がく”からはみ出してるの」
真姫「ああ、それが水着だと隠れない半袖焼けの白い部分ってわけ…」
穂乃果「下田なすって小さいんだね。長さだけならグレーテルより短いみたい」
にこ「フェアリーテイルと変わらないくらいかしらね」
真姫「いったい何種類植えたんですか?ナスばっかり…」
穂乃果「えーと…千両なす、大長なす、米なす、水なす、賀茂なす、博多なす、深雪なす」
にこ「佐土原なす、下田なす、三豊なす、吉川なす、フェアリーテイル、グレーテル」
真姫「十三種類も?…全部同じ環境で育つの?」
穂乃果「んー。佐土原なすは病気に弱いとかで難しいんだったかな」
にこ「まあ、やれるだけやってみましょ。土が乾いたら水をやって、夜は外に放置しないように気をつければ何とかなるわよ」
真姫「苗だけだと、どれが何ナスだか全くわからないわね」
穂乃果「アハハ…まあ、育ててみてのお楽しみ…かな?」 【生徒会室】
絵里「…誰も来ないじゃない」
希「うーん?…もう一回占ってみようかな」パラララ
【矢澤家】
にこママ「へえ。学校の屋上で?」
にこ「うん。珍しい品種もいろいろね。丸くて大きい三豊なすとか、白くて小さいグレーテルとか」
にこママ「こんなのもあるわよ。ロサビアンカに、絹かわなす」
にこ「絹とかビアンカっていうけど白くないんだ…」
にこママ「絹かわなすは絹のように薄い皮が特徴よ。白いのは皮じゃなくて中身のほうね」
にこ「へー」
にこママ「いろいろ食べ比べてみるのも楽しそうね。お友達と一緒にやってるの?」
にこ「友達っていうか、後輩だけど…」
『雨にも風にも負けないぞっ♪』
にこ(そういえば高坂、あいつ何のために雨の中で走ってたのかしら?)
にこ(…いや、あれはただの夢だし。意味なんかないわよね)
【翌朝・生徒会室】
絵里「…朝から何?」
にこ「ちょっと手伝ってくれない?プランターを屋上に出したいんだけど…高坂のやつ、まだ来てないみたいで」
絵里「なんで私が…」
希「高坂…って、穂むらちゃん?」
にこ「別に、あんたが嫌なら希だけ貸してくれてもいいけど」
絵里「…」
【屋上】
絵里「なす?」
にこ「そ。これ全部ナスの苗よ」
絵里「他の野菜も植えたらいいのに…」
希「どうして全部ナスにしたん?」
にこ「希が買ってこいっていうから」
希「へ?…ウチ?」
にこ「いや、何でもないわ。十三種類もあって全部ナスって逆に斬新でしょ?」 絵里「そういえば希ってナスっぽい色してるわね」
希「えぇ!?」
穂乃果「矢澤先輩!」バーン
真姫「…どうも」
にこ「あんたたち、遅いわよ!」
真姫「何時に来いって言われてないし…」
にこ「ゆとり乙みたいなこと言ってんじゃないわよ。高坂にでも聞いとけばいいでしょ」
穂乃果「連絡は来てたけど私が寝てて気づかなかったんですよ」
にこ「高坂が反応ないなら私に連絡よこしなさいよ」
真姫「先輩のは知らない」
にこ「そういえば交換してなかったわね…」
希「…人望の差?」
絵里「かわいそう…」ウルウル
にこ「うっさい。後輩どもが使えないときはあんたたちが代理だからね!」
希「んー。収穫のときナス分けてくれるんやったら手伝うよ」
絵里「ナスね…悪くないかも」
穂乃果「ナスだけに…」
真姫「賀茂?」
にこ「それから、今日も例の店に行くわよ。二人とも…ってか、希たちも放課後時間あったら付き合いなさい」
穂乃果「なんか買い忘れた物ありましたっけ?」
【二年教室】
ことり「ふーんふんふーん♪ふふふんふんふんふーん♪」カキカキ
穂乃果「ことりちゃん。何描いてるの?」
ことり「こんなもんかな♪」
海未「それは…ナス?」
ことり「うん。昨日、穂乃果ちゃんが見せてくれたでしょ。いろいろなナスが載ってる雑誌」
穂乃果「へー。上手だなぁ…」
ことり「エヘヘ。あのツヤツヤ感を出すのはちょっと無理だけど…」 海未「このスラッと伸びているのは…?」
ことり「ひもなすよ」
穂乃果「ひもなす?」
ことり「細長くて柔らかいナスなんだって。確か京都で作ってるんだったかな」
穂乃果「こんなのあったんだ…チェックしてなかった」
海未「中国野菜にヘビナスというのがあると聞いたことはあったのですが…」
穂乃果「へ、へび?」
ことり「んー。似たような形なんだと思うけど、やっぱり日本ではヘビより“ひも”のほうが受け入れやすい呼び方なのかも」
キーンコーンカーン…
【昼・中庭】
穂乃果「あ、矢澤せんぱーい!西木野さーん!」フリフリ
真姫「大声で呼ばないで!」
ことり「穂乃果ちゃんのお友達?」
穂乃果「一緒にナスを育ててる園芸部の先輩と後輩だよ♪」
真姫「別に園芸部ってわけじゃ…」
にこ(理事長の娘はいいとして…)チラ
海未「?」
『フフフ…今頃気づいたのですか?』
にこ「…海未」
海未「えっ。…ええ、私は園田海未ですが」
ことり「南ことりです♪」
にこ「矢澤にこ」
真姫「…西木野真姫」
海未(私の名前を…穂乃果から聞いたのでしょうか?)
にこ(ツノはないけど、見た目や声、口調…間違いない。夢に出てきた“雷様”だわ) 穂乃果「西木野さんのお弁当おいしそうだね♪」
真姫「そうですか?」
穂乃果「うん♪それ、ラタトゥイユ?っていうんだっけ?」
真姫「カポナータよ」
穂乃果「えーと…卵とチーズとベーコンのパスタ?」
ことり「それはカルボナーラ」
海未「葛根湯の風邪薬ですか?」
真姫「それはカコナール」
にこ「冷たい息を吐く青いスカルサーペント?」
穂乃果「それはカパーラナーガ」
真姫「じゃなくて、カポナータ。オリーブとセロリ、トマト、なす、パプリカが入ってるの」
ことり「わ、すごい…本格的なイタリアンだね。西木野さんが作ったの?」
真姫「私は作らないわよ。料理なんて面倒くさいし」
にこ「カポナータねえ…やっぱりイタリアのナスを使ってるの?」
真姫「そうですよ。これはプロスペローサ(ローザ)っていうイタリアの丸ナス」
穂乃果「賀茂ナスみたいな感じ?」
真姫「たぶん似てるんじゃない?直接見比べたり食べ比べたことはないけど…」
ことり「確かProsperosaって…」
真姫「まあ…先輩はそれっぽいですね」
ことり「えぇ!?…そ、そんなことないよ///」
にこ「希は色もナスっぽいわよ」
穂乃果「副会長さんはもっとドーンと…三豊なすみたいな?」
海未「三豊なすから派生した絹かわなすも、大きいものは500gにもなるそうですが…」
希「んー?何の話をしてるん?」
ことほのうみにこまき「!」
海未「な、ナスの話ですよ」
希「そうなん?…副会長って聞こえたような」
穂乃果「い、いやー副会長さんも手伝ってくれて助かってるって話してたんですよ!」
希「ふーん?…まあいいけど」 にこ「それより絢瀬は?あんたたち二人とも放課後大丈夫?」
希「んー。生徒会の今日の分の仕事を明日に回せば何とか…」
穂乃果「おいしい♪麻婆茄子だ」
海未「ちなみに、さっき話したヘビナスの国産品種で“マー坊”というナスがあるそうですよ」
希「マーボーナスの漬物とか、マーボーナスの天ぷらになったりするん?」
真姫「イミワカンナイ」
穂乃果「ちょっとまぎらわしいね…なんでそんな名前にしたんだろ?」
ことり「元が中国野菜だから…かな?中華のナスと聞いて日本人のベタなイメージだとやっぱり麻婆茄子って感じで」
海未「もうちょっとひねってほしかったですね。ナス自体は真っ直ぐに伸びていいですけど」
にこ「誰がうまいことをry」
にこ(園田海未…さすがに雷を落としたりは夢の中だけの話よね?)
キーンコーンカーン…
【廊下】
凛「かよちん。帰るにゃー」
花陽「あ、ちょっと待って。中庭の花壇にお水あげてから…」
【中庭】
にこ「さて、ナスに水やりしてから行くか…」
真姫「じょうろがないわよ」
絵里「いつもの場所になかった?」
穂乃果「誰か使ってるのかな?」
サァァァ…
花陽「ナスを運ぶ♪この季節の♪夜風あびてー♪」
にこ「って、それはナスじゃなくて“夏”よ!」
花陽「ピャァ!?…ご、ごめんなさい><」フラフラ
絵里「危ないわね。大丈夫?」ギュ
花陽「は、はい。すみませ…ん?」
絵里「じょうろ、使い終わったら貸してくれる?」
花陽(わ…綺麗な人…こんなに近くに…)ポー
真姫「小泉さん。聞いてる?」
花陽「え?…あ、西木野さん」 絵里「時間かかるようなら手伝うわ。水やり」
花陽「えっ。…で、でも」
絵里「何か気をつけることはある?」
花陽「えーと…水は根元にまんべんなく…多すぎないように、土の表面の乾いた部分を湿らせればいいので…」
絵里「わかったわ。任せて♪」
凛「むーっ…」
花陽「凛ちゃん?」
凛「凛だって水やりのお手伝いくらいできるにゃ」
花陽「そ、そうだね…」
にこ「メガネのあんた、園芸部?」
花陽「い、いえ。部活じゃないんですけど…たまに水やり、してるくらいで」
穂乃果「園芸の経験はあるんじゃない?」
花陽「はい。中学で少し…」
にこ「ふーん。戦力になりそうね」
花陽「えーと…?」
真姫「先輩たちと屋上でナスを育ててるの。見たことない?」
花陽「そうなんだ?知らなかった…」
にこ(つーか、メガネのほうは見覚えのある顔ね。中学の園芸部ってことは、ママと一緒に写った写真でもあったのかな)
希「んー」
にこ「あんたは何してんのよ。希」
希「こんなカードが出てるん。小アルカナ、ワンドの7や」
にこ「またいつもの怪しい占い?…んで、どういう意味のカードなの?」
希「ワンドは木のカード。“活力”の象徴や。7の正位置だと…挑戦、有利、努力が実る。目標の達成…ってとこかな」
真姫「木に活力で実る?なんだか園芸のためのカードみたいね」
穂乃果「目標の達成ってことは、ナスの栽培がうまくいって…廃校も阻止できる!?」
希「いや、そういう意味のカードだけならほかにもたくさんあるん。問題はこの数字や」
にこ「7がどうしたのよ?」
希「目標を達成するためには少なくとも今日、仲間が七人必要ってことやと思うよ」
穂乃果「え。でも、海未ちゃんは部活だし、ことりちゃんも多分…」 希「1」
にこ「2」
穂乃果「3」
真姫「4」
絵里「5」
にこ「あんたたちもよ!」
花陽「えっ。…ろ、6?」
凛「にゃ?」
希「決まりやね」
凛「どういうことー?><」
真姫「あなたも手伝ってくれない?…えーと、ほ…ホビロン?」
凛「どこの板前見習い!?凛は星空凛だよ!><」
花陽(星空って苗字も珍しいけど…)
穂乃果「ホビロンって何?」
希「世の中には知らなくていいこともあるん」
にこ「そーね。じゃ、さっさとナスの水やり済ませて行きましょ」
花陽「どんなナスを育ててるんですか?」
にこ「どんなナスも育ててみようと思ってるとこ」
花陽「はあ。いろいろ…ですか?」
穂乃果「そうだね。いろいろ植えたよ♪」
【屋上】
穂乃果「メニメニ大事件♪どんな無茶振りも♪」
花陽「わあ。苗がいっぱい…」
凛「ナスはラーメンに合わないにゃ。もやしとかメンマを育てればいいのに」
真姫「メンマって…竹?」
にこ「こっちがイタリア組。白ナスのグレーテルと、ミニナスのフェアリーテイル」
希「ほかの十一種類は何やったっけ?」
真姫「千両なす、大長なす、米なす、水なす、賀茂なす、下田なす、深雪なす、吉川なす…」
にこ「それに博多なす、佐土原なす、三豊なす」
穂乃果「イタリアの二つ以外は、もうどれが何ナスの苗だか実ができるまでわかんないけどね…」 希「ナスが無事に実るように、ナスべきことを小なすってわけやな!」
ほのえりにこまきりんぱな「…」
希「ちょ、なんで黙るん?六人もいるんやから誰か一人くらいツッコんでよ…」
花陽「な、なんでやねん」
真姫「…」チョップ
希「いたっ><」
凛「言葉と打撃の二手に分かれたツッコミ…見事だにゃ」
にこ「バカやってないで、そろそろ行くわよ」
絵里「じょうろ」
凛「凛が置いてくるよ!」ヒョイ
タタタ…
花陽「り、凛ちゃん…」
希「エリちより速いんやない?」
絵里「…廊下を走るのはよくないわ」
希(エリちと星空さん…全然似てないようで、実は似た者同士かもね)クス
【店】
にこ(英玲奈そっくりの店員さん、今日もいるかな…?)ドキドキ
あんじゅ「いらっしゃいませ♪」
にこぱな「!?」
穂乃果「どこかで見たような…?」
希「あんじゅ。…ここでバイトしてるん?」
花陽「や、やっぱり…A-RISEの」フルフル
あんじゅ「人違いじゃないデスか?ワタシ、普通のフィンランド人ヨ」
希「えぇ…どう見ても日本人やん?日本語やし」
にこ「名前は?優木あんじゅ…じゃないの?」
あんじゅ「えーと。あ…アンジェリーク」
絵里「フィンランドっぽくない名前ね」
真姫「アンジェリークってフランス語じゃないの?」
穂乃果「なんかトランペットを吹きたくなってきた…」ウズウズ
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1528279340/1-40
あんじゅ「植物に音楽を聴かせて育てるのは悪くないと思うわ」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1498143772/1-26 凛「それより、お買い物はいいんですかー?」
にこ「あ、そーね。ナスの苗を見せてくれる?」
あんじゅ「はーい♪ナスはこっちよ」
花陽「やっぱり似てる…」ジーッ
希(っていうか、あんじゅ本人やん。園芸ショップでバイトなんて何か事情があるんかな?)
真姫「これは買わなかった苗ね」
穂乃果「また新しく苗を買うの?」
にこ「ん。気になるナスがいろいろあるから…これは?」
あんじゅ「埼玉の青ナスよ」
絵里「あおなす?」
あんじゅ「皮が緑色のナス。緑ナスって呼ばれることもあるみたい」
ほのえりりん「へー」
穂乃果「まだまだ私たちの知らないナスがあるんだなぁ…」
にこ「じゃあそれと…ひもなすってある?細長いやつ」
あんじゅ「もちろん。ひもなすの苗はこれ」
真姫「イタリアの丸ナスの苗もあるのね。プロスペローサにロサビアンカ…」
あんじゅ「あら、詳しいのね。ナス好きなの?」
真姫「まあ…(トマトのほうが好きだけど)」
穂乃果「あ、これ…絹かわなす!」
あんじゅ「ああ、それはオススメよ。すごく大きくてズッシリ重いのに、皮が薄くて柔らかくて…」
希「いろいろあって目移りしちゃうね。お金足りるん?」
にこ「…部員が増えたら部費も増えたりしない?」
絵里「高坂さんたちは園芸部でしょう?あなたのアイドル部とかに入ったわけじゃ…」
にこ「アイドル研究部よ」
ほのまき「えっ」
花陽「…アイドル?」
にこ「な、なんでもないわよ。それよりナス!」
真姫「まあ、足りない分は出しますよ。私も欲しい品種があるから…」
にこ「ありがと。じゃあ…これは?」
あんじゅ「ヒゴムラサキっていう品種ね。熊本の、いわゆる赤なす」 凛「今度は赤いナス!?」
絵里「赤なすって…トマトのことじゃなかったかしら?」
穂乃果「そういえば私も何かの授業で聞いた気がする…」
真姫「いや、トマトじゃないでしょ?紫って言ってたじゃない」
あんじゅ「確かに昔の人はトマトを赤ナスって呼んだりしたみたいだけど…本物のナスにも赤ナスがあるの。ただし、本当に赤いナスはこれとは別で観賞用」
凛「どういうことー?><」
穂乃果「ナスはナスでも食べられないナス?」
あんじゅ「観賞用も食べられる…かもしれないけど、食べるなら普通のナスのほうがずっと美味しいんだと思うわ。その観賞用が本当に赤い赤ナスで…」
希「ヒゴムラサキは?」
あんじゅ「赤ナスなのに紫って名前の通り。黒っぽい他のナスに比べたら若干赤紫がかってる程度ね。ナスの色として全然違和感ないし、佐土原なすから派生した品種だけあって、とっても大きくて美味しいわよ♪」
真姫「ふーん。派生…ナスも日々進化してるのね」
あんじゅ「ふふふ。まあ、基本的には人の手で次々と新しい品種が開発されるんだけどね」
花陽「ナスは世界中で食べられてるし…いろんな国の人たちが競うように新しいナスを作っていくから、こんなに種類が増えたんですね」
凛「ナスすごいにゃ」
あんじゅ「ありがとうございました♪」
にこ「また屋上が賑やかになるわね」
希「プランターの出し入れもひと苦労やな」
真姫「まあ、この人数なら何とか…」
にこ「よし。ぱぱっと水やって植えて、プランターをしまって帰るわよ!」
花陽(いつの間にか先輩たちの手伝いをすることになっちゃった…楽しそうだけど)
凛(ラーメンには合わないけど…いろんなナスが採れそうだし、ちょっとわくわくするにゃ)
【音ノ木坂・屋上】
花陽「こ、これで…全部?」
にこ「増えたわねー」
真姫「他人事みたいに言わないでよ。半分以上あなたが植えたナスでしょ?」
穂乃果「この調子で増え続けて48品種になれば…NAS48!?」
希「いや、そんなにないやろ?」
花陽「海外の品種も含めればありそうな気はしますけど…」
絵里「すべてが優れた品種とは限らないし、AがあればBは必要ないっていう似通った系統の上位下位品種が出てくるでしょうね」
にこ「そーね。なるべく長所や個性があって魅力的な品種を育てていきたいわ」 花陽「それって、なんだか…アイドルみたいな」
凛「アイドル?」
穂乃果「やっぱりNAS48!?」
真姫「それはもういいから」チョップ
穂乃果「ひもなすっ><」
にこ「NSB(なすび)48のほうがそれっぽくない?」
希「もうええわ」スパーン
【東條家】
希「まあ…アイドルヲタクのにこっち相手によくあれでごまかせたなぁとは思うよ」
『アハハ…でもほら、本物のA-RISEがこんな園芸ショップでバイトしてるわけがない…みたいなね?』
希「なんかのラノベのタイトルみたいやね。スクールアイドルの活動と何か関係あるん?」
『うふふ。まだ内緒♪…あ、みんなには言っちゃダメよ?』
希「言わないけどね…バイトはしばらく続けるん?」
『そうね。結構楽しいし、英玲奈たちもすっかりハマったみたいだし…』
希「ん?…もしかして他のメンバーも…」
『ええ。昨日は英玲奈が矢澤さんたちにナスの説明とかしたんですって』
希「あの園芸ショップどうなってるん…やっぱり何かありそうやね?」
『さあ、どうかしら?…ふふふ』
希「あ、そうだ。話のついでに…ナスの品種って48以上あったりする?」
『48?』
希「い、いや数字に特に意味はないんやけど」
『あるわよ。同じ系統でも別々のところで複数の品種が作られたりするから…』
希「あ、やっぱりそうなんや…じゃあ特徴が被るやつはお店では扱ってない?」
『そうね。過去に扱ってたものや在庫切れを含めたら50品種以上あるかもしれないけど、実際にお店に並ぶのは多くても半分ね』
希(NSB48の実現は…音ノ木坂では無理やろな) 【一週間後・屋上】
海未「はっ!」ブン
穂乃果「海未ちゃん…何してるの?」
海未「何って…素振りの練習に見えますか?」
穂乃果「いや、見えないけど…素手だし」
にこ「アレを退治してんのよ」
穂乃果「あ、アレ?」
にこ「ほら、ナスの苗の周りに細かい虫が飛んでるでしょ」
穂乃果「うわ、ホントだ…なにこれ!?」
花陽「ミナミキイロアザミウマ…ですね」
穂乃果「みなみ…きいろ?」
『ちゅんちゅん♪』
『星空にゃ!』
にこ「ミナミキイロアザミウマ。いろんな野菜とか植物を片っ端から食い荒らす厄介な害虫よ」
穂乃果「え。でも、まだナスの実どころか、つぼみも出てこないのに…」
真姫「アザミウマは葉や茎の中に卵を産みつけて増えるのよ」
にこ「んで、放っておくと実がなる頃には増えまくったアザミウマにやられて全滅ってわけ」
穂乃果「そ、それは嫌だなぁ…こんな虫がいるなんて知らなかった」
海未「せいっ!」パシ
真姫「…けど、素手で一匹ずつ退治なんて…きりがないんじゃない?」
希「ちゃんと手は打ってあるから大丈夫や。強力な助っ人の導入に向けて動いてくれてるし、あと少し持ちこたえてくれれば…」
穂乃果「助っ人?」
海未「毒をもって毒を制す…ですね」
【さらに数日後】
ことり「できたよー♪」
穂乃果「ことりちゃん。差し入れのお菓子でも作ってくれたの?」
凛「お菓子!?凛も食べたい♪」ワクワク
ことり「あ、穂乃果ちゃんは近付かないほうが…」
穂乃果「え」
真姫「はいはい。高坂先輩は下がって」グイ
穂乃果「な、なに?」 にこ「ついに完成したのね。アレが…」
ことり「はい♪」
花陽「直接見るのは初めてかも…」
ことり「じゃあナスの株に放すね」
穂乃果「葉…ナス?」
ブーン…
穂乃果「わ。なんか小さい虫がいるよ!?」
にこ「こいつが野菜につく害虫どもの天敵よ!」
凛「えー?…この羽アリみたいなのが?」
ことり「クロヒョウタンカスミカメだよ」
穂乃果「クロヒョウ…かめ?」
花陽「はい。アリに似てるけど、小さいカメムシなんです」
穂乃果「これが?…全然そうは見えないけど」
絵里「カメムシって害虫じゃないの?」
にこ「テントウムシなんかと一緒で、カメムシにも草食、雑食、肉食がいるのよ」
花陽「クロヒョウタンカスミカメは、野菜などにつく小さな虫を食べるんです。アザミウマやコナジラミとか…」
にこ「全国の農家の人たちが求めてやまない究極の天敵益虫!それがクロヒョウタンカスミカメよ!」
穂乃果「えーと…それを、どうしてことりちゃんが?」
真姫「害虫を食べる天敵って、培養して農業用の“製剤”として販売されてるでしょ」
花陽「でもクロヒョウタンカスミカメは培養・定着化が難しく、まだほとんど製剤として出回ってないんです」
ことり「というわけで、私が音ノ木坂のナスのために培養してみました♪」
穂乃果「そんなことできるの!?」
凛「要するに虫を飼って育ててるってことにゃ」
穂乃果「す、すごいけど…ちょっとやだなぁ」
ことり「アハハ。私のアトリエでは今も別のカメムシの研究をしてるから…気をつけてね?」
穂乃果「うぐっ…まだほかにも虫がいるの?」
ことり「野菜につく虫を食べてくれるカメムシは種類もいろいろだよ。有名なところでは外来種のタイリクヒメハナカメムシとか…」
凛「全然知らないにゃ」
絵里「私も聞いたことないわ…」
真姫「タイリクヒメハナカメムシは製剤として市場に出回ってるわよ。ただ…」 花陽「そのせいで爆発的に増えたタイリクヒメハナカメムシが、日本の在来種の益虫カメムシ類を淘汰してしまう可能性があるそうです…」
にこ「ま、私たちも外来種を育ててるけどね。イタリアのナスとか」
海未「もともと東京には無い、たとえば九州や四国の固有種も国内外来種などと言ったりしますね」
穂乃果「それだと三豊なす、絹かわなす、佐土原なす、ヒゴムラサキ…ほとんど外来種になっちゃうよ」
希「それを言い出したら都民の食卓は外来種だらけやし、あまり気にしてもしょうがないやろ?」
真姫「そうですね。とりあえず害虫対策は大丈夫みたいだし…」
にこ「美味しいナスができるように気合い入れてお世話するわよ!」
のぞほのりん「おーっ!」
タタタ…
フミコ「私はくのいち“なす忍”フミコ。副会長より赤みがある熊本赤なす“ヒゴムラサキ”よ」
フミコ「ナスを狙う悪い虫に追われているの。なんとか無事に穂乃果ちゃんの元へ…」
ブーン…
穂乃果「あわわわ…ミナミキイロノゾミウミが来たよ!?」
雪穂「なにそれ?」
ことり「ミナミ」
凛「キイロ」
希「ノゾミ」
海未「ウミです」
フミコ「ああっ!?…囲まれた」ヒヤアセ
凛「ナスをみんな食べちゃうよ。ぶーん♪」
ことり「美味しそうなナスだね♪」
希「穂乃果ちゃんの大事なプロスペローサをわしわししちゃうよー?」
海未「ほ、穂乃果の…///」ドキドキ
真姫「天敵のカメムシはどうしたのよ?」
花陽「は、はい。私がタイリクヒメハナヨカメムシです…」
にこ「やっと来たわね。さっさとミナミキイロなんとかを食べちゃいなさい!」
花陽「じゃ、じゃあ…いただきます♪」ワシッ
凛「にゃあ!?///…か、かよちん?」
フミコ「助かったわ…」
絵里「ハラショー♪」
亜里沙「ありがとうカメムシさん!」 穂乃果「うーん…フミコが…ナスニン…」
雪穂「お姉ちゃん。起きて…お姉ちゃん!」
穂乃果「えへへ…下田なす…」ムニャムニャ
にこ「起きなさいっての」デコピン
穂乃果「ヒゴムラサキっ!?><」
穂乃果「いたた…あ、あれ?…ナスが、ない…」ペタペタ
にこ「寝ぼけてんじゃないわよ、あほのか!」
穂乃果「わぁ!?…って、にこ先輩?」
にこ「やっと起きたわね。学校行くから、すぐ着替えなさい!」
穂乃果「学校って…アハハ。今日は日曜…」
にこ「咲いたのよ。花が!」
穂乃果「はな?」
【六月・屋上】
ことり「お花、きれいだね♪」
凛「へー。花もナス色してるにゃ」
穂乃果「ホントに咲いてる…ここにナスができるんだよね!?」
にこ「そーよ。順調にいけば二週間から四週間後には実ができるわ!」
絵里「もしかして受粉も…」
ことり「とりあえず様子を見て、難航しそうならお手伝いします♪」
花陽「ナスの花言葉は“つつましい幸福”そして“希望”…」
穂乃果「廃校を阻止して、つつましい幸福を守るための希望の花になるんだね!?」
真姫「どっちかっていうとナスの収穫自体が“つつましい幸福”って気もするけど」
希「いやいや、明日の食生活を支える希望や♪」
にこ「とにかく、ここまで来ればあと一歩よ。すべての株に花を咲かせて収穫を目指すわよ!」
ことのぞほのえりまきりんぱな「おーっ!」
海未(…でも、これが廃校阻止に繋がるのでしょうか?) 【七月四日】
希「なんと!?今日!ついに!」
ほのえりりん「えっ」
にこ「絹かわなすの!最大級!一個500グラムの巨大ナスが!?」
花陽「…!」ゴクリ
希「できませんでしたーww」
ことうみまき「えぇ…」
にこ「まあ、そこまでのはないけど収穫しましょ。なんたって今日はナスの日だからね」
花陽「何がいいかなぁ…焼きナス、漬物、お味噌汁に麻婆茄子…」
ことり「グレーテルも収穫できるみたいだよ♪」
絵里「本当に白いのね。不思議…言われなければナスだなんて思わないかも」
希「食べればわかるはずや。なんたって今日はナスの日やからね!」
穂乃果「ナスの日に自分たちで育てたナスが食べられるなんて…これはもう奇跡と言ってもいいよね!?」
真姫「なんでもいいけど、ナスの日って何なの?」カミノケクルクル
海未「あの…大変申し上げにくいのですが」
穂乃果「どうしたの海未ちゃん?そんなあらたまって…」
ことり「海未ちゃんも一緒に収穫しようよ♪」
凛「なんたって今日はナスの日だからにゃ♪」
海未「それなんですけど…ナスはナスでも、今日は那須野が原…栃木県の那須の日だそうです」
ことほののぞえりにこまきりんぱな「えっ」
亜里沙「Хорошо」
おわり まだ読んでる途中だけどナスのスペシャリストかなんか? こいつのssつまんないから嫌い
もちろん今回も読んでない たまに読むと面白いから忘れた頃にかけ
それよりもガラケーなの? 書きためるするならガラケーのがポチポチテンポ良さそう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています